2012年 9月 鑑賞記録

9月
◯ 5日(水)睦会~扇遊・鯉昇・喜多八三人会  にぎわい座
◯ 8日(土)柳家さん喬独演会   にぎわい座
◯11日(火)桃月庵白酒独演会  にぎわい座
◯13日(木)桃月庵白酒と愉しい仲間たち  牛込箪笥区民ホール
◯14日(金)鈴本 夜席 秋の喬太郎まつり 四日目  鈴本演芸場
◯15日(土)鈴本 夜席 秋の喬太郎まつり 仲  日  鈴本演芸場
◯16日(日)鈴本 夜席 秋の喬太郎まつり 六日目  鈴本演芸場
◯17日(祝)鈴本 夜席 秋の喬太郎まつり 七日目  鈴本演芸場
◯19日(水)鈴本 夜席 秋の喬太郎まつり 九日目  鈴本演芸場
◯20日(木)鈴本 夜席 秋の喬太郎まつり 千穐楽  鈴本演芸場
◯21日(金)鈴本 夜席 古今亭志ん陽・古今亭文菊
           真打昇進襲名披露 初  日  鈴本演芸場
◯26日(水)鈴本 夜席 古今亭志ん陽・古今亭文菊
           真打昇進襲名披露 六日目  鈴本演芸場
◯28日(金)鈴本 夜席 古今亭志ん陽・古今亭文菊
           真打昇進襲名披露 八日目  鈴本演芸場
◯30日(日)鈴本 夜席 古今亭志ん陽・古今亭文菊
           真打昇進襲名披露 千穐楽  鈴本演芸場


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鈴本9下夜 志ん陽・文菊 真打昇進襲名披露 9/30

 9月30日(日)鈴本演芸場 古今亭志ん陽・古今亭文菊 真打昇進襲名披露興行

披露目はまだまだ続きますが、鈴本は今日が千穐楽。
楽日の主任は古今亭文菊師匠。

古今亭駒次 飛行機こわい
古今亭菊丸 子ほめ
ダーク広和 奇 術
古今亭志ん橋 間抜け泥
金原亭伯楽 味噌豆、小咄
鈴々舎馬風 漫談
大瀬ゆめじ・うたじ 漫 才
古今亭菊之丞 幇間腹
林家正蔵 漫談

~仲 入~

-真打昇進襲名披露口上-
馬風、伯楽、志ん橋、菊丸、志ん陽、文菊
柳家小菊 粋 曲
古今亭志ん陽 饅頭こわい
翁家和楽社中 太神楽
古今亭文菊 火焔太鼓

◆駒次 『飛行機こわい』
格安航空会社の飛行機でのどたばた。
面白い噺でしたねぇ。

◆菊丸 『子ほめ』
短縮版をさらりと。

◆志ん橋 『間抜け泥』
最初はこの『間抜け泥』で通すつもりはなかったのかも知れません。
『だくだく』か『転宅』へ行きたかったが、気が変わったのかな?
何かそんな感じがしました。

◆菊之丞 『幇間腹』
このあと浅草の主任があると言っていたけれども、無事に着いたかしら?
やや駆け足気味ながら、十八番を淀みなく演じて下がりました。

◆正蔵 漫談
時間は充分にあった筈ですが、何故か漫談。
仲入なので噺を聴きたかったなぁ。残念。

◆口上 上手より馬風、志ん橋、志ん陽、文菊、伯楽、菊丸。
司会は菊丸師。

◆志ん陽 『饅頭こわい』
流石にほっとした雰囲気。
まだまだ披露目は先が長いですから
ひとつ頑張って下さい。

噺の方は文句無し。
啖呵も威勢良く決まっていました。
与太郎を際立たせると、より笑いどころが増えるかも。

◆文菊 『火焔太鼓』
古今亭のお家芸を鈴本の楽日に掛けてきました。
お馴染みのくすぐりの幾つかを敢えて入れなかったのは
従来の写しではない「文菊の火焔太鼓」を構築しようという意欲からでしょうか?。
これからですね。


緞帳が下りて席を立つ背に、楽屋の手締が聞こえてきました

楽日らしい、ふわ~っとした雰囲気が実に居心地良かったなぁ~。
雨に濡れずに帰宅できたのも新真打の御利益かしら?

家人は志ん橋師『間抜け泥』が印象に残ったとの感想。
私は駒次さん『飛行機こわい』。

しかし今夜は『台風こわい』ですね。





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鈴本9下夜 志ん陽・文菊 真打昇進襲名披露 9/28

 9月28日(金)鈴本演芸場 古今亭志ん陽・古今亭文菊 真打昇進襲名披露興行

真打昇進襲名披露八日目。
今夜は志ん陽師が主任。

古今亭駒次 生徒の作文
古今亭菊丸 親子酒
翁家和楽社中 太神楽
古今亭志ん橋 だくだく
古今亭志ん弥 強情灸
鈴々舎馬風 漫談
昭和のいる・こいる 漫 才
柳亭市馬 目黒のさんま
林家正蔵 西行鼓ヶ滝

~仲 入~

-真打昇進襲名披露口上-
馬風、志ん弥、志ん橋、市馬、志ん陽、文菊
柳家小菊 粋 曲
古今亭文菊 猿後家
林家正楽 紙切り
古今亭志ん陽 井戸の茶碗

◆駒次 『生徒の作文』
今席で敢えて新作を掛けてくる勇気にまずは感心しました。
やや無理矢理感が残るけれども、駅名で綴る作文がなかなか愉快。
現代版「痴楽綴り方教室」ですね。

◆志ん橋 『だくだく』
きちんと丁寧な描写。
面白かったなぁ。

◆志ん弥 『強情灸』
横浜の「峯の灸」を据えてきた男が、
その様子の説明をする毎に、
いちいち見得を切る様が堪らなく愉しかったですねぇ。好演。

◆正蔵 『西行鼓ヶ滝』
十八番と言って差し支えありますまい。
表情豊かに登場人物を演じ分け、
客席を摂津鼓ヶ滝へ連れて行ってくれました。

◆口上 上手より馬風、志ん橋、志ん陽、文菊、志ん弥、市馬。
市馬師は司会役のみならず、相撲甚句で新真打を祝います。
志ん弥師の口上は、
圓菊師と文菊師の様々な逸話を中心に心温まるものでした。

