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らくご街道 雲助五拾三次 -名人長二- 仲日 12/24

12月24日(火)らくご街道 雲助五拾三次 -名人長二- 仲日 日本橋劇場

メリー・クリスマス。
雲助五拾三次、第九宿の今夜は『名人長二』連続口演の仲日。『請地の土手』、『清兵衛縁切り』。

◆影の声・柳亭市助 『前回の粗筋』
これは中々の好企画。
『仏壇叩き』、『湯河原宿』の粗筋を朗読。市助さん、持ち前の美声を館内に響かせました。
(今夜のパンフレットの裏に原稿が載っていましたので、帰宅後に音読してみましたけれども難しいもんですねぇ。『市助さん、流石!』と言ったところ)

◆五街道雲助 『請地の土手』
『昨日の天皇誕生日の様な“特別な日”が一年間に数日ある様に思いますけれども、今日もまたクリスマスイヴという“特別な日”』と語り出しました。
『その特別な日に愛も恋もうっちゃって、お出ましいただいた事は大変にありがたい』
『私も色っぽい事があるならば今夜は仕事を取りません。つまり今夜は私もそしてお客様もまた、言わば枯れた連中のお集まりと言うことで・・・』とやって、笑いと拍手を得たのち本編へ入りました。

天龍院和尚の仲立ちで長二の知遇を得た亀甲屋幸兵衛は、浅草鳥越の別荘の調度などを長二に任せ、また他にも注文をしてきますので長二は他の仕事が出来ない程でした。
そんな或る日、長二方へ亀甲屋夫婦が訪ねて来ます。
会話の様子、不審な態度などから『自分を棄てた親なのでは』との疑念を抱く長二。やがてその疑念は確信へ変わっていきます。

母親お柳の動揺した様と長二の凛とした態度が印象的。
『請地親殺し』とも称される場面なのですけれども、雲助師は修羅場の詳細描写は出来るだけ避けて血なまぐささを最小限にしました。

日付を追ってみますと湯河原宿からちょうど一年ですか。長二の胸の内、どんなだったろう。その一年間を思うと何かこう堪らない気持ちになりました。
『猫の死骸でも棄てる様に・・・』となじっていましたけれども、何ともつらい日々だったろうなぁ。

雲助師、『この先は休憩の後にお話しさせていただきます』と続き物独特の口上を残して下がりました。

~仲 入~

◆五街道雲助 『清兵衛縁切り』
鞍馬の出囃子で再登場。
いよいよ物語の最大の見せ場『縁切り』。
前段とは異なり登場人物も台詞のあるのが五人、でしたか・・・多いので、その声音の遣い分けだけでも随分な芸だと思います。

親方清兵衛と兼松との噛み合わない会話をたっぷり時間的を取って演りましたけれども、これは最後半を盛り上げる為の茶利場。効果的でしたねぇ。

縁切り場面では、清兵衛娘お政が非常に印象的。小さい時分から一緒に育った仲でこその諌言、胸をうたれました。
また、親方清兵衛の人物造形もお見事。
あれだけの悪口雑言、更に乱暴狼藉を働かれながらも冷静に長二のことを見ている、その親方らしい姿勢に感心しました。

この場面、私自身が同じ座敷にいて薄暗い行灯の光の揺れる中、一部始終を見届けた。そんな錯覚に陥りました。こうした群像劇的描写となりますと、今の雲助師の右に出る演者はいらっしゃらないのではないかしらん。

『いよいよお裁きとなりますが、この続きは来年申し上げることと致します』

そして今年の五拾三次〆ということで、お目出度く三本締め。

ロビーではいたちやさんからクリスマスプレゼント。懐かしいねぇ、このオレンジガム。まだあったんだ。

跳ねて上着の襟を立てて歩き出すと家人が『あなた“請地の土手”で寝てたでしょ』。
『いやほんの少しね』など喋りながら家路へ。




Tag:落語会・寄席  Trackback:0 comment:0 

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喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)

Author:喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)
喜洛庵寄席桟敷へお越しいただきまして、ありがとう存じます。
寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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