鈴本8下夜 8/31

 8月31日(日)鈴本演芸場 夜席

鈴本8下夜、雲助師匠の根多出し芝居の千穐楽。
この下席は昼席の川柳師を観に来たきりで、楽日を迎えてしまいました。
早くも季節の変わり目を感じさせる曇天を仰ぎ見ながら、家人と二人鈴本演芸場へ。


三遊亭ございます 一目上がり
入船亭小辰 真田小僧
鏡味仙三郎社中 太神楽
隅田川馬石 狸札
古今亭志ん橋 間抜け泥
大空遊平・かほり 漫 才
桃月庵白酒 粗忽長屋
三遊亭歌之介 お父さんのハンディ

~仲 入~

柳家小菊 粋 曲
春風亭正朝 手紙無筆
伊藤夢葉 奇 術
五街道雲助 中村仲蔵


◆ございます 『一目上がり』
達者な前座さん。
今夜も愉快な表情で噺を進めました。

◆小辰 『真田小僧』
今日の二つ目枠は人気の小辰さん。
前座時分は別名 “小走りの小辰” で、真面目な印象の小辰さんでしたが、くだけた感じで喋る枕も中々面白いですね。
本編も万全。好演でした。

◆馬石 『狸札』
『野球の話からで恐縮ですけれども・・・』と延長五十回(でしたか?)の軟式野球大会の話題。
『まぁ、噺とは全く関係ないのですが、今夜のお客様は “聴き上手” と小辰さんが言っていましたので・・・』

文字通り唐突に入った本編は、十八番に更に磨きがかかり、抜群の面白さ。
何だろうねぇ、今までとの違いは。
子狸の描写が好くなっている様に思われましたが・・・つまり狸の了見で演ることが出来ている、そう言う事かなぁ?
好高座。絶品もの。

◆志ん橋 『間抜け泥』
如何にもしくじりそうな人物造形の泥棒。
しっかり笑わせてくれました。
下げは『買ったばかりの下駄忘れてきちゃった!』
大笑い、好演。

◆白酒 『粗忽長屋』
白酒師も馬石師と同じく、くだけた枕で客席をひっくり返しておいて本編へ。
こちらもまた楽しかったなぁ。
兄貴分の方が『俺かも知れないなぁ、そう言えば』となる “新版粗忽長屋” お見事。

◆歌之介 『お父さんのハンディ』
白酒師は隣町の出身で、楽屋入りした前座の白酒師が事もあろうに『先輩!』と呼び掛けてきたことなどを愉快に回顧。掴みが巧いなぁ。
本編の方も笑い沢山。
これ、ゴルフをやる人は堪らないですよ。楽しい一席。

◆小菊 粋 曲
欽来節から都々逸、晴れて雲間に~両国風景
茶利は挟まず唄をたっぷり演ってくれました。素晴らしい高座。
見惚れ聴き惚れ至福の時間。

◆正朝 『手紙無筆』
膝前で軽く。端折りながらも貫禄の高座。
巧いねぇ。好演でした。

◆雲助 『中村仲蔵』
文句無し。
雲助師の『仲蔵』は師弟の、そして夫婦の情愛をも織り込んでいる傑作ですが、今夜も存分に堪能しました。
その姿を写される若旗本の造形がまた粋ですねぇ。いきなり『堺屋!お前・・・』ですからね。
ぞくぞくっとしました、格好が好くて。
名演。

木戸を出て『雲助師好かったねぇ』と家人と同時に “発声”。
『馬石師、凄く面白くなっていたね』、『白酒師も好かった』などと喋りながら家路へ。




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VAMP 魔性のダンサー ローラ・モンテス 8/25

 8月25日(月)VAMP 魔性のダンサー ローラ・モンテス 
EX THEATER ROPPONGI

桐生操の原作を浅井さやかが脚本化。
演出は岸谷五朗、ローラ役に黒木メイサと話題性に富む舞台です。
家人が知人からお誘いをいただき、更に『ご主人もどうぞ』とのお言葉に甘え、久し振りの六本木。EX THEATERへ。

出演者は次の通り。
○ローラ・モンテス 黒木メイサ
○フランツ・リスト 中川晃教 ○トーマス・ジェームズ 水田航生
○アレクサンドル・デュマ 新納慎也 ○アレクサンドル・デュジャリエ 中河内雅貴
○(闇) 早乙女太一
○ルートヴィヒ一世 橋本さとし


棺に花を手向け土を掛ける葬送場面から舞台が始まり、客席もまるで一緒に埋葬されたが如く光量を絞り、こちらも土の中から蘇って舞台を観ている様な雰囲気となります。見事な掴みでした。

フランツ・リスト役、中川晃教の歌唱が非常に印象的。またリストの繊細な感性をも見事な演技で客席へ伝えてくれます。
デュジャリエ役の中河内雅貴、その狂気と隣合わせの才能のほとばしりを好演。橋本さとしは貫禄の演技、舞台が締まった感じ。
早乙女太一は黒木との剣舞で登場。見事な受けの演技で黒木を引き立てました。

舞台上に次々と映写されるコラージュ。そして個性的なライティングも印象的。新しい小屋だけあって、ライティングもサウンドも素晴らしいクオリティですね。

歌唱場面が独唱主体なので、少しユニゾンを挟んだりして厚みに変化をつけたら・・・とも思いましたけれども、まぁそれはそれ。
黒木メイサの美貌を活かしたお洒落な舞台に満足至極。