◆文菊 『猿後家』
手の内ですね。
素晴らしい出来。
猿に似ている後家さんの表情が面白かったなぁ。
世辞で機嫌が良くなっていく様、「猿」の一言で途端に曇る表情、またそれに伴い上下する声、お見事。

◆正楽 紙切り
鋏試し相合傘(志ん陽師)、月見、志ん五師匠、ワイン、横綱
志ん五師に小言を言われ、頭を下げ畏まる志ん陽師。
志ん五師をよく写してくれました。懐かしさで胸いっぱいになりました。

◆志ん陽 『井戸の茶碗』
『今日九月二十八日は、私の二度目の師匠志ん五の命日。今夜は志ん五が大好きだと言っていたこの噺を。』
『麻布茗荷谷に住む紙屑屋の清兵衛さん・・・』と
古今亭のお家芸『井戸の茶碗』へ。

屑屋の清兵衛さんの表情がいいですね。
まるで志ん陽師に正直清兵衛が乗り移った様です。

高木作佐衛門の若々しさ、また武張った気負い、
千代田卜斎の、浪人暮らしながら武士の誇りは捨ててはおらぬという意気地、
師の丁寧な描写の積み重ねは
登場の各人物像を鮮やかに際立たせ、噺の蓋然性を高めていきます。

矢来町型(と言いますより、そもそも「志ん生師型」ですね)を踏襲し、ほとんどそのまま掛けてくれましたので当然なのですが
ところどころに志ん朝師が出てくるのがまた懐かしく、嬉しいですね。
好演でした。



今夜はいかにも寄席らしい見事な繋ぎだった様に思います。
菊丸師が十八番をかなりの短縮版で演じ
志ん橋師、志ん弥師がたっぷり。
馬風師、市馬師があっさり目で
仲入の正蔵師に後を託す、といった具合。
また今夜は色物さん含め出演の全員が好演の上、主役の二人もこの上ない出来。
志ん陽師、文菊師ともに、
抜擢昇進の面目躍如というところ。

今夜もまたいい芝居だったなぁ。
大満足。

良かった、良かったと独りごちながら家路へ。





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鈴本9下夜 志ん陽・文菊 真打昇進襲名披露 9/26

 9月26日(水)鈴本演芸場 古今亭志ん陽・古今亭文菊 真打昇進襲名披露興行

さぁ、新真打今夜はどの噺を掛けてきてくれるかしら。
真打昇進襲名披露の六日目へやって参りました。

桂才紫 子ほめ
古今亭菊丸 宗論
翁家和楽社中 太神楽
古今亭志ん橋 居酒屋
金原亭伯楽 味噌豆、小咄
鈴々舎馬風 漫談
昭和のいる・こいる 漫 才
古今亭菊之丞 町内の若い衆
林家正蔵 松山鏡

~仲 入~

-真打昇進襲名披露口上-
馬風、伯楽、志ん橋、菊丸、志ん陽、文菊
アサダ二世 奇術
古今亭志ん陽 道具屋
林家正楽 紙切り
古今亭文菊 妾馬

◆口上 上手から馬風、志ん橋、志ん陽、文菊、伯楽、菊丸。
司会は菊丸師。
馬風師が例の調子で明るい雰囲気を作りました。
(自身が会長時代に真打昇進させた噺家に言及していましたが、
洒落なのでここには書かぬことにします)
新真打が吹き出さないかなぁ?と観ていましたが、
流石にそんなことはなかったですね。

伯楽師の口上、初日と同じだったのですが
『今までと違い、演ずる噺のことであれこれと教えあうこともなくなる、
真打となれば互いに商売敵になるのだから』との言葉は
こちらへも沁みて来ますね。

◆志ん陽 『道具屋』
酒の粕から道具屋へ入りました。

与太郎と言えば
志ん五師の物凄いのを思い出しますが
志ん陽師の与太郎はもっと写実的。
『こんな感じの人、どこかに居るかもしれないなぁ』という与太郎さんです。
面白かったなぁ。

◆正楽 紙切り
鋏試し相合い傘(男性は文菊師を写して)、紅葉狩り、花魁(道中)、一本松、宝船

◆文菊 『妾馬』
八五郎の伝法な口調も小気味良く、とんとんっと噺を進めます。
前半の家主と八五郎の会話から面白かったですねぇ。

屋敷へ上がって、田中三太夫とのやり取り。
御前へ出て、殿様の言うことが理解出来ない八五郎、
また八五郎の口上が解らない殿様。
八五郎が三太夫からいちいち聞きますが、
その聞く声が大きくて三太夫が閉口する描写が素晴らしい。

この三太夫が耳を塞ぐ様な仕種(実際には塞がないが、耳元で大声を出されるので
嫌がる素振り)を強調するのは文菊師独特の工夫された演出では?
お見事でした。
この描写の強調によって、武士と職人の違いが鮮やかに浮かび上がりました。
また、八五郎が下品に落ちないのにも好感が持てます。

伝法な八五郎と畏まる三太夫、
そして鷹揚ながら風格漂う殿様を上手に演じ分け、
客席を噺の中へ連れて行ってくれました。好演。



披露目も仲日を過ぎ、口上もくだけた調子へ変わってきましたね。
志ん陽師も『初日は身体が震えるほど緊張しましたが、
今なんか記念写真撮ってから上がって来ちゃった』と
だいぶいつもの調子に戻って来た様子を伝えていました。

