2014年 4月 鑑賞記録

4月
○ 2日(水)道楽亭出張寄席 喜多八・白酒 二人会  深川江戸資料館
○ 3日(木)国立 昼席  主任 正蔵  国立演芸場
○ 7日(月)人形町らくだ亭  日本橋劇場
○ 8日(火)国立 昼席  主任 正蔵  国立演芸場
○ 9日(水)むかし家今松独演会・春  国立演芸会
○10日(木)国立 昼席  主任 正蔵  国立演芸場
○13日(日)鈴本 昼席  主任 圓太郎  鈴本演芸場
○14日(月)らくご街道 雲助五拾三次 第十三宿 -鉄板-  日本橋劇場
○16日(水)志ん輔の会 古今亭志ん輔独演会  国立演芸場
○26日(土)花形演芸会  国立演芸場
○27日(日)国立名人会  国立演芸場
○29日(祝)劇団四季 ソング&ダンス 60 感謝の花束  自由劇場



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劇団四季 ソング&ダンス 60 感謝の花束 4/29

 4月29日(祝)ソング&ダンス 60 感謝の花束 自由劇場

先週木曜日に初日を迎えた “劇団四季 ソング&ダンス 60 感謝の花束” 観劇。
家人と自由劇場へやって参りました。

出演者は次の通り。
【ヴォーカルパート】
飯田洋輔 神永東吾 飯田達郎
井上智恵 福井麻起子 松元恵美
【ダンスパート】
岩崎晋也 斎藤洋一郎 朱 涛
西尾健治 水原 俊 大森瑞樹
林 晃平 松出直也
加藤久美子 坂田加奈子 相原 茜
井上佳奈 坂本すみれ 原田麦子
相馬杏奈 間辺朋美

うむ。納得の二時間。
前半はオーヴァチュアからコーラスラインの “愛した日々に悔いはない” に始まり、
キャッツ~ジーザス~ファントムへ流れました。
リトルマーメイド~美女と野獣、アイーダの “お洒落は私の切り札” で遊んで、同じくアイーダより “迷いつつ”
そしてライオンキング “サークル・オブ・ライフ” まで。
キャッツのメドレーが印象的。

後半はアプローズ “ようこそ劇場へ” からコーラスライン “ワン” と始まって
美女と野獣 “ビーアワゲスト” 、 “サウンド・オブ・ミュージック” ~ “もうすぐ十七歳” と続け、
夢から醒めた夢へ繋ぎました。

サウンド・オブ・ミュージック、井上智恵が流石の歌唱、本物ですからね。

歌唱は男声も頑張っていましたねぇ。
ダンスパートでは岩崎晋也の切れのある舞踏が目立ちましたが、他の皆さんも素晴らしかった。

こうしたオムニバス形式のshowは気軽な雰囲気でいいですね。
鑑賞しながら、オペラ座の怪人やアイーダ、また観たいなぁと思いました。

お開きは “アイ・ガット・リズム” ~ “愛をありがとう” 、ロビーでお見送りと至れり尽くせり。

やあ~、面白かったなぁ。
家人も大満足とのこと。好かった好かった。





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国立名人会 4/27

 4月27日(日)第373回 国立名人会 国立演芸場

二日続けての国立演芸場。
昨日は独りでしたけれども、今日の名人会は家人と二人連れ。
主任金馬師、仲入小柳枝師、くいつきに琴調先生登場。


◆柳家まめ緑 『桃太郎』

◆桃月庵白酒 『転宅』
泥棒が『所帯を持ったらあぁしよう、こうしよう』
仕舞いに『娘が産まれて大きくなって・・・』
『 “この人と一緒になりたいの” かなんかで、男連れてきたりするんだろうなぁ~』と涙ぐむまでの激しい妄想。
このあたりの白酒師ならではの遊び、大笑いしました。
流石に十八番という感じ。好高座。

◆富士路子 『権太栗毛』 曲師=伊丹秀敏
平家物語にもその名を残す名馬 “権太栗毛” の由来。
主人熊谷次郎直実の愛馬を求め、磐城にまで足を延ばした馬丁の権太。
金の足りぬところから、馬泥棒と面罵され打据えられますが、理由を話してようやく栗毛の名馬を手に入れる。
ところが出陣は今日。
間に合わぬ、とばかりに駆けに駆け、磐城から武州熊谷までの五十里を一気に駆け抜けて・・・

様々な掛け言葉を挟みながらの磐城から熊谷までの道中付けがお見事!

確かこの “権太栗毛” は、更にまた涙を呼ぶ感動物語があるのですけれども、今日はその発端といったところ。

出陣の触れ太鼓の音色、また疾走しつつ近づいてくる蹄の音などを三味線で見事に再現した曲師伊丹先生にも拍手。
路子先生の高座、堪能しました。

◆春風亭小柳枝 『唐茄子屋』
時間の所為かなぁ、こんなに早口の小柳枝師は初めてですね。
聴き慣れた古今亭系の型で吉原田圃まで。
う~ん、ゆっくり聴きたかったなぁ。

~仲 入~

◆宝井琴調 『浅妻舟の由来』
時代劇などでもお馴染みの、絵師英一蝶(多賀朝湖)三宅島配流を巡る物語。
琴調先生、一蝶と宝井其角の心温まる友情の挿話を情感たっぷりに描き込みました。

初鰹 芥子がなくて 涙かな
その芥子 聞いて(効いて) 涙の鰹かな
いやぁ、好かったぁ!

