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五街道雲助独演会 7/9

 7月 9日(火)五街道雲助独演会 にぎわい座

今夜のにぎわい座雲助独演会は雲助師『中村仲蔵』他二席、客演に小菊姐さんと前触れされております。

◆柳家まめ緑 『寿限無』

◆五街道雲助 『臆病源兵衛』
これは懐かしい。馬生師匠が十八番にしていた『臆病源兵衛』。嬉しいなぁ。

前半は源兵衛の一挙手一投足に大笑い。後半は葛籠から出た八五郎が『ここは地獄か極楽か』とさまようくだりも愉しく。
下げは馬生師直伝『娘のおかげで極楽さ』。
いやぁ、面白かったぁ。

◆五街道雲助 『抜け雀』
『臆病源兵衛』の下げが辛いので、何か好いのがありましたら・・・など客席をほぐしながら続けて二席目へ。

名人、上手の噂から『甚五郎の張形』の小咄を枕に、駕籠舁の仕込みをせぬまま『相州小田原宿の・・・』と始まった時には少し驚きました。

若絵師はやや武張った感じ。
その若絵師が衝立に絵を描く場面で客席が水を打ったように静まり返り、高座へ集中しました。
これは後半、老絵師が雀の絵を見立てる場面、そして鳥籠を描く場面でも同様で、一種の緊張感が客席に走りました。
雲助師の演ずる両絵師の、何というか、あたりを払う厳粛な雰囲気が客席へ緊張感をもたらすのでしょう。
迫力あったなぁ。
絵師親子は武士ですから、この様に威厳ある態度であるのが自然でしょうね。

あと相模屋の女房が余り出しゃばらないのも、噺の品を良くしている様に思います。
女房が相模屋主人を『徹底的にこき下ろす』場面を強調し、客席の笑いを誘う演出もありますが、雲助師はそれは採らず、絵師親子の『絵で繋がる、絵で分かり合う』関係を描き込むことに重きを置いているように思われました。

また私、この『抜け雀』が掛かるといつも『冒頭の相模屋主人』と『“雀のお宿”として忙しくなった後の相模屋主人』の演じ分けに注目をします。
端的に言いますと、老絵師との会話場面での相模屋主人の口調、姿勢などですが、流石雲助師、見事に『余裕綽々の別人』になっていました。

古今亭の芝居を好んで聴く私、この『抜け雀』を聴く機会は比較的多い方かも知れません。
私、今夜の『抜け雀』は群を抜いた一席であると感じました。

~仲 入~

◆柳家小菊 粋曲
『待ってたよ!』と下手桟敷あたりから声が掛かりました。
『膝枕』など色っぽい都々逸、新内、そして両国風景。
声が掛かった為でもありますまいが、今夜の小菊姐さん、一段と艶やか。そして気合いの入った高座とお見受けしました。好かったなぁ。

◆五街道雲助 『中村仲蔵』
出囃子は鞍馬。根多出しの一席を後席へもってきました。(“仲蔵で仲入だと思うよ”と家人には言っていたのですが・・・)

香盤を見た仲蔵が『辞めて旅に出る』とまで言うのを女房お吉がとりなす場面など、夫婦の情愛を強調した演出に好感。

あと、向島の妙見様近くの蕎麦屋に駆け込んでくる旗本(浪人ではなく無役の旗本つまり旗本寄合席、と表現していた様です)が、仲蔵のことを見知っていて『俺も江戸っ子の端くれだ、三座の芝居は欠かさず観ているさ』など、愉しい演出、台詞は雲助師独特のものでしょう。

ところどころに芝居の所作、芝居台詞を挟みながら噺を進め、役づくりの場面などを描写していく、これもまた雲助師ならではですねぇ。

そして舞台場面。
これまた好かったなぁ~。現代にも伝わる仲蔵苦心の定九郎。その様々の所作を一々描写してくれますので、実際に五段目の芝居を目の前にしているようでした。凄かったなぁ。

やり損ねたと思い込み、旅へ出る仲蔵。日本橋の魚河岸で五段目の好評を耳にして『女房のお吉にそんな評判があったことを一言伝えよう』と家へ戻ります。
上にも書きましたが、夫婦の情愛を中心に据えた筋立てですね。

呼ばれて駆けつけた團十郎宅には、團十郎と勧進元、そして仲蔵の師匠である中村傳九郎が。
しくじったのでは無い、そのことを家に帰り女房に伝えたいと申し出る仲蔵。既に次の間には女房お吉か控えていて、一部始終を聴いていました。
いい場面だったなぁ。

傳九郎に貰うのは煙草入れ。しかし『煙りに巻かれたようだ』ではなく、團十郎の『何かつまみはないのか?』との問いに応えて『八百善の弁当が・・・』、『いや弁当はよそう、もう五段目に弁当はいらねぇ』と下げました。
素晴らしい高座。感動しました。


このところ聴く高座全てが『名演』と思われる雲助師。
今夜も『三席揃えてきた』印象です。素晴らしい独演会でした。

大満足の雲助独演。いやぁ、好かったなぁ~。





Tag:落語会・寄席  Trackback:0 comment:0 

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喜洛庵上々

Author:喜洛庵上々
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寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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