2016年(平成28年)回顧

2016年(平成28年)回顧

例年なれば家人と対話しながら、詳しく一年を振り返るのですが・・・
対話形式の回顧はほぼ四半期毎乃至半期毎に家人と二人でまとめ、掲載時に私が加筆する形をとっておりました。
しかし今年は年初から上半期一杯諸事多忙を極めまして、二人の感想をまとめることの出来ぬまま時が過ぎてしまった為 “対話形式” の掲載は見合わせる事に致しました。
以下に鑑賞回数等 “まとめ” を記します。

本年は・・・
○寄席・落語会・・・42回(上半期22回・下半期20回)
○舞台・演劇・・・・19回
の鑑賞機会を得ました。

またblogに書き込んでおりませんけれども、プロ野球も今年は51試合(オープン戦2試合、ペナントレース45試合、クライマックスシリーズ3試合、侍Japan1試合)観戦をしております。
昨年は30試合でしたので随分と増えた感じ・・・。
肝心の “寄席通い” が野球の影響からか、昨年の23回から7回と減ってしまいました。

年初に『今年は芝居中心で行こう』と意気込んでいたのにも拘らず、舞台・演劇鑑賞は昨年18回、今年19回と変化なし・・・ (^^;
10、11、12月の国立劇場、三ヶ月連続の歌舞伎公演『忠臣蔵 全段通し』が印象的です。
余勢で12月は文楽公演の『忠臣蔵 全段通し』をも鑑賞し、まさに “忠臣蔵漬” の日々。
愉快な年末を過ごすことが出来ました。

噺の方では5月に柳家喜多八師匠が逝去される悲しい出来事がありました。
1月14日に開催された “にぎわい座 睦会” より、喜多八師の『やかんなめ』 を今年の印象高座と致します。


テさぁて(義太夫風に^^)、来年はどんな “変化” が生れますか・・・
気儘な毎日を過ごしておりますので予測も出来かねますが、
引き続き “生の魅力を楽しむ事” を基調に行動して参りたいと存じます。


2016年(平成28年)の喜洛庵寄席桟敷はこれにてお開き。
弊blogへお立ち寄りをいただきました皆様、大変にありがとうございます。御礼を申し上げます。
皆様方に於かれましても体調にご留意なさって先ずはお元気で過ごし下さい。

素敵な新年をお迎え下さいませ (^^)/




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2016年12月 鑑賞記録

12月
○ 4日(日)十二月歌舞伎公演 仮名手本忠臣蔵 【第三部】  国立大劇場
○ 6日(火)十二月文楽公演 仮名手本忠臣蔵 【上】  国立小劇場
○ 9日(金)浅利演出事務所公演 アンチゴーヌ  自由劇場
○13日(火)志ん輔三昧~年末の会 古今亭志ん輔独演会  にぎわい座
○14日(水)十二月文楽公演 仮名手本忠臣蔵 【下】  国立小劇場
○16日(金)十二月歌舞伎公演 仮名手本忠臣蔵 【第三部】  国立大劇場
○18日(日)第18回 よってけ柴又落語会  川千家
○20日(火)らくご街道 雲助五拾三次 第四十五回 -大晦日Ⅲ-  日本橋劇場
○23日(祝)だるま食堂 単独ライブ  のげシャーレ
○26日(月)第582回 落語研究会  国立小劇場




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第582回 落語研究会 12/26

12月26日(月)第582回 落語研究会 国立小劇場

今夜のTBS落語研究会は主任権太楼師『睨み返し』、そして仲入は正蔵師『鰍沢』。
他に歌武蔵師、馬石師、小はぜさんの出演と前触れされています。


◆柳家小はぜ 『たらちね』
十一月上席に二つ目昇進。おめでとうございます。
いやぁ感慨無量。
と申しますのも私、小はぜさんの “初高座” (推定) らしき2012年11月17日の鈴本演芸場 柳家はん治の会 の客席におりまして『たらちね』を聴いているのです。
私、その時の記事に書きました様に『この人は将来が楽しみだなぁ』と感じ、その後も姿を見掛けると内心大いに応援しておりました。
二つ目に出世した小はぜさんの高座を、このTBS落語研究会の場でしかも同じ演目で聴くことが出来るとは・・・幸せこの上なし。非常に嬉しい。