私と家人の座った席の周りは、この琴調先生お目当てのお客様が特に大勢いらっしゃったご様子。
向かい手送り手ともに大きかったですねぇ。

◆青空球児・好児 漫 才
『国立演芸場は開場三十五周年なんだそうですけれども、私たちは五十年』
ワイヤレスマイクを片手に、高座を一杯に使っての “立体漫才” 。
逆さ言葉、懐かしいねぇ~。
まだまだお元気です。面白かったなぁ。

◆三遊亭金馬 『御神酒徳利』
滑舌が衰えないのが凄いなぁ、金馬師は。
味のある口調で見事に演じました。

神奈川宿新羽屋の孝行女中が “悪事露見は必至” と二階へ上がって来る
そしてその女中に事情を聞いた善六さんの『こっちにいらっしゃい』の両手の手招きがどうにも愉快。

鴻池での大団円まで40分強の長講。
お目出たくお開き。
素晴らしい高座、名演でした。


白酒師お目当てで来た家人『金馬師匠、好かったなぁ~』
二人で『あの高座が、この師匠が・・・』
『好かった、好かった』と言い合いながら家路へ。




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花形演芸会 4/26

 4月26日(土)第419回 花形演芸会 国立演芸場

眩しい日差しの中を国立演芸場の花形演芸会へ。本日の主任は萬橘師、客演にさん喬師。
GW初日の為か、さてまたさん喬師出演のせいか予約が取りづらい印象でしたけれども、
果たしてロビーは凄い人、人、人。
混雑を避けて、いつもよりも早めに席に着きました。


◆林家けい木 『鈴ヶ森』
このけい木さんは、私が期待する前座さんの一人。
枕で “マツコ・デラックス” を仕込んでおいて本編へ。
最後の最後、仕込みが活きてからけい木さん本来の調子になってきました。

◆金原亭馬治 『親子酒』
お父さん、それほど酔った感じが伝わってこないのですが、こうした演出なのかしらん。
真面目な高座。

◆金原亭龍馬 『四段目』
定吉の芝居真似が上手過ぎ。子供のそれじゃぁないですな。
その部分を除けば中々の出来。聴かせてくれました。好高座。

◆のだゆき 音楽パフォーマンス
頭や顎で弾くピアニカ。そしてリコーダー二本の同時吹奏。これらは確かに寄席芸として充分なのですけれども、
繋ぎのお喋りが演奏ほどには達者でないのね。
単なる “面白いことをするお姉さん” で終わらない様に、漫談を工夫して欲しいなぁ。
期待しています。

◆笑福亭たま 『壺算』
膝隠しを使います。
自信に満ちた高座で客席をひっくり返しました。
凄いねどうも。

~仲 入~

◆柳家さん喬 『短命』
“美人薄命” 、 “月下美人” の枕を振って、ここのところよく掛けている印象の “短命” へ。
貫禄の高座。

何人かのお客様がさん喬師の高座が終わると席を立たれました。

◆ホンキートンク 漫 才
前半の “韓国語” などは笑いが取れていたのですけれども、後半の根多選択が明らかに失敗でした。
国立の高座で “嵐” の歌を繰り出してもなぁ。客席の大半が無反応でしたね。

◆三遊亭萬橘 『抜け雀』
演りづらいと見えて、冒頭の雑談が噛み気味。
しかもそこで下手前方のお客様がお一人、席を立つという出来事が。
(これ、まさか仕込みじゃぁ無いですョね? いや、あまりに好タイミング(?)でしたので・・・)
その退席するお客様の背中の方を向きながら『今日は長くなりますよ、これは』

なんとか気を取り直し、旅、そして駕籠を仕込んで本編へ。

細部に拘らず情景描写も出来るだけ簡略化。
相模屋主人と若絵師の遣り取りを詳細に描き込み、二人の会話で前半を紡いでいきました。
この相模屋主人の明るい雰囲気、女房に馬鹿にされながらもへこたれない人物像が非常に印象的。萬橘師らしい工夫で、からっとしてくだけた雰囲気の噺に仕上げました。

『衝立を売ってはならぬ』の一言を入れ忘れちゃったのが惜しい感じがしましたけれども、
まぁ大勢に影響なし、と言ったところ。
非常に見事な “抜け雀” 、堪能しました。


跳ねて大劇場方面へ歩きながら『たま師、萬橘師だなぁ』と独り言。
満足、満足。




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志ん輔の会 古今亭志ん輔独演会 4/16

 4月16日(水)志ん輔の会 古今亭志ん輔独演会  国立演芸場

国立演芸場の志ん輔師独演会。
『真景累ヶ淵』連続口演の第四回目。

◆古今亭志ん輔 『真景累ヶ淵~前回までの粗筋』

◆入船亭小辰 『鈴ヶ森』
前座時分から『真面目そうな好青年』の印象を持っていたのですけれども
流石に噺家さん、悪も巧く表現しますねぇ。
声質の変化や目つき目配せなどの『眼の演技』で、なかなかに達者な描写。
『(志ん輔師が先に上がった為)演りにくい』とのことでやや硬めながら、好演でした。

◆古今亭志ん輔 『三枚起請』
枕で志ん生師匠が人形町末廣の独演会を抜いた挿話。助演の馬生師匠と志ん朝師匠が五席伺って跳ねた、とのことで・・・
この時か否か定かではありませんけれども、『志ん生一代』に同じ様な話が紹介されていた記憶があります。
けれども、なに?女の子のところへ行ってたの?そりゃぁ存じませんでした。そういう事かぁ、と得心がいきましたョ。
用事ってのか、ちゃんとした訳があったんですねぇ、一応。

聴き慣れた志ん朝師の型をほぼそのままに口演。お家芸ですし、手を入れる箇所も無いのでしょう。
ただ、それでも “志ん輔師の三枚起請なのだ” と言い切れる “独特の間” や “呼吸” が感じられます。
これは凄い事ですね。

鳶頭の造形が良いですなぁ。さっぱりとした口調で、如何にもと言った風情を伝えてくれました。。
また、喜瀬川が開き直るその瞬間の表情の変化、この描写も志ん輔師の右に出る演り手は中々見つからないなぁ。
素晴らしい『三枚起請』、お家芸を存分に味あわせていただきました。