私も『普段の寄席だね、今夜は』といった感想。
いやぁ、今夜も楽しめたなぁ。





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鈴本9下夜 志ん陽・文菊 真打昇進襲名披露 9/21

 9月21日(金)鈴本演芸場 古今亭志ん陽・古今亭文菊 真打昇進襲名披露興行

前売発売直後に予定を立て、
鈴本での興行のみ四日間(志ん陽師、文菊師各二日づつ)購入しましたところ
これが見事に全て小三治会長の出演をよけていまして・・・

出演者の発表がない段階でしたから、仕方ないですね。

それはそれとして真打昇進襲名披露の大初日、勇躍と鈴本演芸場へやって参りました。

開場を待つ列に並んでいましたら、背広姿の新真打が連れだって歩いて来ます。
どうやら、列の最後尾でお客様のご案内をしているお席亭へ御挨拶されている様子。
列の中から「おめでとう」の声が掛かり、
外で並んでいるうちから披露興行の雰囲気が盛り上がります。

初日の主任は志ん陽師匠。

桂才紫 狸札
古今亭志ん輔 豊竹屋
翁家和楽社中 太神楽
古今亭志ん橋 穴子でからぬけ
金原亭伯楽 味噌豆、小咄
三遊亭圓歌 中沢家の人々
昭和のいる・こいる 漫 才
柳亭市馬 間抜け泥
林家正蔵 新聞記事
林家木久扇 彦六伝

~仲 入~

-真打昇進襲名披露口上-
圓歌、木久扇、伯楽、志ん橋、市馬、志ん陽、文菊

柳家小菊 粋 曲
古今亭文菊 七段目
林家正楽 紙切り
古今亭志ん陽 らくだ

緞帳が上がり、後ろ幕は鴬色の落語協会。

◆才紫 『狸札』
この雰囲気でさら口というのも大変だろうなぁ、と思いながら聴いていましたが
落ち着いて噺を進め客席を沸かせました。

◆志ん輔 『豊竹屋』
十八番を掛けて来ました。
一門の重鎮志ん輔師が浅い出番で全力集中の高座を務めてくれるのが、
新真打はじめ一門の後輩達には、なによりの良いお手本になることでしょう。

芸に厳しい師らしい緻密な高座に痺れました。好演。

◆志ん橋 『穴子でからぬけ』
馬鹿兄弟~馬鹿親子~酒の粕~からぬけ。古今亭の前座さんがよく高座に掛ける噺です。

協会のHPによりますと
志ん陽師匠の初高座は一九九九年十一月一日、当鈴本演芸場でこの『からぬけ』。
「初心忘るべからず」ですね。

◆市馬 『間抜け泥』
花色木綿や締め込み、転宅といった泥棒噺の発端としてよく聴く噺。
前方の伯楽師が学校寄席の小咄の中で浅草仁王様の『臭うぞ』『くせ者』とやっていて
これが丸ごとついちゃった。
枕や小咄は根多帳に書かないから仕方ないかなぁ。

◆正蔵 『新聞記事』
噺は面白かったのですが、どうやら正蔵師、喉をやってしまわれた様子。
心配ですね。

◆木久扇 『彦六伝』
よく聴く八代目正蔵師、後の彦六師の逸話の数々。

◆口上 上手から圓歌、木久扇、志ん橋、志ん陽、文菊、伯楽、市馬。
司会は市馬師。
木久扇師が新真打二人の紹介。
圓歌師がお馴染みの『手を取って共に登らん花の山』。
志ん橋師、伯楽師の順で挨拶。

仲入後の後ろ幕は『たまごの会贔屓与利』志ん陽師匠へ贈られたもの。
鬼葛紋、日輪と水紋。

◆文菊 『七段目』
二階へ上がった定吉がお軽になるのを口では嫌がりながら、
段々と横座りになっていく様が愉しいですね。
二人芝居の場面は鳴り物入りで。
好演。

◆正楽 紙切り
挟試し相合傘、パンダ、舞妓さん、御神輿、文菊師匠とお月見
相合傘で志ん陽師匠を写してくれました、傑作だったなぁ。

◆志ん陽 『らくだ』
中の舞が長めに鳴る中、楽屋から送る拍手が聞こえて来まして真打初高座。
高座へ上がりますと、今度は客席からの拍手が鳴り止みません。

志ん朝師匠が早世され、一門の総領弟子志ん五師の身内に、
その志ん五師匠も一昨年亡くなられ、
志ん橋師の客分の様な形になった事を客席の皆さんは御承知なのでしょう。
この長い拍手は、目の前の志ん陽師のみならず
亡き志ん朝師と志ん五師へ贈られたものとも思います。

若き日の志ん陽師が初めて聴いた落語は、
フリーマーケットで何気なく購入した金百円のカセットテープのもの。
それは志ん生師の『らくだ』と『搗屋幸兵衛』だったそうです。
大初日、本日九月二十一日は志ん生師匠の御命日。
『最初に死人が出てくる縁起が佳いとは言えない噺ですが、今日の主役は私。その私がやりたい噺はこれですので、後で怒られるかも知れませんがやらせていただきます』

「覚悟の上演」だけあってこれが素晴らしい出来。
気弱な屑屋さんの描写を徹底して押し、三杯目の酒からがらり変わる様子を際立たせました。
面白かったなぁ。

らくだの頭を丸める為、長屋内でらくだの兄貴分に剃刀を借りにやらせるまで。

圧倒的迫力の屑屋さん。お見事。


緞帳をいつもよりゆっくり下ろし、客席へ丁寧に辞儀をする志ん陽師匠。
半ばまで緞帳が下りたあたりで、私服の木久扇師が横に来て一緒に辞儀をしていました。
なんと言うか、いい絵だったですねぇ。


志ん陽師の『らくだ』の余韻を噛み締め客席から出ようとする時、楽屋から柝の音とともに三本締。

志ん陽師匠、文菊師匠、おめでとう!