些か気負ったか、前座さんがめくりを返す前に出掛けて、一度引っ込みました。
前座時分によくめくり返しをしていましたので、出の時機を間違えたのかも知れません。

高座へ着くなり本編へ。昇進の挨拶なしは珍しい感じ。
所々くすぐり場面を割愛しながら、本来の下げ “恐惶謹言” “依って件の如し” まで演ってくれました。
客席の笑いは少なかったのですが、端正な高座に好感を持ちました。

私、もうおひと方、五月下席に二つ目に昇進された三遊亭ふう丈さんも秘かに応援しているのですが、二つ目さんと “遭遇” するには余程追掛けないとその高座に接することが叶いませんね。
来年は少し調べて、若手さんの会にも足を運ぼうかしら。

◆隅田川馬石 『四段目』
こちらもさっと本編へ。
記憶に残る志ん朝師の高座を思い出しました。
ほぼ矢来町のまま、と言って差し支えないように思います。
“御膳” を強調して、下げの仕込みは万全。
定吉の芝居再現場面も流石の出来で唸りました。
素晴らしかった。
好高座。

◆林家正蔵 『鰍沢』
先月が初演の様子です。仲入の出番ですので所々端折りながらの高座。
冒頭部分を含め、情景描写に時間を割けないのは辛かったでしょうね。

ただ演り様によっては短い時間でも雰囲気は伝わる筈。
今夜は旅人が “兎にも角にも元気過ぎ” で、表情が飛び切り明るい上に声が大きい。
お熊もまた、心中崩れの暗さも山家の暮らしに疲れた感じも皆無。とても “人目を忍んでいる風情” には見えません。
『知り合いが雑踏の中で立ち話をしている様』に見えました。
仲入休憩で S さんが『居酒屋で旧知の人と再会して “ようよう!” とやっている感じだった』と仰っていましたが、まさにその雰囲気。

寒さ、暗さの表現も甘かったですね。
囲炉裏の火を起こしそのわずかな火の灯りを見つめながら二人がもっと小声で会話を交わせば、暗さと寒さが伝わるでしょう。
『囲炉裏に粗朶をくべて炎が上がり』初めて若干明るくなって、旅人がお熊の顔を判別出来るのが本来だと思われます。

初手から目と目を合わせて会話をしているので、囲炉裏の火で明るくなった感じは全く有りません。
『こんにちは』
『あら、暗いわね。灯りを点けましょ』とスイッチを入れた様でした。

鉄砲の音は後から聞こえる『八代目正蔵版』。
先代の域までには相当時間が掛かりそう。

~仲 入~

◆三遊亭歌武蔵 『だるま』
新作ですね。初聴です。
選挙絡みの他愛もない噺なのですが、それだけに描写力が必要とされましょう。
歌武蔵師の『伝える力』に舌を巻きました。

◆柳家権太楼 『睨み返し』
さっと本編へ。
20日の五拾三次で聴きました雲助師匠の『睨み返し』 と同形。
薪屋が受取に印形を捺く場面で『歌武蔵の噺がどこで終わるんだと苛々して・・・』と面白い弄りを挿れました。

“睨み” は権太楼師匠らしい表情。
最初に『睨み返される』米屋の小僧さんの描写が秀逸。
面白かったなぁ。好高座でした。


跳ねたのは9時少し前。
『随分とまた早い終演だなぁ。 “〆で一杯” が予定されているのかな?』など独りごちつつ家路へ。




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だるま食堂 単独コントライブ 12/23

12月23日(祝)だるま食堂 単独コントライブ だるまの毛inのげシャーレその14本目 のげシャーレ

暮れのだるま食堂にぎわい座ライブ。
家人と二人のげシャーレへ。


従来はラテン、ハワイアンなどテーマを決めてコントを演ずることもありましたが、今回はフリーテーマで。
縛りのない方が良いかも知れませんね。
様々な発想の傑作コントを演ってくれました。

後半はお馴染みのボインボインショーでまたまた大笑い。

来年は30周年記念とのこと。
益々活躍を期待出来そうです。



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らくご街道 雲助五拾三次 -大晦日Ⅲ- 12/20

12月20日(火)らくご街道 雲助五拾三次 -大晦日Ⅲ- 日本橋劇場

雲助五拾三次、第四十五回のお題は “大晦日Ⅲ” 。
この会では三回目の大晦日なのですね。
東海道五十三次で四十五番目の宿場は伊勢国鈴鹿郡 “庄野” 。
長い旅路も最終盤、先が見えて参りました。
来年は毎月ではなく飛び飛びの開催にして、再来年3月辺りに “上がり” を迎えるのかな?