◆三増紋之助 曲独楽
いつも通り目一杯の明るく元気な高座。
見せ方が上手ですね、紋之助師匠は。

◆古今亭志ん輔 『真景累ヶ淵 其の四 上』
新吉は、下総羽生村の豪農で質屋も営む三蔵の妹お累の婿養子となって、不自由のない暮らしをしているところ。

そんな折、育ての親勘蔵危篤の報に接し、身重のお累を残し、新吉は独り江戸へ。
そこで死の床にある勘蔵から、自身の出生の真実を知らされます。

葬儀を終えて下総羽生へ帰ろうと駕籠を雇う新吉。
その駕籠は小塚原辺りで道に迷い、その際新吉は恐ろしい夢幻に襲われます。

“雨と闇” の組み合わせというのは、どうも恐怖感を倍加させる様で、聴いている私もぞくぞくとして来ました。
怖かったなぁ、この夢の場面は。

夢から覚め、千住の宿を目指して歩き始める新吉は兄新五郎の凶状と獄門首を眼にし、
兄の末期を知ることになります。

月満ちてお累の産んだ子は兄新五郎に生き写し。新吉は因縁を感じ、次第に気鬱となっていきます。
気散じに無縁墓の掃除をする新吉は、土地の名主惣右衛門の妾お賤と出会い、
二人はやがて理無い仲へとなっていきます。

新吉はお累と我が子与之助を疎んじ、全く顧みようとしませんので母子の生活は困窮を極め、見かねた兄三蔵がお累に蚊帳を買い与え、吊ってやります。

ここまで、地噺と会話の配分も良く、志ん輔師らしい “累ヶ淵” を堪能しました。
時折効果音として楽器が奏でられ、それらしい音色で言葉の後押し。
こういうのもあるのだなぁ、という感じですね。

~仲 入~

◆古今亭志ん輔 『真景累ヶ淵 其の四 下』
お賤に夢中になる新吉は、三蔵の買い与えた蚊帳をもすぐさま売り払う始末。
息子与之助が蚊に喰われるからと追いすがるお累の生爪をはがしてまで取り上げます。

またこの際、息子与之助をはずみで殺し、そのままにしてお賤のもとへ行ってしまいます。

その晩お賤の家に死んだ息子を抱いたお累がやって来ますが、どうも様子がおかしい。
新吉が家へ戻ってみると、お累は鎌で自害し果てていました。

さぁ、邪魔な妻子もいなくなり身軽となった新吉は、益々お賤へのめり込み、ついにはお賤の企みにのって惣右衛門を縊り殺し、お賤が予め書かせておいた遺言により金子を得るとともに、惣右衛門の湯灌を単独ですることとして殺害の隠蔽をも企図します。

独りで湯灌は手に余ると難儀する新吉。
そこへ兄貴分の土手の甚蔵が現れ、惣右衛門の死体の首に残る索状痕を根多に強請を掛けて来ます。

今夜はここが切れ場。
仲入後は三十分の口演。

抜群の描写力で、新吉、お賤の胸の内を見せてくれました。
何か闇の世界の窓を開けて、こちらを底知れぬ暗闇へ誘う妖しい雰囲気。


跳ねて歩き出しながら『兎にも角にも凄かったなぁ』と独り言。


帰宅して家人から『どうだった?』と問われ『(番組の)構成がちょっとなぁ』と感想。
仲入前が余りにも長く感じられたので、そんな “第一声” となったのですけれども・・・

私見を申し上げますと、色物さんは必要ないのじゃぁないかしらね、この会は。
肝心の “累” で、客席がやや集中を欠き、落ち着きを失っていた(もぞもぞ動く人が多かった)のを見ても、
仲入前が冗長だったと思います。

変則的ではありますが、休憩を二度入れる(志ん輔『三枚起請』後に仲入、『累』の上下間に休憩)様な事でもいいのじゃぁないかなぁ。
その方が客席は噺にのめり込めると思うのですが・・・

是非次回も、と思わせる志ん輔師の “怪演” が印象的な今夜の独演会。
『三枚起請』、『真景累ヶ淵』ともに名演だったことは間違いのないところです。




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らくご街道 雲助五拾三次 -鉄板- 4/14

 4月14日(月)らくご街道 雲助五拾三次 -鉄板- 日本橋劇場

昨年4月12日に -発端- で出発した雲助五拾三次。本日はその第十三宿 -鉄板-。二年目へ歩み出します。
お楽しみ四席と嬉しい予告。肩の凝らないところを楽しむことが出来そうな予感。

日本橋劇場に入りますと、演題のリクエストシートを手渡されました。
私、既にweb上でリクエストをしているのですが再度の “投票” 。
因みに四つの部門で “候補噺” が三席(落噺と夫婦噺は四席)挙げられています。

○寄席落噺之鉄板
強情灸、子ほめ(通常版)、子ほめ(ヴァイオレンス版)、ざるや

○粗忽無筆之鉄板
粗忽の釘、代書屋、堀の内

○廓落噺之鉄板
お見立て、辰巳の辻占、干物箱

○夫婦情之鉄板
厩火事、お直し、火焔太鼓(通常版)、火焔太鼓(人情噺版)

開演時間となり、雲助師匠が着流し姿、ワイヤレスマイクを持って登場。
『今夜は鉄板、となっていますけれども、寄席などでも必ず受ける噺、必ず爆笑を巻き起こすくすぐり、というものは存在しないのです』と、切り出しました。
大意として、同じ噺でもその日の流れ、お客様の好みなどによって受ける、蹴られる(すべる、だったかな)があり “必ず” ということはないのだそうです。
『ですから、鉄板ではなく定番、寄席でよく掛ける噺、と捉えて欲しいのです・・・』
『リクエストにお応えして、という趣向を池袋で一度試みたのですが、その時圧倒的票数を得た “ジャズ息子” を演る許可が川柳大兄に頂けず、そのまま第二回を行わなかった』など懐かしい話をしていると・・・
お手伝いの市助さんが登場。師匠に封筒を手渡します。

それを開封、天紅の用箋に今日の演題が書かれている、という凝った趣向。

『(将棋)名人戦の封じ手の様ですね』と言いながら開封し “発表” 。

web投票の票数が師匠に報告されていたとのことですが、異なる結果となった部門もあるとのこと。
『夫婦人情噺は “人情噺 火焔太鼓” ですかぁ! てっきり “お直し” と決めて浚っていましたのに・・・』


