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雲助の弟子でござる 其の三 10/30

10月30日(水)雲助の弟子でござる 其の三 深川江戸資料館

DOURAKUTEI出張寄席『我ら雲助の弟子でござる』の第三回。
第一回は牛込箪笥区民ホール、第二回は日本橋社会教育会館で行われましたこの『雲助の弟子でござる』、第三回の今夜は会場を深川江戸資料館へ移し『白酒・馬石・龍玉三人会』。
道楽亭さんのチラシの文言がまた傑作で、『今回は口上も鼎談もありません。落語をたっぷりと一席づつ』とのことです。

開場前、一階ロビーで展示資料など見ながらお茶を飲んでおりましたら、馬石師匠、ややして龍玉師が到着するのを確認しました。
暫く経って龍玉師が係の方に伴われ再び降りて来て、外へ出て一服。ガラス越しに見ますと、ロビーの我々に背を向けて座り、深く煙を吸い込んで沈思黙考の体。
ここは楽屋も禁煙なのかな?
長い一服の後、気合いを入れる感じでまた楽屋へ戻りました。

さぁ、そろそろ我々も二階へ上がりましょうかね。


◆三遊亭わん丈 『無精床』

◆桃月庵白酒 『犬の災難』
出演順を巡って会場に着いてから三人で相談し、白酒~馬石~龍玉と決定したとの『報告』。『“譲り合い”は雲助一門、もっと言いますと十代目馬生一門の伝統です』。
そして一門の忘年会の話題、それぞれの酒の呑み方などを枕に、古今亭のお家芸『犬の災難』へ。志ん生師匠が“猫”から“犬”へ直して演っていた根多ですね。
これは珍しいなぁ。

主人公が次第に酔っていく様子を実に巧みに描写。
『これは旨い酒だ、これさえあればあとは何も要らない』と言う舌の根も乾かぬ内に『綺麗なお姉ちゃんがいると・・・』と妄想へ入って独りごちる、そのまた愉快な様に大笑い。
お見事でした。

◆隅田川馬石 『甲府い』
『龍玉さん、いま一生懸命浚っています』、『どうも一眼国を演ろうと考えていたらしいのですが、主任となるとそれなりの根多でないといけませんから・・・』と、涼しい顔。
先代金馬師でお馴染み、大根、牛蒡、薩摩芋(生、蒸かし芋、揚げ芋)などの売り声を枕に、雪花菜を盗み食いする場面へさっと入りました。

善吉やお花、そして町内の女将さん連中はやや略筆にして、主人夫婦の会話描写に力点を置いた演出。
人情噺に寄らず、滑稽味の勝ったあっさりした味わいに仕立てました。好演。

~仲 入~

◆蜃気楼龍玉 『鼠穴』
元気なく出て来て『もう兄弟子達は帰るそうです』と恨めしそう。予期せぬ主任に、何を喋っても愚痴っぽくなってしまう様子です。
どこかで吹っ切らないと、という感じで『一門を応援して下さるお客様を信じて、思いきって演ります!』
これに大きな拍手が沸きました。
雲助師匠の自伝本の話題などを振りましたけれども、どうも入り辛い様で『ここはお堅い場所で、終演時間も決まっていますのでねぇ』と言いながら『演りましょう』と気を取り直す感じで本編へ。珍しい入り方をしました。

弟の『朝から晩まで働きづめ』描写で、豆腐屋の売り声がつきました。ここで客席に笑いが。
あと、『掏摸に懐中を・・・』もついちゃったなぁ。
これはまぁ、寄席ではなく一門会ですし仕方ないと致しましょう。
そんな故障を吹き飛ばす素晴らしい出来でしたもの。

兄弟の会話で、とくに兄の方の描写が秀逸でした。こう何て言いますか表情や声、喋り方で鮮やかにその因業な性格を伝えてくれましたねぇ。
対して、蔵に火が回り焼け落ちる場面での弟の造形は少し物足りなく思いました。
ここは、さっきの出の時の様な情けない雰囲気だと良かったのですが・・・、本当にがっくり力の抜けた感じまでには見えませんでした。

しかし弟が娘の手を引いて兄の元を訪れるまでの(妻が患いつく長屋内場面を含めた)描写、そして直後の兄弟の会話などは真に迫った生々しさ。充分に堪能しました。好高座。


跳ねて家人と『三席とも好かったねぇ』。
そして開演前に目撃した龍玉師の『一服』について、二人してあれこれ想像を膨らませながらの帰り道となりました。

『龍玉師、弟の方の心持ちだったんだよ、多分』
『一眼国を知っていたぐらいだから、鼠穴も聞き出したに相違ないね』
『で、わざと甲府いを?』
『そうさぁ~、違いないよ』
『へぇ~っ!そうなの?』
『鼠穴って根多だって意味があるんだよ』
『深川蛤町という土地繋がりの根多選びではなく、因業な兄ならぬ兄弟子ってところからの選択?』
『まさに弟の気分だったのさ、間違いない』

いやはや、その妄想の広がること広がること。あっという間に帰宅しました。
大満足のDOURAKUTEI出張寄席『雲助の弟子でござる』。いやぁ~、愉しかったなぁ。




Tag:落語会・寄席  Trackback:0 comment:0 

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Author:喜洛庵上々
喜洛庵寄席桟敷へお越しいただきまして、ありがとう存じます。
寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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