今夜は雲助師、お家芸且つ十八番の『富久』他と触れられています。


◆桃月庵はまぐり 『代脈』
滑り出しは順調で銀杏の造形がお見事だったのですが、後半は時間を気にしましたか走り気味。
お嬢様の診察風景をゆったり演る事が出来たなら好かったのになぁ。
惜しい。

◆五街道雲助 『睨み返し』
雲助師匠で聴くのはおそらく初めて。
噺そのものも一昨年暮れに開催された第57回人形町らくだ亭に於ける喜多八師匠の口演以来、久し振りに聴きます。
前半の薪屋との喧嘩が『掛取萬歳』の魚屋とのそれと同じなのですが、雲助師この喧嘩が上手ですので客席はすぅっと噺に入り込んで行きました。
喜多八師のは “不気味な顔系統” でしたけれども雲助師は “怖い顔系” ですね。
愉快な一席。好演でした。

~仲 入~

◆五街道雲助 『富久』
これこれ、こう来なくてはね。これこそが本来の『富久』ですよ。
久保町の旦那の鷹揚な風情、好かったなぁ。

間の取り方、この場合 “溜め” と 言っても良いのでしょうけれども、極めて自然です。
その旦那の『また出入りしな』の言葉で私、目が潤みました。
旦那の言葉の直前の素晴らしい緊張感、そしてその緊張の解ける瞬間を存分に味わいました。

見舞い客の帳面を付ける久蔵が無闇と嬉しそう。(客席の私も嬉しかった^^)
顔見知りのお客様に挨拶しながら『またお出入りが叶いまして・・・』と喜色満面です。
絡み酒或いは酒乱という程ではなく、酒にだらしない設定。
呑みたいのね。まぁ普通の酒呑より若干意地汚いぐらいの感じです。

久蔵を寝かせた後に旦那が鳶頭に対し『可愛いところもあるのさ』と言う場面を挟み入れたのが効果抜群。
これによって、何か噺全体に現実味が増した感じが致しました。
枕で伊勢神宮のお祓いを仕込んでおいて、鳶頭との再会以降を非常な速度感で一気に下げまで。
傑作、名演。


恒例の三本〆でお開き。
チロルチョコの引き出物をいただき『歌会始ってTV中継あるのかな?』など家人とお喋りしながら家路へ。



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第18回 よってけ柴又落語会 -うなぎ寄席- 12/18

12月18日(日)第18回 よってけ柴又落語会 川千家

先達さんたる I さんのご提案に飛びついて柴又へ。
鰻屋さんで落語を楽しむという贅沢な趣向。
今日は古今亭文菊師が二席と前触れされております。

整理券を受け取ってから開演までの1時間半程を I さん A さん、そして S さんと私の四人で帝釈天の庭園、彫刻を見学して過ごし、更に矢切の渡しを見ようと土手まで足を伸ばしました。
皆さん健脚で、普段の移動が車の私はへとへと^^;

土手から会場の川千家さんへ戻る道すがら、どこからか『矢切の渡し』のメロディーが聞こえて来ましたので『ここのお店で流しているのですかね?』と同行の皆さんに問いかけましたら、『俺が鳴らしてんの』と S さん。
スマホにレコーディングしていた音源を『情緒を盛り上げる意図から』再生して下さったのです。
大笑いしながら会場へ。


◆古今亭文菊 『干物箱』
お家芸を繰り出して来ました。
客席大爆笑。流石の出来。
巧いなぁ。
下にいて騙される父親がもう少し呟いたり含み笑いをしたり、騙されているのに気付かない滑稽味を加えたらどうかな?などとも思いましたけれども、くさ過ぎてしまうかも知れませんね^^

◆マーサ☆リノイエ ポップ三味線
長唄のお師匠さんとのこと。
山口百恵showのバックダンサーを務めていた経歴の持ち主。
自称『元、売れなかったアイドル』
古典は勿論お得意なのでしょうけれども、細棹で津軽三味線を弾き、それがいつの間にやら往年のロックナンバーに変化する、という新作での高座。
工夫された構成に感心しました。好演。
寄席の芸人さんではありませんので、ポップな新作で特徴を出されているのでしょう。
和服でのしっとりとした高座もお似合いなのでは、と思われました。

~仲 入~

◆古今亭文菊 『野ざらし』
会の始まる前に『一席は年末の噺、富久、芝浜あたりか?』と同行の皆さんと予想しておりましたが、意外にも魚釣の枕から『野ざらし』へ。
抱腹絶倒の面白さ。
少し濃い演出にしたのは『落語に馴染みのないお客様が多数』と文菊師が判断したのかも知れません。
幇間の出て来る “完全版” 。久し振りですね、この版を聴くのは。
好高座、傑作でした。

