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第612回 落語研究会 6/25

 6月25日(火)第612回 落語研究会 国立小劇場


今夜のTBS落語研究会、主任は雲助師『もう半分』。
仲入は生志師『紺屋高尾』。
他に龍玉師、馬るこ師、らっ好さん出演と触れられております。


◆三遊亭らっ好 『やかん』
好楽師の一番弟子である好太郎師のお弟子さん。
長崎県出身で父上は海上自衛官。長崎大学工学部出身と自己紹介。
歯切れのよい口跡。声も良し。高座姿も綺麗で華やか。今後が楽しみな雰囲気。
客席を大いに温めて下がりました。

◆蜃気楼龍玉 『もぐら泥』
二本目は若手真打が十八番を引っさげて登場 ^^
先月の三朝師、今月の龍玉師。この辺の人達がどんどん活躍して欲しいなぁ。

泥棒の目配り、主人の怪訝な表情、女房の驚く様子、酔っ払いの崩れ加減、その後の変化等、見せ場見せ場で四人の登場人物を鮮やかに造形、それぞれを生き生きと見せてくれました。
また暗闇の表現が実に好かったなぁ。文句なし。
好高座。

◆立川生志 『紺屋高尾』
長めの枕から本編へ。
持ち時間は45分の筈ですが、一時間近く演りましたかね。
毎度毎度、無駄話が長過ぎますねぇ、生志師は。
本編は好い出来なのに『長かったなぁ』という印象になってしまいます。

~仲 入~

◆鈴々舎馬るこ 『糖質制限初天神』

◆五街道雲助 『もう半分』
つまらなそうにお愛想を言っていた煮売り屋主人、爺が忘れていった汚い風呂敷包みを検め、中が五拾両と知った刹那は “善人” だったのですが女房の囁きで悪心が沸々と湧いて行く、その表情の変化が素晴らしかった。
その後は夫婦を徹底的に悪人描写。
自ら『殺ってくる』と出刃を持ち駆け出す主人。
修羅場は鳴り物入りの芝居掛かり。
客席が予期していなかったのでしょう。七五調の科白が始まった折に若干笑いが起きました。
たっぷりと芝居をして後は地の語り。そして怪談へと展開。
客席は、その冷静な語り口調に引き込まれます

私、雲助師の『もう半分』は何度も聴いておりますが、ある時 “煮売り屋夫婦の悪人描写が不完全で、爺の祟りの現実味が薄まっちゃったなぁ” と感じた事がありました。
今夜は夫婦を “物凄い悪人” に仕立てましたね。目付きと言うのか目配りと言うのか “眼の芝居” が実にお見事。
傑作。名演。


跳ねて “うむ、雲助師と龍玉師が実に好かった” と呟きつつ家路へ。満足。


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国立6中夜 6/14

 6月14日(金)国立演芸場 夜席


国立演芸場 6月中席四日目。今席唯一の夜席。
主任の寿輔師がお目当て。他の顔付けが全く判らない段階で予約しました。


◆三遊亭あんぱん 『浮世根問』
帰宅して調べましたら笑遊師のところの前座さんなのですな。
燕路師匠を若くした様な面立ちで声も似ています。
“あんぱんという名前に身体がついてきて丸くなりました”

◆三遊亭遊里 『堀の内』
今夜は代演が何本かありますが、三人で廻す二つ目枠もプログラムにはない遊里さんが勤めました。
小遊三師門下。
顔を洗う際には蛇口を捻り、湯屋で洗うの羽目ではなくタイル。現代風味の『堀の内』

◆林家喜之輔 紙切り
仲入の右左喜師匠の実子ですね。
相当修練を積んだであろう鋏試しの “騎馬武者” と父親の高座名から連想される “兎” (二羽の兎が餅つき)以外は『紙切り』という水準じゃぁないけれども、喋りはそこそこ上手。
御贔屓が大勢いらっしゃる様子で、作品を受け取ったお客様全員が祝儀を切っていました。
祝儀を受け取る度に繰り返し発する “これがあるからやめられない” を聴きたいのかな?
騎馬武者~ジロリ(浅草演芸ホールの飼い猫)~ラグビー~兎~ゴジラ

