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らくご・古金亭 12/14

12月14日(土)第十二回らくご・古金亭 湯島天神参集殿


◆金原亭駒松 『豆屋』

◆金原亭馬吉 『饅頭怖い』
“噺の流行り、廃り”を実感する一席。
と申しますのも、そうですねぇ、
ちょうど当節の『子ほめ』のような頻度で、かつてこの『饅頭怖い』が高座に掛かっていた時代がありましたが
今はこうして聴くと「珍しいなぁ~」と思う程の遭遇度なのですよね。

今夜の馬吉さん、速度感溢れる会話の遣り取りで鮮やかに演じました。
愉しかったなぁ。好演。

◆蜃気楼龍玉 『親子酒』
掴みで『私もお酒は好きでいただきますが・・・』と喋り出したところで客席大爆笑。
戸惑いを見せながら『笑うところではありませんけれども。いろいろ・・・困りますねぇ』

いやぁ、酔い方が実に見事。
息子に説教の父親が、ガクッと首を垂れてしまう場面などに代表される
独自の工夫が随所に見られた素晴らしい『親子酒』。
龍玉師出演、そして演目が『親子酒』というのが今夜の古金亭“予約の後押し”となったのですけれども、
期待に違わぬ好高座でした。

◆柳家蝠丸 『江島屋』
生で聴くのは初めての根多です。
『圓朝師の作品で、元は続きもの(昔でいう“人情噺”ですね)なので、すっかり演りますと十数時間の噺』と蝠丸師。
『芸術協会では多分、歌丸師匠と私しか演り手はいないと思います』
怪談ですし、“痩せ細って肋骨の一本一本が数えられる程の老婆”が主人公ですので、
成る程演り手は限られますでしょう。

“いかもの”を仕込んでおいて一転『鰍沢』を思わせる場面描写。

夜中に友禅の振袖を引き裂き囲炉裏にくべ、その灰に何やら文字を書き、念を込める老婆の姿。
それを盗み見る江島屋番頭、金兵衛の恐怖の表情。
凄かったですねぇ。

『江島屋より「怨みの振袖」の一席』、お見事でした。

◆五街道雲助 『掛取万歳』
雲助師の『掛取』の特徴はその洒落っ気。
狂歌から喧嘩までは『これは洒落なのですよ』、『取りに来る方も洒落だと心得ているのですよ』と客席に強調している様に思えます。
そして浄瑠璃、芝居は本寸法で聴かせ客席を唸らせる(志ん輔師型ですと、むしろ喧嘩で“本気を見せて”浄瑠璃、芝居は“意識した素人の芸”を演じます)。

雲助師独特の、指折り数える近江八景。ここ大好物です、私。
芝居場面で『じゃぁ、長唄の“その姐さん”にそう言って』など入れ事も愉快。
雲助師、今夜も緩急自在の手綱さばき。名演。凄い。

~仲 入~

◆柳家小満ん 『雪とん』
昨夜聴いたばかりですけれども、少しも“聞き飽き感が無い”のは演者が小満ん師だから。
今夜もまた淡々とした語り口調のうちに、小満ん師の紡ぐ世界へ引き込まれました。好演。

◆金原亭馬生 『富久』
馬生師らしく丁寧に噺を進めました。
先代の『富久』を現代人にも理解し易い様に解説しながら演ると、こんな風になるのでしょう。
先代の色の濃い、懐かしくまた解りやすい高座でした。お見事。


跳ねて境内へ出たのが9時少し前。
落語七本、大根多の並ぶ贅沢な三時間半。
今回から指向性に優れたピンマイクを高座下へ留め『簡易式床埋込マイク』を採用。
演者と客席の間に障害物が一切無くなりました。
大きなマイクで膝上の手の動きや所作が遮られる事もなく、また演者との距離感が狭まった感じがします。
好プロデュースといったところ。

らくご・古金亭、次回は来年3月15日(土)。
雲助師『お若伊之助』、馬生師『つづら』、客演志ん橋師『岸柳島』同じく遊雀師『干物箱』。
更に白酒師『喧嘩長屋』、馬治さん『お血脈』と見逃せない演者、演目が前触れされています。

家人と二人、龍玉師の酔い方や蝠丸師の恐怖、驚愕の表情。更に雲助師、小満ん師、馬生師、馬吉さん、駒松さん
(つまり出演者全員ですね)の高座を語り合いながら家路へ。



Tag:落語会・寄席  Trackback:0 comment:0 

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喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)

Author:喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)
喜洛庵寄席桟敷へお越しいただきまして、ありがとう存じます。
寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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