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鈴本余一会 雲助一門会 7/31

 7月31日(水)鈴本余一会 雲助一門会 -廓と四宿の巻- 鈴本演芸場


7月の鈴本余一会は昼席がホンキートンク、夜席は五街道雲助一門。
予約時に『今後観る事が叶わなくなるホンキートンク先生の昼席も・・・』と逡巡しましたが・・・。
私、昨晩が “居残り会” 。今夜は此方、明晩はスターナイト観戦。
『大体にして予定が混み過ぎているなぁ』と昼席は断念しました。
いやこの雲助一門会ですら、定刻にすんなり鈴本チケットサイトへ入場出来ず、良席が取れなければ購入しなかったかも知れません。

閑話休題・・・『指定席だから楽だなぁ』と、のんびり鈴本演芸場。立ち見のお客様もいらっしゃる盛況。


◆桃月庵こはく 『子ほめ』

◆蜃気楼龍玉 『首ったけ』

◆隅田川馬石 『居残り佐平次』

~仲 入~

◆桃月庵白酒 『徳ちゃん』

◆五街道雲助 『藁人形』


こはくさん。白浪さんに出番を譲る心算だったと “告白” 。一所懸命の高座に好感。
譲られ損ねた白浪さんは太鼓番で頑張っていました ^^

龍玉師、粋と野暮の遊びの世界を上手に描写。 “俺は粋なんだ” とまさに “粋がっている輩” が毟られるンですな。
また今夜は特に “人間が描けている、活写が巧み” と感じました。刻々と変化する感情の襞を表現出来るから共感するのだなぁ。

馬石師の『居残り佐平次』、初聴かな?下げを代えて演っていました。前半の “佐平次のはぐらかし” もまたお見事。好高座。

白酒師は今回の企画について言及。
“四宿だって言っているのに龍玉が『首ったけ』だと言うから四宿にならなくなっちゃって「廓と四宿」に余儀なく変更・・・” との事。
本編でも客席は爆笑の渦。凄みすら感じさせる高座。

雲助師は西念が甥に語るお熊への恨み事を糸に乗せて七五調の芝居掛で。 “何かの手違いで大遅刻して、ここだけを聴いたとしてもおそらくこの場に居て好かったと思うだろう” と感じさせてくれる素晴らしい芸を披露してくれました。

出演の皆さんが常にない丁寧な紡ぎを心掛けたなぁ、という印象。
雲助師が下げた後、全員を高座へ招き入れ客席に辞儀をして跳ねました。
この時、21時を15分ほど廻っていましたか? “えっ、もう9時過ぎなの?” という印象。

うむ、流石雲助一門。
大満足。


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白金寄席 真夏の怪談 7/24

 7月24日(水)第185回 白金寄席 -真夏の怪談- 白金いきいきプラザ


体調が戻らぬので自重しようかと悩みましたが “手作りの会の予約をキャンセルするのはなぁ” と駅へとぼとぼ。
プラットホームでもまだ逡巡しておりましたが思い切って電車へ飛び乗りました。

寿輔師の芝居の時だったかしらん。国立演芸場で “神田松鯉、蜃気楼龍玉” と大書したチラシを手に取り、帰宅後に電話連絡をして予約をした “白金寄席” 。
昭和37年に始まった歴史ある地域寄席との事。
予約連絡も個人携帯へと言う大らか且つ簡便なシステムで、ご近所の有志が手作りで運営されている風情。
名乗って『前にもいらっしゃいましたョねぇ?』と問われた際には、思わず電話口で『巧い!』と言いいそうになりました ^^;

開演前に “その” お席亭がご挨拶。
松鯉先生人間国宝の話題、そして今夜の出演順など。
“一席づつだろう” と思っていた松鯉先生と龍玉師が『各々二席』と聞いて驚きました。
何はともあれ『真夏の怪談』、さぁ伺いましょう。


◆神田松麻呂 『寛永宮本武蔵伝~山本源東次』
尾張徳川家の剣術家、山本源東次を訪ねた武蔵。
面識もないのに『義兄弟の間柄』と取次の者に伝えるが・・・
松麻呂さん、山本源東次の男気を描いた物語を上手に演ってくれました。

