2016年 1月 鑑賞記録

1月
○13日(水)鈴本 夜席  主任 喬太郎  鈴本演芸場
○14日(木)睦会 ~扇遊・鯉昇・喜多八三人会  にぎわい座
○19日(火)第131回 柳家小満んの会  関内小ホール
○20日(水)第571回 落語研究会  国立小劇場
○21日(木)らくご街道 雲助五拾三次 第三十四回 -横丁-  日本橋劇場


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らくご街道 雲助五拾三次 -横丁- 1/21

 1月21日(木)らくご街道 雲助五拾三次 -横丁- 日本橋劇場

雲助五拾三次、第三十四回のお題は “横丁” 。 雲助師『文七元結』他と触れられています。


◆桃月庵はまぐり 『真田小僧』
金坊の “白衣を着たおじさん” の振り真似、口真似で客席を沸かせました。
面白かったなぁ。

◆五街道雲助 『花色木綿』
間抜け泥から花色木綿。四十分の長講。
こうして “通し” を聴くのは久し振りですね。
堪能しました。

~仲 入~

◆五街道雲助 『文七元結』
左官長兵衛を非常にさばさばとした気質の男に描き、爽快な『文七元結』に仕上げました。
吾妻橋上の文七との遣り取りも説明臭は殆ど無く、 “死ぬってのなら仕方が無い。人の命には代えられない” という一言で決まります。
鼈甲問屋近江屋主人がその長兵衛の気質に心服する有様もまた自然体。
登場人物の心理描写に全く無理がなく、自然に噺が進むので、私すっかりその世界へ入っていってしました。
いやぁ、好かったなぁ。


跳ねて家人と『はまぐりさんも客席の反応が嬉しいだろうね』
『火災警報の時( “文七” の高座が始まって10分経過した頃、お久の居所が判明し佐野槌へ出掛ける為に長兵衛が着ている法被を女房の着物と交換しようとする場面で、火災警報の為に5分超の中断がありました)、雲助師匠困っていたね』
『 “嫌だよぉ” って身体を仰け反らせて左手を後ろに付いた姿勢で “臭いもしませんし・・・” って客席へ話し掛けていたのがまた落ち着いたものだったなぁ』
『以前、鈴本で喜多八師匠の高座で矢張り誤報があって “私、その時喜多八さんに「普段が肝腎だよ」と言ったのですが・・・” ってのが愉快だったわねぇ』
など、取り留めのないお喋りをしながら家路へ。




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第571回 落語研究会 1/20

 1月20日(水)第571回 落語研究会 国立小劇場

今年最初の例会は主任さん喬師、早くもお花見『百年目』、仲入文左衛門師『化物使い』。
他に正蔵師、萬橘師、わさびさんの出演と触れられています。


◆柳家わさび 『強情灸』
枕のぶっきらぼうな雰囲気を引きずったのか、本編の会話までが所々 “棒読み” になっちゃったですね^^;
好い味わいを持っていらっしゃる噺家さんなので、期待していたのですが・・・
ちと残念。

◆三遊亭萬橘 『孝行糖』
“この落語研究会は、そもそも初代萬橘が「へらへらの萬橘」で人気を博し、そうした本筋から離れた落語界の風潮に危機感を覚えた識者が拵えた会。そこへ子孫の私が出演するのも如何なものか” と客席を笑わせておいて本編へ。
十八番ですからねぇ、文句無し。
巧いねぇ。

◆橘家文左衛門 『化物使い』
お馴染みの “白魚の踊り食い” の枕から入りました。
本編は淡々と、と言うのかあっさり目の演出で『御隠居もそう意地悪な訳でも無いンだよな』と思わせてくれるぐらいの “加減” 。
出てくる化け物にもそう悲壮感はありません。
仲入の出番ならこれで好いかも知れませんね。
面白く聴かせてくれました。