物語の色々を知人を含めた三人で語り合いながら家路へ。



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鈴本8下昼 8/23

 8月23日(土)鈴本演芸場 昼席

『川柳師、行こうよ』と古い友人に声を掛け、更によく鈴本へお誘いする鑑賞歴の長い友人をも巻き込み三人で鈴本昼席へ。
到着すると既にかなりの行列が場内に出来ていましたが、冷房の効いたところでの開場待ちですので楽ちん。


三遊亭歌実 子ほめ
林家ぼたん ぞろぞろ
松旭斎美智 奇 術
橘家圓十郎 堀の内
春風亭一朝 祇園祭
ロケット団 漫 才
桂文楽 元帳 
春風亭柳朝 お菊の皿
柳家紫文 三味線漫談
春風亭百栄 露出さん

~仲 入~

翁家勝丸 太神楽
三遊亭歌武蔵 漫 談
柳亭燕路 間抜け泥
ホームラン 漫 才
川柳川柳 ガーコン~ラ・マラゲーニャ

◆歌実 『子ほめ』
鹿児島実業の出身なので「かじつ」。歌之介師のお弟子さん。
前座さんの高座とすればかなりの完成度。

◆ぼたん 『ぞろぞろ』
こちらはこん平師門下。
茶屋の老夫婦の造形が的確で『面白いなぁ』と思いながら聴いていたのですが、後半なぜか失速気味。と言うか描写が雑になり駆け足になっちゃった。
今日は団体さんが入っているので、やや騒がしいのが影響したのかなぁ?

◆美智 奇 術
ハワイアンでハンカチ~ロープ~お札。
いつもの様に、前列のお客様を女王様然とした雰囲気でいじっていました。

◆圓十郎 『堀の内』
お馴染みの “どっこいしょっと、よいしょっ” から客席を笑いの渦へ巻き込みました。
圓十郎師の声質、好きだなぁ。心地良い響きでした。

◆一朝 『祇園祭』
十八番なのに乗れず仕舞いの印象。
少し端折ったから?
この人にしても、こんな日もあるのだなぁ。

◆ロケット団 漫 才
爆笑の連続。うけていましたねぇ。

◆文楽 『元帳』
かっちりと演った感じ。
手堅い高座。締まりました。

◆柳朝 『お菊の皿』
客席の雰囲気がどうあれ、今日はこれを演るぞ、と決めてきたのかな?
冒頭、御隠居宅でのわいわいがやがやした感じが今ひとつだったかも。
お菊さんの描写は出来ているのですが、中~後半も冒頭と同じく若い衆の跳ねる雰囲気が描ききれていない為、筋追い染みて滑稽味が足らない感じ。

◆紫文 三味線漫談
都々逸~鬼平~大岡越前。
押していたか、短めの高座。

◆百栄 『露出さん』
十八番を愉快に。
この噺は本当お似合いです。
今日の客席だと『船越くん』もあるかな?と思いましたが、矢張りこちらが正解だったかな。大うけ。

◆勝丸 太神楽
五階茶碗~傘(茶碗、升)。短い時間で下りました。

◆歌武蔵 漫 談
先月の名古屋場所を中心とした相撲談義。
大いに沸かせました。

◆燕路 『間抜け泥』
羊羹が胸につかえた仕種があまりにも真に迫っているので、本当にどうかしちゃったかと思いました。
下げは『下駄忘れてきた!』
これ『紙入れ置いてきちゃった!』はよく聴きますが、下駄忘れたってことは裸足?
それ程慌てていたのね。好演。

◆ホームラン 漫 才
広島根多は避けて、職務質問~TVショッピング。
こちらも大うけ。今日は漫才、漫談系の方がうけが好い感じです。

◆川柳 『ガーコン』~『ラ・マラゲーニャ』
“英国東洋艦隊” は割愛されましたが、昭和歌謡を唄わない軍歌から始まるバージョンとすればほぼ完全版。
『敵の演っちゃった!』が入ると面白味が倍増しますな。堪能しました。

それと、キーを下げないで原曲通りに唄えるのが凄いですねぇ。

『ガーコン』のあと、座り直して『ラ・マラゲーニャ』への導入。
回顧と解説。芸談とまではいきませんけれども、中々興味深い話。
『ラ・マラゲーニャ』でも元気なところを見せてくれました。


跳ねて三人で久々に会食~お茶。



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川柳川柳・つくし親子会 8/16

 8月16日(土)川柳川柳・つくし親子会 大倉山記念館

鈴本8下昼の川柳師の芝居へ友人と行く予定なので、『ガーコン』だけならば見送りなのですが、今や幻に近い『ジャズ息子』が根多出しされているので予約。
以前、吉野町で開催された時に、観に行く心算だったのを失念したなんてことを思い出しながら、家人と二人大倉山記念館へ。


◆川柳つくし 『私の中のオバサン』
オバサンパワーに感化されまいと踏ん張るも、いつしか自らもまたオバサン化していた、という粗筋。
筋立てそのものもまずまず面白いのですが、合間に入る心象描写もまた愉快。

◆川柳川柳 『ガーコン』
息が漏れる様な発声でしたので『入れ歯が合わないのかな?』と心配していましたら『いただき物の餅を食べていましたら、差し歯が取れまして・・・』とのこと。
唄は元気に『大東亜決戦の歌』から。
大いに楽しみました。

