第595回 落語研究会 1/24

 1月24日(水)第595回 落語研究会 国立小劇場

平成30年最初のTBS落語研究会。
今夜の主任は権太楼師『藪入り』 、 仲入は扇遊師『三井の大黒』。
他に歌武蔵師、馬治師、そして小太郎さんの出演と触れられています。

月曜の雪がまだ融けきっていないところへ持ってきて「低温予報」でしたので
『雪融け水が凍るという事もあるだろうしなぁ』と電車移動。
私、初めてです。国立劇場に電車で参りましたのは。
思いの外時間がかかり小劇場へ飛び込んだ途端、ロビーに予鈴が響きました。
洗面所へ寄って後、慌てて着座。同時に緞帳が上がる。
ぎりぎり間に合いました ^^;


◆柳家小太郎 『時そば』
辞儀をして顔を上げ両手でVサイン。
余程緊張していたのでしょうね。

掴みの「二つ目の苦労話」の中で、飲み屋さんでの落語会風景を喋っていましてこれが中々面白い。
『どうした訳か高座の後ろにもお客様がいらっしゃって・・・』と実際に後ろ向きに(つまり金屏風の方を向いて)御隠居と八つぁんかな?遣り取りを演ってくれました。
こういうの初めて観ましたねぇ。

随分以前に鈴本で故圓蔵師が『今日のお客様は聴き上手だから気分が良くなっちゃた。胡坐掻いちゃお』と、実際に胡坐になったのですが客席が全く反応せず静まり返ってしまい、慌てて座り直したのを目撃したことがありますが、私にとってはそれ以来の「珍事」でした。
受けていましたけれども・・・。
よく噺家さんの言う『名前と顔だけは覚えて帰っていただきたい』を『身体で表現』しましたね。
覚えました、私。

本編は初手から二人組登場の上方型。言葉は関東弁に置換。
NHKの朝ドラを意識したのかな?
まずまず。

◆金原亭馬治 『棒鱈』
期待しておりましたが・・・
掴み無し枕も短めだったので、ひょっとすると時間が押したのかも知れません。
何か『演者の温まり具合』が足りない感じがしました。

先ず酔態がぐだぐだ過ぎて “絡み酒” というより “酒乱” 。
この方が正確なのかも知れませぬが、愉しくないのですよ。
どこか愛嬌を残した酔い方にしておかないと “落語を聴きながら眉を顰める客席” になってしまいます。

薩摩侍も “武士の威厳全くなし” 。
“二本差している百姓” の造形。
私、泥顔の面々が畦道で車座になり一杯呑っている様な情景しか浮かびませんでした。

酒席に同席の女将や芸者連中も全く描けていないし、本当にどうしちゃったのだろう?
馬治師らしくない高座でした。

◆入船亭扇遊 『三井の大黒』
こちらも期待の一席。扇遊師の十八番ですからね。
ちと “硬い感じ” がいたしましたが、まずまずでした。
ただ何かこう、いつもの様ではなかったですねぇ。会話の遣り取りの調子とかが。

~仲 入~

◆三遊亭歌武蔵 『後生鰻』
本編よりも最初に喋った「相撲協会の内幕」の方が抜群の面白さ。
澱んだ雰囲気の客席を明るくしてくれました。

◆柳家権太楼 『藪入り』
最初から最後まで泣き通しの登場人物三人。
普通に演れば “貰い涙確実” な噺ですが、会話が殆ど全て泣きながらなので「何を言っているのか良く解らない」のです。
これでは涙も笑いも客席にもたらしません。

演出は凝ったもので、亀を奉公へ出す場面(ここで先ず父母息子が涙、涙・・・)から始まり、下げも「孝行」と「香々」を掛けた独自のもの。
亀の『鰻や天麩羅じゃなく、おっ母さんの炊いてくれたあったかいおまんまに、おかかをたっぷり掛けて玉子と醤油と・・・・』を受けての母親の『お前さん、ほら!おかかだョ!』だとか、良い場面が散見されましたのに、ちと消化不良の気味。

権太楼師のことですから、磨き直してくれるとは思います。
近々傑作に巡り会えれば嬉しいなぁ。


跳ねて今夜は “我らが棟梁” たる S さんと “研究会後の初呑み会” 。
午前中、電車移動を決心した刹那、私がmailで S さんにおねだりして時間をとっていただきました。
佳いお店、美味しいつまみ、素敵な会話につい時を忘れ、呑む前に自ら宣言していた “席を立つ時刻” を大幅に過ぎてしまい慌てて駅へ。
幸いすぐに来た電車に乗車着席し『今日はどうも行きも帰りも忙しいねぇ』など独りごちながら家路へ。

