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鈴本9中夜 9/19

 9月19日(木)鈴本演芸場 夜席

初日に駆けつけた蜃気楼龍玉師匠の初主任興行。
それこそ毎日でも観たい思いなのですが、なかなか時間が作れません。まごまごしている内に一週間が経ってしまいました。
『芝居、終わっちゃうョ』と上野鈴本へ参上。
今夜は一朝師の代演で雲助師匠登場です。


柳家圭花 道具屋
三遊亭司 狸賽
翁家和楽社中 太神楽
春風亭正朝 町内の若い衆
五街道雲助 目黒のさんま
伊藤夢葉 奇 術
春風亭百栄 浮世床
古今亭文菊 粗忽長屋

~仲 入~

ホームラン 漫 才
柳家三之助 元帳
柳家小菊 粋 曲
蜃気楼龍玉 双蝶々~定吉殺し


◆司 『狸賽』
『狸札』はよく高座に掛かりますが、こちらは壺を使った『ちょぼいち博打』の賽子に化ける子狸。
ちなみに「一は仰向けになって臍」と上品でした。
賭場での試し振りで賽子がどこまでも転がり続ける場面、愉快でしたねぇ。『つかまえろ~』。大笑い。

◆正朝 『町内の若い衆』
いつもの飄々とした高座。

◆雲助 『目黒のさんま』
今夜は中秋の名月、陰暦八月十五日ということで、『月、星』の小咄から『桜鯛』ならぬ『紅葉鯛』と枕を振って『目黒のさんま』へ。
『網を使わずに七輪に突っ込んで焼く、所謂隠亡焼きというやつ』、成る程ねぇ、炭に突っ込んで焼いちゃうのね。これは脂も焼けて盛大に煙りが上がり匂いが流れそうですな。
殿様の鼻をくすぐった雰囲気がよく出ていました。
その殿様の造形がまたお見事。
おっとりとしていて少~し我儘な感じね。これが巧いんですよ雲助師。
文句なし。
最近の雲助師匠は出会う高座の全てが名演といった感じなのですが、今夜もまた出色の一席。
素晴らしい高座でした。
それにしても美味しそうなさんまでしたねぇ。

◆百栄 『浮世床』
太閤記。
志ん五師からでしょう。
そろそろ命日ですね。懐かしい。

◆文菊 『粗忽長屋』
かっちりと演り過ぎたのか、滑稽味が薄れてしまった印象。
というか、文菊師にはこうした“壊れた系統の噺”が合わないのかな。

◆三之助 『元帳』
今席は浅い時間の出番を小せん師と分け合った三之助師。今夜は膝前の登場です。
力のこもった高座。酔態に引き込まれました。
いい出来でしたねぇ。

◆龍玉 『双蝶々~定吉殺し』
上手から上がった『待ってました』の声に頷きながら着座。
以前よく演っていた高座名にまつわる掴みから『名前も珍しいのですが、今日は噺の方もお珍しいところで』と、『双蝶々の抜読み』を宣言。さっと『定吉殺し』へ入っていきました。
私にとっては昨年3月14日、いたちやさん企画の“五街道四門三月双蝶々初夜”以来、一年半振りに聴く、龍玉師『定吉殺し』です。

もう何が凄いって長吉の目配りが見事。
迫力満点の演出でその狡猾さを存分に描写しました。
奥の間で上下の引き出しを同時に引くその様子。そして五十両を懐に奥の寝間を出て、いただいた薬を“ふぅ~”と吹き飛ばし静かに手を叩き払う仕種。
いやぁ、素晴らしい。
私も長吉と同じように息を殺し、同じように息を吹きました。

一つだけ『これ勿体無いなぁ~』と思いましたのが最終盤の鐘の音。
実際に鐘を鳴らしたのはいいのですが・・・
と申しますのも
その鐘の音が太神楽の鏡味仙三郎師匠のあの『寄席の吉右衛門です』の時の音と同じだったんです。
私、ちと緊張が解けちゃったですねぇ。あの音で。
惜しかったなぁ。
しかし、それは小さなもの。
龍玉師の作り出した“悪の道の世界”を充分堪能しました。


実は私、今夜の演目を『お直し』と予測していたのですが、『双蝶々』とはまた得した気分。
雲助師、三之助師そして主任龍玉師が抜けていたなぁ~、など独りごち、
いつもは素直に愛でる中秋の名月が龍玉師の噺の余韻でしょう、幾分怪しい光を帯びているのを仰ぎ見ながら家路へ。




Tag:落語会・寄席  Trackback:0 comment:0 

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喜洛庵上々

Author:喜洛庵上々
喜洛庵寄席桟敷へお越しいただきまして、ありがとう存じます。
寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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