落語会の後は別室へ移動して鰻重のお食事。
少し身体が冷えた気がしたので珍しくも、熱燗を一本^^
この十数年振りの “呼び水” が後程効いて来るのですが・・・^^;

奇遇と申し上げるべきか偶然にも今日の先達さんの I さんと私が “初回が最終回となった幻の落語会” 落語白樺派でご一緒していた事が判り、そんな話題こんな話題で大いに盛り上がりました。


会場を後に、皆さんとご一緒して二次会へ。
愉しい会話で時間の過ぎるのが惜しい感じの日曜の夜。
あぁ愉快だったなぁ^^



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国立劇場十二月歌舞伎公演 仮名手本忠臣蔵 12/16

12月16日(金)十二月歌舞伎公演 仮名手本忠臣蔵 国立大劇場

国立劇場開場50周年記念、仮名手本忠臣蔵通し公演。
三ヶ月連続公演大詰の12月は、八段目から十一段目。
私ども、4日(日)に続き二度目の鑑賞です。
『今回の忠臣蔵は今日でお別れだなぁ』など家人とお喋りしながら、一階センターブロック前方席へ着席。


仮名手本忠臣蔵 【第三部】 四幕八場 竹田出雲・三好松洛・並木千柳=作
国立劇場美術係=美 術

八段目   道行旅路の嫁入

九段目   山科閑居の場

十段目   天川屋義平内の場

十一段目 高家表門討入りの場
 同     広間の場
 同     奥庭泉水の場
 同     柴部屋本懐焼香の場
     花水橋引揚げの場

【八段目】
本蔵妻戸無瀬 中村魁春  娘小浪 中村児太郎

【九段目】
加古川本蔵 松本幸四郎  妻戸無瀬 中村魁春
娘小浪 中村児太郎  一力女房お品 中村歌女之丞  
由良之助妻お石 市川笑也  大星力弥 中村錦之助
大星由良之助 中村梅玉

【十段目】
天川屋義平 中村歌六  女房お園 市川高麗蔵
大鷲文吾 中村松江  竹森喜多八 坂東亀寿
千崎弥五郎 中村種之助  矢間重太郎 中村隼人
丁稚伊吾 澤村宗之助  医者太田了竹 松本錦吾
大星由良之助 中村梅玉

【十一段目】
大星由良之助 中村梅玉
大星力弥 中村米吉  寺岡平右衛門 中村錦之助
大鷲文吾 中村松江  竹森喜多八 坂東亀寿
千崎弥五郎 中村種之助  矢間重太郎 中村隼人
赤垣源蔵 市川男寅  茶道春斎 中村玉太郎
矢間喜兵衛 中村寿治郎  織部弥次兵衛 嵐橘三郎
織部安兵衛 澤村宗之助  高師泰 市川男女蔵
和久半太夫 片岡亀蔵  原郷右衛門 市川團蔵
小林平八郎 尾上松緑  桃井若狭之助 市川左團次


二回目の鑑賞でもありまた一昨日お隣の小劇場で観た文楽(文楽は七段目~大団円)で重複する段を “予習” しているので、義太夫語りも科白もすらすらと頭に入って来ます。
文楽で字幕が出るのも奏功していますね、これは^^

今日は演者の目や手指の細かい動き、息遣いや呟き声なども鑑賞出来る席。
こうした席で観ますと、女形の演技が目立ちます。
八段目、九段目の戸無瀬役魁春丈の綺麗な所作に目を奪われました。素晴らしかった。
視線にも全く無駄がないのですねぇ。凄い演技です。

九段目の幸四郎旦那、手負いの後はずぅっと荒い息遣い。そして腹に血止めの晒を巻く際に、前髪を数本垂らして “乱れた感じ” を出す。
引いて観ていた前回の鑑賞では『ここまで演っている』とは判りませんでした。大迫力。

その本蔵の後ろで涙にくれる戸無瀬、小浪の表情がこれまた秀逸。
お石役、澤瀉屋の間の置き方も凄かった。科白の間の演技で厳しさが倍増します。
また力弥役錦之助丈の細かな目の動きでの感情表現、素晴らしい。

十段目、天川屋義平役の歌六丈、熱演。好かったなぁ。
これまた引いて観ていた前回は、意図的に淡々とした芝居をされているのかと思っておりましたが、実にこう細かな演技で内面描写に余念がありません。印象に残りました。