S さん、どうもありがとう存じます。
何とか間に合いまして無事に帰宅致しました ^^



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第143回 柳家小満んの会 1/22

 1月22日(月)第143回 柳家小満んの会 吉野町市民プラザ

平成30年(2018年)喜洛庵寄席始めは吉野町、柳家小満ん師独演。
いつもの様に鑑賞歴の長い友人を誘って二人連れ。
今夜は小満ん師『火事息子』、『花筏』、『お楠物語』と触れられています。


◆金原亭駒六 『道灌』
好い意味で前座さんらしい高座。
今夜の大雪に因んでか、きちんと深草少将百夜通いから始めてくれました。

◆柳家小満ん 『お楠物語』
『今夜はまた風流人がお集まりで・・・』と世辞で笑わせておいて、横浜に因んだ回文を幾つか披露。
「みなと きてき と なみ」
「とおのね ふるさと さるふねのおと」
「ほら しらほ」
本編は写真で有名な下村連杖の書いた浄瑠璃を下敷きにした小満ん師の新作。
今夜ご一緒の友人は元々写真家とあって、開演前に(案内葉書に連杖作「横浜開港奇談」より「お楠 子別れの段」と紹介されておりましたので)『連杖って馬車道で写真館をやっていたんだけどなぁ』と懐かしそうに語っていたのですが、物語はその馬車道へ移る前、野毛坂で写真館を開いていた当時を題材にしていた模様。
野毛坂の大きな楠の精がすなわち「お楠さん」。
遺言を蓄音機で録音したり、文明開化の香りのする一席。
横浜生まれ横浜育ちの友人と私にとっては、中々興味深くまた印象に残る物語でした。

◆柳家小満ん 『花筏』
この一席で印象的なのは『明日花筏と一番取る』と言う千鳥ヶ浜に意見する父親の言葉。
母親の『お相撲取りは河豚の様なお腹で・・・』を引取り父親は『蒲団で相撲を取る訳でもあるめぇし・・・腹が膨れて堪るかョ』
ここ笑ったなぁ。
枕の蔵前時代の相撲風景。益荒雄や富士桜、戸田などの挿話もまた懐かしく楽しかったですねぇ。

~仲 入~

◆柳家小満ん 『火事息子』
臥煙になった息子は割合と略筆で、むしろ父母の息子への情愛に重きを置いた演出と感じられました。
お父っつぁんが息子と再会する場面が大迫力。
怒りながらも(顔を見たいものだから)『もっと前へ出ろ。明るい所まで出て来い』と震え声。
感動したなぁ。
この臥煙の藤三郎は定火消ですが、その定火消を仕込ながらの大名火消、町火消の解説を盛り込んだ枕がまた小満ん師匠らしい蘊蓄沢山のもの。
『神田の「よ組」ってのが一番幅を利かせておりまして、これは本丸火消とも申しましていざ江戸城に火がと言う折に、よ組だけが城内に入れたという・・・』なんて小満ん師の言葉を聴きますと、客席の此方は途端に「江戸時代後期」あたりへ瞬間移動してしまう感じ。
面白かったですねぇ。


跳ねて「深草少将」よろしく友人と二人、新雪をさくさくさく。
たまたま同じ靴屋同じモデルの登山靴を履いておりましたので
『靴はお揃いですが兄弟じゃぁありませぬ』など言い合いながら地下鉄吉野町駅。

次回の横浜小満んの会は3月19日(月)。
小満ん師『家見舞』、『お茶汲み』、『花見の仇討』とのこと。
『是非3月も一緒しようぜ』と互いの家路へ。


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さん喬・権太楼二人会 12/29

12月29日(金)さん喬・権太楼二人会 新宿末広亭

暮れの恒例、末広亭余一会・夜の部。
I さんからのお誘いに『こんなプラチナチケットを・・・』と嬉しさ一杯で新宿末広亭へ急行。
座席に着くと甘栗の袋。
『おお?』と思いましたが、これは “厚生大臣” N さんのお気遣い。今回のチケットも N さんの御努力の賜物。
感謝!


