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鈴本3下夜 3/21

 3月21日(木)鈴本演芸場 夜席

昼過ぎに鑑賞歴の長い友人から連絡が入り、最初は「茶話会」のつもりだったのですが
『古今亭だから行きましょう』と急遽上野へ押し出すことに。

古今亭半輔 一目上がり
柳家わさび 狸の鯉
翁家和楽社中 太神楽
橘家圓太郎 強情灸
柳家さん生 出来心
柳家小菊 粋 曲
三遊亭歌武蔵 漫 談
入船亭扇遊 人形買い

~仲 入~

大空遊平・かほり 漫 才
五明楼玉の輔 紙入れ
林家正楽 紙切り
古今亭志ん輔 幾代餅

◆わさび 『狸の鯉』
枕から噺の序盤、客席の反応を探りながら言いよどみつつ進めていましたが、おそらく途中で吹っ切れたのでしょう。客席の受けに捕らわれず、独自の世界へ突入して行きました。
吹っ切れてからが目に見えて好かったですねぇ。面白かった。

◆圓太郎 『強情灸』
湯屋の意地比べから強情灸へ。
『浅間山だぁ』と得意気な表情が火が回って一変。艾をはたき落とすまでの我慢の仕種、表情が絶品でした。
好演。

◆さん生 『出来心』
後半の花色木綿には至らない所謂『間抜け泥』。
独特の口調で愉しい一席。

◆扇遊 『人形買い』
五節句の枕から入り『人形買い』。
いつもの軽妙な口調、愉快な表情で面白可笑しく進めました。
安く買ったと思いきや、小僧さんのお喋りから真相を知った刹那の表情が面白かったですねぇ。
『してやられた』という表情ね。

女房に灸と水で折檻され『熱いよぉ』『冷たいよぉ』『あっ、焼き豆腐・・・』と思い出すまで。
面白かったなぁ~。出来れば下げまで聴きたかった感じです。

◆玉の輔 『紙入れ』
携帯電話の話題から。
かなり長く引っ張りましたので「漫談で下がるのかな?」と思いましたが、携帯電話~浮気と繋げて『紙入れ』。
『旦那が笑いながら包丁研いでいる夢』には大笑い。

◆正楽 紙切り
鋏試し相合い傘、カナリヤ、長屋の花見、娘道成寺、火焔太鼓。
籠の中のカナリヤを見る少女、傑作でした。

◆志ん輔 『幾代餅』
三道楽煩悩から吉原風景へ短く枕を振って『幾代餅』。
志ん輔師の『幾代餅』でいつも感心するのが、清蔵が幾代太夫の錦絵に初めて接する具足屋(絵草紙屋)店頭の場面。
これ清蔵と女将さんの会話中なのですが、清蔵と具足屋店先に一緒に居合わせた見知らぬ誰かとの遣り取りで、つまり直接話法で、幾代太夫の紹介をするんです。
映画なら「回想場面」といったところでしょうか。時間を巻き戻して場面を再現する手法。ここ、好きだなぁ。志ん輔師独特の演出の筈です。

一年で貯めた十三両二分に親方が一両二分足してくれて十五両。それを懐に、借り物の結城紬を着て吉原へと出掛ける清蔵。
この場面も面白かったですねぇ。
親方六右衛門夫婦、そして店の皆に泣きながら挨拶をする清蔵に、親方が『まるで俺が暇を出したみたいだ』。

念願叶った翌朝の清蔵と幾代太夫の会話。圧巻でした。
誠実に『また一年経ったら』と告白し思いを打ち明ける清蔵。
その心根に惚れ『来年の三月、年季が明けたら』と返す幾代。
互いに純粋な気持ちをぶつけ合うその様を、志ん輔師が巧みな描写で客席へ爽やかに届けてくれました。

地噺的表現は努めて避け、会話主体で噺を進める志ん輔師。その為、まるで目の前の出来事を見ている様な感じになるんです。
好かったなぁ~。
素晴らしい一席でした。


跳ねて友人と歩きながら「矢張り志ん輔師『幾代餅』は凄い、十八番だね。流石」「古今亭のお家芸だもの」と意見一致。





Tag:落語会・寄席  Trackback:0 comment:0 

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Author:喜洛庵上々
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寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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