十一段目は引いた席の方が適している様に思いましたが、降る雪をかぶりながらの観劇もまた興のあるもの。
肩に落ちた雪を持って帰りました^^ 雪は四角形。
由良之助、実に堂々としていたなぁ、高砂屋大出来。米吉丈も少年らしく颯爽としていました。
音羽屋は引いて観ても好し、直前で観てもまた迫力満点。

師直はちと大き目で『しばらく見ぬ間に福々しくなられましたなぁ』と由良之助が言いそうな面体。
もすこし細面の方が良いかとも思われます。

“財布の焼香” で財布が血染めなのにも感激しました。
成程細かいところまで行き届いたものですねぇ。


跳ねて家人と『由良之助、本蔵、矢間重太郎(隼人丈)が目立ったね』
『義平も好かった。それと女形の演技が皆素晴らしかった』
など感想を喋りながら “ウラジミール渋滞” の中を家路へ。


※隣席のお年寄り夫婦。喋るわ、上演中にアイス最中を食すわ、入歯をほき出し、舐めてお掃除するわでしたい放題やり放題。
アイスで腹が冷えたか途中で手洗いに立つ始末。それも舞台に手をつきそれを頼りに。
また真後ろでは始終ビニールのガサガサ音。これもお年寄り夫婦。
蛍嬢も前席は目が届きかねると忖度致しますが、いま少し目配りの欲しい気がしました。



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十二月文楽公演 通し狂言 仮名手本忠臣蔵 【下】 12/14

12月14日(水)十二月文楽公演 仮名手本忠臣蔵 【下】 国立小劇場

討入当日の14日、文楽公演『下の部』は七段目から大団円まで。
『矢張り蕎麦屋に寄ってから国立へ向かうべきだろうか・・・』と思案に及び、
家人と永坂布屋の “とある支店前” にて待ち合わせ。
二人で遅い昼食の後 “東下り” 。


通し狂言 仮名手本忠臣蔵

七段目   祇園一力茶屋の段
八段目   道行旅路の嫁入
九段目   雪転しの段・山科閑居の段
十段目   天河屋の段
十一段目 花水橋引揚の段


七段目は芝居よりもやや簡略な演出、八段目の道行は “人形の方が現実味を帯びている” 印象。
九段目山科閑居の段を語った千歳大夫師、文字久大夫師が出色の活躍。
ここは私、舞台のみならず義太夫廻しの方にも大注目。凄かった。
九段目で帰宅された方もいらっしゃいましたけれども、十段目十一段目は芝居と違って派手な見せ場のない段。
私達の前席のご婦人は帰り仕度の身繕いをしながら観劇されていらっしゃいました。


跳ねて木戸を潜り外のベンチで荷物の整理。
S さんにご挨拶ののちふと空を見上げますと、おぉ討入の夜と同じ様な満月(月齢15.6)。
元禄15年12月14日は1703年1月30日とのことですので、313年前の夜を旧暦新暦の垣根を越えて『再現』といったところ。

討入当日のお土産として帰りの木戸でいただいた “柴小屋前に引き出された師直を取り囲む義士の図” の眼鏡拭きを手にとり、しみじみと拝見しつつ『いやぁ面白かったなぁ』など家人と喋りながら家路へ。



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年末年始 志ん輔三昧~年末の会 12/13

12月13日(火)古今亭志ん輔独演会 年末年始 志ん輔三昧~年末の会 にぎわい座

以前は『出来るだけ欠かさぬ様に心掛けていた』古今亭志ん輔師の独演会ですが、何だか久し振りの感じ。
続けて聴きに行っていた国立演芸場の『累が淵』の最終回を、てっきり前売案内が来るものと独り合点して席を確保しそびれたのが切欠だったかなぁ?

にぎわい座の “志ん輔三昧” を忌避する様になったのは明確な理由を記憶していて・・・
“次回分を仲入に先行販売する” のを初手こそ面白がって行列していたものの、考えてみるとどうにも野暮な売り方の上、休憩時間を慌ただしく追い立てられて消費するので、気に染まなくなって足が遠のいたのですな。

調べてみましたら、昨年6月国立演芸場の志ん輔独演会 マイ・ド・セレクション以来、一年半ぶりですね、志ん輔師独演会の鑑賞は。
この “年末の会” そして来春1月15日(日)の “年始の会” は、にぎわい座 web で偶々好みの座席が空いていたので『久し振りに古今亭を』と予約、購入。
今夜は志ん輔師『富久』、『紙屑屋』と前触れされております。