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鈴本9中夜 秋の喬太郎まつり 9/20

 9月20日(木)鈴本演芸場 秋の喬太郎(きょん)まつり

鈴本秋の喬太郎まつり千穐楽。
喬太郎師の演目は『転宅』と『一日署長』。

柳家喬之助 堀の内
翁家和楽社中 太神楽
柳家喜多八 筍
柳亭市馬 山号寺号
アサダ二世 奇 術
柳家喬太郎 転宅

~仲 入~

ホームラン 漫 才
入船亭扇辰 三方一両損
柳家小菊 粋 曲
柳家喬太郎 一日署長

◆喬之助 『堀の内』
室内の会話、外出先での会話、
空間が異なるのに会話相手との距離感が同じ様な感じですね。
研究の余地があるのでは?

◆和楽社中 太神楽
今席、小花さんがナイフを取り損ねる場面に二度出くわしてしまい、
以来、見る度に心配が先立ってしまいます。
今日は何事もなく無事に終了、あぁ安心した~。

◆喜多八 『筍』
歌武蔵師代演。
毎度お馴染み、立ち食いそばと松茸の枕を振って十八番の『筍』。
お見事。

◆市馬 『山号寺号』
こちらも十八番の『山号寺号』。
うけていましたねぇ。
客席が一気に温まりました。

◆アサダ二世 奇術
いつもながらの根多(昨夜は少し変えましたが)で、こちらに一息入れさせてくれます。
寄席らしくて私は好きですねぇ。

前方が沸かせた後は、最初の奇術をなかなか成功させないんですが、
今夜も相当焦らしました。
憎いね。

◆喬太郎 『転宅』
面白かったなぁ。
泥棒よりも数枚上手のお菊の描写が見事でした。
しかし人の好い泥棒ですねぇ。
翌朝の煙草屋の主人も愉しく演じてくれました。

◆ホームラン 漫才
今席は根多を細かく入れ替えながら、楽しい高座を展開してくれました。
今夜は「たにしが踊り、勘太郎が歌う」趣向。
大笑いさせてもらいました。

◆扇辰 『三方一両損』
切れ味良く淀みない啖呵。
扇辰師の味のある『三方一両損』は、懐中時計を出す外連を見せつつ
『お時間でございます』と枕で仕込んだ通りに下げました。
好演。

◆小菊 粋曲
『噺の合間の彩りでございます』と始まる小菊姐さんの高座。
喬太郎師の芝居にぴたり嵌まった印象。
いつものことながら華やかでお洒落だなぁ。
『両国風景』で夏の〆。

◆喬太郎 『一日署長』
看板ポスターをサイン入りでプレゼント。
『前座さ~ん』と呼ばれて、
そのポスターを私服に着替えた扇辰師が持って来ました。

噺の方は爆笑の連続。
千穐楽特有の雰囲気ですね。
喬太郎師も客席も『まつりの終わり』をほっとした気持ちで楽しんでいた感じがします。



今席特に印象に残った演目は昨夜(九日目)の『錦木検校』。
それと七日目の『宮戸川』にも圧倒されました。


跳ね太鼓を背に、ふと振り返りましたらお客様に声でも掛けられたか
叩く半輔さんが飛び切りの笑顔。

こちらもつい釣り込まれて、表情を崩しながら家路へと歩を進めました。

あぁいい芝居だったなぁ~。





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鈴本9中夜 秋の喬太郎まつり 9/19

 9月19日(水)鈴本演芸場 秋の喬太郎(きょん)まつり

九日目は『夜の慣用句』と『錦木検校』。
この芝居の根多の中で、私が最も注目する『錦木検校』、楽しみです。

柳亭左龍 宮戸川
ストレート松浦 ジャグリング
五明楼玉の輔 宗論
柳家喜多八 短命
アサダ二世 奇 術
柳家喬太郎 夜の慣用句

~仲 入~

ホームラン 漫 才
入船亭扇辰 鮑熨斗
柳家小菊 粋 曲
柳家喬太郎 錦木検校

◆左龍 『宮戸川』
お花は家を締め出されたのではなく、話しをしたいが為に半七の帰りを待っていた、との設定。
告白したかったということですね。
左龍師は高い声も綺麗に出せますから、女性も素敵。
お花は勿論、霊岸島の叔母さんも自然な感じ。
好演でした。

◆玉の輔 『宗論』
歌武蔵師代演。
部屋中を十字架だらけにした上、
机まで十字架の形に切って『これが本当のテーブルクロス』には大笑い。
くすぐり沢山の高座で客席が温まりました。

◆喜多八 『短命』
市馬師代演。
ごく気短な御隠居。
いっそ兄貴分にしてしまって
『兄貴、どうにもわからねぇ~んだけど・・・』という発端でも良いのでは?
無言劇たっぷりのお洒落な高座。面白かったなぁ。

◆喬太郎 『夜の慣用句』
今夜は主任高座に全力集中でしょう。

喬太郎師からプログラムの誤植の指摘。
私も一昨日「ありゃぁ?」と思いました、つまり四枚目のプログラムを持ち帰るまで迂闊にも気づきませんでした。
『錦木』が『綿木』になってしまっていますが、
後ほど師より『誤植は夜席プログラムに限った問題で、昼夜併記プログラムは正しい表記である』旨、追加報告がありました。

◆扇辰 『鮑熨斗』
演題大宝恵つまり根多帳を手に高座へ上がって来ました。
直前の楽屋入りで見る時間が無かったとのこと。
噺家が根多帳を繰って演目を考えている姿は実に絵になりますね。
これを見せたいが為にわざと、と邪推したくなる程ですが、これは封印しましょう。

入れ事なしのかっちりした『鮑熨斗』。好演。

◆喬太郎 『錦木検校』
素晴らしい一席でした。
ほぼ完璧の出来だったのではないでしょうか。

風邪をこじらせ病の床に臥した錦木が、下屋敷の若侍(角三郎)が家督を継いだと聞き、杖を頼りに酒井雅楽頭の屋敷へ向かう。
その鬼気迫る姿が秀逸。

錦木が無理を押して屋敷へ向かった動機は検校の位欲しさ、つまり欲なのですが
角三郎との再会を果たした錦木の心は既に欲心を忘れ、
自らの見立て通り、家督を継ぎ大名となった角三郎を祝福する気持ちに純化していった様に思います。