『腕があっても客あしらいが上手ではない、ってのと、愛嬌のある喋りだが腕は根っきり葉っきりなのと、どちらが良いのかなぁ』なんて考えちゃいました ^^;

◆古今亭今輔 『甲子園の魔物』
『死神』からの着想と推察される高校野球物の新作。
私の様な野球好きは大いに楽しむ事が出来ました。
近年、野球よりサッカーだったりスケートボードだったり観戦も多様化していますからねぇ。
題材が野球ってだけでやや懐古趣味的な印象を持つ方もいらっしゃるかも知れませんが・・・。
愉快な一席でした。

◆小泉ポロン 奇 術
こちらは山上兄弟の代演。
相変わらず不思議な雰囲気でしたが、少し現実に寄せて来ているのかな。お開きに “積み根多” と呼ばれる、買ってきてもどうにも披露のしようのないマジックを連続して演り、客席を大いに笑わせてくれました。
いつまでも “不思議魔女” では辛いものなぁ。年齢的に。
怪演。 ^^;

◆三遊亭右左喜 『竹の水仙』
本来は膝前の出番ですが、小文治師と入れ替わりました。
『芸協だなぁ』って感じの高座。

~仲 入~

◆三遊亭円雀 『読書の時間』
喰いつきは浪花節の玉川太福先生でしたが、代演が立ちました。

活字離れの風潮で子供が本を読まないので、学校で読書の時間を設けたという実話(?)からの着想。
父親が官能小説を “龍馬が行く” の表紙にすり替えて本棚へ入れておいたばっかりに・・・
惚けた雰囲気で好演でした。

◆桂小文治 『酢豆腐』
こちらは本寸法。
矢来町型。
入りの速度感が素晴らしく、小気味よい江戸弁が冴えていました。
また伊勢屋の若旦那の気障加減が絶妙ですね。
久方振りに好い『酢豆腐』を聴いた気がします。
今夜は膝前ですが本来の出番は仲入。
『主任が二本』てな贅沢気分。
好高座。

◆チャーリーカンパニー コント

◆古今亭寿輔 『天狗裁き』
七色の模様をあしらった黄色い着物で登場。
枕はお約束の脱力系。
一通り客弄りを済ませ本編へ入りますと、声の質を替えて “名人モード” へ。
初手の女房そして隣人との速度感溢れる会話、家主の狡猾な雰囲気、素晴らしかったなぁ。
“東京地方裁判所八王子支部” と遊んだ奉行はやや略筆気味ながら、『あっ内田裕也!』と遊びを挟んだ天狗がまた絶品もの。
下げへの畳込みもお見事。
好高座。


跳ねてロビーでCD即売サイン会。
私も買い求めました。
二枚組のCD収録高座は、一枚目『死神』・『英会話』・『地獄めぐり』。二枚目は『竜宮』・『文七元結』・『代書屋』。
いずれも昨年2月浅草下席のライブ録音。

何か勘違いしているのか、芸人が下がる折に『出来ました!』だの『大当たりぃ!』などと大声を発しているお調子者がいて閉口しましたが(楊弓場でもあるまいし「大当たりぃ!」はないだろう)、高座は実に充実した良質なもの。
聴きに来て好かった、と独り言ちつつ家路へ。

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国立6上昼 6/10

 6月10日(月)国立演芸場 昼席


国立演芸場 6月上席楽日。
『今松師匠だからどこかで一日でも』と思いつつも時間を作れず、千秋楽に滑り込み。
土砂降りでしたが開演時四分程度の客席。今日の天候なら “満席相当” でしょうね。


◆林家彦星 『やかん』
不貞腐れているのか?って程の醒めた口調。
やや変わった味わいの前座さん。
不思議な魅力があります。面白かったですね。

◆初音家左吉 『素人鰻』
九月から真打、古今亭ぎん志襲名との事。おめでとうございます。
かつて『中々面白いじゃないか』と感じた時期もあったのですが、今日はお疲れ気味?
噺の後、踊って下がりました。