◆神田松鯉 『天保六花撰~河内山宗俊 玉子の強請』
国宝登場に場内大きな拍手。
池之端の乾物屋上総屋へ病気見舞いの鶏卵を求めに来た河内山が・・・
重厚な口調。
私、自分がぐいぐいと物語に引き込まれて行きまして、何だか乾物屋の葦簀に身を潜め、一部始終を覗き見している様な気がしました。
『(講釈本の)立川文庫、あれは “たつかわ” と言うのがが本当なのだそうで・・・』
なんて蘊蓄もまた愉快。

◆蜃気楼龍玉 『真景累ヶ淵~豊志賀の死』
上がるなり『人間国宝の後じゃ演りにくい』と愚痴っていましたが、噺へ入ると一変。
この高座の迫力が物凄かった。
豊志賀を演る際の左目一眼の表情の作り方、喋り方。 “何かか乗り移ったのじゃないのか?” って感じ。

特に後半、豊志賀の看病にすっかり疲弊した新吉が、叔父の勘蔵宅へ息抜きに出る~お久と出くわし鮨屋の二階へ~お久の顔が腫物のできた豊志賀の顔にすり替わる~仰天の態で勘蔵宅へ~立てぬ筈の豊志賀が来ている~豊志賀を駕籠に乗せる~七軒町の隣人が豊志賀の死を告らせに来る~駕籠を改めると・・・・までの流れ、描写、凄かったなぁ。
またこの時の勘蔵と新吉の恐怖に満ちた表情、秀逸でした。
長講をだれさせることなく熱演。素晴らしい高座。

~仲 入~

仲入で脚を伸ばそうと立って歩こうとしましたら、Mさんがすぐ後ろにいらっしゃった。
『最前列なの?』、『最初、脇の椅子に席をとったンですが、若い方は座布団へと案内されまして』などとご挨拶。
終演後にお聞きしましたところ、こちらの席亭さんとはお友達とのこと。
『以前は500円だったのよ』。うへぇ。千円でもべらぼうな木戸なのに・・・

◆蜃気楼龍玉 『ざるや』
明るく演ってお開きに、といったところ。
お家芸を愉快に。

◆神田松鯉 『小幡小平次』
芝居絡みの読み物を。
当て推量ですが、今夜の客席へ松鯉先生ご自身の人生の一端を語っておこう、という意図があったのではないでしょうか。
役者時分のお師匠さん、中村歌門丈の話題(歌門丈の実父が二代目談州楼燕枝師)や役者の世界の激しい身分差などを紹介しながら本編へ入って行きました。
ここでも『役者の世界で旅興行へ出まして次の興行が決まらず、宿に引き籠ることを“鳥屋(とや)に就く”と言いますが・・・』
『この鳥屋と申しますのは花道の揚げ幕の奥の小部屋のことでして・・・』
他にも外郎売の長科白の話など蘊蓄沢山で嬉しかったなぁ。

本編に入りましても市川團十郎、生島半六、その妻おちか、小平次、そして太九郎といった登場人物を解りやすく整理して語ってくれました。
小平次の留守に懇ろになった太九郎をそそのかすおちかの媚態なども素晴らしかったなぁ。
いやぁ、恐れ入りました。
読み切りの僅か前に携帯電話が鳴ったのが惜しまれます。


跳ねて、慣れぬ胡坐で痛む股関節が伸びないかしらんと蹴とばす様に歩きながら、白金高輪駅へ。

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第613回 落語研究会 7/23

 7月23日(火)第613回 落語研究会 国立小劇場


今夜の主任は志ん輔師、『唐茄子屋政談』。
仲入は権太楼師『短命』。
他に小里ん師、たけ平師、歌太郎さんの出演と触れられております。

先週処方された風邪薬の副作用かな?
足元が覚束ない上に頭がはっきりしない
更に息を深く吸うと胸が痛い。
まだ気管が万全ではないのか?
微熱もあるので今夜は意識して遅刻。
たけ平師の高座から。


◆三遊亭歌太郎 『磯の鮑』

◆林家たけ平 『扇の的』
この高座も見送る心算でしたが、思いのほか早く到着したので入場。

無理に笑いを取ろうとしても蹴られるだけですよ。
滑りまくり。
客を自分へ注目させる事に拘り過ぎ。
淡々と噺を進めて注目されない程度の芸ではないでしょうに。
客いじりを止めて、噺に集中した方が却って受けると思うけれどもなぁ。

