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第二回 NBS殺人研究会 10/14

10月14日(祝)第二回 NBS殺人研究会 お江戸日本橋亭

NBS(日本橋)殺人研究会、今夜はその第二回目。
蜃気楼龍玉師『敵討札所の霊験より 七兵衛殺し』、神田松之丞さん『畔倉重四郎より 金兵衛殺し』と前触れされています。

◆解 説 石井徹也 いたちや女将
模造紙に大書した関係図を示しながら、今夜の演目を要領よく解説してくれました。
この解説で『研究会』の雰囲気がぐっと増しますね。

◆神田松之丞 『畔倉重四郎より 金兵衛殺し』
昨夜もここ日本橋亭に出演していたとのことですが、八分通り埋まった客席を見渡して『今夜のお客様は、皆様龍玉師匠のお客様ですね。昨夜の今夜なのですから、私のお客様も観に来てくれてもいいのに・・・』
と、どうも得心の行かぬ様子。
どうしてどうして、家人も私も『講釈を楽しめること』が、この殺人研究会に来る動機づけになっていますよ、松之丞さん!

さて『畔倉重四郎~金兵衛殺し』。
前回の『村井長庵』の読み始めと同じく『大岡政談で有名な名奉行、大岡越前守が生涯に裁いた案件中、“八つ裂きにして余りある奴”、と言わしめたのが、徳川天一坊、村井長庵、そして畔倉重四郎の三人・・・』と入りました。

本当悪いですねぇ、畔倉重四郎。
石井氏、いたちやさんも解説で触れていましたが、快楽殺人的なんですね。
殺しの動機が『殺したいから』、という感じ。
もっとも今夜の殺しは、金兵衛=三百両強奪、千手院和尚=口封じ、と動機があるにはある。
しかしそれが『殺しに付随した言わば“行き掛けの駄賃”めいた結果』、『殺しが先で、後から理由付けした』と感じられる程に殺しが優先しているのです。
殺しに導かれて人生を歩んでいる、そんな雰囲気でした。
迫力満点の高座。特に二人目の和尚殺しの場面描写、怖かったなぁ。
吊し斬り。それも首を落としてしまう。鳥肌立ちました。

それと松之丞さん、今日は手拭い忘れちゃったのですね。
途中、懐に手を入れて何食わぬ顔でその手を釈台へと戻しました。
汗の滴る熱演。お見事。
ぞくっとする事、数度。素晴らしい高座。

~仲 入~

◆蜃気楼龍玉 『敵討札所の霊験より 七兵衛殺し』
根多下ろし、初演なのだそうです。
こちらも寺の場面主体。
主人公の水司又市が高岡の宗慈寺住職、永禅となっておりまして、
そこへ藤屋七兵衛、そして七兵衛女房お梅=元根津増田屋女郎・小増、が登場。
繰り広げられますのが、“女絡みの殺し”。

水司又市=永禅は十三年前に小増を巡り、張り合っていた中根善之進を殺しています。
ここではその小増=お梅の亭主七兵衛を、大鉈で頭を叩き割って殺すという陰惨さ。
龍玉師、疑惑の目で永禅を探る七兵衛と、それを察知して殺しの決意を固めていく永禅、二人の緊迫した遣り取りを素晴らしい描写力で演じました。
表情、声音ともに抜群の出来。

この永禅、七兵衛の二人。殺す側は勿論、殺される側も落ちぶれ果てていて
『悪と悪』というよりも『弱と弱』という雰囲気。
七兵衛は女房お梅を永禅に売ろうと持ちかけたりしますし、
社会の底辺で蠢く者同士の争い事という様に私は受け止めました。

まぁ兎に角、龍玉師、物凄い表情で噺を進めます。
怖かったなぁ。巧みな描写で客席を噺の中へ引き込んでしまいました。


次回、第三回 NBS殺人研究会は来年2月16日(日)開催。
龍玉師匠は談洲楼燕枝作『島鵆沖津白浪より 大坂屋花鳥』、松之丞さんは今夜の続編『畔倉重四郎より 栗橋の焼き場殺し』と触れが出ております。
しかし『焼き場殺し』ってのもまた題名からして凄いですな。
そして昨年今松師、小満ん師の口演を聴いておりますところの『大坂屋花鳥』
二席とも非常に楽しみです。




Tag:落語会・寄席  Trackback:0 comment:1 

Comment

喜洛庵上々 URL|napuaさん、拍手・コメントありがとうございます。
#sW.pyMog Edit  2013.10.19 Sat00:31
まさに『殺しの龍玉』の面目躍如といったところでしたね。
松之丞さんも熱演でした。
この会は殺人に的を絞った企画ですから、
今後も色々な殺しの趣向の噺、読み物が紹介されることでしょう。
楽しみですね。
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喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)

Author:喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)
喜洛庵寄席桟敷へお越しいただきまして、ありがとう存じます。
寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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