◆五街道雲助 『ざる屋』
これこそ “真の鉄板” ではないかなぁ。
十代目直伝。私も一票を投じました。

今夜は珍しく本来の下げ『うちの笊はつぶれません』まで演ってくれましたけれども、『金庫』で下げて受ける受けないに頓着しないのが “十代目流の本寸法” なのだそうです。
客席大爆笑の一席。

◆五街道雲助 『代書屋』
昨日鈴本で聴いた時に『これは明日も演るだろうなぁ』と覚悟しておりました。
『儲かった時も代書屋同じ顔』と川柳を詠んで滑稽譚の幕が切って落とされます。
『一行抹消。印鑑!』の繰り返しが何とも愉快。

下げて後、上方由来の噺を桂小南師(懐かしい!私はTVでしか存じ上げません)から喜多八師、そして雲助師へ伝わったと明かされました。

ツェッペリン飛行船云々は雲助師の工夫だそうで、時代が移り即位の大礼が平成の御代でも行われました為、本来の即位の大礼をツェッペリン飛行船来日に置き換えたのだそうです。

余談ですが、私の父親もこのツェッペリン飛行船は見たそうで、一度ならず高揚した口調でその時の様子を語ってくれたことがあります。

◆五街道雲助 『お見立て』
雲助師の『お見立て』を聴く度に “江戸から明治の雰囲気” を強く感じ、その時代に飛ばされます。
この雰囲気づくりには、喜瀬川花魁の伝法な口調が大きく寄与していますね。
独特の気怠い雰囲気と伝法な言葉遣いで、今夜も見事に百五十年ばかり過去へ飛ばされました。

ここまで三席を続けて口演し、仲入。

~仲 入~

◆五街道雲助 『人情噺 火焔太鼓』
『ねぇ、お前さん・・・』と女房の初手の切り出しが、まるで『芝浜』の冒頭の口調なのですね。
『ねぇ、お前さん、起きておくれよぉ』となるのではないか?『芝浜』が始まるのではないか、といった感じ。場内はここで早くも爆笑が沸き起こっていました。

そして亭主がまた傑作で、髪結新三或いは “双蝶々 雪の子別れ” の長吉といった風情の台詞回し。
『そりゃぁお前、俺だって・・・』と色悪の表情、口調で演るものですから、客席はひっくり返って笑いの渦。

全編こんな調子で進み、客席全体が噺のあいだすっと笑い続けるという事態に陥りました。私も涙が出る程笑いましたけれども、まぁ近頃では記憶に無いひっくり返りようでしたね。
これは文章ではとても伝えられません。実際にその場に居て同じ空気を吸っていないとこの雰囲気は解らないでしょう。
兎にも角にも客席大爆笑の “人情噺 火焔太鼓” お見事。

◆五街道雲助 『新版三十石』
大拍手と笑い声を制しながら『言わば洒落、遊びで拵えた噺ですから、今夜で封印しても宜しいかと存じます』と “人情噺 火焔太鼓” の封印宣言。

『お開きに寄席で時間の無い時に掛ける噺を・・・』と浪花節の枕から “新版三十石” へ。
大訛りの赤澤熊蔵先生で、これまた客席を爆笑させてくれました。
これも愉しかったなぁ。


寄席で間へ挟まった時によく伺う根多を中心に五席。
主任根多の『お見立て』で仲入という贅沢な一夜となりました。
いやぁ素晴らしかった。

家人と、これは忘れられない晩となりそうだね、など語らいながら家路へ。

大満足の雲助五拾三次。次回は5月20日(火)柳家小里ん師を迎え吉例『髪結新三』と触れられています。




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鈴本4中昼 4/13

 4月13日(日)鈴本演芸場 昼席

鈴本の芝居によくお誘いする長い鑑賞歴を持つ友人と二人連れ。
さん喬師、雲助師、三三師と顔の揃った昼席の圓太郎師の芝居へやって参りました。

柳家まめ緑 桃太郎
春風亭朝也 壺算
鏡味仙三郎社中 太神楽
柳家三三 一目上がり
柳家さん喬 短命
ロケット団 漫 才
柳家小里ん 碁泥
五明楼玉の輔 宮戸川
林家二楽 紙切り
五街道雲助 代書屋

~仲 入~

江戸家小猫 ものまね
春風亭百栄 寿司屋水滸伝
隅田川馬石 反対俥
三増紋之助 曲独楽
橘家圓太郎 星野屋


◆朝也 『壺算』
次第々々に混乱の度合いを増す店主の様子を巧みに描写しました。
聞き取り易い声質、歯切れの良い口調、好演。

◆仙三郎社中 太神楽
仙三郎、仙四郎の二人で登場。
傘~五階茶碗~土瓶~花笠の取り分け
歓声がこれだけ上がるってことは、今日は典型的な日曜日の客席なのでしょう。

◆三三 『一目上がり』
本来は仲入ですけれども、出番を交代して浅い時間に出演。
軽い調子でさらりと。

◆さん喬 『短命』
尺を縮め、割合と早めに『あぁ、そうかぁ!』と合点しました。
うけていましたねぇ。

◆ロケット団 漫 才
お馴染みの根多。
今日は毒気を薄めて『日曜日仕様』

◆小里ん 『碁泥』
『碁、将棋に凝ると親の死に目に会えないなどと申しますが・・・』と始め、
縁台将棋や碁会所の場面描写を枕に本編へ。

夢中で碁を打つ二人の様子を見事に活写しました。
泥棒が口を尖らせ気味に鼻を突っ込む場面も面白かったなぁ。
流石の出来。好高座。

◆玉の輔 『宮戸川』
いつもの感じでひょうひょうと。

◆二楽 紙切り
鋏試し桃太郎、アポロ11号、花魁
苦労した?アポロ11号、お見事でした。

◆雲助 『代書屋』
こういう『困っちゃうなぁ』って人、実際にいらっしゃいますよね。
くすりと笑わせました。粋な高座。

◆小猫 ものまね
先ずはお家芸の鶯。
ホオジロ、秋の虫声、鶏、犬、猫、羊、山羊、犀、シマウマ、ワオキツネ猿、チンパンジーそして手長猿。
ものまねは勿論、話術も巧みです。
客席おおうけ。