~仲 入~

◆川柳川柳 『ジャズ息子』
少し短縮版だったかも知れませんが、久々の『ジャズ息子』。
好演でした。堪能したなぁ。


家人と『中々好かったね』など喋りながら家路へ。



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睦会 8/12

 8月12日(火)睦会~扇遊・鯉昇・喜多八三人会 にぎわい座

“にぎわい座 睦会”。今夜は喜多八師が主任で二席と触れられています。


◆入船亭ゆう京 『堀の内』
定刻を3分程過ぎて緞帳を上げました。
私てっきり、緞帳が上がらなくなっちゃったのか?と心配しましたけれども、そうではなく何か別の事情だった様です。

さて、『堀の内』。
一昨日国立で聴いた時よりも、幾分か速度感が増した感じ。
それと開演が遅れた所為でしょう、やや刈り込んで短くしたのが奏功しましたね。好い出来でした。

◆柳家喜多八 『ラブレター』
『今のああいう噺、簡単な様で実は難しいンです』。
『圓朝ものの様な筋のある噺の方がむしろ簡単で・・・』、『本当は “真景累ヶ淵” を通しでみっちり演った方が・・・。まぁ、覚えていませんからそれも私は出来ないンですけれども』と、客席をほぐしておいて本編へ。

米国暮らしの長い彼女(日本人)から来た片仮名のラブレターを持って、嬉しそうな男。
兄貴分が『俺に見せろ!』と読み始めますが、これがまるでチンプンカンプン。
『なんだい?ツンちゃんて?』、『あっ、それシンちゃんです』
『コナだコナだ、って流石にメリケンだけあらぁ』、『コナいだはコナかったけれども、です』
内容はありませんけれども客席大笑いの一席。
調べましたら、どうやら痴楽綴り方教室(懐かしい!)で有名な柳亭痴楽師の作。喜多八師は独自の言い回しに書き直したのかな?好演。

◆入船亭扇遊 『三井の大黒』
“ぽんしゅう” こと甚五郎の造形が素晴らしい。鷹揚ながらただならぬ光を奥に秘めた様子を見事に描いてくれました。
“扇遊スマイル” のままで、眼力を強める工夫が効いています。

そして政五郎。その棟梁たる威厳もまた存分に活写。
人物造形にぶれがありませんので、噺に入り込めますね。『あれ?』って思わせる様な隙は一つもありません。
なにかこうわくわくする様な展開でしたねぇ。
好高座、名演。

~仲 入~

◆瀧川鯉昇 『死ぬなら今』
これは珍しい。
閻魔様へ袖の下をと用意した三百両を『無駄だ』と懐に入れ、芝居の小道具の贋小判を代わりに頭陀袋に押し込む親戚の叔父さんの描写が、飛び切り愉快。
地獄の評定風景もまたなんとも言えぬ味わいで、鯉昇ワールド全開。面白かったなぁ。

◆鏡味味千代 太神楽
五階茶碗~鞠と撥の取り分け~傘(鞠、金輪、升)
以前一度だけ “雲助月極十番” で高座に接したことがあります。
いたちやさんのHPで確認しましたところ、2011年5月16日に開催された肆番、『千早振る』、『中村仲蔵』の回ですね。
当然ながら安定感が格段に増していますし、見せ方も緩急の効いたものへ進化。口上もまた独特のお洒落な物言いとなりました。好演。

◆柳家喜多八 『落武者』~『茄子娘』
『蚊帳の中で横座りしている女は五割方女振りが上がりますね。紗が掛かってるから』

最初の『落武者』
脚に槍疵を負った落武者が夕立に合い、稲荷堂で雨宿りを兼ねて暫しの休息。
驚いた事に中には先客が。
これがまたすこぶる好い女。
しかも、やれ「寒い」、「殿方の温もりが欲しい」などとしきりと誘いを掛けてくるのですが、近くへ寄ると顔を張って来たり爪で引っ掻いてきたりで、さっぱり先へ進まない。

落武者の様々に変化する表情、そして、女の誘う風情が喜多八師ならではの絶品もの。お見事。

諦めた落武者がいつしか眠りにつき、目が醒めると女は姿は見当たらず、一本の破れ傘が傍らに。
『さては、昨夜の女は破れ傘の化け物か。道理でさせぬ訳だ』と幾重にも掛かる地口落ち。

ここでお開きと思いきや、破礼噺では跳ねられぬとばかりに続けて『茄子娘』へ。
夏の風景を紡いで、洒落た小品をさらっと演ってくれました。


跳ねて歩きながら独り言。
『今月は今日まで扇遊師を四席、喜多八師は六席聴いているのだけれど、全然聴き飽きが来ないなぁ~』
大満足のにぎわい座睦会。





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国立8上昼 8/10

 8月10日(日)国立演芸場 昼席

国立演芸場上席千穐楽。
四国、関西直撃の台風の影響で、強い風雨の中を三宅坂へ。
入場時に雨が降っていなかったので濡れずに済みやれやれ。


◆入船亭ゆう京 『堀の内』
良い感じに流れました。
粗忽者の造形をどうしていくのか、今後が楽しみです。

◆古今亭始 『強情灸』
なんとなくですが、出の時に気合いの入った、勢いの旺盛な雰囲気が感じられました。

湯屋での意地張りの小咄など(これもまた好かった)散らして本編へ。

峯の灸の様子そして人物描写。
ここは灸を据えて来た男が兄貴分宅で説明をしている訳ですが、その風景がよく表現されていました。
私、ここまで聴いたところで『傑作の予感』がしました。

