平成24年(2012年)回顧

平成24年の大晦日を迎え、今年一年を簡単に回顧してみましょう、と思い立ち拙文を記しております。

今年は昨年に比較して身体の調子が良好であった為、寄席・落語会を八十八回、また舞台は八回、観る機会を得ました。

舞台は7月のシアタークリエ『ええから加減』が最も印象深く、藤山直美の素晴らしい演技に非常な感銘を受けたことが思い出されます。

噺の方は、これはもう挙げ出すときりの無い程に様々な思い出がありますし、その都度の感想を記しておりますので『この一席』の選定は特に致しません。
しかし、詳細記事を書いていない1月~3月の三ヶ月に限定し、もっとも印象的な二つの高座を紹介します。

一席目は、2月8日にぎわい座「今、この4人の会」に於ける柳家喬太郎師『心眼』。

この時はかなり後方の席で観たのですが、それでも強いインパクトを受けた記憶が残っています。
なにか底知れぬ煩悩とでも言うのでしょうか、身体の不自由な者の持つ複雑な心根を見事表現し客席へ伝えた好高座でした。

今一席は同じく2月の23日新宿末広亭昼席に於ける五街道雲助師『ざる屋』。

川柳川柳師匠が主任のこの芝居。助演の師匠方の顔付けもかなり重厚で、平日昼席ながらほぼ満員の入り。
言わば団体戦、繋ぎの芸の場である寄席での雲助師『ざる屋』。
爆発的な笑いを客席へもたらした珠玉の一席は流石馬生師直伝、と言ったところでしょうか。それはもう素晴らしい至福の時間でした。


最後に家人選定《2012年落語大賞》を披露申し上げます。

◆大  賞  五街道雲助師『首提灯』鈴本12上夜 12/3

◆優秀高座  五街道雲助師『淀五郎』らくご古金亭 12/8

◆優秀企画  五街道四門三月双蝶々初夜 日本橋劇場 3/14

◆優秀色物  アサダ二世先生 パン時計

◆ベスト会場 大須演芸場


来年もまた健康に過ごし、素敵な舞台、高座に数多く接することが出来ます様に、と願いながら今年の喜洛庵寄席桟敷はお開き。

当ブログへお立ち寄りいただきました皆様方、本当にありがとう存じます。
佳き新年をお迎え下さい。





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2012年12月 鑑賞記録

12月
◯ 1日(土)鈴本 夜席 雲助 冬のお約束 主任 雲助  鈴本演芸場
◯ 3日(月)鈴本 夜席 雲助 冬のお約束 主任 雲助  鈴本演芸場
◯ 4日(火)鈴本 夜席 雲助 冬のお約束 主任 雲助  鈴本演芸場
◯ 5日(水)さん喬十八番集成 第二夜  日本橋劇場
◯ 8日(土)らくご・古金亭  湯島天神参集殿
◯ 9日(日)鈴本 夜席 雲助 冬のお約束 主任 雲助  鈴本演芸場
◯14日(金)桃月庵白酒独演会  にぎわい座
◯21日(金)人形町らくだ亭 雲助、さん喬、圓太郎  日本橋劇場
◯23日(日)だるま食堂  のげシャーレ

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だるま食堂 12/23

12月23日(日)だるま食堂単独コントライブ
だるまの毛inのげシャーレ その10本目 のげシャーレ
“だるま食堂25周年記念&横浜にぎわい座開場10周年記念”

夏の公演(7/28)に続きまして、再びここ“のげシャーレ”の年末公演へ。
手帳を紐解きましたら、昨年の12月23日もまた『だるま食堂』をのげシャーレで観ていました。
家人と私にとって、盆暮れのだるま食堂は年中行事となっております。

今日は二日目のソワレ、つまり最終公演ですね。


25周年記念公演ということで、ロビーには懐かしい写真やチラシ、雑誌掲載記事などの展示がされています。
『あの頃は君も僕も若かった』


二部構成の第一部はコント。
衣装替えの合間には録音されたショートショート漫談。
そして次々と繰り出されるコント。

休憩を挟んで第二部はお馴染みボインボインショー。

いやぁ、大笑いさせていただきました。
面白かったなぁ~。

大満足。





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第45回人形町らくだ亭 12/21

12月21日(金)第45回人形町らくだ亭 日本橋劇場

今夜の主任は雲助師『火事息子』
さん喬師『掛取万歳』
客演は橘家圓太郎師『化物使い』と前触れされています。

◆入船亭ゆう京 『たらちね』

◆三遊亭きつつき 『普段の袴』
自分の型を持っている噺家さんとお見受けします。
噺を更に深く演じて欲しいなぁ。若干なぞり気味なのが惜しい。
また観てみたい、注目したい、と私は思いました。

◆柳家さん喬 『掛取万歳』
『十八番集成 第二夜』(12/5)と比べると刈り込んだ感じ。
今夜の方がむしろ出来は好かったのではないかしらん?