◆橘家かな文 『やかん』
よく聴く下げではなく『その被った薬缶を脱ぎましたら・・・』と “後日談” の様な下げ。
その際にふと客席を見渡す一瞬の間を置きました。
悪戯っぽくて好かったですね。

◆林家なな子 『松山鏡』
二つ目昇進後、初めてかな?
来週は35歳の誕生日、とのこと。もっと若いのかと思っていました。
上手だなぁ。好演。

◆古今亭志ん輔 『紙屑屋』
もう一席が『富久』ですから前席は十八番を、といったところ。
楽な調子で流している感じでした。聴き心地好し。

~仲 入~

◆古今亭志ん輔 『富久』
前席でどこか抜けちゃったらしく、先ずはその “解説” から。
そこから繋げて『何商売でも難しいもので・・・』と本編へ入りかけたのですが、 “酒癖” を仕込んでおかなけりゃ、と思い出したのかな?
『三木のり平先生に某噺家友人が喧嘩を売った』挿話を挟んで本編へ。

志ん輔師、力点を久蔵の描写に置いているのですね。
非常に豊かな表情で久蔵の心理を描いてくれました。
大団円近く、鳶頭との会話中に客席で笑いが起きる程の滑稽な表情、反応の久蔵は私、初めてかも。

それはそれとして、今夜は私、久保町の旦那の描写がやや物足りなく思いました。
火事騒ぎの中、旦那が陣頭指揮を執っているものですから、駆け付けた久蔵と同じ様に息を切らしている感じなのです。
ここは『幇間と座敷遊びする程の商家の主人』なのですから、もっと鷹揚に構えていて欲しかったし、久蔵への『出入りしな』の言葉も二拍ぐらい置いて、声も表情も “厳から柔へ” と変化を付けていただきたかったなぁ。

まぁ力点の置き方や噺の解釈はそれぞれですからね。
志ん輔師ならではの表情の楽しさは堪能しました。枕を含め長講五十分。


跳ねて『おっ、降り出しているね』と家路へ急ぎ足。
 

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浅利演出事務所公演 アンチゴーヌ 12/9

12月 9日(金)浅利慶太プロデュース公演 アンチゴーヌ 自由劇場

一昨日の水曜が初日、11日の日曜には楽という短期公演の浅利演出事務所公演『アンチゴーヌ』へ独りぶらり。


アンチゴーヌ  作 ジャン・アヌイ  翻訳 諏訪 正  演出 浅利慶太

○アンチゴーヌ 野村玲子
○クレオン 山口嘉三  ○エモン  松本博之
○イスメーヌ 坂本里咲  ○ユーリディス 齊藤奈々江
○乳母 佐藤あかり  ○クレオンの小姓  古庄美和
○衛兵 畠山典之  ○衛兵 折井洋人  ○衛兵  山本航輔
○伝令 桑島ダンテ  ○合唱 近藤真行

主人公アンチゴーヌは亡きオイディプス王の娘、姉はイスメーヌ。
この姉妹には兄が二人おりましたが、権力争いの果てに決闘となり相打ちで両者ともに死亡。
現王クレオン(アンチゴーヌの叔父、かつ息子エモンがアンチゴーヌの婚約者)は、その二人の兄の葬送に際し、一人は国葬扱いとして盛大に、いま一人は反逆者として埋葬すらを許さず場外に棄て置き、朽ちるままとします。
兄の亡骸を埋葬しようとアンチゴーヌは夜半に城を抜け出しますが、帰城したところを乳母に見とがめられてしまいます。


アンチゴーヌ=野村玲子、クレオン=山口嘉三の “二人芝居” に、合唱=近藤真行が絡む形で物語は進みます。
“合唱” というのは “姿の見える影の声・ナレータ” というところでしょうか、現王クレオンとの言葉の遣り取りもありますので、“クレオンの深層心理の代弁者” と解釈することも出来そうですね。

権力を握った者が “権勢者らしく振舞おう” として自縄自縛に陥り、結果として全てを失ってしまう様子をクレオン役の山口が素晴らしく演じてくれました。
アンチゴーヌに論破された後の表情など、 “一瞬で十年老けた” 感じでした。凄い。

野村は安定の演技。何を演っても巧い。流石です。

そしてもう一人の主役、合唱の近藤真行。この人は見込まれているのだろうなぁ。巧いものなぁ。
この生命誰のものでの早田役、 李香蘭での杉本役と “浅利演出事務所の新しい顔” ですね。
来年も近藤の活躍が楽しみです。