兄貴分が握り拳程の灸を据え、火が回った場面。ここで顔が紅潮し実際に汗が吹き出ましたねぇ。凄い。
灸を払い落として下げへ向けての畳み掛けも文句なし。

辞儀の後、立つ前に手拭いを広げて顔の汗を拭く外連。ストレート松浦先生がよくやるやつです。それも含め好かったですねぇ。恐れ入りました。

始さん、志ん輔師匠の『強情灸』を観て入門を決めたのかな?など、妄想が膨らむのを禁じ得ませんでした。
いやぁ、好かった!二つ目さんとすれば、出色の出来。好高座。

◆古今亭志ん丸 『野ざらし』
脱力系の枕で客席を和ませて本編へ。
巧いなぁ、このあたり。
“迷惑な人” なら任せておけ、とばかりに表情豊かに演ってくれました。
こちらも好演。

◆ホームラン 漫 才
定番根多で大いに笑わせてくれました。
お開きに唄ったのは『四谷三丁目』
たにしの当て振りもお見事。

◆古今亭菊千代 『金明竹』
枕が『骨皮』でしたが、これが長かったので『金明竹』へ入った時は少し驚きました。
綺麗に纏まった高座。好演。

◆入船亭扇遊 『棒鱈』
“酔っ払い百態” そして “親子の酔っ払い” と振って『棒鱈』。
二人連れの余り酔っていない方の鷹揚な風情が扇遊師独特ですね。この人物の造形がなんとも好きだなぁ。
勿論、酒癖の悪い連れの描写、田舎侍とその座を取り持つ芸者の表情なども的確、流石の至芸。面白かったなぁ~。好高座。

~仲 入~

◆マギー隆司 奇 術
四日間通った今席。
台詞も手順も殆ど変化のない隆司先生の高座ですけれども、全く聴き飽きがしませんでした。
むしろ楽しみだったぐらい。
“はまっちゃったなぁ、これ”

◆柳家喜多八 『尼狐』
さっと本編へ入りましたけれども “『二人旅』でもなし、何だろう?” と私が首を傾げているうちに、道に迷った二人の男が一夜の宿をと救いを求め寺へ転がり込みました。
出て来たのが尼僧。喜んだ旅人がじゃんけんをしたり、愉快な導入部。

怪談染みた話で尼僧に散々脅かされた二人。『新仏の為に村へ念仏を上げに出掛ける』という尼を、恐怖心から引き留めようとしますが『本堂の灯りを絶やさなければ大丈夫』と言われ、仕方なく留守番。

消えそうな灯りを見て油を足そうと試みますが、苦労して足したのが徳利に入った醤油だったり・・・
まぁ、滑稽風味満載の怪談と言うのかしらん。面白い噺でした。

私はお初ですね、これ。演題も跳ねてからロビーの張り出しで知りました。
珍しい噺だと思いますので、底は割らないでおきましょう。
素晴らしい好高座でした。

◆柳家紫文 三味線漫談
都々逸の後 “鬼平” そして “大岡越前” へ進み、お笑い路線でお開き。
今席は “両国” をたっぷり演る構成でしたので聴く事の無かった “老松” を小咄の合間に弾いてくれました。
しんみり・・・。

◆古今亭志ん輔 『子は鎹』
今日は上手前方にご両親に連れられたと思しき男の子が着席していて、色物の先生方にいじられていたので(その過程で、小学四年生と判りました)、『お女郎の出てくる噺はない筈、 “佐々木政談” かしら』と思いきや然に非ず。
三道楽の枕から『腕は良いが酒が大好きな大工の熊さん・・・』と始まりました。
初日と被りましたが、志ん輔師、恐らく客席の子供さんに親子の情を聴かせてあげよう、と考えたのでしょう。

初日の感想にも書きましたが、
番頭さんと熊さんが連れ立って歩いている(番頭さん、恣意的に時間と場所を選択した感じ)
番頭さん、金坊を見つけて熊さんに告げ、先へ行く
金坊の姿を感慨深げに遠目に眺める熊さん
金坊に声を掛けるのを躊躇する熊さん
この流れ、そして熊さんが声を掛けるのを躊躇う仕種と息遣いが絶品。
“躊躇いの場面描写” で熊さんの心情が十二分に伝わって来ます。

金坊の描写も初日に比べると詳細で、丁寧に演った印象。
額の傷の説明場面もたっぷり。

帰宅した金坊と母親の遣り取りも誠に結構。
母親の真剣そのものの表情で、親の子を思う気持ちを十二分に描写しました。

鰻屋から下げへ向けての過程も丁寧な運び。
金坊の『間に入った子供を困らせんな!』が愉快に効いて、直後の熊さんの言葉の繰り返し、そして詫びへと巧みに進めます。

下げて安堵の表情の志ん輔師。
丁寧な辞儀とともに緞帳を降ろしました。


外は幸い曇り空。雨降りの日だからか、出演の皆さんが力一杯の高座を勤めてくれたなぁ、と充実した気分で家路へ。




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花形演芸会 8/9

 8月 9日(土)第423回 花形演芸会 国立演芸場

国立演芸場の花形演芸会へ。
今日はblogでお近づきにさせていただいたK先輩にお会いする予定なので、少し早めに出発。
昼席を鑑賞されたK先輩にご挨拶。しばしお話しを。