◆柳家喬之助 『引越の夢』
『菊志ん師が二本目かぁ』と何とも贅沢な気分でおりましたが、今日は代演喬之助師。
明るい高座。お似合いの噺でしょうね。

◆アサダ二世 奇 術
お元気で何より。
ハンカチ~紐~カード風船
“紐の結び目” いただきました ^^

◆五明樓玉の輔 『お菊の皿』
私、『玉の輔師の本気』ってぇのに出くわしたい願望があるのですが、土砂降りの今日はやや本気気味と感じました。
特に前半、最初に旧青山鉄山邸でお菊の幽霊に接し、駆け出して逃げ帰るまでは好かったなぁ。
この最初の場面(お菊が井戸からせり上がる)の鳴り物はぴたりと同期していたのですが、お菊が啖呵を切る場面で前座さんの手落ちがあり(玉の輔師、銅鑼が鳴らないので台詞を二回繰り返しましたがそれでも鳴らず、楽屋に顔を向け自ら “ボンッ” と切欠を付けました。それでようやく鳴りましたが・・・)、後半は流しちゃいましたね。

◆柳亭小燕枝 『小言幸兵衛』
私、小満ん師にも同じような印象を持つのですが、小燕枝師もまた小さな空間でこその芸でしょうね。
声を張らない、上下の振りは最小限、くすぐりはごく小声で演り、繰り返さない。
堪能しました。お見事。

~仲 入~

◆笑組 漫 才
ニックス代演。
初めて聴く根多。入門から今までの経緯などを面白おかしく演ってくれました。
豊先生喋り通し。
帽子なしも初見ですね。髪の毛薄いの知りませんでした ^^;

◆柳亭左龍 『棒鱈』
十八番を繰り出して客席を沸かせてくれました。
薩摩侍が巧い上に酔っ払いが上手。
言う事なし。好高座。

◆翁家社中 太神楽
傘~五階茶碗~土瓶~ナイフ
初見のお客様が多数だった様子。

◆むかし家今松 『品川心中(通し)』
死装束を整える場面を割愛しましたので “こりゃ通しの心算なんだな” と推察出来ました。
私とすれば歓迎です。
味わい深い一席。


帰り道、丸の内署~国交省の坂がまるで川。
いつもの倍近い時間を掛けて帰宅。


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第611回 落語研究会 5/29

 5月29日(水)第611回 落語研究会 国立小劇場


今夜の主任は歌武蔵師、『甲府い』。
仲入は小満ん師『樟脳玉』。
他に正蔵師、三朝師、小はぜさん出演と触れられております。


◆柳家小はぜ 『富士詣り』
随分以前に南喬師で、あと確か権太楼師で聴いた覚えがありますが、まぁ珍しい噺です。
小はぜさん、久し振りに聴きますが順調に歩を重ねている印象。
好演。

◆春風亭三朝 『やかんなめ』
十八番ですからね ^^
プログラムに長井先生が書いていらしたけれども、そうそう NHK新人落語大賞 の折も『やかんなめ』でしたね。
あれ、もう五年前なのかぁ。2014年10月27日、生で真剣勝負を拝見した貴重な体験だったなぁ。
今夜の『やかんなめ』も絶品ものでした ^^

◆柳家小満ん 『樟脳玉』
一寸調子を欠いた感じ。
下げ直前まで睡眠。

~仲 入~

◆林家正蔵 『四段目』
あまり眠いので仲入で帰ろうと思ったのですが “今帰るてぇと運転に支障出るかな?” と踏みとどまりました。
声が心地良かった小満ん師と違い、こちらの高座では寝ることも出来ず・・・^^;
まぁしかしまずまず好い出来でした。
蔵の中での定吉の芝居真似が子供のそれじゃぁなかったけれども・・・。
(まだ芝居見物が “発覚する前” は、ちゃんと子供らしい芝居真似だったのだから辻褄が合わない。構成を見直して演るべきでしょうね。)