◆柳家権太楼 『短命』
ご隠居の “そこだ” の言葉に反応し、当てている座布団の縁を持ち上げて探す八五郎が愉快。
十八番ですからね。貫禄の一席。

~仲 入~

◆柳家小里ん 『一人酒盛』
こちらも安定した高座。
実に美味しそうに呑みますねぇ。
私、体調不良でここ十日間ほど禁酒していますので、 “帰宅したら冷やで一杯” と頭に浮かびました。
あぁ呑みたいなぁ。
好高座。

◆古今亭志ん輔 『唐茄子屋政談』
通し。
喋り癖が酷くなっていますなぁ。
スタッカートを利かせた様な、語頭を強調した喋り方。
地の喋りだけではなく、会話場面も同一の “ぶつ切り口調” なので、聴き取り辛いったらない。

以前はもっと情景が浮かぶ丁寧な描写だった気がするのですが・・・。
志ん輔師特有の映画的表現というのかなぁ、それが無くなっちゃったですね。
リズム、テンポが悪く、流れが感じられないのです。
映画じゃなくスライド映写だね、これじゃ。

志ん輔師匠は太鼓の名手と聞いていますが、太鼓の音色に例えると一打ち目は素晴らしい音なのに、連打だと乱れてしまい美しく聞こえない、と言ったところ。

吉原田圃に出てからの若旦那の回想場面だけが救い。
ここは滑らかな口調。これが続けば良いのになぁ。

小里ん師の後、私の周囲数人が席を立ちましたが、その方が賢明だったかもしれません。
矢来町の型で筋は追っているのですが(言葉もほぼ忠実になぞっていました)まるで別物。
残念な高座。
期待した私が愚かでした。


跳ねて “さっさと帰りゃこんな不愉快な思いをすることもなかったンだわな” など独り言ちつつ家路へ。





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鈴本7中夜 -蔵出し喬太郎作品集- 7/18

 7月18日(木)鈴本演芸場 夜席 『蔵出し喬太郎作品集』 - 引き出しの奥のネタ帳 -

喬太郎師主任興行八日目。
今日は浅い時間に左龍師登場。こちらも楽しみです。


林家八楽 子ほめ
柳家喬の字 たらちね
三増紋之助 曲独楽  
柳亭左龍 お菊の皿
古今亭志ん輔 夕立勘五郎
江戸家小猫  ものまね
春風亭一之輔 新聞記事
林家彦いち 遥かなるたぬきうどん

~仲 入~

ダーク広和 奇 術
入船亭扇辰 一眼国
柳家小菊 粋 曲  
柳家喬太郎 純情日記神保町編


◆喬の字 『たらちね』
改作版。
“土風激しゅうして・・・” を ”土橋亭里う馬師匠と三笑亭笑三師匠が・・・” というように地口のくすぐりに替えて面白可笑しく演ってくれました。

◆左龍 『お菊の皿』
初手の “お菊の幽霊” を細密描写。
これにより、下げの馬鹿々々しさが際立ちましたね。
見事な演出。好高座。

◆志ん輔 『夕立勘五郎』
賑やか。
客席を爆笑させました。
顔芸、私は止した方が良いと思いますが、今日の客席水準にはピタリって事かなぁ。

◆一之輔 『新聞記事』
この根多でこれだけ笑わせるのだから凄い。
ただ、ちと後半がだれたかな。くど過ぎた印象。

◆扇辰 『一眼国』
興行師の悪企みの表情と声が誠に巧く戯画化されていて、噺を解り易く単純化する効果を生みました。
好高座。

◆喬太郎 『純情日記神保町編』
ちょいとお疲れ気味の様子。
今日は八日目ですが九日目と勘違い。

自身の書店勤務時代の様々を枕に、甘酸っぱい印象の一席。
東京ホテトル音頭を主人公に唄わせる事で “告白の照れ隠しに意図的に賑やかにしている” 情景を上手に表現してくれました。
この噺、もっと頻繁に掛けても良い演目なのでは?。
好演。


跳ねて雨のぱらつく中を家路へ。

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鈴本7中夜 -蔵出し喬太郎作品集- 7/16

 7月16日(火)鈴本演芸場 夜席 『蔵出し喬太郎作品集』 - 引き出しの奥のネタ帳 -

特別企画公演六日目。
今夜は何が飛び出すかな?