昼席主任の志ん輔師『酢豆腐』、好かったとのこと。
観たかったなぁ『酢豆腐』・・・。


さて夜席の花形演芸会。本日の主任は志ん陽師、演目は『らくだ』。
『真打初高座も “らくだ” だったなぁ』と思い出しながら予約を入れました。楽しみです。

◆金原亭駒松 『道具屋』
与太郎さんの描写が好いですね。
『ズドーン』へ向けての畳み掛けも速度感充分でお見事。

◆古今亭志ん吉 『夏泥』
志ん吉さん、表情が豊かになった感じ。明るい調子で愉快に。

『夏泥』、当て推量ですけれども文左衛門師からかなぁ?。
泥棒が声をひそめて話す場面で、もっと思いきりよく小声の描写を徹底しても良いかもしれません。一文無しも嘘か誠か “三日も食べていない” にしては声を張りすぎでは?
志ん吉さんの声が高めで、低い調子の声だと通らないのかも知れませんけれども、一工夫欲しいところ。

◆ロケット団 漫 才
ここのところ『漫才にぴたり』の変な出来事が盛り沢山ですからねぇ。
まぁ、妙な人が増えたと言うのか・・・恥を恐れなくなったと言えば良いのか・・・
時事根多中心に面白おかしく。サッカーW杯からオフサイド根多でお開き。好演。

◆鏡味正二郎 太神楽
大小の鞠に扇子も含めた取り分けから。
五階茶碗、出刃皿、傘(茶碗、升)
見せ方が上手ですし、独特の口調の後見(口上)も愉快。

◆三遊亭天どん 『鰻の幇間』
噺を聴く際に、その時代背景や何やら予備知識を持っていますと、より楽しみが増す訳ですけれども・・・
今夜の天どん師の高座は『これ “元の噺” を識らないと理解出来ないだろうなぁ』という感じ。
と言いましてもパロディまで踏み込まない “行書体” の『鰻の幇間』。
羽織まで持っていかれてしまう一八。
天どん師、座布団を使って上手に羽織を隠す外連で客席を沸かせました。

~仲 入~

◆鈴々舎馬桜 『植木のお化け』
珍しい音曲噺を、これまた珍しく “崩して” ベルサイユの薔薇まで唄う脱線振り。
国立演芸場の照明と音響の設備を総動員(?)。
勧進帳など芝居場面の再現も入りますし、かなりの技量を要する噺でしょうけれども、さらりと演ってくれました。流石。
洒脱な高座。

◆U字工事 漫 才
干瓢根多から入り客席を大いに笑わせます。
お開きの焼鳥屋も面白かったなぁ。好高座。

◆古今亭志ん陽 『らくだ』
素晴らしい出来。
大家さんを含めた長屋住人の表情、そして屑屋さん、兄貴分の変化。よく描けていたなぁ。

“かんかんのう” 場面で、屑屋さんが飛び切り愉しげな表情となるのがまた面白い。これこそ落語だ、という感じ。
『剃刀借りてこい』、『俺が行くの?』の遣り取りの後、短く兄貴分の心象描写を挟み、ふと真顔となって『 “らくだ” でございます』と下げました。
この間も絶妙。
いやぁ好かったですねぇ。好高座。


幸い降られる事もなく、『二本の漫才、そして何と言っても主任志ん陽師が光ったなぁ』など回想しつつ、のんびりと家路へ。




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国立8上昼 8/7

 8月 7日(木)国立演芸場 昼席

国立演芸場上席七日目。


◆入船亭ゆう京 『道具屋』
親子三馬鹿そして与太郎の葉唐辛子行商の枕から本編へ。
『値は?』、『ズドーン』で下げました。面白かったなぁ。

◆古今亭志ん松 『のめる』
いつもゆったりとした口調の志ん松さん。
それがこの『のめる』にはちょっと合わなかったかしらん。
会話の速度感というより、勢いでしょうかね。
そんな「言葉の強さ」と言っても良いかなぁ、もう少し欲しい感じがしました。

◆古今亭志ん丸 『壺算』
そうそう、こういう遣り取りでないと騙せません。
志ん丸師、敢えて「騙し」で付く噺で「ここが肝だよ」と弟弟子に教えてあげたのかな?
愉快に演ってくれました。

◆ホームラン 漫 才
お馴染みの根多でしたけれども、うけていましたねぇ。
客席大笑い。

◆古今亭菊千代 『西行鼓ヶ滝』
上手いなぁ。流石という感じ。
今日も愉快に演ってくれました。

◆蝶花楼馬楽 『千早振る』~深川
扇遊師の代演で登場。
噺のあと “深川” を踊って下がりました。

~仲 入~

◆マギー隆司 奇 術

◆柳家喜多八 『片棒』
一言二言の枕でさっと本編へ。
人形振りで中手が入りました。
この後、どこかで演る予定があったのかしら?そんな感じがしました。
好高座。

◆柳家紫文 三味線漫談
最初の都々逸で『人はバタンと倒れるが、会社はハタン(破綻)と倒れます』だったですかね、笑っちゃったなぁ。
鬼平も大うけ。お開きの “両国” では中手が入りました。好演。