◆百栄 『寿司屋水滸伝』
百栄師が実際握っていた時はどんな雰囲気だったのかな?
この根多を聴く度にそれが気になります。

◆馬石 『反対俥』
最初の車夫がいつもに増してぜいぜいと苦しそうな息づかい。
『これで明日から入院出来ます』の台詞に、真実味を与えました。
面白かったなぁ~。

◆紋之助 曲独楽
いつもの調子。元気一杯。

◆圓太郎 『星野屋』
枕で『あぁ、星野屋だな』と判りました。
先だって聴いたばかりなのですが、好きな噺なのでまぁ良し。
最後半、お花の出した髪がかもじと明かされた場面で、重吉の『えっ?あっしとお花が企んで?・・・』の台詞を抜かしましたね。
畳み掛ける速度感は増しましたけれども、これは多分『抜けちゃった』のだろうなぁ。
前半は今日の方がまとまりが良く、後半は先日(4/8 国立昼席)の方が完成度が高かったかなぁ、と思いました。


跳ねて友人と『解りやすい噺が多かったのは日曜だからだね』と語らいながら
『今日の一席は小里ん師 “碁泥” 』と意見一致。




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国立4上昼 4/10

 4月10日(木)国立演芸場 昼席

国立演芸場4月上席千穐楽。
主任正蔵師の根多は『ねずみ』。


◆林家つる子 『桃太郎』
愉快な表情で達者な高座。
以前にも書いたように思いますが、つる子さんは演ずる事を楽しんでいる様に感じます。好演でした。

◆林家はな平 『看板のピン』
『親分、賽子が壺から転がり出ていますぜ、と言った奴が一人でも居たかい・・・』
『・・・そういうさもしい了見になるから博打なんぞやらねぇに限るンだ』
これを丸きり刈り込んじゃった。

この親分の警句を挿れないと、噺の面白味が半減・・と言いますより、そもそも噺が成立しないと思うのですけれども・・・。
会話の間合いは良かったのですが、澱が残りました。

◆隅田川馬石 『堀の内』
寄席で間に挟まって演る時に馬石師が見せる軽妙な味わいって、何か癖になりますね。
面白かったなぁ。

◆伊藤夢葉 奇 術
ロープとハンカチをみっちり。
客席爆笑。

◆三遊亭萬窓 『たらちね』
巧いなぁ。
下げは『依って件の如し』を避けて、八百屋と八五郎の会話。
『旦那、長いのがございますが』
『いやぁ、長いのはよそう。長いのは名前だけで沢山だ』
至芸を堪能しました。流石。

◆鈴々舎馬桜 『人形買い』
珍しくも “通し” を非常に丁寧に演ってくれました。
私、『人形買い』を本来の下げまで聴いたのは、数十年振りじゃぁないかしらん。好高座。

~仲 入~

◆林家三平 『悋気の独楽』
枕の “家族漫談” を早めに切り上げて本編へ。
妾が寝そべって『にゃ~お』には大笑い。三平師らしい愉快な一席。好演。

◆笑組 漫 才
千穐楽は杜子春。客席を大いに沸かせました。

◆林家正蔵 『ねずみ』
甚五郎の造形が誠に素晴らしい。
悟りを開いたが如くの鷹揚な口調を強調し、村夫子然とした長閑な風情を巧みに描き込みました。

意外だったのは卯之吉。
正蔵師ならばもっと子供々々した卯之吉かと思いの外、大人びた造形。
それでいて生意気でもなし、こまっしゃくれてもいない素直な感じ。
成程!、と得心の行く人物造形に唸りました。

後添の女中頭お紺と虎屋番頭丑蔵との関係はぼかした表現に留め
お紺の登場は、卯之吉への折檻一件と印形の件のみ。
『前から出来ていた』の説明は割愛しても良いかも知れません。蛇足って感じですものね。

あと気づいたことは・・・
仙台再訪の折、甚五郎は政五郎と二人連れでやって来ますけれども
飯田丹下作の虎を評価する際、先ずその政五郎に感想を聞きます。
ここは『政五郎さん、どう思うね?』或いは『政さん』、『政』、『若、どうかね?』など
演者によって問い掛け方が異なりますが、
正蔵師は『二代目、どう思うね?』と演っていました。この『二代目』って好い響きでしたねぇ。

下げも素に戻らず台詞の調子で。
これこれ、こうでなけりゃぁね。

私はこの『ねずみ』という噺が元々好きですけれども、今日の正蔵師の『ねずみ』は印象に残る一席だなぁ。

下げの直前、甚五郎がねずみに語り掛けた『おい!ねずみ!』の一言に、私、雷に撃たれた様な感動を覚えました。
それこそ甚五郎の、そして正蔵師の、一言に込めた魂が伝わって来た感じです。
素晴らしい出来。見事な『ねずみ』。


良かったなぁ、面白かったなぁ、と感慨に耽りつつ家路へ。




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むかし家今松独演会・春 4/9

 4月 9日(水)むかし家今松独演会・春 国立演芸場


『黄金の大黒』、『笠碁』、『長崎の赤飯』と根多出しされている今松師独演会・2014春。
十代目の口演が印象に残る『笠碁』を聴きたいなぁ、と予約を入れました。

◆立川笑二 『子ほめ』

◆柳家小せん 『あくび指南』
刈り込んだ尺、持ち前の美声で心地良い高座。

◆むかし家今松 『黄金の大黒』
口慣らしと言ったところ。
長屋連中の店賃を巡る茶利はあっさり目。
代わりに次の場面で『羽織ってなぁ~に?』と挿れました。これは笑ったなぁ。
大黒様が恵比寿様を呼びに行くまできっちりと。