~仲 入~

◆橘家圓太郎 『化物使い』
こちらもつい先だって鈴本12上夜(12/1)に聴いたばかりですが、何度聴いても面白いのは、嫌味を排した演出が心地好いからでしょうね。

◆五街道雲助 『火事息子』
彫物、火消、臥煙など蘊蓄を授けてくれながら入りました。
一人息子藤三郎の人物像が丁寧に描き込まれ、特に父親との会話場面は見応え充分。
親子三人の気質も含め、江戸風景を切り取って目の前へ映してくれました。
素晴らしかったなぁ~。お見事。


跳ねて外へ出ると、赤色灯が回って大変な騒ぎ。
角の喫茶店かその先の蕎麦屋か判りませんでしたが、道路封鎖して『現代の火消』が大勢集まっています。
大事なければ良いのですが・・・。

野次馬は避けて早足で家路へ。

人形町らくだ亭、今年はこれにてお開き。次回は二月二十二日開催と触れられています。





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白酒ばなし 桃月庵白酒独演会 12/14

12月14日(金)白酒ばなし 桃月庵白酒独演会 にぎわい座

にぎわい座白酒ばなし。さぁ~て、今夜はどんな噺を掛けてくれるのか。楽しみです。

◆桃月庵白酒 『牛ほめ』
開口一番で登場。
羽織なし、前座さんといった風情で。
『今夜の助演は真打なので、仲入でみっちりやって貰いたい』など今夜の構成に触れながら学校寄席の話題などを枕に振って『牛ほめ』。
いつも感ずることですが、上手な噺家さんが前座噺を演ってくれますと、噺の面白さが浮き彫りになりますね。
お見事。

◆桃月庵白酒 『禁酒番屋』
一旦下がり、羽織を着て再登場。
忘年会、寄席落語会の打上げの様子などの話題から。
番屋の侍の描き込みが素晴らしい。
そしてその酔っていく様子、巧いなぁ。
大いに笑いました。

◆三遊亭歌奴 『佐野山』
まず呼出しや行司の声色で沸かせます。いい声を持ってらっしゃる。
『佐野山』というより『谷風人情相撲』と言うべきでしょうか。谷風の描き込みに力点をおいた演出。
面白かったなぁ。

~仲 入~

◆桃月庵白酒 『五人廻し』
登場人物の心理描写を正確にすれば、どんな噺でも客席を巻き込むことか出来る、という典型例が今夜の白酒師『五人廻し』。

『廊下ばたばた、胸どきどき』場面、布団を被ったり跳ねのけたりあたりは大笑い。
素晴らしい出来。


今夜はかつて地下の“のげシャーレ”で演っていた頃の雰囲気に似た会となりました。

気軽ないい時間だったなぁ、白酒師の会は肩が凝らなくていいなぁ、と独りごちながら家路へ。





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鈴本12上夜 12/9

12月 9日(日)鈴本演芸場 夜席
『雲助 冬のお約束』

根多出し興行九日目。雲助師古今亭十八番『替り目』でご機嫌を伺います。

柳家圭花 道灌
金原亭小駒 鷺とり
ストレート松浦 ジャグリング
蜃気楼龍玉 鰻屋
春風亭正朝 初音の鼓
ホンキートンク 漫 才
隅田川馬石 鮑熨斗
宝井琴調 匙加減

~仲 入~

アサダ二世 奇 術
入船亭扇辰 手紙無筆
柳家小菊 粋 曲
五街道雲助 替り目

◆小駒 『鷺とり』
六月の雲助師の芝居で聴いた記憶があります。(鈴本6上夜 6/8)
その時に比べて俄然面白くなっていますね。自信を持った高座で、客席を観察して間をとる余裕も感じました。好演。