◆柳家寿伴 『雑排』
良い調子で進めていたのですが、どうした訳か着替え前の権太楼師匠が突然登場。
『うん、うん、好かったョ。だけどさぁ今日さん喬師匠が “掛取” を根多出ししてんのョ。それが附くのョ。降りて高座返ししなさい』と寿伴さんを抱きかかえながら諭す。
そこへこれまた洋服姿でさん喬師匠登場。
寿伴さんの頭を軽く撫でて『俺、権太楼師匠に言われるまで気づかなかったョ』
成程、狂歌と俳句が附く訳ですな。

権太楼師がピンクのセーターに黄色いズボンと “フラワーチルドレン風” なのに対し、さん喬師は “ほぼ黒尽くめ” 。
対照的な私服姿もまた一興。

◆柳家ほたる 『元犬』
『まだ羽織を着ておりませんでしたので・・・』と些か慌て気味の登場。
最初は息も上がっていた様子でしたが、次第に落ち着きを取り戻しました。
ひたすらに明るいシロ(只四朗)に好感。面白かったなぁ。

◆柳家さん喬 『天狗裁き』
ちょっと “演者の温まり方が足りない” 高座と思われました。
一席目ですので、努めて地味に演られたのかも知れません。
しかし奉行、天狗の場面では温まって来たか、やや持ち直した印象。

◆柳家権太楼 『不動坊火焔』
文句なし。
お滝さんを迎えると決まった吉つぁんの喜び様が尋常ではなく、もう気も狂わんばかりという感じ。
観ているこちらまで嬉しくなりました。
『この歓喜の表情と口調を継ぐ演者はもう現れないだろうなぁ。しっかり観ておかなければ・・・』と思わせてくれます。

屋根上のどたばたも “権ちゃんならでは” の滑稽描写。
『隣町まで行って並んで買ったのに!』に大笑い。
恐れ入りました。

~仲 入~

◆柳家権太楼 『佃祭』
袴姿に着替えて上がって来て『これじゃ早く終わっちゃう』と困った表情。
『本当は蛙茶番を演ろうと思ったのですが、15分ですし・・・』
と “さん喬・権太楼二人会” の成り立ちなど思い出話をしながら演目を考えている様子。

『船頭さん!』といきなりの切り出しから本編へ。
登場人物全員が、はっきりくっきり浮かび上がる名演。
いきなり決めてこの大出来の高座、流石だなぁ。
“名物” の “与太郎の悔み” で、私落涙しました。凄かったですねぇ描写力。
佳いものを観ました。素晴らしかった。

◆翁家和助 太神楽
この人は後見も大夫も独りでこなしてしまう上に芸が凄い。
土瓶回しなど “日本一” と言って差し支えないでしょう。蔓立てなど他で観たことがありません。
この高座での客席の驚き方から『今日は案外と “普段は寄席に馴染みのないお客様” が多いのかな?』と感じました。

◆柳家さん喬 『掛取万歳』
最初の “狂歌” で “初雪や二の字二の字の下駄の跡” と挿入したのは “附いた事” を説明してくれたのかな?
狂歌~浄瑠璃~芝居~喧嘩~三河万歳。

狂歌で、菅原伝授手習鑑の科白の遣り取りの前の仕込みを飛ばしてしまうインシデントがありましたが、大勢に影響せず。
芝居は相変わらず絶品もの。
如何にも “素人が芝居真似を演っている感じ” が出ているのがさん喬師匠の特徴ですね。素晴らしかった。
三河万歳でお目出度くお開き。お見事。

三本〆の音頭は来秋真打昇進のさん若さん。
些か戸惑いながらも大声を発し〆てくれました。


跳ねて棟梁の S さん、チケットを手配下さった N さん、お誘い下さった I さんと四人で居残り会。
普段車移動が多く居残り会をサボり勝ちの私も、今日は電車なので大いに呑みまた食べ帰宅はちょうど12時。
いやぁ落語もお喋りも堪能したぁ!

S さん、 N さん、 I さん、ありがとうございます。
感謝、感謝。


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第594回 落語研究会 12/26

12月26日(火)第594回 落語研究会 国立小劇場

今年最後のTBS落語研究会。
今夜の主任は市馬師『御慶』 、 仲入は先だって襲名された小南師『菜刀息子』。
他に一之輔師、夢丸師、そして駒次さんの出演と触れられています。


◆古今亭駒次 『鉄道戦国絵巻』
来年9月に真打昇進とのこと。おめでとうございます。
寄席でもよく掛けている一席。
お見事でした。

◆三笑亭夢丸 『三下り半(清水一朗作)』
うむぅ。
かつて文朝師匠が演った演目との事。
真面目な風貌、流れない口調の “文朝師匠なればこそ” の噺でしょう。

◆桂 小南 『菜刀息子』
めくりの “桂 小南” が懐かしく、また眩しい。
芸術協会は名跡の継承に熱心ですねぇ。
尚演目は『ながたな』ではなく『ながたん』と読ませます。