◆むかし家今松 『笠碁』
『待ったを打っているのじゃぁないかと・・』、『返さなけりゃ泥棒だ』、『大掃除云々』、『商売なんかどうだっていいんですよ』、『おっぱいが大きいからって威張っている』など
懐かしい言い回しを残しつつ、端正な居住まいの『笠碁』。
因みに “首振り” はしません。
今松師らしいあっさりとした味わいが光りました。

~仲 入~

◆丸一仙翁社中 太神楽
仙翁、仙若、花仙の三人で登場。
小仙師匠が仙翁家元となられたのね。
しかし久し振りだなぁ~。お元気そうで何よりです。
仙翁家元が後見を勤めながら一緒に曲芸もする大車輪の活躍。
見事な高座、客席大いに沸きました。

◆むかし家今松 『長崎の赤飯』
初めて聴く噺です。粗筋も知りませんでした。
冒頭、 “有り得ない事” を意味する言葉として “長崎から強飯が届く” との言い方があった、と仕込みました。

さる大店の息子が芸事に夢中となり父親から勘当されますが、母親の密かな働きで母方の親類の住む伊勢へ預けられます。
その伊勢の叔父が商用で長崎へ下る際に同道した息子(金次郎だったかな?)は、同地の大店の一人娘と出会い婿養子となって長崎で暮らすことに。

一方江戸では、一人息子を勘当して三年、後悔しきりの大旦那。
息子の消息は?と気を揉んでおりますと、これこれこういう子細と女房から明かされて大喜び。息子を呼び返すことに。

帰って来た息子は既に長崎の大店で婿養子となり、その女房のお腹には子までいるとの話。
何とか江戸へ引き留めて店を継がせたい父親が、番頭ともども奇策を案じますが・・・

番頭が茶利の効いた役回りで大活躍。

二股を掛けられた婚家(武家!)主人の、誠に粋な計らいをもって大団円となります。
お開きに相応しいお目出たい噺。
客席も笑顔一杯で拍手。

長く複雑な噺ながら、そこは今松師。地に頼らず、会話で紡ぎ解りやすく演ってくれました。流石だなぁ。


いやぁ、好高座の揃った素敵な会だったなぁ、 “秋” も是非とも参加させていただきたいなぁ~、などと道中独りごちながら帰宅。

ほぼ同時刻に行われていた “にぎわい座 五街道雲助一門会” に行っていた家人が、間もなく帰って来ました。

にぎわい座も非常に素晴らしい内容だったとのこと。
演題を記載しておきましょう。

◆雲助師匠、芸術選奨文部科学大臣賞受賞のお祝い。花束贈呈。
◆柳家さん坊 『牛ほめ』
◆隅田川馬石 『王子の狐』
◆五街道雲助 『禁酒番屋』
~仲 入~
◆桃月庵白酒 『義眼』
◆蜃気楼龍玉 『大坂屋花鳥』

師匠と兄弟子の “命令” で主任を勤めることとなった龍玉師。
下掛かった噺の続いた〆に、ぼやきながらも渾身の『大坂屋花鳥』。好演だったとのことです。




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国立4上昼 4/8

 4月 8日(火)国立演芸場 昼席

国立4月上席、八日目の今日は、正蔵師『山崎屋』と触れられています。


◆柳家さん坊 『真田小僧』
豊かな表情、聞き取り易い口跡。父子の会話が活き活きしています。
好い出来だったなぁ。面白かったです。

◆林家はな平 『壺算』
以前聴いた時に比べ落ち着いた話し振り。
その “以前” というのが、一昨年の7月。にぎわい座の『落語白樺派』。
若い二つ目さんの二年間ですもの。相当進歩していますよね。
好演でした。

◆隅田川馬石 『王子の狐』
十八番を繰り出して来ました。
巧いなぁ。
二階で酔ってうたた寝の女(狐)が、店の女中に起こされた直後の様々な細かい仕種、取り繕う様など絶品ものでした。
いやぁ、恐れ入りました。凄い。

◆伊藤夢葉 奇 術

◆三遊亭萬窓 『悋気の独楽』
いつもの様にかっちりした楷書で丁寧な高座。
『芯棒が狂ってます』、好演。

◆鈴々舎馬桜 『肝つぶし』
今日もまた『お珍しいところを』と断って “肝つぶし” へ。
思わず息を呑む迫真の展開、その描写力は流石に凄かったですね。
こうしたやや陰鬱な雰囲気、且つ展開が素直でない捻れた感じの噺を演ると、馬桜師は乗り乗りになりますなぁ。
好高座でした。お見事。

~仲 入~

◆橘家圓太郎 『星野屋』
三平師代演で圓太郎師登場。
軽く客席をほぐしておいて、さっと本編へ。
前半の旦那とお花の会話(旦那が入水するまで)は少しもたついた感じがしたのですが、
そう感じたのは尺合わせの刈り込みで “心中” の経緯が今一つ解りづらかった為かも知れません。

重吉の怪談話から下げまではもう素晴らしい出来。
調子良くとんとんとんと下げへ畳み掛け、客席を大いに沸かせました。好高座。

◆笑組 漫 才

◆林家正蔵 『山崎屋』
冒頭の仕込みで “昼三” の説明の際、三分は約十万円、昼夜だと一両二分で約三十万円、としていましたけれども・・・
この計算だと一両二分は二十万円ですよね。二両一分の間違いではないかしらん?ちょっと引っ掛かりました。
“新造” “花魁道中” などの仕込みを終え本編へ。

うむ~、若旦那と番頭の会話が余りにも説明に寄り過ぎの様な感じですねぇ。
色事発見から番頭を洒落半分で脅す若旦那、切り返す番頭、という丁々発止の言葉の遣り取りで、
本来は客席が大いに沸く筈なのですけれども・・・