◆龍玉 『鰻屋』
こちらも小駒さんの『鷺とり』と同日(6/8)に聴いて以来の演目。
あの時は鰻屋の表情に物足りなさを感じましたけれども、今夜は表情豊かに素晴らしい出来。
面白かったなぁ~。

◆馬石 『鮑熨斗』
五十銭は予め借りてある設定の短縮版。
実は馬石師の『鮑熨斗』、鈴本8中夜「さん喬、権太楼夏まつり」(8/13)で聴いて残念な印象だったのを覚えているのですが、今夜は全く違いました。
やはりあの芝居の時は、なにか調子を損なう故障があったのでしょう。

枕で今日は馬石師自身が食事を取り損ねていて、逗子の落語会の帰りの車中でもお弁当の販売がなく、お土産にいただいた「しらす干し」をつまみながら上野へ来たと語りました。
まさに迫真の腹ぺこ演技。
甚平衛さんになりきっての好高座。お見事。

◆琴調 『匙加減』
初めて聴きました。
調べてみると圓窓師が噺に直して掛けているとのことですが、それも存じませんでした。
大岡ものらしい勧善懲悪、爽快な一席。好演。

◆小菊 粋 曲
お馴染みの唄に続き、最後は品川甚句で賑やかに。

◆雲助 『替り目』
枕は馬生師匠直伝の酔っ払いの話。
お汁粉のやつ、私これ好きなんです。
何度聴いても面白いなぁ。

お家芸の端緒は志ん生師もやっていた数え歌から。

元帳を女房に見られた後、亭主は新内流しを呼び止め都々逸を注文。(小菊姐さんが都々逸を掛けなかったのはこのためだったのね。)
ここで新内流しが「明治一代女」を三番まで披露する大外連。歌い出しの調子が高かったか、危うく声が出なくなりかけましたがなんとか無事終了。
すっかりご機嫌の酔っ払い亭主、果てにかっぽれを踊り出すという抱腹絶倒の高座に客席大爆笑。

昨夜、難しい顔をして淀五郎に稽古をつける仲蔵を演じていた同じ人とは思えません。
いやぁ~、面白かったなぁ~。恐れ入りました。


家人は琴調先生『匙加減』とお目当て雲助師『替り目』にご満悦。
私は、以前の口演時の印象をがらり払拭してくれた龍玉師、馬石師の好高座が心に残りました。

広小路の信号待ちで、湯島から吹き抜けてくる寒風に思わず身を縮めながら家人と顔を見合わせ『面白かったねぇ~』と意見一致。





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らくご・古金亭 12/8

12月 8日(土)第八回らくご・古金亭 湯島天神参集殿

この会は敷居の高い印象を持っておりましたけれども、今回から予約申込がより容易となりました。
またこの時季にぴたりの根多『淀五郎』を雲助師が口演するとなれば、それこそ薬師寺次郎左衛門よろしく四の五の言っている訳にもいかず、冬の晩に湯島参詣と相成りました。

今夜は全五席の口演。すべて根多出しされています。

◆金原亭駒松 『ざる屋』

◆金原亭馬吉 『幇間腹』
よこはま菊六開花亭(8/29)の助演で『紙入れ』を聴いて以来久々です。
少し一本調子かしら。
声を張って通すことを意識すると、調子に変化をつけるのが難しくなるのかもしれませんね。
演じ分けの工夫が欲しいなぁ、と感じました。

◆桃月庵白酒 『尿瓶』
根多出ししていた『肥瓶』(家見舞)では楽屋入りしたばかりの小満ん師に繋げないと判断したのか、道具屋の符帳「小便」の枕から『尿瓶の花活け』へ。

微かにどこかで誰かで聴いた覚えがあるものの、私にとっては珍しい噺。
騙された田舎侍の武張った雰囲気が好く出ていて、狡い道具屋と好対照。
面白かったなぁ。

◆柳家小満ん 『島鵆沖白浪/吉原火事~牢内』
先月八日、国立演芸場の今松師独演会で『大坂屋花鳥』の名演を聴いたばかりですが、今夜の小満ん師はさてどんな「味つけ」をしてくれるかしらん。
同じ初代談洲楼燕枝の「島鵆沖白浪」ながら、光の当て方によって随分違った味になって参りましょうから、それを楽しみにしていました。