私は、ミュージカル「キャッツ」のラストシーンと重ね合わせて錦木を見ていました。

期待通り、いや期待以上の『錦木検校』、素晴らしかった。


緞帳が降りて『今夜も来て好かったなぁ』と頷きながら、『下を向くとまずいな』と苦笑い。





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鈴本9中夜 秋の喬太郎まつり 9/17

 9月17日(祝)鈴本演芸場 秋の喬太郎(きょん)まつり

七日目、喬太郎師の根多は『寿司屋水滸伝』と『宮戸川』。

柳亭左龍 お菊の皿
翁家和楽社中 太神楽
三遊亭歌武蔵 親子酒
柳亭市馬 普段の袴
アサダ二世 奇 術
柳家喬太郎 寿司屋水滸伝

~仲 入~

ホームラン 漫 才
桃月庵白酒 だくだく
柳家小菊 粋 曲
柳家喬太郎 宮戸川

◆左龍 『お菊の皿』
比較的小さな声で話し始め、まだざわついている客席を静めました。さすがの腕前。
面白かったなぁ。

◆歌武蔵 『親子酒』
すっかり酔って帰宅した息子の孝太郎が、
襖を開けながら座敷に倒れ込んで入ってくるという大外連。
上手客席に頭を向け巨体が高座に寝そべりました。
座り直した形も上手四十五度の向きのまま。
まぁほとんど孝太郎に喋らせるので、上下は問題ありませんでした。
好演。

◆市馬 『普段の袴』
落ち着いていつも通りに。
折り目正しい姿勢の高座に好感。

◆喬太郎 『寿司屋水滸伝』
カツカレーのよそい方がいやに丁寧で、妙なおかしみがありました。

◆ホームラン 漫才
昨日は長野県飯田方面で営業だったとのこと。
そこから旅公演の話題へ。
伝説の寄席、大須演芸場根多。
どの根多も面白いですねぇ。

◆白酒 『だくだく』
扇辰師代演。
何度繰り返し観ても面白い、
そうした演目がその演者の十八番と称されていくのでしょうね。
まさに白酒師十八番中の十八番『だくだく』。
またまた爆笑しました。

◆喬太郎 『宮戸川』
霊岸島の叔父さんの家の二階にお花半七が収まって間もなく、雨が降り出します。
私、この時本当の雨かと思いました。いや、それほど真に迫っていました。
この場面で私は今夜の喬太郎師の「本気」を感じ、座り直しました。

酔った船頭、舟を漕ぐ船頭両者の描写が秀逸。

最後半は糸と附けが入り芝居掛。

見事な『宮戸川 通し』。
素晴らしい高座。名演と申し上げて差し支えないでしょう。

下げた刹那、まるで私も夢から醒めた様な感覚に襲われました。



外へ出ると相当降ったと見えて歩道に水溜まり。

まさか、喬太郎師が降らせた訳でもあるまいに、しかし・・・
と摩訶不思議な気分で歩いていましたら、上からぱらり。
本降りにならぬうちにと急ぎ足で家路へ。




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鈴本9中夜 秋の喬太郎まつり 9/16

 9月16日(日)鈴本演芸場 秋の喬太郎(きょん)まつり

六日目の根多は『幇間腹』と『任侠流山動物園』。

柳家喬之助 寄合酒
翁家和楽社中 太神楽
三遊亭歌武蔵 猫の皿
柳亭市馬 のめる
アサダ二世 奇 術
柳家喬太郎 幇間腹

~仲 入~

大瀬ゆめじ・うたじ 漫 才
入船亭扇辰 目黒のさんま
ペペ桜井 ギター漫談
柳家喬太郎 任侠流山動物園

◆歌武蔵 『猫の皿』
駄洒落を飛ばしては大笑いしてむせる茶屋の爺さんが愉快ですね。
面白かったなぁ。

◆市馬 『のめる』
丁寧にきちっとした口演。
お手本の様な『のめる』。
素晴らしい出来でした。

◆アサダ二世 奇術
最初の紙コップの奇術が、何回やっても成功しない。
市馬師の『のめる』が好演でしたので客席が余韻に浸っているのを、
ああして前を向かせるところが流石に練達の芸。恐れいりました。

◆喬太郎 『幇間腹』
なんでも、今日は既に所沢で二席喋ってきたそうですが、これは出来が好かった。
腹芸もたっぷり。

◆扇辰 『目黒のさんま』
『桜鯛』から『目黒のさんま』へ。
う~ん、殿が志村けんのバカ殿様の写しなんですよね。
ちょっと今日の客層に迎合したのかな?
古典を演ずるのなら今夜の歌武蔵師、市馬師の様にかっちりした演じ方で宜しいのでは?
崩しは二本必ずあるのですから。

◆ペペ桜井 ギター漫談
小菊姐さん代演。
うけてましたねぇ~。

◆喬太郎 『任侠流山動物園』
乗りまくり。
落研時代のボーリング大会で披露したという「志ん朝師投げ」「談志師投げ」を再現。
おまけで「さん喬師投げ」も。
前から観る機会が無い為かな?「さん喬師投げ」が一番似ていなかったのが面白かったですね。