~仲 入~

◆林家正蔵 『蛸坊主』
細かな “とちり” がありましたけれども、正蔵師はこうした “小品” を演ると活き活きとした高座になりますね。
仲裁(というよりも “論破” でしょうか)に入る老僧の造形が誠に巧みでした。
私、落語を聴いたり芝居を観たりしている時に “演者と哲学を共有する登場人物だと台詞も喋り易かろうなぁ” などと詰まらぬ事に想いを寄せる場合がありますが、今夜もそんな事を考えながら聴いていました。
好高座。
正蔵師も “会心の出来” だったのではないかしらん。
出て来たときと同じ様な軽くのめる感じの足取りで下がりました。

◆柳家さん喬 『百年目』
“港口で船を割る” なんて言葉は現代では通用しないのでしょうね。
難しい言い回しは全編に渡り平易な言い方に置換し、解りやすい噺に仕上げました。

今夜取り分けて傑作だったのは向島花見風景。
治兵衛さんも中々お店から抜けられないでいるじりじりした思いがあったのでしょう。
昼呑みの上に大きなのでぐいぐい呑るものですから、酔っ払い方が凄いのですね。
泥酔。
その酔っ払いが、向島の土手で旦那を “捕まえた” 際の『声に聞き覚えがえるぞぉ』には大笑いさせられました。
ここは実に見事な “落語” だったなぁ。

旦那も治兵衛も良く泣く “号泣版” の『百年目』。
さん喬師の丁寧な演出で、一足早い桜を楽しみました。


跳ねて時計を見ると9時半。
さん喬師匠が一時間近い長講でしたが “そう長くも感じなかったなぁ” など独りごちながら家路へ。




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柳家小満んの会 1/19

 1月19日(火)第131回 柳家小満んの会 関内小ホール

新年最初の “柳家小満んの会” 。
野暮用が長引き “こりゃ遅刻かな?” と気持ちが急きましたけれども、何とか開演前に関内ホールへ滑り込みました。


◆三遊亭あおもり 『子ほめ』
“四十五” の発音というのか高低というのか・・・
歳の “四十五” ではなく “始終、碁” の発音でした。
『どうしてなのだろう?』と考えている内に終わりましたが、本当何故なのだろう。

◆柳家小満ん 『城木屋』
枕で『この噺は三題噺でして、そのお題は “評判娘” 、“伊勢の壺屋の煙草入れ” 、“東海道五十三次” 』と蘊蓄を授けてくれました。
その “評判娘” 、城木屋お駒の容姿を面白可笑しく伝えながら自然に本編へ。
番頭丈八の惚けた風情が何とも愉快。
お裁き場面は勿論のこと、お店での恋文発覚直後から洒落のめした言い逃れで周囲を煙に巻きます。

しかし、独楽の口上、棒使いの口上をこうして聴いてみますと “大道芸が盛んだった時代は、街へ出るのがさぞや愉しかっただろうなぁ” とつくづく思いますね。
私、子供の頃に見たバナナの叩き売り光景の記憶が急に蘇ってきました。
下げへ向けての五十三次言い立てもお見事。
堪能しました。

◆柳家小満ん 『厩火事』
会話の遣り取りで進む噺の所為でしょう。速度感を意識した感じ。
いつもよりも幾分か早口で噺を進めました。
とんとんとん、と言う感じ。

『先に行って家の人にそぅ言って下さいよぉ、身体の事を先に訊く様にって』の台詞は意識して抜いたのかな?
これが挟まるとだれるかも知れない、と思わせる程の速度感でした。
その、お崎の造形が素晴らしく、また絶妙の間で半畳を入れたりするものですから、私、大笑い。
お馴染みの噺でもこれだけ笑えちゃうンですねぇ。間が良いと。
好高座でした。

~仲 入~

◆柳家小満ん 『御慶』
黒紋付に着替えて上がりました。
富札の数字を “千八百四十五” とするところ、 “千五百・・・八百” と再三言い換える “先取り” がありましたが、 “千五百四十八番” を手にしてからの後半は巧く纏めました。
私従来、この噺の前半部分は面白く聴くことが出来るのですが、後半は聴きだれする傾向にありましたけれども、今夜は左に非ず。
“市ヶ谷の古着商甘酒屋” 場面。
そして演題にもなっている “御慶!、永日!” 場面。
取り分けて “おぉっ、大当たりが来たよ” の台詞の間の加減辺り、では大笑いさせられました。
巧い演者で聴いていなかったのかな?
此方も流石の出来。お見事でした。