◆三遊亭歌武蔵 『甲府い』
大相撲五月場所の “解説” を面白可笑しく。
私、歌武蔵師の高座は好きなのですが、大体本編よりも漫談風味の枕の方が面白いンですよね。
今夜は本編も中々の出来。
ただ甲州から出て来たにしては余りにも田舎者の善吉に若干違和感を覚えました。


跳ねて “三朝師と小はぜさんが好かったな” と独り言ちつつ家路へ。

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鈴本5下夜 -馬石長講十夜- 5/28

 5月28日(火)鈴本演芸場 夜席 -馬石長講十夜-

「馬石長講十夜」、その八日目へ、独りふらり。
今夜の根多は『山崎屋』。
トランプさんの影響で都内は車だと面倒そうなので、珍しく電車で参上。


入船亭扇ぽう 元犬
古今亭駒治 鉄道戦国絵巻
鏡味仙三郎社中 太神楽曲芸 
桃月庵白浪 だくだく
入船亭扇遊 一目上がり
ロケット団 漫 才   
柳家小ゑん フィッ
五街道雲助 ずっこけ

~仲 入~

柳家小菊 粋 曲 
林家正楽 紙切り
隅田川馬石 山崎屋


◆扇ぽう 『元犬』
初手は早口で語尾がはっきりしなかったのですが、口入屋(上総屋だったかな)と出会った辺りから落ち着いて来ました。
中々面白かったですね。

◆駒治 『鉄道戦国絵巻』
古今亭志ん五師代演。
物凄い速度感。超特急で客席を温めました。

◆鏡味仙三郎社中 太神楽曲芸
仙四郎先生の傘、仙成さんの五階茶碗、仙三郎先生の土瓶。
お開きに花笠の取分け。
仙成さん、巧くなったなぁ。

◆白浪 『だくだく』
先ずは二つ目昇進の自己紹介。おめでとうございます ^^
私の当て推量ですが、素人時分にひしもちさん(改メ白浪さん)は、白酒師の『だくだく』を聴いて “自分もこれを演りたい” 、と入門を決意したのではないかしらん。
師匠直伝の『だくだく』、白浪さん風味も巧く発揮出来ていました。好高座。

◆扇遊 『一目上がり』
明るい調子。流石というところ。

◆ロケット団 漫 才
安定しています。客席爆笑。
しかし倉本先生、痩せたなぁ。

◆小ゑん 『フィッ』
“この芝居は定連さんが多くいらしていて・・・いつも同じ席に同じ服装で座っていらっしゃる”
“こっちが毎日根多を替えているのだから、服ぐらい替えて来ちゃどうかと思うンですが・・・” と笑いを誘って本編へ。
面白かったなぁ。大受けしていました。好演。

◆雲助 『ずっこけ』
“この(前方の)大騒ぎ、大爆笑の次にどんな入り方をするのだろう?” と興味深く思っておりましたが、何も無かったかの様に普段通りの入り。
酔払い百態の枕からずっこけへ。
凄味すら感じられる高座。名演。素晴らしかった。

◆小菊 粋 曲
華やか。少し喉をやったのか声の勢いがいつもより無い感じ。

◆正楽 紙切り
鋏試し宝船。炉端焼き~紫陽花~船弁慶~花魁
紫陽花、傑作だったなぁ。
お開きの “花魁” の 時、 “井上陽水” との声も掛かったのですが、時間の関係もありまた主任根多との関わりも考慮したのかな?花魁を選択しました。

◆馬石 『山崎屋』
どう整理をつけて構成するのか興味津々でしたが、枕で巧く仕込みました。
若旦那が絶品。
番頭の造形が若干雑な感じではありましたが、よく纏まった出来でした。
長講45分。


跳ねて傘の要らない程度の降りの中、御徒町駅へ急ぎ足。

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プロフィール

喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)

Author:喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)
喜洛庵寄席桟敷へお越しいただきまして、ありがとう存じます。
寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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