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五街道雲助 お富與三郎 茣蓙松 3/12

 3月12日(火)五街道雲助 『お富與三郎』
連続口演 第五夜『茣蓙松』 お江戸日本橋亭

連続六回口演五日目。『茣蓙松の強請』

◆五街道雲助 お富與三郎 茣蓙松
稲荷堀での目玉の富殺しを根多に、蝙蝠安から度々無心されているお富與三郎。
稼ぎの無い懐から持っていかれるのですから堪らない。ついに玄冶店の家を売り払い、秘かに元柳橋へと住替えます。

柳橋万八楼からの帰り道、夕立に降られ元柳橋のお富の家へ雨宿りをした芝、田町の茣蓙屋隠居松屋芳兵衛は万両分限と噂の大金持ち。その上無類の吝嗇で、また稀代の女好き。

その好色が祟り、まんまとお富の色香に迷って相対間男の餌食となった茣蓙松隠居芳兵衛。
紙入の八両二分をそっくり取られた上に五十両の証文を入れ、這々の体で田町の自宅へ戻ります。

帰宅した芳兵衛は自らの家作を任せている貸本屋上がりの家主伊之助に五十両を渡し、この相対間男の後始末を頼みます。
汚れた着物に着替えドジ拵えの伊之助は、持ち前の口舌と押しの強さで與三郎を丸め込み、五十両の内から二両を與三郎へ渡し示談を纏めて残金四十八両は自らの懐へ入れてしまいます。

伊之助に呑まれて思う程に金にならなかったお富與三郎。しばらく経ってから当の伊之助の甥の背負い小間物屋から裏話を聞いて激怒、伊之助の家へねじ込みに行きます。

悪党としては二枚三枚と役者が上の伊之助は二人を全く相手にせず、窮したお富與三郎は松屋の店先で騒ぎ立てる挙に。

とまぁ、今夜は誠にどうも締まらない一幕。
客席は笑いが起きていましたが、笑うよりもむしろ哀れさが先立ってしまいそうな間抜けさ加減。お富與三郎ご両人の形が好いだけに、滑稽さが余計に浮き彫りとなる感じです。
『髪結新三』にも似た場面がありますが、あちらは半金、こちらは殆ど全部撥ねられるのですからねぇ。
詰めの甘さが何とも歯痒いですなぁ。

雲助師、茣蓙松隠居芳兵衛がちょうど同年輩のせいかその人物造形が誠にお見事。気づくと私もごく自然に芳兵衛に共感しながら観ていました。

あと、示談金の頭を撥ねられたと知る場面、小間物屋との会話で與三郎が鼈甲屋の符帳を使って値切ります。
ここはなかなか見応えある遣り取りでした。
この挿話により、鼈甲問屋の若旦那気分が抜けきれない與三郎をより鮮明に描き込んだとも感じました。
伊之助にはまさにそこを突かれた訳ですが・・・。


楽日は雲助師苦心の演出による『島抜け』。じっくり楽しむことにしましょう。





Tag:落語会・寄席  Trackback:0 comment:0 

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喜洛庵上々

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寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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