◆古今亭志ん輔 『明烏』
客席を温めるかの様に枕で笑わせておいて『季節の巡りはあっと言う間・・・』と来ましたので『こりゃ、冬の噺かな?でも何だろう』と考えておりましたら、三道楽煩悩と振って・・・おぉ『明烏』!
ありがたや。

前半をほんの少し刈り込んだのと、花魁の名が浦里と紹介されませんでしたけれども、 “インターナショナル” も “瘡ぁかきます” も “梅干しの種” も全部入った “完全版” 。
しかも素晴らしい出来。
いやぁ好かったなぁ~。


なんですか、非常に得をした気分。ほくほく顔で家路へ。




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国立8上昼 8/5

 8月 5日(火)国立演芸場 昼席

国立演芸場上席五日目。
昨夜の雲助師 『怪談牡丹灯籠 栗橋宿~関口屋』 の余韻残る中、三宅坂の昼席へ。


◆入船亭ゆう京 『狸札』
聞き取りやすい声、はっきりした口跡で愉快に。

◆古今亭始 『湯屋番』
羽織姿、お初ですね。
心なしか表情が柔らかくなったかな?
枕は空振り気味ながら、本編は文句無し。
明るい表情で愉しく演ってくれました。好演。

◆古今亭志ん丸 『子ほめ』

◆ホームラン 漫 才
東京五輪音頭をアカペラで唄う勘太郎。当て振りで “Y字バランス” のたにし。
芸達者ですねぇ。お見事。

◆古今亭菊春 『お血脈』
菊千代師代演。
駄洒落尽くしの『お血脈』。
柔らかな高座。和みます。

◆入船亭扇遊 『天狗裁き』
明るい調子で非常に愉快な一席。

下げた直後の扇遊師の表情もまた面白かったなぁ。
客席と同じ様に『あれ?夢なの?』という表情。何十回何百回と演るのですから、こういう表情を作るのは中々難しい筈なのですが、そこが上手の上手たる所以。
自らも噺を楽しむが如くの様子を見せてくれました。好高座。

~仲 入~

◆マギー隆司 奇 術
初日と全く同じ根多ですが、隆司先生の高座は独特の話術を楽しむ時間ですからね。
今日も面白おかしく演ってくれました。

◆柳家喜多八 『短命』
お家芸且つ自身の十八番を繰り出して来ました。
無言劇も健在。この描写はいつ観てもお見事の一言ですねぇ。
好高座。

◆柳家紫文 三味線漫談
空調の所為(と言いますより、この物凄い暑さの為ですね)で調弦に苦労するらしく、相当直していました。
普段でもすぐ弛む様ですからねぇ、三味線は。大変です。

都々逸から “さのさ” (惚け防止)。
鬼平を挟んで “両国” をたっぷり。
贅沢な時間。

◆古今亭志ん輔 『幾代餅』
おぉ、柳派が『短命』を繰り出すと見るや、古今亭もお家芸且つ十八番の『幾代餅』を。
これは至福の時間。

“恋患いの床” から、人形町の具足屋店先場面への転換。
時間を巻き戻し、場面を再現する志ん輔師独自の映像的描写も冴え渡り、噺に一段と躍動感をもたらします。
また、今日はいつもに増して幾代太夫の造形が鮮明で、清蔵との遣り取りでの細やかな情の動きが顕れている様に思いました。
幾代が搗き米屋六右衛門方へ駕籠を付け、清蔵と夫婦となる場面での小僧の慌て振り。そして餅屋の客の茶利も誠に愉しく素晴らしい出来。

『傾城に誠無しとは誰が言うた、江戸名物幾代餅由来の一席』と一息で言いながら辞儀。ここの “古今亭特有の講釈っぽい感じ” が好きだなぁ。
大満足、堪能しました。


跳ねて強い日差しを浴びながら、志ん輔師『幾代餅』、喜多八師『短命』、扇遊師『天狗裁き』。うむ、贅沢な一日だったなぁ、と独りごちながら家路へ。




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らくご街道 雲助五拾三次 -強請- 8/4

 8月 4日(月)らくご街道 雲助五拾三次 -強請- 日本橋劇場

雲助五拾三次、第十七宿 -強請- 。
今夜は夏の定番『怪談牡丹燈籠』より『栗橋宿~関口屋』と触れられています。

入場するといつもの演出で、高座両脇に燭台。
客席照明を薄暗く落とした中を着席。開演を待ちます。


◆柳亭市助 『怪談牡丹灯籠 栗橋宿までの粗筋朗読』
『発端』から今夜演じられる『栗橋宿』までの簡潔な粗筋を朗読。

珍しく伴蔵を「はんぞう」と名前を読み違える齟齬がありました。
次の読みで「ともぞう」と直したのですけれども、このことで『初見なのかな?』と思いました。
初見であれだけ読めるとすれば凄いですね。