小満ん師らしく、所々に古川柳や蘊蓄を挿みながら噺を進めます。
先だっての今松師の口演と同じく、大音寺前の辻斬り~吉原火事が聴かせどころ。
今松師は花鳥の心の動きへも光を当てていましたが、今夜の小満ん師は梅津長門を主体に捕り物描写をやや詳細に描き込みました。

牢内は責め方責め道具の説明など織り込みながら。
好演。

~仲 入~

◆金原亭馬生 『稽古屋』
一丁入りで出てきました。

明るい芸風にぴたり。
女の子の袂には「焼き芋」ならぬ「木村屋の餡パン」。
下げは「指南の外」。
愉しい一席。

◆五街道雲助 『淀五郎』
出囃は鞍馬。

名演。物凄い出来。
『淀五郎』は構成自体が良く出来ていますし、何せ様の好い噺ですから高座へ掛けたい噺家さんは数多いらっしゃると忖度しますが・・・。
雲助師の『淀五郎』に触れた客は他では満足しないだろうなぁ~。
とにかく凄かった。

雲助師は淀五郎が暇乞いに立ち寄った中村座座頭秀鶴中村仲蔵を詳細に描写。
私は、淀五郎へ丁寧に稽古をつける仲蔵の描写から、雲助師の「芸の伝承を描き込みたい」との意思が強く働いていると感じました。
また、これが噺へ入る前にちらと触れた勘三郎丈への手向けになることをも意識している様に思われました。

芝居場面はもう独擅場。
これを観たくて足を運んだ様なものですからね、今夜は。
歌舞伎の画が目の前に浮かんできました。

言うことなし、素晴らしい『淀五郎』。
堪能しました。


家人は勿論、雲助師『淀五郎』に痺れまくり。
私は加えて白酒師の『尿瓶』も印象に残りました。

満員のお客様も大満足の様子。
いやぁ、雲助師凄かったぁ~。





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さん喬十八番集成 第二夜 12/5

12月 5日(水)さん喬十八番集成 第二夜 日本橋劇場

『さてさて、第一夜(10/23)に出した「根多投票」どうなりましたかね』と演目を頭に思い描きながら人形町へやって参りました。

◆柳家さん弥 『熊の皮』
鈴本11中夜の『柳家はん治の会』(11/17)で前方に上がり『やかんなめ』を非常に愉快に演じてくれたのが印象に残っています。

さて今夜の『熊の皮』
なにかというと身体を揺すって喜ぶお医者さんが面白かったですねぇ。
さん弥さんならではの演出が見事はまった感じ。面白かったなぁ。

◆柳家さん喬 『芝浜』
今朝旅立った勘三郎丈に(その名は出さずに)触れながら、噺へ入りました。
柳家伝統の三木助師型が下敷でしょうか。日の出へ柏手を打っていました。
財布を拾った時に女房は妊娠中で、最後の場面でこの子供金坊が歩き始める、といった演出。
約五十分。

~仲 入~

◆柳家さん喬 『掛取万歳』
『もう幾つ寝るとお正月~』の出囃で。
昨夜の雲助師とはがらりと違うさん喬師の『掛取』。

狂歌、義太夫、芝居、喧嘩、万歳の順。

さん喬師の『掛取』は芝居場面で『言い訳の扇面の文句』が『松の木ばかりが松じゃなし』とぐっとくだけた調子となります。
近江八景がわかりにくいですからねぇ。
『膳所はなし』の一言の取捨選択ですね。
喧嘩場面で『魚勝』と遊んでみたり、愉しい一席となりました。
こちらも五十分強の長講。


芝浜、掛取、だもの。そりゃぁもう寒いさ。と独りごちながら家路へ。





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鈴本12上夜 12/4

12月 4日(火)鈴本演芸場 夜席
『雲助 冬のお約束』

ストレート松浦先生、桃月庵白酒師休演。代演に鏡味仙三郎社中、春風亭百栄師と木戸に触れが出されております、鈴本12上夜四日目。
雲助師の根多は『掛取万歳』

三遊亭多ぼう たらちね
金原亭駒次 生徒の作文
鏡味仙三郎社中 太神楽
隅田川馬石 堀の内
春風亭正朝 そば清
ホームラン 漫 才
春風亭百栄 バイオレンス・スコ
宝井琴調 鼠小僧次郎吉少年時代

