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道楽亭開店四周年記念落語会『笑』第二夜 2/18

 2月18日(火)『笑』第二夜 深川江戸資料館

道楽亭開店四周年記念 二夜連続落語会『笑』。第二夜の今日は、鯉昇、扇辰、馬石、萬橘の各師出演と触れられています。


◆瀧川鯉○ 『馬大家』
珍しい噺を演るのですねぇ。
成る程午年ですからね。
『ざる屋』に似た展開の爆笑譚。
鯉○さん、愉快に演ってくれました。

◆三遊亭萬橘 『新聞記事』
いつものように客席を大いに沸かせました。
気になったのは『短命』の遣り取りを掴み込んだが如くの描写が見受けられたこと。
ホールなので細かいことは気にしないで宜しいのでしょうけれども、私はちょっと澱が残りました。
面白かったのだけれどもなぁ。

◆入船亭扇辰 『鰍沢』
雪国生まれ(長岡と仰っていたかしら)で、雪が大嫌い。
上越新幹線で関越トンネルを出て越後湯沢。一面の雪景色に歓声を上げるスキー客にはうんざり・・・なのだそうです。
私も、出張の度に『おお!』と越後湯沢の雪景色に感動していましたけれども(暗く長いトンネルを抜けて、急に銀世界で明るくなりますから、余計に驚きが増すのでしょうね)そうかぁ、それを苦々しい思いで見ている人もいるのだなぁ・・・。
などと、大昔の長岡~新潟出張の折『ええ?なにぃ?革靴でおいでになったんですかぁ?』と地元エージェントに呆れられたことを思い出しておりましたら・・・意外や意外『鰍沢』へ。

顎紐を解き笠をそして頬被りを外す、蓑を脱ぐ、それらをかじかむ手先の表現とともに丁寧に伝えてくれました。そして座敷へ上がってから、濡れた足袋も囲炉裏に手を翳しつつ脱いでいましたねぇ。
ここまでの写実的な所作は初めてだなぁ。

次の場面、つまり粗朶をくべて火を掻き立てる描写でもこの丁寧な写実が続き、粗朶に火が燃え移るまでの “煙に咳き込む” また “煙が目に染みる” などの様子を緻密に表現しました。
私、粗朶に火が移って炎が上がったのが見えましたよ。
うむ、お見事。

この『鰍沢』に登場する三人の人物つまり旅人、お熊=月の兎花魁(原文では “月の戸華魁” )そしてその亭主、熊の伝三郎(伝次郎とも)のうち、旅人はそのまま “旅人” と称され名前の出ない演出が多い様に思いますけれども、今夜の扇辰師は旅人を “新助” として『新助は道中差を・・・』という様に演っていました。
聴いているこちらも『旅人は・・・』とされるよりも感情移入し易い気がしましたね。

ぴゅーと鳴る風音や川の流れの擬音もまた “聴かせどころ” 凄いねどうも。
また玉子酒を “新助” の際にはとても熱くて唇や口の中に火傷を作りながら呑む、伝三郎の時には玉子を湯呑みから指で掻きだしすっかり腹へ収めるなど、実にこう細かな描写。

演出のぶれを全く感じさせない、緻密な写実に徹した素晴らしい『鰍沢』、堪能しました。

~仲 入~

◆隅田川馬石 『安兵衛狐』
お家芸、且つ自身の十八番を掛けてきました。
実に安定しています。狐の女房の戯画化は絶品ですね。
緊張感を解いて、ほっとさせてくれました。好高座。

◆瀧川鯉昇 『御神酒徳利』
おお、これ来たかぁ。と思わず胸の内で快哉の叫びを上げました、私。
たっぷり、そして丁寧に演ってくれました。
狐が続いたけれども、まぁいいや。

大阪から江戸へ下る道中の言い立ても愉快に、お目出度く〆。好演。


出演の師匠方それぞれが個性を発揮し、充実した高座を繰り広げてくれました。
特に今夜は扇辰師の “本気モード” が奏功した感じ。昨夜に続き好演が揃いました。

二夜連続、前座さんも含めると十席、いずれも長講ながら聴きだれしなかったですね。
素敵な時間を過ごせたなぁ~、と呟きながら家路へ。




Tag:落語会・寄席  Trackback:0 comment:0 

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喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)

Author:喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)
喜洛庵寄席桟敷へお越しいただきまして、ありがとう存じます。
寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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