跳ねて、今夜は居残り新年会。
SさんIさん、そして幹事をしていただいたKさんと遅くまで愉快な会話を楽しんで後、家路へ。




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睦会 1/14

 1月14日(木)睦会 ~扇遊・鯉昇・喜多八三人会 にぎわい座

“にぎわい座 睦会” 。今夜の主任は鯉昇師と触れられています。


◆瀧川鯉ん 『ん廻し』
大きな声、場慣れした雰囲気。
自己紹介の前の佇まいを見て私『立川流の前座さんかな?』と思いました。
独自の工夫、くすぐり沢山の『ん廻し』。
達者ですねぇ。
微かに上方の雰囲気が感じられましたけれども、気のせいかな?

◆入船亭扇遊 『試し酒』
賑やかな鯉んさんの高座の直後、扇遊師匠の厳かな表情を拝見しますと『ここから始まるぞぉ』と期待が高まりますね。
そうした意味でも、前座さんてのは元気が一番なのでしょうね。

冒頭、年末年始の喜多八師匠入院、休席の顛末を手短に説明。更に後席の喜多八師が “板付” である旨を告知しました。
『一旦幕を降ろしますがね、皆さん、これで終わりじゃありませんからね、お間違えの無い様にお願いしますよ』

さて『試し酒』。
一杯目の呑みっぷりで大きな中手が入る見事さ。
しかし私、今夜の扇遊師の高座を拝見してつくづく思いましたのは “『試し酒』って噺は呑みっぷりも大切だけれども、下男久蔵の主人思い一心の描写が大きな肝なのだなぁ” と言うこと。
扇遊師匠、久蔵の人物造形を本当に丁寧に丁寧に紡いで、客席へ伝えてくれました。
いやぁ、お見事。素晴らしい高座でした。

◆柳家喜多八 『やかんなめ』
一旦降ろした仮幕がお馴染みの “梅の栄え” の糸に合わせ上がりますと、喜多八師匠が下座の姐さんへ何やら合図をしながら辞儀をする姿。
『幕の上がるのと出囃子が合わなかった』と “ぼやき” から^^;
『まぁ、仕方ないンです。慣れないから・・・』

『どうも食べられなくて・・・体重を計ったら40kgなかったン。で血圧が上が70、下が30だったですかね』と年末の入院について話し始め、『初席も休んじゃったし、正月も居させて下さいって事で4日まで泊まってたんですが、正月って入院患者が皆帰宅しちゃうンで、看護婦さんがね、私のお世話をしたいって、もう取り合い・・』
お元気そうな声で安心しました。

本編も文句無し。
女中が土下座して “お願い” をする際、その視線を僅かながら上下させて “やかん” を客席へ見せてくれました。
下げへの畳み掛けも速度感万全。
好高座。堪能しました。

~仲 入~

◆マジックジェミー
以前国立演芸場で怪演に出くわして愉快に拝見しましたけれども、今夜もまた面白怖い不思議高座。
芸協のマジックは若い人が多くて好いなぁ。落語協会と来たら・・・(以下省略)

◆瀧川鯉昇 『宿屋の富』
所々に “鯉昇風味” を散らした “新古典” 。
兎にも角にも法螺を吹きまくる客。
対する宿屋主人は割合と略筆の感じ。
湯島天神の突き富風景もやや短めだったかも知れません。
目新しかったのは、湯島で一番富を確認して来た宿の主人の極端までに狼狽している様子。
そして “半分の五百両を貰える” と聞いた途端、同じ様に全身震え出す宿の内儀の描写。
ここは相当丁寧に時間を掛けて演りましたね。
大いに笑わせて貰いました。好演。


会場で出会ったKさんとお喋りしながら外へ。
『では来週また』と手を振った後、それにしても “たっぷり” だったなぁ、と時計を見ると9時20分。
どうりで “満腹” な筈だわ、と独りごちながら家路へ。