~仲 入~

アサダ二世 奇 術
入船亭扇辰 善光寺由来
柳家小菊 粋 曲
五街道雲助 掛取万歳

◆仙三郎社中 太神楽
独りきりで登場。
座って傘の曲芸を。
この姿、どこかで観た記憶が・・・。
そうそう、以前の池袋演芸場ですよ。太神楽、座ってやっていたのは。
なにか急に懐かしい昔を思い出しました。

◆馬石 『堀の内』
鈴本8中夜「さん喬、権太楼夏まつり」初日(8/11)以来、久し振りに聴く馬石師の『堀の内』。
あの時は余程体調が良くなかったのか、或いは何か故障があったのでしょう。消化不良感が残った覚えがありますが、今夜は素晴らしい出来。
大爆笑。断然面白く愉快な『堀の内』。お見事。

◆正朝 『そば清』
面白可笑しく噺を進め、客席を前へ引き出しました。
下げは説明なし。今夜のお客様ならば、皆さん心得ているでしょう。好演。

◆扇辰 『善光寺由来』
根多帳(演題大宝恵)を手に持ち上がって来ました。
『お血脈』の枕部分をさらりと。

今夜は仲入後の出演持ち時間を皆さん少しづつ詰めて、主任へ回しましたね。

◆雲助 『掛取万歳』
狂歌、喧嘩、義太夫、芝居、万歳。
凄かったなぁ。
掛けを取りに来る側も『そう来られちゃぁ仕方ないな』という感じなのが、雲助師の『掛取』。
ですから皆が最後に『やられたぁ』という表情となるのですね。万事これ洒落。
喧嘩も啖呵は凄いけれども双方ともに目が笑っている「喧嘩」。

狂歌で助走、喧嘩で加速、義太夫、芝居で一気に弾けて、万歳で大団円という感じでした。
義太夫と芝居が圧倒的。これほど上手に、また笑わせながら出来るのが凄いですねぇ。
笑った笑った。
面白かったなぁ。期待通りの素晴らしい『掛取万歳』でした。


大満足。
寒さに押されるかの様に若干急ぎ足となり家路へ。





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鈴本12上夜 12/3

12月 3日(月)鈴本演芸場 夜席
『雲助 冬のお約束』

三日目の根多は『首提灯』
朝食の会話で『かなり面白い筈』と演出を語っておりましたら、昼過ぎに家人から『急遽同行』との連絡。
二人してやって参りました。

古今亭きょう介 たらちね
金原亭小駒 真田小僧
アサダ二世 奇 術
隅田川馬石 時そば
春風亭正朝 看板のピン
ホームラン 漫 才
桃月庵白酒 紙入れ
宝井琴調 夜もすがら検校

~仲 入~

ストレート松浦 ジャグリング
入船亭扇辰 千早振る
柳家小菊 粋 曲
五街道雲助 首提灯

◆きょう介 『たらちね』
祝言が決まって帰宅した八五郎の独白場面描写が面白く、思わず吹き出しちゃった。開口一番から客席が温まりました。

◆小駒 『真田小僧』
以前同じ演目を聴いたことがありますが、今夜はなにか余裕を感じさせる高座。間がいい、と言うのかしら間がとれているんです、以前よりも。
昇進決定効果でしょうか。
好演。

◆アサダ二世 奇 術
今夜は漫談をかなりやってくれました。これがまた面白かったなぁ。
奇術は紙コップ、ロープ、カード、お札。
まるで『ぞろぞろ』の様に千円札が次から次へ。不思議ですねぇ。
お見事。

◆馬石 『時そば』
地噺的な場面説明の殆ど無い演出で調子良く進みます。
蕎麦の食べ方も上品で好感。
素晴らしい『時そば』を聴きました。

◆正朝 『看板のピン』
正朝師らしく、さらりとした味。
愉しそう~に。面白かったぁ。

◆ホームラン 漫 才
旅の営業根多や芝居根多をたっぷり。
たにし、大活躍。

◆白酒 『紙入れ』
いつもの毒舌で沸かせておいて、さっと『紙入れ』へ入りました。
新吉も旦那も女将に転がされているのが愉快。
上品な『紙入れ』。好演。

◆琴調 『夜もすがら検校』
てっきり義士ものと思い込み、まだ読み始める前に雪の話題など出ましたので『南部坂雪の別れ』かと早とちり。
しかし佳い話しだなぁ、これは。
堪能しました。

