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五街道雲助 お富與三郎 木更津 3/5

 3月 5日(火)五街道雲助 『お富與三郎』
連続口演 第二夜『木更津』 お江戸日本橋亭

連続六回口演二日目。

◆五街道雲助 お富與三郎 木更津
関良介の進めもあり江戸を離れ、木更津の叔父藍屋吉右衛門の元へ身を寄せた與三郎。
江戸とは違い寂しい漁師町で毎日を過ごしています。

夏も過ぎた九月十五日、東大権現の祭礼見物へふらり出掛けた與三郎は、地元の博打打ち赤間源三右衛門の女で深川芸者上がりの横櫛のお富と出会います。

この最初の出会い場面、その後の料理屋鶴屋二階座敷内の描写、好かったなぁ。
また「子分」とは言いながらみるくいノ松蔵のその迫力ったらないんだ、これが。
悪い奴だなぁ~、と見せる雲助師の巧みさに感心しました。

美男美女のお富與三郎は程なく理無い仲となり、源三右衛門の留守をいいことに貪り合う様に逢瀬を重ねます。

北関東から水戸まで足を伸ばして花会三昧の源三右衛門は、十一月初めに木更津へ戻って来ますが、子分みるくいノ松蔵の告げ口からお富の裏切りを知り、一計を以てお富與三郎の密会に踏み込みます。

さぁ~、ここから凄かったですよ~。
子分の松蔵で前述の迫力ですからねぇ、親分の源三右衛門の憤怒の表情たるや、まるで鬼。

言葉飽くまで荒々しく、残忍な響きを帯びた怒鳴り声は客席を静まり返らせました。
とにかく物凄い形相。そして聴く者を震え上がらせる声。

與三郎はお富の見ている前でなます切り。
『朱で描いた達磨さんだぁ』とは長脇差で與三郎を一寸刻み、五寸刻みにしている源三右衛門の言葉。

見るのも辛いとお富はその場を逃げ出し、追ってくる松蔵を振り切って海へと身を投げ、行方知れずに。

最後半は芝居掛。
糸が鳴り雲助師十八番の七五調の科白で源三右衛門が啖呵を切ります。

さぁ與三郎にとどめを差そうと源三右衛門が長脇差を構えたその時、
誰かが『待ってくれ』と走り込んできたところで『この続きは次回』と切れました。

うわぁ~、これどうなるのぉ?って感じ。
昔の寄席興行はまさにこの調子で翌晩の集客をしていたんだろうなぁ~、とつくづく思い知りましたねぇ。

それにしても赤間源三右衛門の怒りは大迫力、物凄かったぁ。
ただ怒っているのではなく強い嫉妬が絡んでいる、その心情を雲助師が巧みに描写。
非常な説得力を持って源三右衛門の怒りが客席へ迫って来ました。

しかし「なます切り」怖いよ~。
切るだけでなく、その切創に酒を吹き付けるやら、傷口を蝋燭の火で灼くやら、絵を想像すると気持ち悪くなる所業。
凄かったなぁ。


跳ねて歩きながら家人が『怖い怖い』と怯えるのを宥めつつ家路へ。





Tag:落語会・寄席  Trackback:0 comment:0 

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Author:喜洛庵上々
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寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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