この噺は先代の柔らかい語り口調ならば・・・という印象。
熱演でしたが当代の独特な口調に馴染めず聴きだれしました。

~仲 入~

実は聴き飽きが来て仲入で帰宅する心算でロビーへ出たのですが、行き会った S さんの『これで帰っちゃあ興が無いョ』との言を受け、思い直して再び着席。

◆春風亭一之輔 『尻餅』
本来 “破礼噺” なのでしょうが、一之輔師らしく面白可笑しい高座。
枕のクリスマスの話、夫人の『貴方の御両親もサンタクロース信じていたのよ』には大笑い。

◆柳亭市馬 『御慶』
客席の集中を高めようとしたか、今夜の演目を巧みに噺へ取り込みながら演ってくれました。
富に当るまでの前段の方が面白かったなぁ。
“御慶!” の挨拶の滑稽さはいま一つ。


前半のだれた感じを引き摺ってしまい最後まで集中出来ず・・・
残念な〆となりました。
研究会とは言うものの、寄席同様に流れを考慮して番組を組んで欲しいですなぁ。

『来年度はどうしようかなぁ・・・』などぼんやりと考えつつ家路へ。


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鈴本12中昼 12/12

12月12日(火)鈴本演芸場 昼席

昨夜ご一緒した鑑賞歴の長い友人から朝9時に急な電話。
『年末の講釈はともかくさぁ、今日がぽっかり空いちゃったのよ、今日の鈴本はどんなんだい?』
あれこれ調べて『じゃ昼席にするか』と “緊急発進” 。
築地場内で男二人 “牡蠣ラーメン” の昼食後、鈴本演芸場。


前座さんには間に合わず小辰さんの途中から
◆入船亭小辰 『金明竹』
面白くなったなぁ。
お内儀さんが絶品もの。

◆鏡味仙三郎社中 大神楽曲芸
仙三郎、仙志郎、仙成の三人。
仙成さん、撥を落とすも『一旦(床に)置くことになっております』
成長しました^^

◆入船亭扇蔵 『真田小僧』
うむ、まさに寄席の芸。軽~い感じで。
お見事な高座でした。

◆古今亭菊之丞 『元帳』
浅い時間に芸達者が登場。
矢張り巧いねぇ。
お家芸を “酒好きらしく” 上手に演ってくれました。

◆ロケット団 漫才
いつも乍らの根多ですが、面白いねぇ。

◆鈴々舎馬風 世相漫談
いつもに増して切れの鋭い世相漫談。
こういう時事根多満載の高座に接しますと『流石だなぁ』と再認識させられます。
好高座でした。

◆柳亭市馬 『時そば』
努めて軽く演った感じ。

◆江戸家小猫 ものまね
地の喋りが抜群に巧くなりましたねぇ。
ものまねは以前から素晴らしかったので、今後楽しみですなぁ。

◆柳家権太楼 『掛取』
入り方が『掛取』らしくなかったので『おっ、二日続いて小さん師門下の “言訳座頭” か? ありがたや!』と早合点しましたが、『掛取』へ。
“薪屋の喧嘩” 場面のみの『掛取』。
良い喧嘩だったなぁ。

~仲 入~

◆すず風にゃん子・金魚 漫才
金魚先生、クリスマスツリーお見事。
お久し振りだったのですが、にゃん子先生『私も結婚しようと思ってさぁ~』に(座席が二列目だったからかなぁ)違和感アリ^^;

◆入船亭扇辰 『お血脈』
寄席の定番、十八番を披露。
巧いねぇ。

◆柳家はん治 『粗忽長屋』
おぉ、古典を演ってくれました。
面白いなぁ。
“はん治節” 炸裂。お見事。

◆アサダ二世 奇術
ハンカチ~縁の紐~カード当て(カードピストル)
お元気で何より。
見事に騙されました。

◆入船亭扇遊 『お見立て』
雲助師からでしょうね。
寄席の尺に縮めながら、素晴らしい速度感で好演。
面白かったなぁ。


跳ねて『寄席も軽くて好いねぇ~』などお喋りしつつ、酒悦とうさぎや、そして何故か中田商店にまで足を伸ばした後に家路へ。
あぁ愉快々々。


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プロフィール

喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)

Author:喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)
喜洛庵寄席桟敷へお越しいただきまして、ありがとう存じます。
寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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