本編も文句なし。
枕で上げた温度のまま、下げまで突っ走りました。



跳ねて信号待ちの間、横で若者たちが興奮気味に感想を語り合って
(ほとんど「叫び合い」に近かったですが)いるのを聴きながら
世代差を痛感しておりました、パオ。





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鈴本9中夜 秋の喬太郎まつり 9/15

 9月15日(土)鈴本演芸場 秋の喬太郎(きょん)まつり

鈴本秋の喬太郎まつり仲日、喬太郎師『派出所ビーナス』『小言幸兵衛』

柳家喬之助 猫と金魚
翁家和楽社中 太神楽
三遊亭歌武蔵 黄金の大黒
柳家喜多八 旅行日記
アサダ二世 奇 術
柳家喬太郎 派出所ビーナス

~仲 入~

ホームラン 漫 才
隅田川馬石 安兵衛狐
柳家小菊 粋 曲
柳家喬太郎 小言幸兵衛

◆喬之助 『猫と金魚』
前半の旦那と番頭の会話で声を張りすぎる、と感じました。
後半は落ち着いてきましたね。

◆翁家和楽社中 太神楽
昨夜と同じく和楽、小楽、小花の三人。
昨日は最後のナイフで小花さんが取り損ねましたが、今日は何事もなく無事に。

◆歌武蔵 『黄金の大黒』
枕も含め昨日と全く同じ。

◆喜多八 『旅行日記』
市馬師代演。
面白かったなぁ。
そりゃぁ行き倒れた鶏やコレラの豚の鍋を出されても、食べる方はわからないものなぁ。

◆アサダ二世 奇術
時間が押したか昨夜より若干端折った高座。
お洒落でいい芸だなぁ~。

◆喬太郎 『派出所ビーナス』
一人目の鬼怒川だか川治の旅館の女将上がりが、身の上話を糸に乗せて七五調でする場面、
面白かったですねぇ。
二人目のメイド婦警の表情、仕種、どこかで観たなぁ~と頭を巡らせましたが
喬太郎師、ルシル・ボールを写したのではないかしら?

~仲 入~

◆ホームラン 漫才
出だしはいつもと一緒ながら、後半は芝居、歌舞伎根多で客席を笑わせました。
確かな芸の持ち主ですから、どの根多も面白いですね。

◆馬石 『安兵衛狐』
扇辰師代演。
前置き抜きで噺へ入りました。
十八番ですもの、言うことなし。
艶やかな幽霊と愛嬌たっぷりの狐を、楽しく演じてくれました。

◆喬太郎 『小言幸兵衛』
入れ事もほとんど無く、真面目な『小言幸兵衛』。
導入部の幸兵衛さんと後半の幸兵衛さんを比べると、
なにか若返った印象なのが気になりましたが、
噺が破綻する程の矛盾では無かったですね。


跳ねて追い出しを背に歩き始め、
頬に当たる風に『少し涼しくなってきたかな?』と独り言。





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鈴本9中夜 秋の喬太郎まつり 9/14

 9月14日(金)鈴本演芸場 秋の喬太郎(きょん)まつり

鈴本演芸場、秋の新企画。
喬太郎ダブル大盛り、~喬太郎VS.喬太郎~、との副題の通り
十日間を仲入と主任二席づつ根多出しで勤めようという野心的企画の芝居です。
今夜はその四日目、喬太郎師『紙入れ』『明日に架ける橋』と前触れされています。

柳家喬之助 置泥
翁家和楽社中 太神楽
三遊亭歌武蔵 黄金の大黒
柳家喜多八 筍
アサダ二世 奇 術
柳家喬太郎 紙入れ

~仲 入~

ホームラン 漫 才
桃月庵白酒 粗忽長屋
柳家小菊 粋 曲
柳家喬太郎 明日に架ける橋

◆喬之助 『置泥』
下げは『季節の変わり目にまた来てくれ』なのですが、噺の中に季節感は無かったので『置泥』としました。
深夜の会話ですからもっと声をひそめた方が良いかもしれません。

◆歌武蔵 『黄金の大黒』
巧みな人物描写で客席を一気に温めました。
好演。

◆喜多八 『筍』
市馬師代演。十八番を掛けてきました。
立ち食い蕎麦の枕から『筍』というお馴染みの流れなのですが、
何度聴いても面白いんですよねぇ。
いやぁ、恐れいりました。

◆喬太郎 『紙入れ』
現代風気質の女将。
新吉で遊んでいる、なぶって楽しんでいるという感じ。
つまり、浮気されている旦那のぼんやりを嘲笑するのではなく、
新吉が与太郎役なんです。
この切り口だと、一般的な『紙入れ』ほどには後味は悪くないですね。

◆白酒 『粗忽長屋』
扇辰師代演。
客席が「喬太郎信者ばかりではない」と察知したのでしょう。
『仲入と主任の二席を口演するだけで、別に特別興行でもなんでもない、
普通の寄席ですよ』と言い放ちながら
十八番の『粗忽長屋』を伸び伸びと存分に演じ、うけまくりました。
面白かったなぁ~、爆笑の連続でした。

◆小菊 粋曲
三の糸が切れる思いがけない出来事があったものの、楽しい漫談で笑いをとりながら素早く張り替えました。
さすが小菊姐さん、といったところ。

◆喬太郎 『明日に架ける橋』
還暦を迎えた本所界隈の定年退職者達が織りなす物語。
客席が高座に集中していました。
しんみりした場面など、寂として物音一つせずという感じ。
ほのぼのとした良い噺ですね。


私は今夜が「初日」ですが、喜多八師の高座あたりから『これは矢張り寄席だな』と感じました。
席に着く前はもっと独演会寄りかと想像していたのですが、白酒師の言葉の通り『普通』でしたね。

しかしながらこれは、満員の客席に応えた出演者全員が
それぞれの十八番を惜しみなく披露したからこその『普通』でしょう。

いい仕事を見せて貰ったなぁ、充実していたなぁ、と独りごちながら家路へ。








  

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桃月庵白酒と愉しい仲間たち 9/13

 9月13日(木)【DOURAKUTEI出張寄席】 桃月庵白酒と愉しい仲間たち 「我ら、雲助の弟子でござる」 牛込箪笥区民ホール

道楽亭による白酒師の新しい落語会。
その第一回は、助演に同門の隅田川馬石師と蜃気楼龍玉師を迎え賑々しく幕開けとなりました。

今夜は噺も勿論ですが、五街道一門の鼎談も楽しみです。

◆金原亭駒松 『狸札』

◆桃月庵白酒 『錦の袈裟』
与太郎と女房、与太郎と和尚、いずれの場面でも会話中の与太郎の目の動きが素晴らしいですね。
泳ぐ視線、定まらぬ焦点、これ難しいでしょうねぇ。

