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志ん輔三夜 古今亭志ん輔 三夜連続独演会 千穐楽 10/8

10月 8日(火)志ん輔三夜 第三夜 国立演芸場

三夜連続口演の千穐楽。
志ん輔師『稽古屋』、『黄金餅』、『居残り佐平次』。


◆古今亭半輔 『初天神』
金坊の見せる様々な表情が見事です。
これはかなり工夫している印象。
立寄るお店は団子屋のみの短縮版を高い完成度で演じました。

◆桂才紫 『武助馬』
聞き取り易い声質、はっきりとした口跡の才紫さん。
滑らかな口調で愉快な『武助馬』。好演。

◆古今亭志ん輔 『稽古屋』
素晴らしいの一言。
糸に乗せた清元、喜撰の「世辞で丸めて浮気でこねて・・・」で中手が入りました。
いい喉でしたねぇ。
十八番を堪能しました。

◆笑組 漫 才
文芸漫才『杜子春』。
際どいところで「学問臭」を回避している感じです。
もっと茶利を挟んで「耳学問的展開」でも・・・と思いましたが、これは好みの問題かな。
聴きながら私、リーガル天才・秀才先生の高座を思い出していました。

◆古今亭志ん輔『黄金餅』
端緒の餡ころ餅の件から、抜群の表現力で客席を引きつけました。
隣の西念の部屋を覗きながら独りごちる金兵衛の描写が素晴らしく、まるで私も同じ空間で様子を見ている錯覚に陥りました。

悔やみに来る長屋連中に話の腰を折られながらも丁寧に『うん、お線香あげて』と返す大家さん。この場面は志ん輔師の工夫かしらん?
面白かったですねぇ。こういう図、現実にありますよ確かに。

そして道中付け、大きな中手が入りました。息継ぎ、してました?凄かったなぁ、一息の様な感じ。

木蓮寺和尚の出鱈目なお経も愉しく、速度感溢れる見事な高座。噺の持つ陰惨さを吹き飛ばす勢いがありました。
素晴らしい『黄金餅』。流石古今亭、と言ったところ。

~仲 入~

◆古今亭志ん輔 『居残り佐平次』
『黄金餅』の言い立て場面で、客席の三百人の「気」が伝わってきて、無言のプレッシャーとなった、と口を切りました。
『終わったら拍手するんだから(中手を入れるのだから)、間違えるなよ』という「気」なのだそうです。
間違えはなかったと私は思いましたが、『どうもすみません』と謝っていらっしゃいました。
『もうね、書きたいだけ書いて下さい』
いやいや、素晴らしい言い立てでしたけれども・・・若干の言い淀みを気にされたのかな?

さて『居残り佐平次』。
噺の中で様々な工夫を凝らして仕込んでも、どうも下げで客席がぽかんとしているとのことで、先ずは『下げの解説』から。

本編に入りますと、もうこれは独擅場。
気の好い若い衆を煙に巻く佐平次。
替わって出てきた強面の若い衆に対し、開き直る佐平次。
佐平次という一人の男の持つ複雑な内面を細かく描写しました。凄かった。
実際、佐平次が開き直った場面で客席が息を呑む気配を感じましたね。

更に舌先三寸で座敷の『紅梅さんところの勝っつぁん(霞さんところの勝っつぁん、だったかも知れません)』を取り巻く様子。
この場面は、取り巻かれる側の勝っつぁんの転がされ様をも含め、人間の多面性、心の襞といったものを、志ん輔師ならではの工夫で巧みに現してくれました。

最後半に登場する廓の主人の造形が、これまた秀逸。
落ち着いた風情ながら、何かただならぬ雰囲気、秘めた凄味を、姿勢や表情、仕種、そして声質で存分に描写し、客席に緊張感をもたらしました。
短い場面でしたけれども、素晴らしい描写力でしたねぇ。
ここでこれだけ締めれば、下げの解説抜きでとんとん進めても、今夜の様に大拍手間違いなしと思うのですけれども、志ん輔師はどうお考えでしょう。

掉尾を飾るに相応しい素晴らしい一席、痺れました。名演。
まさに絶品ものの『居残り佐平次』。


緞帳の降りる前にお二方の御贔屓が、花束を持って高座へ駆け寄りました。
驚いた表情の志ん輔師。
その間も拍手は鳴り止みません。


大満足の『志ん輔三夜』。珠玉の九席。
志ん輔師匠、ご苦労さまです。そして、ありがとうございます。
いい会だったなぁ。
この会を支えられたスタッフの皆様にも、観客の一人としてお礼を申し上げます。
心地よい余韻を楽しみながら家路へ。



Tag:落語会・寄席  Trackback:0 comment:0 

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喜洛庵上々

Author:喜洛庵上々
喜洛庵寄席桟敷へお越しいただきまして、ありがとう存じます。
寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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