この番頭が生きていないと言うか、まるで存在感がないのです。
番頭さんが、筋書きを述べる『影の声』みたいになっちゃった。

後半の茶番一幕から下げへ向けては鳶頭の人物造形が巧みでしたので、これに引っ張られる格好でうまく乗り切った印象。私、後半部は大変愉しく聴くことが出来ました。
正蔵師ならば前半も工夫を凝らし、面白おかしく演ってくれる筈。もう一度聴いてみたい感じがします。


跳ねて大劇場への坂を歩きながら『馬石師と馬桜師、そして圓太郎師だなぁ~。・・・今日は圓太郎師の日かな?』と独り言。




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第53回人形町らくだ亭 4/7

 4月 7日(月)第53回人形町らくだ亭 日本橋劇場

『花も散り始めているのに、風は冷たいなぁ』などぶつぶつ言いながら人形町へ。


◆古今亭半輔 『牛ほめ』
最初の誉め口上伝授場面で、与太郎が父親の口上をなぞらない短縮版。
視線の動かし方で噺に立体感を持たせました。抑揚の効いた高座。面白かったなぁ。

◆柳亭こみち 『安兵衛狐』
枕で登場した師匠の口真似が『いかにも燕路師の言いそうな内容』で、且つよく似ていたので思わず大笑い。

歯切れよく聴きやすい口跡で噺を進めました。
登場する『二人の女房』の描写が抑え気味でしたので、女流が女性を演るのって案外難しいのだろうなぁ、などと考えながら聴いていました。
すっきりとまとまった『安兵衛狐』、好演。

◆蜃気楼龍玉 『強情灸』
十八番と言って良いと思います。
今夜はどちらかと言いますと、後半の芝居掛かった仕種や台詞回しに力点を置いた演出。
豊かな表情、大きな動作で面白く見せてくれました。

一か所だけ・・・番号札を交換した年増の年齢を語る場面で、いつもの間ではなく若干間延びした感じ。
ここ、残念だったなぁ。大笑いしたかったのですが・・・

◆柳家小満ん 『長屋の花見』
発端で、長屋の住人達が喜び、また落胆する様を面白おかしく伝えてくれました。
しかし圧巻だったのは上野へ着いてからの描写。
今夜小満ん師の “長屋の花見” に接し『成る程なぁ~』と感じた事があるのですけれども、
長屋連中が半畳を入れながらこの貧乏花見を楽しんでいる雰囲気なのですね。
自棄になって、というのではなく洒落のめして楽しんじゃおう、との感じ。
『後ろが桜だからまだいいや、これで松並木だったら “晒し” だよ、まるっきり』など、てんでに愚痴りながらの愉快な花見。
『長屋中 歯を食いしばる 花見かな』、『大家さん、酒柱が立ちました』、と一通り演った後『去年の秋、井戸に落っこちた時と同じ心持ち』で下げ。
誠に味わい深い一席。お見事でした。

~仲 入~

◆古今亭志ん輔 『火事息子』
枕で大名火消、定火消、町火消について触れ、定火消の評判が良くなかったこと、中でも臥煙(定火消の火事人足)の風体及び言行が奇矯で、嫌われ者であったことなどを仕込みました。

息子の名は “よしさぶろう” ・・吉三郎・・かな?
に組鳶頭初五郎の未亡人がその乳母で・・・と後半に明かされました。
乳母におぶわれて屋根で火事の方角を見たり・・・なんだっけな、買い与える玩具と言えば鳶口や纏・・・でしたか?そんなこんなで火事好きになっちゃったのね。

『決め台詞』と言うのでしょうか、志ん輔師の高座ではよく『この一言』という感じの非常に印象深い台詞回しがあるのですが、今夜も竃の脇で小さくなっている息子へ掛けた父親の一言、『馬鹿野郎!前へ出ろ!』の迫力が凄かった。
今夜の全てをこの台詞に込めた感じだったなぁ。万感込めた珠玉の一言。
私、ここで深い感動を覚えました。

続く父親の嗚咽をこらえながらの長台詞、そして母親登場、このあたり次第次第に感情の昂揚(演者は勿論、客席の雰囲気も)を鎮静化させるが如くの演出。つまり芝居から落語へ流れを戻す様な感じ。
そして下げへ。
いやぁ、期待した通りの素晴らしい高座、堪能しました。


今夜もまた好高座の揃った人形町らくだ亭。次回は6月25日(水)開催。主任小満ん師、さん喬師他出演と発表されています。




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国立4上昼 4/3

 4月 3日(木)国立演芸場 昼席

国立演芸場4月上席は、正蔵師の芝居。
『たちきり』、『子別れ(通し)』、『試し酒』、『山崎屋』、『ねずみ』の五席を二日間づつ根多出しで勤めるという意欲的興行です。
私、ごく最近正蔵師の『たちきり』と『試し酒』には接しておりますので、
『子別れ(通し)』、『山崎屋』そして『ねずみ』の日を選択し予約をしました。
今日はその “初日” という訳です。『子別れ(通し)』、楽しみだなぁ。


◆林家つる子 『牛ほめ』

◆林家たけ平 『金色夜叉』
駄洒落尽くし。
“参加型” と称して客席に挙手を求めるのは私の好みではありませんが、それを除けば愉快な高座。

◆隅田川馬石 『時そば』
細かな描写を重ねて綿密な組立。表情が秀逸でしたねぇ。お座敷の芸と言ったところ。

特に、模倣者が中々出来上がらない蕎麦を待つ間の、その何ともいえない表情の変化が素晴らしかったなぁ。
しかも、今日はこの場面で携帯の鳴る “事故” 。
ますます『嫌ぁ~な表情となる』馬石師、いや模倣者・・・。
実に上質な『時そば』。堪能しました。

◆花島世津子 奇 術
夢葉先生の代演。
ハンカチ~ロープ~トランプ。
“拍手” のプラカードを有効に使い、お洒落な奇術を見せてくれました。

◆三遊亭萬窓 『宮戸川』
楷書体、丁寧な口調で噺を進めます。
何と言うのだろう、萬窓師の “癖のない” 高座に接しますと、
客席に座っているこちらまで清々しい透明な気持ちになります。