与太郎を指して『あの方が殿様だよ』と言うのを、白酒師は遣り手ではなく妓楼の主人に言わせました。
なるほど主人の見立てなのですから、その後の与太郎の「独り勝ちっ振り」もまさに合点がいくというもの。
非常に理にかなった演出だと感心しました。
面白かったなぁ~。

◆蜃気楼龍玉 『駒長』
十八番を掛けて来ました。
相変わらずお駒が絶品。
『明ければ米の一升買い、暮れれば油の一合買い』の一節が、客席をお駒長兵衛の日常へ連れて行ってくれます。
お駒に告白(ここではまだ演技な訳ですが)された瞬間の丈八の表情の緩み方がまた見事。
お駒はこの表情に丈八の実を見て、逃げる腹が固まっていったのかも知れませんね。
素晴らしい高座でした。

◆隅田川馬石 『火焔太鼓』
くすぐりもそのままに、懐かしい志ん生師の型を再現してくれました。

私がこの噺の肝だと思う部分、
お屋敷から戻ってきて甚兵衛さんが女房に小判を出しながら得意がる場面、
まぁ普段口うるさい女房から一本取るといいますか、一泡吹かせるところ、
ここを丁寧に演出してくれましたので嬉しかったなぁ。

今夜の馬石師の演出のように
甚兵衛さんが無闇に得意がる~女房、へこみながら感心~甚兵衛さんますます得意がる~女房が甚兵衛さんに惚れ直す、ぐらいまで上げて上げててっぺんまで行って
最後にまた女房が主導権を取り戻す感じで『半鐘はいけないよ~、おじゃんになるから』と下げないとね。

この場面、丁寧に描くのみならず畳み掛ける口調が欲しいところ。
なんというのだろう「追い込み感」とでも表現すればよいのか
志ん生師や志ん朝師のような前のめりの喋りでなかったのが残念。
ただ私は先代馬生師、雲助師の『火焔太鼓』を知りませんので、これはこういう型なのかもしれません。

~仲 入~

◆鼎談
素人時代から入門当時、雲助師の稽古などの話しを三人で。
『困った時には師匠に頼る』
『師匠口調が出てくるのはそんな時』
なぁ~んて面白い話しをたくさん聞くことが出来ました。
好企画。

◆桃月庵白酒 『抜け雀』
若い絵師も老絵師も墨は自ら摺り、宿の主人に衝立を斜めに固定させて絵を描きます。
なるほどこれが本当でしょうね。
立てて描いていたらマンガ太郎先生だ。
また、自ら墨を摺る最中話しかける宿の主人を叱りつけるのですが、
この場面が挿入されることで両絵師の武張った感じが強調されます。

この『抜け雀』つい先だって喜多八師でも聴きましたが、
この噺には矢張り、古今亭に受け継がれる侍の描き方の確かさが重要なのだなぁ~、と感ずる次第。
今夜の白酒師は、絵師親子の持つ威厳、武士らしい立ち居振る舞いを色濃く演じてくれました。
この武士の威厳が表現出来きれていないと、仕官叶って再び小田原へ現れた絵師が衝立に頭を下げ挨拶をする場面が生きて来ない。
従ってこの場面を割愛したり、軽く演ずることになって、結果的に下げが薄まってしまうのですね。
素晴らしい出来。堪能しました。


雲助一門、師匠も含め四人四様。
個性を出しつつも古今亭金原亭の芸を、それぞれがそれぞれの形で受け継いでいるのだなぁ、と感服しました。

鼎談で『困ってくると師匠口調になってくる』と三人ともが言っていましたが、芸の伝承はつまるところそんなものなのかも知れません。
起居を共にする濃い関係だからこそ、ひょんなところで師匠の癖が出たりするものなのでしょう。
まさに「身内」なんですね。

家人と二人それぞれの感想を言い合いながら家路へ。
いつもよりも私の口数が少なかったのは、近所に住まわれていた志ん朝師の高座を思い出したせいかなぁ。





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白酒ばなし 桃月庵白酒独演会 9/11

 9月11日(火)白酒ばなし 桃月庵白酒独演会 にぎわい座

六月六日以来、三月振りのにぎわい座白酒ばなし。
今夜はどんな噺で笑わせてくれるのか、楽しみです。

◆金原亭駒松 『子ほめ』

◆桃月庵白酒 『万病円』
寄席でお馴染みの湯屋~饅頭屋~紙屋~薬屋。
口慣らしといったところ。

◆桃月庵白酒 『酢豆腐』
一旦下がって一息入れ再登場。
古今亭十八番を掛けて来ました。
素晴らしい出来。

一つ気になったのは、伊勢屋の若旦那に豆腐をそのまま出していたこと。
豆腐の姿のままではいくら何でも気づくでしょう。
ここは崩して瓶に詰め、唐辛子を混ぜるべきでは?

仲入に洗面所でうがいしていた人がいましたが、私もしたくなりました。
しませんでしたけれどもね。

~仲 入~

◆初音家左吉 『堀の内』

◆桃月庵白酒 『化け物使い』
三席目も古今亭のお家芸『化け物使い』。上手だなぁ。
小沢一郎氏や小三治師まで化け物として登場。
そうした入れ事をしても噺が壊れないのが白酒師の凄いところ。
腕と言うか感性の為せる技なのでしょう。
面白かったですねぇ。


跳ねて家人が歩きながら
『肩の凝らない、本来の“落語”を聴いた気がする』
同感。





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柳家さん喬独演会 9/8

 9月 8日(土)柳家さん喬独演会 にぎわい座

昼席興行のさん喬師独演会。
今日は『髪結新三(通し)』『品川心中(通し)』と根多出しされています。

『そう言えば、今日のにぎわい座は夜席の予定が無いなぁ』
『さん喬師で“昼夜興行”かな?』などと与太を飛ばし
家人にたしなめられながらやって参りました。

◆柳家さん坊 『小町』

◆柳家喬の字 『水屋の富』

◆柳家さん喬 『品川心中』
原型は矢来町でしょう。お馴染みの言い回しが随所にありました。

貸本屋金蔵が暇乞いに親分の家を訪れますが、
この時親分は留守で女将が相手を務めます。
親分の小言ではなく、女将の忠告というのが新鮮ですね。

心中し損ないで再び親分の元へ戻った金蔵が表の戸を叩いて、手入れ騒動となります。
本来この場面は大笑いの盛り上がりどころなのですが、
なんでだろう今日は私も笑えなかったし、客席全体も笑い声が少なかったですねぇ。