イスメーヌ役の坂本、こちらも安定。安心して観ていられます。
あと、エモン役の松本博之。この役者さんは様子が好いなぁ。目立っていました。


跳ねて、クレオンの言葉『ひとの口にしないことだけが、本当のことだ』を、『blogに書くのだから忘れない様に』と何度も繰り返しながら家路へ。
帰宅してプログラムを開いてみましたら、山口氏が “劇中の印象的な言葉、フレーズ” として挙げていらっしゃいました。
折角覚えたのに!(^^;


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十二月文楽公演 通し狂言 仮名手本忠臣蔵 【上】 12/6

12月 6日(火)十二月文楽公演 仮名手本忠臣蔵 【上】 国立小劇場

国立劇場50周年記念公演は歌舞伎のみならず、文楽も仮名手本忠臣蔵の上下通し公演。
『忠臣蔵なら観に行こうか』と家人を誘い、今日は先ず『上の部』。
大序から六段目まで。


通し狂言 仮名手本忠臣蔵

大  序   鶴が岡兜改めの段 ・ 恋歌の段
二段目   桃井館本蔵松切の段
三段目   下馬先進物の段 ・ 腰元おかる文使いの段
       殿中刃傷の段 ・ 裏門の段
四段目   花籠の段 ・ 塩谷判官切腹の段 ・ 城明渡しの段
五段目   山崎街道出合いの段 ・ 二つ玉の段
六段目   身売りの段 ・ 早野勘平腹切の段


定式幕が上手から下手へ、つまり芝居とは逆に開いていくのが先ず面白いですね。
私どもにとってみますれば、十月から観ている歌舞伎の方の “通しの復習” といったところですが、小劇場の為か、より迫力を増した大夫の声量に圧倒され通し。
科白も語りも基本的に独り・・・。
噺家さんと同じで “一人数役” をこなしつつ、大いに力の篭った語り口調。改めて凄いですね。
塩谷判官切腹の段の咲大夫師、早野勘平腹切の段の英大夫師が特に印象的でした。

人形では判官切腹の後、遺骸を乗せた駕籠を見送るが如く上手を遠目に眺め見て踵を返し下手へ悄然と下がる家来達の、その一人々々の様子が実にお見事。
家来達の何とも切ない心情をしっかりと伝えてくれました。素晴らしかった。

私が気づいた芝居と異なる点は、城明渡しの段で表門前での塩谷家来同士の押し問答がなく、由良之助独りの場面である事。
五段目での定九郎の出番が多く(長く)、また与市兵衛を散々に斬り突きまくる非常に残忍な殺し方をする事。
六段目の身売りで、芝居では出て来る一文字屋お才が現れず、芝居の判人源六に相当する “一文字屋才兵衛” のみが出て来る事。

跳ねた直後に私、家人に『疲れたよぉ』と第一声。
お芝居と同じく四段目までにして三部構成にしていただいた方が客席には優しいでしょうね。
特に五段目が(上記しました様に)長いですから、肝心の勘平腹切の段で客席が疲れちゃっているのですね。
“雑音の発生” がそこここで耳につきました。


『由良之助、提灯の家紋を切り取っていたね』
『切るで思い出したけれども・・・五段目、あんなに斬られたら身体が無くなっちまうよな』
『刀を突き刺したままだったわね』
『あの段(五段目)、胡弓が聞こえて来たね』
など家人と喋りながら家路へ。

面白かったけれども、長かった・・・。あぁ疲れたぁ~^^;




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国立劇場十二月歌舞伎公演 仮名手本忠臣蔵 12/4

12月 4日(日)十二月歌舞伎公演 仮名手本忠臣蔵 国立大劇場

国立劇場開場50周年記念、仮名手本忠臣蔵通し公演。
三ヶ月連続公演大詰の12月は、八段目 “道行旅路の嫁入” から大団円 “花水橋引揚げ” まで。
『今回の忠臣蔵に限り、二階と一階で二度観ようじゃないか』との試みで、今日はその『二階席鑑賞日』。
花道直上、二階最前列に家人と陣取りました。