寄席の尺で『あっ、お時間でございます』
好高座。

◆鈴々舎馬桜 『景清』
出の時に袖で何やら話し声。
『いや、演るよ!』と声が聞こえると同時に上がって来ました。

『私は地味なところ、お珍しい噺・・・盲人の噺を』と断りを入れて本編へ。
盲人の様子が巧みですね。
願い通じず、と知った時の赤坂の円通寺並びに寛永寺清水観音への罵詈雑言、
また喋っている時の微妙な抑揚の変化、そして僅かな表情の違い等で
病を得た者特有の屈折した内面をも客席へ伝えてくれました。

目を瞑っているので、顔の上げ下げや口を尖らせるなどの工夫で見せてくれるのですが
素晴らしい表現力だったなぁ。

それと・・・おつむりの所為もあるのでしょうけれども
本当の座頭に見えるのですよね、馬桜師が演ると。

目が覚めた定次郎の驚愕を交えた喜びの表情が印象的です。好演。

『演るよ!』の声は、雷に撃たれて目を廻す場面が前方と丸きり付くことに触れたものだったのでしょう。

~仲 入~

◆林家三平 『ざる屋』
漫談で下がるのだなぁ~、と思っておりましたら
最後半に5分程の『ざる屋』。
最初から演って欲しかったなぁ。
漫談で時間を費やしてしまうのは勿体ないと思いますね。愉快な『ざる屋』でしたから。

◆笑組 漫 才
走れメロス。お馴染みの根多で客席を沸かせました。
客席から高座へ話し掛けるお客様がいらっしゃって、少しだけぎくしゃくした雰囲気に。
困っちゃうねぇ、本当。

◆林家正蔵 『子別れ(通し)』
夫婦喧嘩、夫婦別れの枕を短めに振り、古川柳 “弔いが山谷と聞いて親父行き” と “強飯の女郎買い” へ。

熊さんの毒気が若干不足気味かな?
尚、正蔵師は熊五郎、お徳、亀で演りました。
紙屑屋の長さん所持金の件は、掛け合いを刈り込んで、あっさり『三銭だよ』の一言。

中の “浮き名のお勝” は地噺で簡単に触れるに留め、 “子は鎹” へ。
うむ~、 “通し” と予告した割に、上、中はあっさり進めた印象です。

下では女房お徳が亀を引き寄せ叱る場面が好かったですね。
お徳の表情が真に迫っていました。

それと、熊五郎が亀に『また一緒に暮らすには、お前から母ちゃんに俺の事を言うのじゃなくて、
先ず俺があいつの前に手を突いて詫びなけりゃぁいけねぇんだ。だから今日の事は内緒にな』と言います。
やや説明的にはなりますけども、そういう了見なのだ、と念を押すのが律義で良かったですね。
鰻屋では実際両手を突いて頭を下げる場面もありました。

鰻屋二階で、またお父つぁんお母さんと三人で暮らしたい、と亀坊。
その亀坊にもっと喋らせても・・・と感じた場面もありましたけれども、
どちらかと言うと大人二人が主役で、落ち着いた風情の “子は鎹” 。
泣かせに走らない粋な『子別れ』。好高座。


跳ねて外は花散らしの強い雨。
川さながらに流れる水に逆らって歩きつつ『うむ好かったなぁ』と独りごちながら家路へ。



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喜多八・白酒二人会 4/2

 4月 2日(水)柳家喜多八・桃月庵白酒二人会 深川江戸資料館


【DOURAKUTEI出張寄席】 今夜は 『冗談いっちゃあいけねぇ』 Part2 喜多八・白酒二人会。

人気があるんだなぁ。ほぼ一杯のお客様。
“さぁ~てどんな根多で笑わせてくれるのかしらん” と大いに期待しながら着席。


◆立川笑二 『道具屋』

◆桃月庵白酒 『だくだく』
近頃の家電製品の話題から立体画像、仮想現実と長い枕(15分程)。
『十八番を掛けるのだな』と気づきましたので私、思わず座り直しました。

お馴染み『吹き矢、手裏剣版』爆笑の一席。何回聴いても面白いですねぇ。

◆柳家喜多八 『笠碁』
新宿~上野~中目黒~自宅(高田馬場)でしたっけ?
洗い張りに出していた着物の引取を仕事帰りに、と張り切った為、
昨日は自転車でかなりの距離を走ったそうで『疲れてます』とのこと。

志ん生師匠の将棋好きなどを枕に『笠碁』へ。
碁敵の二人が大店の御隠居といったゆったりとした風情ではなく “無邪気に振る舞いあえる幼なじみ” という感じなのが特徴的ですね。

我慢も限界とばかりに菅笠を被って出掛ける御隠居さんは “相模屋” としました。
この相模屋さんの首振り歩きが何とも愉快でしたねぇ。
“待ち構える御隠居” が碁石を一所懸命に盤へ打ちつけ、音を出す仕種がまた愉快。
細かな心理描写にとらわれず、解り易く軽い味わいだなぁ。
“童心に戻った御隠居” を活写した喜多八師の『笠碁』、好高座。

~仲 入~

◆柳家喜多八 『あくび指南』
小唄、端唄、経師屋連など『“稽古屋” かな?』と思わせる枕だったのですが『あくび指南』へ。
これがまた実に好い出来。
滑稽味に寄せた演出で客席を大いに沸かせました。いやぁ、笑った笑った。

◆桃月庵白酒 『花見の仇討』
花見の話題で『50歳代の男達だけの一団が “ハンカチ落とし” で遊び、大盛り上がりしているのを目撃した』と来ましたので客席大爆笑。

“親の仇” が “マヤの遺跡” となったり、白酒師らしいくすぐり沢山の『花見の仇討』。文句無し。お見事。

跳ねたのは9時半少し前でしたか。
『愉しかったなぁ~』と独りごちながら家路へ。




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プロフィール

喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)

Author:喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)
喜洛庵寄席桟敷へお越しいただきまして、ありがとう存じます。
寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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