~仲 入~

◆ストレート松浦 ジャグリング
昼夜二回出演。
この芸を一日何回も披露するのは大変でしょうね。
今夜も元気良く朗らかな高座。

◆扇辰 『千早振る』
文句なし。素晴らしい出来。
出鱈目な解釈をごく自然に喋りだす演出が新鮮でした。
面白かったですねぇ。

◆小菊 粋 曲
雨で客席が薄かったからか、寄席の芸というよりも座敷芸を意識したのかな?
しっとりと静かな唄で聴かせてくれました。
最後の両国風景だけ曲目がわかったのですが・・・。

◆雲助 『首提灯』
『試し斬り』など複数の小咄を枕に。
前半、酔っ払いが屋台のおでん屋で無体を通す場面の丁寧な描写から入り、客席を前に乗り出させます。

田舎侍の造形も見事でしたねぇ。
酔っ払いと侍をてれこてれこで演じ分け、非常に現実的な風景を目の前に現してくれました。

首を斬られていると知ったあと(ここの演出を今朝家で喋っていた訳ですが)豊かな表情で面白~く盛り上げて、下げへ。
いやぁ愉快愉快。面白かったなぁ~。


家人は馬石師『時そば』、白酒師『紙入れ』、扇辰師『千早振る』、お目当て雲助師『首提灯』が印象的とのこと。
私も同感。
出演の師匠方が軽い噺で繋ぎ、琴調先生が締める。小菊姐さんがお座敷風情でしっとりという流れにも拍手。
満足、満足。肩の凝らない席でした。

なんだか時間が経つのが物凄く早かったなぁ。

跳ねて水溜まりを避けながら、人通り疎らな中を家路へ。





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鈴本12上夜 12/1

12月 1日(土)鈴本演芸場 夜席
『雲助 冬のお約束』

鈴本12上夜は『雲助 冬のお約束』と銘打った五街道雲助師の根多出し興行。
初日は『宿屋の富』

三遊亭わん丈 子ほめ
金原亭駒次 生徒の作文
ストレート松浦 ジャグリング
蜃気楼龍玉 鮑熨斗
春風亭正朝 狸札 (ホームラン出番交換)
ホームラン 漫 才
橘家圓太郎 化物使い (桃月庵白酒代演)
宝井琴調 赤垣源蔵徳利の別れ

~仲 入~

アサダ二世 奇 術
桃月庵白酒 元帳 (入船亭扇辰代演)
柳家小菊 粋 曲
五街道雲助 宿屋の富

◆わん丈 『子ほめ』
私、わん丈さんの高座は初見かしら。
抑揚の効いた口調、豊かな表情の『子ほめ』で客席を温めてくれました。達者な前座さん。

◆駒次 『生徒の作文』
枕で師匠の志ん駒師の話題が出ましたが、七十五歳になられますか。
近頃高座を拝見しないけれどもお元気でらっしゃるのかなぁ。

この『生徒の作文』。私、初めて聴いた時に『これは傑作ですよ』と感心しきりでした。
現代版痴楽綴り方教室とも言えましょう。今夜もまたまた大いに笑わせて貰いました。

◆ストレート松浦 ジャグリング
いつ観てもお見事。
今夜はピン、コップなど私は初見のジャグリングを披露してくれました。
トークも冴えていましたね。

◆龍玉 『鮑熨斗』
一門のお家芸且つ自らの十八番を愉しく。
女房のおみつの細かい仕種が、いつ観ても素晴らしいですねぇ。
好演。

◆正朝 『狸札』
正朝師が高座へ上がると「寄席に来たのだなぁ」と実感します。いつものように飄々と愉しく演じました。
私、正朝師のこういう軽い調子の噺がお気に入り。今夜もくすっと笑わせてくれました。

◆ホームラン 漫 才
テレビショッピングなど、お馴染みの根多に新根多を織り交ぜて。
面白かったなぁ。

◆圓太郎 『化物使い』
因業ではなく、とにかく細かいが嫌味の薄い御隠居。この味の方が聴き易いですね。
どこをどう縮めたのだろう、きちっと寄席の尺。お見事。

◆琴調 『赤垣源蔵徳利の別れ』
今夜は旧知の友人を誘っての寄席でしたが、道々『講釈は義士ものでしょうね』などと『演目予想』しておりました。
実は私、この『徳利の別れ』が大のお気に入り。聴きながらじわっと来ました。
好かったなぁ。