仮名手本忠臣蔵 【第三部】 四幕八場 竹田出雲・三好松洛・並木千柳=作
国立劇場美術係=美 術

八段目   道行旅路の嫁入

九段目   山科閑居の場

十段目   天川屋義平内の場

十一段目 高家表門討入りの場
 同     広間の場
 同     奥庭泉水の場
 同     柴部屋本懐焼香の場
       花水橋引揚げの場

【八段目】
本蔵妻戸無瀬 中村魁春  娘小浪 中村児太郎

【九段目】
加古川本蔵 松本幸四郎  妻戸無瀬 中村魁春
娘小浪 中村児太郎  一力女房お品 中村歌女之丞  
由良之助妻お石 市川笑也  大星力弥 中村錦之助
大星由良之助 中村梅玉

【十段目】
天川屋義平 中村歌六  女房お園 市川高麗蔵
大鷲文吾 中村松江  竹森喜多八 坂東亀寿
千崎弥五郎 中村種之助  矢間重太郎 中村隼人
丁稚伊吾 澤村宗之助  医者太田了竹 松本錦吾
大星由良之助 中村梅玉

【十一段目】
大星由良之助 中村梅玉
大星力弥 中村米吉  寺岡平右衛門 中村錦之助
大鷲文吾 中村松江  竹森喜多八 坂東亀寿
千崎弥五郎 中村種之助  矢間重太郎 中村隼人
赤垣源蔵 市川男寅  茶道春斎 中村玉太郎
矢間喜兵衛 中村寿治郎  織部弥次兵衛 嵐橘三郎
織部安兵衛 澤村宗之助  高師泰 市川男女蔵
和久半太夫 片岡亀蔵  原郷右衛門 市川團蔵
小林平八郎 尾上松緑  桃井若狭之助 市川左團次


八段目 “道行旅路の嫁入” で印象に残ったのは大名行列の通る遠景を見る戸無瀬が嘆く場面。
私も舞台の二人と一緒に東海道を西へ旅。
巧く出来ていますねぇ、書割^^。歴史を感じました。

九段目では幸四郎旦那の本蔵が圧倒的。深編笠をとった刹那に鳥肌が立ちました。
重傷を負った後の長台詞など『さぞ演り甲斐を感ずるのだろうなあ』と忖度。
また本蔵から師直邸絵図面を渡された大星父子の “怪我人そっちのけで作戦会議” の場面も如何にも二人の心情が顕れた芝居らしく面白うございました。
しかし冒頭の “雪転し” (ゆきこかし)がちゃぁんと意味ある場面だったとは・・・。
演るのは三十年振りとの事ですけれども、『物語上、必須の場面だろう』との印象。

十段目では『天川屋義平は男でござる』の名科白、そして『合詞は “天” と “川” と致し・・・』の由良之助の言が何とも心に沁みました。

十一段目、文句なしの大活劇。
ここだけは “映画状態” の写実的表現が続きます。
演技のみならずカット割りが映画のそれで物凄い迫力。目まぐるしい場面展開。
“広間の場” が挿入されて臨場感が増しましたね。
松緑丈、先月の定九郎は抑えた演技でしたが今月は大暴れ。
刀を捨てて雪合戦の図も愉快。

“財布の焼香” もまた印象的。
この『通し公演』では萬屋親子の役付きが良かったですね。
錦之助丈の平右衛門、好かったなぁ。隼人丈も良いとこ独り占め^^。

そして大団円 “花水橋引揚げの場” 。
ここも映画でお馴染み。
それにしても実際に義士達の姿が橋の向こうに見えてくるとわくわくしますね。
ここでは『佳かったぁ!』と叫ぶ市井の見物人になっております、私。

名乗りを上げる場面で私、先代幸四郎主演の『花の巻・雪の巻』(1954年、松竹)のラストシーンを想い起しました。
尤もあちらの名乗りは泉岳寺の墓前でしたが・・・。
ここも『佳かったぁ!』と一人一人の名を懸命に聴き取り、心に刻む。
もう完全に当事者の心持ち^^
講釈の赤垣源蔵の兄みたいなもので『市助、その呼子を吹けぃ!』てな感じでした。


三回に渡る通し公演を観て思うのは至極当然乍ら『通して演ってくれると話が繋がる』ということ。
『名場面のみを摘んで観ている』のとは大違いですね。
私ども、もう一度、今度は一階二列目で観る機会を設けておりますが、何とも楽しみ、またそれが最後と思うと寂しい気持ちです。

跳ねて駐車場は『出と入』で大混乱。
出の車が捌けないうちに、文楽の夕方からのお客様の車が入り込んで来て危ない危ない。
何とか脱出に成功して家路へ。






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プロフィール

喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)

Author:喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)
喜洛庵寄席桟敷へお越しいただきまして、ありがとう存じます。
寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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