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国立名人会 6/5

 6月 5日(水)第364回 国立名人会 国立演芸場

小三治師出演。更に仲入に伯楽師がお家芸『井戸の茶碗』で登場となれば、これは聴きたい観たい。
幸運にも良席に恵まれ、三宅坂へ馳せ参じました。

◆柳家まめ緑 『狸札』

◆古今亭菊千代 『鼓ケ滝』
『女流が続きまして』と前置きし『今昔、時の流れ』に触れました。
そうですねぇ。私も菊千代師が高座返ししていた頃は何期目かの“my寄席boom”でしたが、あの時分女流は二三人だったのではないかしらん。

噺の方は淡々とした流れ。
表情を余り作らず、抑揚を抑えた落ち着いた語り。

◆柳家〆治 『お見立て』
かっちりした語り口調。
こちらも抑揚を強調せず地味な演出。
喜瀬川花魁は余り“活躍”しない『喜助と杢兵衛物語』。

◆金原亭伯楽 『井戸の茶碗』
最初に例の本の紹介。
仲入には売店でサインしながら手売りする念の入れよう。私も随分以前に求めて読みましたけれども、確かに当時を経験した者には興味深い一冊です。

さて『井戸の茶碗』。
高木作左衛門の描写が印象的。若々しさ溢れる感じ。また千代田卜斎も四十代の設定です。
考えてみますと娘さんが十代半ば、確かにその父親は四十代の方が理にかないますね。
私の思い込みはもっと年上、初老の千代田卜斎像でしたが目から鱗の思いです。

高木が仏像を求める際、窓から笊を吊り下ろすのではなく、清兵衛を座敷に招き入れました。さん喬師と同じ演出ですね。

伯楽師、誠に楽しそうに演ってくれました。客席のこちらも恵比寿顔。
好演。

~仲 入~

◆柳亭小燕枝 『万金丹』
袴を着けて登場。
渋く落ち着いた通りの良い発声。
出鱈目なお経やこじつけの戒名も愉快な『万金丹』。
一つ間違えると後味の悪い方向になる難しい噺ですが、何というかなぁ~『口は悪いが悪意は無い』といった人物造形にまとめ、客席を大いに湧かせました。お見事。
好高座。

◆翁家和楽社中 太神楽
和楽、小楽、和助の三人で登場。
観る度に思うのですが、和助さんの土瓶は実に見事だなぁ~。

◆柳家小三治 『やかんなめ』
同窓会の枕から薬の話題。
疝気、癪を仕込みそのまま本編へという“いい流れ”が出来たなぁ~、と思っていましたら、途中から薬繋がりで花粉症や昔のお医者様の話などへ飛びました。
このあたり縦横無尽というところ。
勿論、無駄話ではなく『昔の診断や投薬はかなり大雑把なものだったし、民間療法など“呪いに近いもの”もまかり通っていた』との仕込みになっています。

噺の方は大袈裟な表現を控え、滑稽味を抑えた演出。
じわ~っと来る可笑しさ、面白味。

『頭を貸して欲しい』とお付きの女中が懇願する場面、女中の目線をほんの僅か縦にちらっちらっと振り、やかん頭を客席にも見せてくれました。
流石ですねぇ。

枕、本編ともに二十分強。約四十五分の飄々とした高座。
練達の至芸、堪能しました。


跳ねて時計を見れば9時20分。
『今度どこかで小燕枝師をじっくり聴いてみたいなぁ』等思いを巡らせながら家路へ。





Tag:落語会・寄席  Trackback:0 comment:0 

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喜洛庵上々

Author:喜洛庵上々
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寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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