林家八楽 穴子でから抜け
柳家小んぶ 新聞記事
三増紋之助 曲独楽  
春風亭一之輔 加賀の千代
柳家小平太 権助魚
林家楽一 紙切り
春風亭正朝 悋気の独楽
林家彦いち 熱血怪談部

~仲入~

ダーク広和 奇 術  
入船亭扇辰 田能久
柳家小菊 粋 曲    
柳家喬太郎 笑い屋キャリー


◆八楽 『穴子でから抜け』
酒の粕から穴子でから抜け。
二楽師門下、と自己紹介しましたので紙切りのお弟子さんでしょうね。
声が極端に大きくなったり小さくなったり、高座芸ではなく放送劇の様な感じでした。
まぁ本職じゃないのだろうし、仕方ないかな。

◆小んぶ 『新聞記事』
187cm、105kgと自己紹介。巨漢。
安心して聴くことが出来ます。独自のくすぐりや自虐根多も中々面白かったですね。

◆一之輔 『加賀の千代』
甚兵衛さんの造形が巧いなぁ。抜群の出来。
浅い時間の出番だと余計に技量が際立ちます。

◆小平太 『権助魚』
飯炊権助の造形が巧みですので、噺に引き込まれますね。
巧いねぇ。

◆楽一 紙切り
鋏試し横綱土俵入り~御神輿~相合傘~花火
犬を連れた夕涼みの男女二人に屋形船を添えた花火、傑作。

◆正朝 『悋気の独楽』
大失態。小平太師と丸つき。
初手の “焼餅は遠火に焼けよ焼く人の胸も焦さず味わいもよし” の客席反応で気づかなかったかなぁ。
“あれ?どうされました?” なんて言っていましたが・・・
十八番なので噺そのものの出来は良かったのですが、こりゃまずいねぇ。
楽屋から声が掛かるかとも思いましたが、或は前方の客席からでも・・・
誰か教えてあげれば良いのになぁ。

◆彦いち 熱血怪談部
鉄板根多を存分に。
仲入の持ち時間が短く感じられました。
素晴らしい速度感。好高座。

◆ダーク広和 奇 術
ビール瓶~浮く机~ファンカード
時間を見間違えたか、配分を誤ったのか、 “あれ?もう時間だ!” と下がりました。

◆扇辰 『田能久』
“全国の喬太郎ファンの皆さま、ご来場ありがとうございます”
『お血脈』かな?と予想しましたが『田能久』でした ^^;
流石の出来。

◆小菊 粋 曲
欽来節~都々逸~気前がよくて~品川甚句
10分程の高座。このくらいの持ち時間の方が充実していて、艶やかさが引き立つ感じ。

◆喬太郎 『笑い屋キャリー』
枕代りに今回興行の企画について説明をしましたが、それを聴くと今興行は新作で通す雰囲気ですね。

鈴本演芸場、最前列真ん中に陣取る “よく笑う白人女性” の正体はなんと “寄席芸人撲滅機関・鹿の穴” から派遣された工作員で・・・
今夜の流れを追いながらの楽屋落ち的展開やら、往年の名人の名を散りばめた “落語ファン向き” の一席。
“権助魚の後、どうして悋気の独楽を演るんだよ!” には大笑い。
“流れもぎりのお仙” の造形が途中から急に若返るのがまた愉快。
この噺はもっと頻繁に演っても良いのじゃないかなぁ?
評論家的な鑑賞姿勢への警句も含蓄されているし、定席でなら大うけ間違いないでしょう。
地方ホールですと微妙ですが ^^;


跳ねて『おっ、雨はあがったか』と夜空を見上げ、なぜか “私の青空” の歌詞、メロディが頭を過りました。
“『歌う井戸の茶碗』は今興行では演らないよな” 、など考えつつ家路へ。

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プロフィール

喜洛庵上々

Author:喜洛庵上々
喜洛庵寄席桟敷へお越しいただきまして、ありがとう存じます。
寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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