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鈴本1中夜 1/13

 1月13日(水)鈴本演芸場 夜席

遅れ馳せながら^^;
明けましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い申し上げます。

2016年(平成28年)の『喜洛庵寄席始め』は鈴本二之席、喬太郎師の芝居。
長い鑑賞歴を持つ友人を誘って上野へ二人旅。


三遊亭歌むい 転失気
柳家やなぎ 青春の棋譜(仮)
林家楽一 紙切り
春風亭正朝 蔵前駕籠
柳家さん助 近日息子
柳家小菊 粋 曲
春風亭百栄 鮑熨斗
桃月庵白酒 壺算

~仲 入~

ダーク広和 奇 術
三遊亭歌奴 棒鱈
ホームラン 漫 才
柳家喬太郎 稲葉さんの大冒険


◆歌むい 『転失気』
前座さんも根多選びするのか否か私は知りませんが、最前列の子供さん大笑い。
“大成功” と言ったところ。

◆やなぎ 『青春の棋譜(仮)』
演題は私が仮に付けたもの。正式な題名は不明です。

“真っ直ぐ” 、“カーブ”、 “刺される” などの野球用語を駆使して甲子園の高校野球の噺かと思わせておいて・・・
実は囲碁将棋部の・・・と手の込んだ新作。
所々に兄弟子の喬太郎師の口調が出てくるのがまた面白いですね。
中々の出来でした。
囲碁将棋が以前ほどには一般的では無いですからねぇ、若干説明が多くなるのが辛いところでしょうけれども、下げも捻っていて面白かったですね。

◆楽一
鋏試し勧進帳(弁慶飛び六方)、宝船、梯子乗り(出初め式)、初天神、猿と寅
どれも素晴らしい作品でしたが “梯子乗り” と “初天神(団子屋)” は取り分けてお見事。

◆正朝 『蔵前駕籠』
正朝師の惚けた雰囲気が噺にぴたり。
これ、実際にこういうことがあったのでしょうね。 “実話に勝る創作なし” と言ったところ。
下げへ向けての畳み掛けも速度感万全。好演でした。

◆さん助 『近日息子』
実は『寄席始め』に三日目の今夜を選択したのは “さん助師の出演” が決め手。言わば私のお目当ての高座です。
期待に違わぬ素晴らしく面白い『近日息子』。堪能したなぁ。

◆小菊
梅は咲いたか、蛙ひょこひょこ、都々逸。
初場所中とあって、お開きに櫓太鼓。
お見事でした。

◆百栄 『鮑熨斗』
この芝居は演り易いのかな?
伸び伸び活き活き惚けた高座。
抜群の可笑しさでした。
口上の中途まで。好演。

◆白酒 『壺算』
“百栄さんと着物が被っちゃった” と黄土色の着物の袖を引っ張りながら切り出しました。
本編万全。言うこと無し。
好高座。

◆ダーク広和
ハンカチ~ピンポン玉の指藝、そして“リブレのキューブ” なる奇術。
最後にキューブの根多が露見しそうになる珍事。いや、これも演出の内かも^^

◆歌奴 『棒鱈』
無駄なく大真面目に勤めてくれました。
好感。面白かったなぁ。

◆ホームラン
大須演芸場風景。
巧いねぇ。

◆喬太郎 『稲葉さんの大冒険』
初日『井戸の茶碗』、二日目『転宅』との情報から私、 “三日目の今夜も古典かな?” 、 “いや、そろそろ新作が来る頃合かな?” など様々考えておりましたが、今夜は最前列の小学生の男の子の存在で根多が決まった感じ。

久し振りに聴きますね。
相変わらず面白いなぁ。
主任ですから、松を背負って下がる演出はありませんでしたけれども、客席を大笑いさせてくれました。


跳ねて広小路方向へ歩きながら『古典を期待していたけれども・・・』と私が言い掛けましたら
『新作も喬太郎師らしくて良いじゃない。第一、もう次第々々に新作は聴けなくなっていくだろうしさ』と友人。
『なぁる』

あれやこれや話題は尽きず、別れしなに『また行こう』と意見一致。



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プロフィール

喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)

Author:喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)
喜洛庵寄席桟敷へお越しいただきまして、ありがとう存じます。
寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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