真っ暗な中、火打石と火打金を打って火を起こそうとする場面、懸命に打っているのが鰹節ってのが面白かったですが。

さん喬師のゆったりした語り口のせいか、手入れかと慌てふためく感じは無かったなぁ。
笑いが少なかったのは、そんな語り口調も手伝っているのかもしれません。

後半は怪談仕立ての狂言噺。
こちらの方の出来がむしろ好かった様な気がします。さん喬師の落ち着いた口調に合っているのでしょう。
私は映画幕末太陽傳での小沢昭一の金蔵(映画では金造)を思い出しながら、楽しんで聴いていました。

五十分強の長講。

~仲 入~

◆柳家小春 俗 曲

◆柳家さん喬 『髪結新三』
「通し」との触れ込みながら、深川閻魔堂の弥太五郎源七と新三の修羅場までは至らず、家主長兵衛が半金の十五両を懐にした場面あたりまで。

永代橋での新三と忠七の絡みで、膝の小春姐さんが糸を入れました。
あと、弥太五郎源七と善八との場面だったか、深川冨吉町新三内の源七との場面だったかな、
矢張り小春姐さんの新内が聞こえてきましたが、
所謂町内の生活雑音的な雰囲気を良く表した好演出と思いました。

お熊が駕籠に乗せられて白子屋へ戻った後は、地噺で後日譚たる浄瑠璃『恋娘昔八丈』や芝居の『梅雨小袖昔八丈』の顛末に軽く触れてお開き。

『髪結新三』と言うと所謂三悪人、新三、弥太五郎源七、家主長兵衛のそれぞれの悪党振りを楽しむのが私の常とするところですが、
今日のさん喬師版は、車力善八の献身的働きぶりが印象的でした。
悪党譚ではない、新しい切り口の『髪結新三』と言えるのではないでしょうか。


心配を余所に(?)五時前に跳ねて、まだ明るいうちに家路へ。






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睦会 9/5

 9月 5日(水)睦会~扇遊・鯉昇・喜多八三人会 にぎわい座

今夜の睦会は、ここのところ乗りに乗っている印象の柳家喜多八師が主任で二席と発表されています。

◆瀧川鯉ちゃ 『のめる』

◆柳家喜多八 『長短』
喜多八師の一席目は柳家のお家芸『長短』。
これが素晴らしい出来。
同じ人が演じているのかな?というぐらいに、長短二人の人物を際立たせてくれました。
言葉の調子だけではなく、表情の違いも秀逸。

この噺では毎度『気の長い方が与太郎になりませんように』と思いますが
手練れの喜多八師にそんな心配は勿論無用。
好演。

◆入船亭扇遊 『寝床』
繁蔵が長屋連中の言い訳を一生懸命に言い立てる。
実は私、この場面の黒門町の豆腐屋の言い訳が大のお気に入り。
八代目の型は『生揚げは水を切ってそのまま揚げればよろしいのですが・・・』と始まり、がんもどきの作り方を細かに言い立てる訳ですけれども、扇遊師も一言一句違わずそれを踏襲されました。

『紫蘇の実もあるときは宜しいのでございますが、ない季節には漬け物屋で塩漬けを買いましてそのままですと塩辛くなりますので水で塩出しいたします・・・塩出しをし過ぎますと水っぽく・・・』
嬉しくなっちゃいました。

この豆腐屋の言い訳から旦那の表情が曇り、怒気を孕んだ表情へ変化していきますが
扇遊師、そのあたりも上手だったなぁ。

旦那のご機嫌が好くなっていく場面以降は、
もう少し刈った方がいいかなぁ?と感ずる部分もありましたけれども
これは持ち時間との兼ね合いで伸ばしたのかな?

扇遊師らしいお洒落な高座でした。

~仲 入~

◆瀧川鯉昇 『鰻屋』
弟子の鯉ちゃさん(素晴らしい高座でした、香盤を確認しましたら筆頭前座なんですね、納得。)と微妙につくことを配慮したのか、
ただ酒が呑めるから行こうじゃないかと誘うのではなく
先にただ酒をいただいちゃったので、お礼がてら食べに行こうと誘う設定。

鰻選びの場面から下げまで仕種表情ともにお見事。

◆柳家喜多八 『抜け雀』
旅道中の枕で入り甚五郎の名前も出ましたので、私はてっきり『ねずみ』か『三井の大黒』か?と思い巡らせていましたところ、雲助の悪事の話から『相州小田原宿の・・・』と『抜け雀』へ。

基本は志ん朝師型と思います、随所に懐かしい言い回しが散見されました。

喜多八師は、どちらかというと宿屋夫婦の描写に重きを置き、若い絵師は比較的軽く、そして老絵師の場面はかなり細部まで描写されていました。
これが奏功。

勘当が容れて仕官叶った若い絵師が再び小田原宿へ現れた場面での宿屋夫婦の様子、
特に女将の慌て取り繕い振りが強調され、楽しい大団円となります。

面白かったなぁ。


年三回、一月五月九月のにぎわい座睦会。
三人会で年三回、入れ替えをしないと主任順が季節固定してしまうので、
来年からは順番を入れ替えることも考えているとのこと。

早くも新年の会が楽しみになって来ました。

家人と二人『気軽な雰囲気が魅力ですね』などと言い合いながら家路へ。







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プロフィール

喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)

Author:喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)
喜洛庵寄席桟敷へお越しいただきまして、ありがとう存じます。
寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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