客席は、登場人物や物語を頭の中で整理しながら『怪談を鑑賞する心の準備』。

朗読が8分程で終わり、駒松さんが高座両側に置かれた燭台上の百目蝋燭へ火を入れますと、間もなく箱根八里の出囃子。薄暗い舞台の下手から雲助師が登場。

◆五街道雲助 『栗橋宿』
『お札はがし』の後、伴蔵お峰夫婦が伴蔵の故郷栗橋へ移り、お露の女中お米から得た百両を元手に荒物屋 “関口屋” を開業するあたりから。

繰り返し語られた『表通りに四間間口の店構え』。四間=7.2mですからこれは相当立派なお店です。

この店の主伴蔵が、料理屋で見初めたお国に溺れていくまでを、ほぼ地で演りました。

会話描写は伴蔵の様子を怪しんだお峰と、伴蔵の遊び仲間の馬方久蔵の遣り取りから。
田舎者の久蔵が、お峰の仄めかしに乗って何もかも問わず語りしてしまう様子がなんとも “貫目の違い” を感じさせます。
『お札はがし』ではむしろ伴蔵に知恵を授けて主導していたお峰。流石の鎌掛けの一幕、見応えがありました。

さぁ、真実を知ったお峰。今度は亭主伴蔵へ『出て行くので百両を用意しろ』とねじ込み大騒ぎ。
『お札はがし』一件の悪事が露見しては一大事とばかりに平身平頭の伴蔵。

しかしそこは夫婦。
“女房の角をへのこで叩き折り”

なんとか収めて翌日は二人で幸手へ遊びに出掛けますが、その帰り道、幸手土手下でお峰を後ろから袈裟斬りにした上『貝殻骨の下から乳下へ刺し通し』斬殺してしまいます。

栗橋へ走り帰り『追い剥ぎに襲われた』と奉公人達を言いくるめ、何食わぬ顔でお峰の初七日を済ませた伴蔵。
初七日の供養から帰宅すると家内に異変。

女中おまつが高熱とともに訳の解らぬ譫言を発しています。
これを聞いてみると『お札はがし』の悪事一件を事細かに語っている上、幸手土手下の斬殺場面の詳細も繰り返していますので伴蔵は仰天。
宿下がりにしようかと思案しますが、引き受け先で喋られ悪事発覚の恐れがあるのでは、と考え直し取り敢えず医者をと店の者に言いつけます。

『そしてやって来た医者の顔を見て伴蔵は更に驚く事となります』
と、ここが前半の切れ場。

女中おまつに取り憑いたお峰の霊が『貝殻骨の下から乳の下まで刺し通されて、その痛かったこと・・・』と繰り返して語るのが誠に気味悪く、非常に印象的。

幸手土手下のお峰殺し場面は、お弟子さんの龍玉師の描写の方がむしろ生々しいぐらいなのですが、雲助師の淡々とした口調であっさり目に語るのもまた怖いですねぇ。
貝殻骨=肩甲骨ですが、その下あたりから胸へ突き通され、切っ先が乳下へ覗く程と言うのですからこれは痛いなんてものでは無いでしょう、致命傷です。
これに血の表現などが加わったら失神者も出るのではないか、と思われる迫真の描写。おぉ怖かったぁ。

~仲 入~

◆五街道雲助 『関口屋』
やって来た医者は旧知の山本志丈。
飯島平左衛門の娘お露と萩原新三郎を引き合わせたお幇間医者です。

この志丈の人物造形が好かったですねぇ。なんとも軽妙な調子。
その調子に乗せられて問われるままに『お札はがし』の一件、そしてお峰殺しを喋る伴蔵。

『お札はがし』の真相は、伴蔵が新三郎を蹴殺したもので、人骨を新三郎の死骸に絡ませあたかも幽霊に取り憑かれ殺された様に “伴蔵が細工した” と言うのです。

そうしますと・・・
あの “カランコロン” の『新三郎様ぁ~』ってのは、どういうことになるのかしらん。
丸ごと “夢” か何かの扱いになるのかしらね?

あと、志丈が登場する場面の説明で『お峰が死んで四日後に』としていましたけれども、おまつの譫言が『初七日が済んで帰宅した後』と先に語られておりますので、ここもちと辻褄の合わぬ仕儀となりました。

若干の澱を感じながらも『前後半それぞれ独立した噺と考えれば良いのかも』と高座へ集中。

関口屋ではお峰の霊が次から次へと奉公人に取り憑きますので、全員に暇を出してしまいます。
その為に関口屋は伴蔵と志丈の二人が住むばかり。すっかり伴蔵の仲間となり、生前のお峰よろしく “軍師” といった風情の志丈。
二人は伴蔵馴染みの料理屋笹屋へ呑みに出掛け、志丈はここで飯島平左衛門の妾(後妻)で、今は伴蔵の思い者となっているお国と顔を合わせ、伴蔵にお国の過去を語り用心を促すのでした。

案の定と言うべきか、脚の傷がようやく癒えたお国の密通相手、宮野辺源次郎は『間男』を根多に伴蔵へ強請を掛けてきますが、伴蔵から『相対間男』ではないかと逆に脅される始末。
百両と吹っかけてみたものの、結局言い値の百匹(疋)(二両二分)と切り餅一つ、合わせて二十七両二分で納得し帰ります。

ここの源次郎と伴蔵の丁々発止の遣り取りもまた見応えありましたねぇ。
悪と悪のせめぎ合い。
『髪結新三』に於ける “家主長兵衛と新三の遣り取り” を彷彿とさせる場面でした。

『関口屋を売り払い、海音如来をも売れば五、六百両にはなる』と志丈へ語り掛ける伴蔵。

さてその続きは・・・
『またの機会にお話し申し上げることと致します』

下手蝋燭の芯を打った雲助師、落ち着いた風情で上手蝋燭も消しますと高座は真っ暗に。
ややして照明が入り緞帳を降ろしました。
いつもながら、この一連の演出もお見事。
『堪能したなぁ』との思いがこうした演出によって倍加する感じがしますね。