~仲 入~

◆アサダ二世 奇 術
練達の寄席芸を堪能。
最初、胸ポケットからチーフを出す際、お約束で小さなロープ片がチーフと一緒に飛び出てしまいますが、今夜はそれが高座上にとどまらずに客席まで飛んでしまった模様。
最前列のお客様がそれを拾って、チーフの手品が一段落した時に『落ちましたよ』と声掛けして渡しました。
これに客席が大沸き。
アサダ先生も大喜びしていました。
続いてロープ。最後にパン時計。お見事。

◆白酒 『元帳』
枕で前方のアサダ先生を散々いじり、怒ったアサダ先生が楽屋から高座へ再登場して抗議するという小芝居。
こんな外連も寄席らしくて愉しいですね。

噺で感心したのが酔っ払い亭主の右手の動き。
膝に置いた右手が時々滑り落ち、姿勢が崩れ身体が揺れる訳です。
表情や口調のみならず、こうした細かな仕種があって初めて酔っ払いの描写が正確な物になるのですね。
好かったなぁ~。

今夜の龍玉師『鮑熨斗』そして白酒師『元帳』。古今亭金原亭のお家芸がこうして一門の師匠方に立派に受け継がれているのを観ると、なんですかとても嬉しい気持ちになります。

◆小菊 粋 曲
季節も変わり、小菊姐さんの演目もだいぶ入れ替わった様子。
違わないのはその艶やかな高座姿と唄、三味線の至芸。
今夜もしっとり聴かせてくれました。

◆雲助 『宿屋の富』
原型は志ん朝師かしら。お馴染みのくすぐりを散見しました。

とにかく素晴らしい出来。
端緒、宿屋での法螺吹きからして大笑い。

富突きの湯島天神境内場面、二番富が当たると神様のお告げのあった若い御仁。一反の布で大きな財布を拵え、細かにした五百両を入れて・・・とお馴染みの皮算用。
この人の前後に確か『当たったら家を買って庭に池を拵え、池を酒で満たしスルメを口に咥えて飛び込む』人やら、他にも賑やかな皮算用連が居たと思いますが、今夜はこの「幻の二番富身請話」を長屋風景まで丁寧にやって場面を終えました。

一番富は『子の千三百六十五番』
しょうことなしに散歩へ出た一文無しが、皮算用連の去った境内へふらり。
念の為と懐から札を出し、当たり番号と手元の札を突き合わせます。
端から『当たる訳がない』と思い込んでいますので、自ら声に出して読んでいる『子の千三百六十五番』と手にしている『子の千三百六十五番』が仲々一致しません。

この場面、志ん朝師の「読みの抑揚を若干変える」演出ではなく、雲助師は同じ抑揚で番号を読みますが・・・。

驚いたのはこの直後。
『当たらねぇ~や』と札を足下に捨ててしまうのです。
で、名残惜しい風情で今一度当たり番号の貼紙と足下の札とを見比べ、初めて当たりに気づく、そんな演出でした。

これは私、初めてですねぇ。
雲助師の工夫かしら。
札を捨てた瞬間、びっくりしました。

また、地面へ捨てた札と頭上の貼紙とを見比べるこの演出。
眼の動き、顔の動き、身体の仕種が手元の札を見る時よりも『大きく』『大振り』となり、雲助師の個性が強調される様に思いました。

この札を拾い上げ、大切に手に持ち、息を吹きかけ土を払う仕種もまた秀逸。

面白可笑しくも『好かったね』と一文無しと宿屋の亭主に声を掛けてあげたくなります雲助師の『宿屋の富』。
千両の当たりがわかってからは、一気に下げまで畳み掛けます。
お見事。
すっかり「雲助ワールド」へ引き込まれました。



跳ねて外は冬本番を予感させるかなりの寒さ。
思わず上着の襟を立てて歩きながら、早速友人と“感想戦”。
友人は、駒次さん、龍玉師、正朝師、ホームラン、小菊姐さん。私は白酒師、雲助師の名を挙げ、語り合いながら家路へ。






Tag:落語会・寄席  Trackback:0 comment:0 

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喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)

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喜洛庵寄席桟敷へお越しいただきまして、ありがとう存じます。
寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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