跳ねて家人と『凄かったねぇ』、『聴いた!聴きました!って感じだね』など、感想を語り合いながら家路へ。




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劇団四季 ジョン万次郎の夢 8/3

 8月 3日(日)ジョン万次郎の夢 四季劇場[秋]

4月の “ソング&ダンス 60 感謝の花束” 以来久々の四季観劇。家人と浜松町へ。
そう言えばここのところ自由劇場ばかりで、こちらまで来るのも久し振り。
調べてみましたら[秋]での観劇は昨年9月の『李香蘭』以来。
それ以降今日まで八回連続して “自由劇場” での鑑賞でした。
せっかくですから、入口のカフェでアップルタイザーでも飲みましょうかね。


出演者は次の通り。
○万次郎 田邊真也
○ホイットフィールド船長/島津斉彬 道口瑞之
○伝蔵親方/役人/ブルック大尉 青羽 剛  ○重助/老中 堀米 聰
○寅右衛門/幕臣 荒井 孝  ○五右衛門 川島 創
○福沢諭吉 田島康成  ○役人/親藩藩主 田島亨祐
○アリー 提水流奈津子  ○ポリー 吉田千恵
○キン 安宅小百合  ○ギン 林 香純
【男性アンサンブル】 
白倉一成(勝海舟)
青山裕次 塩地 仁 中村 厳 酒井良太 戸高圭介 日高彬文 前田員範 嶺山秀平
【女性アンサンブル】
織笠里佳子(ホイットフィールド夫人)
西田有希 廣本則子 山本志織 岸田実保 権守美加子 新保綾那 田中あすか 川井美奈子


ホイットフィールド船長/島津斉彬役、道口瑞之の歌唱が圧倒的。
万次郎役の田邊真也そして他の出演者達の力の入った演技が印象に残りました。
物語そのものは『もう少し細かな挿話を散りばめた方が良いのでは?』と思わせる程に簡略化していますが、これはファミリーミュージカルだからなのかなぁ。
米国で異文化に戸惑う万次郎の姿などを描き込んだなら、より深みが出る様な気がしましたね。

マチネに合う、気持ちの引き立つ芝居でした。
しかし道口瑞之、凄かったなぁ。





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国立8上昼 8/1

 8月 1日(金)国立演芸場 昼席

国立演芸場上席初日。
今席は志ん輔師の芝居。仲入に扇遊師、膝前に喜多八師と充実した顔付け。
酷暑の三宅坂でしたけれども、演芸場の周囲は水を打ったとみえて若干涼やか。嬉しい配慮ですね。


◆入船亭ゆう京 『一目上がり』
いつもの様にはっきりした口跡で面白おかしく。
安心して聴くことの出来る前座さん。

◆古今亭志ん松 『近日息子』
本来は始さんの出番なのですが、代演で登場。
羽織姿はお初ですね。黒紋付がよくお似合いです。
『師匠志ん橋の六番目の弟子で末弟子ですので “志んマツ” です。 “志んショウ” ではありません』

ゆったりした口調で噺を進めました。
これだけゆっくり喋るのは勇気が要るでしょう。好演。

◆古今亭志ん丸 『あくび指南』
湯屋のあくび~舟遊びのあくび。
短縮版を巧みに演ってくれました。
面白かったなぁ。

◆ホームラン 漫 才
差し歯根多からマーライオン。
お開きは国立名物『勘太郎が唄い、たにしが踊る “シャバンシャバン” 』。
客席大うけ。

◆古今亭菊千代 『西行鼓ヶ滝』
明快な人物造形。
女流の長所が発揮出来る噺を選択し、研いているのでしょうね。
お見事でした。

◆入船亭扇遊 『厩火事』
出雲の神様の縁結びから三角関係と枕を振って本編へ。
お崎さんの表情、声の調子が絶品もの。
亭主の皿を割り下げへ畳み掛けて行く場面など、まるで私がその場にいてその一部始終を部屋の隅で見ている様に感じました。
流石だなぁ。至芸を堪能。

~仲 入~

◆マギー隆司 奇 術

◆柳家喜多八 『噺家の夢』
膝前らしく軽い味わい。
喜多八師独特の『くっくっくっ』という笑い声が活きました。好演。

◆柳家紫文 三味線漫談
鬼平で通すのかと思いきや、お開きは珍しく “両国風景” をたっぷり。
好かったなぁ。

◆古今亭志ん輔 『子は鎹』
三道楽煩悩の枕から本編へ。
子供は金坊。
番頭さんに連れられて金坊の遊んでいる姿を “発見” する熊さん。
『申し訳ない、子供に合わせる顔がない』といった風情を、巧みな表情と “息遣い” で上手に伝えてくれました。
そして金坊。健気な様子が好かったなぁ。

今日の志ん輔師は特に親の描写が秀逸。
子供を思う親の心を、表情口調など非常に工夫した表現を惜しみなく駆使しての描写。
私、すっかり噺へ引き込まれてしまいました。
好高座。


跳ねて、外はまだ強い日差し。
好い芝居だったなぁ、と独りごちながら家路へ。



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プロフィール

喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)

Author:喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)
喜洛庵寄席桟敷へお越しいただきまして、ありがとう存じます。
寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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