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らくご・古金亭 3/15

 3月15日(土)第十三回らくご・古金亭 湯島天神参集殿

らくご・古金亭、今夜の客演は志ん橋師、遊雀師、白酒師。
主任は一昨日(13日)芸術選奨文部科学大臣賞受賞が報道発表された雲助師、演目は古今亭十八番『お若伊之助』。仲入に馬生師、こちらも十代目の十八番『つづら』と前触れされています。


◆金原亭駒松 『道灌』
開演時間前に上がりました。
御隠居と八つぁんの遣り取りが活き活きとしています。
その為、噛みや言い間違いが返って現実味を増す方向に作用する “効果” をもたらしました。
今夜の駒松さんの “活きた会話描写” に接し、客席の心を動かす(噺の中に招き入れる)には、朗々と謡う様に演るだけでは足りないのだ、と言うことを改めて思い知りましたねぇ。
客席爆笑、好演でした。

◆金原亭馬治 『お血脈』
幾分急ぎ足の高座。
前座さんは時間前に上がったし(しかも後半はかなり端折った)、こりゃあ終演時間厳守を相当念押しされているなぁ、と感じました。
この会は9時を回っての跳ねが珍しくありません。そんなことが頭をよぎり “何か言われてるな” と思った次第。
従兄弟子の龍玉師、同門の馬吉さんと三人で善光寺詣りの挿話など織り交ぜての愉快な一席。
面白かったなぁ。

◆桃月庵白酒 『喧嘩長屋』
出囃子を三廻り程弾かせての登場。
『馬治さんがこんなに早く下がると思わなかった』
『プロというのは決められた時間をきちんと守って演らなければならないンです。リレー形式なんですから』
『大体にして、(次の出番の)志ん橋師匠がまだお見えになっていないン』
と “小言” 。
しかしこうした喋りが、また見事に客席へ爆笑をもたらすのですから、流石だなぁ。

以前にぎわい座で聴いた時(昨年10/3)に比べ、かなり進化させている印象。
外国人宣教師が左右を殴打される場面なども、その違和感が薄れたのは間を詰めて速度感を増した為でしょう。
客席に考える隙を与えない、巻き込んでしまう速度感がこの噺の肝なのね。
いやぁ笑った笑った。

◆三遊亭遊雀 『干物箱』
矢張り志ん橋師匠は到着されていないので、本来仲入後の出番でしたけれども交代して早い上がり。

こういう騙し系統の噺を演ったら右に出る者のない、と私が思っている遊雀師。
独特の悪戯っぽい表情で噺を進め、たっぷり聴かせてくれました。
なんと言うのかなぁ、下げで二階を見上げ『お~い、善公ぅ~、善さぁ~ん』と小声で呼びかける場面で、
若旦那(銀次郎としていましたかね?)が土埃の上がる道に立って、一所懸命に(父親に気づかれぬ様に、しかし善さんには聞こえる様に)声を掛けている風景が浮かんで来ました。
好高座。

◆金原亭馬生 『つづら』
出囃子は一丁入り。
間男小咄を枕に本編へ。
七両二分ではなく百両と吹っかける『一気逆転』の発想が愉快な『つづら』。
いつものように丁寧に噺を進め、たっぷり演ってくれました。

~仲 入~

◆古今亭志ん橋 『岸柳島』
待ち人来たり、といった場内の雰囲気を余所に
『いやぁ、春ですねぇ。梅が満開で・・・綺麗ですねぇ・・・境内で腰掛けて梅を愛でておりましたら・・・・遅くなってしまって・・・』
と、一度客席をすかしておいての “釈明” 。
こういうところからも笑いを巻き起こしていっちゃうンだから凄いなぁ。

客席がすっかり和んだところで古川柳の枕、そして本編へ。
登場人物それぞれの造形が巧いなぁ。
若侍、老武士は勿論のこと、屑屋が好く描けています。
この『岸柳島』。茶化す町人を中心に据えて、若侍が岸に残され地団駄を踏むのを揶揄し町人が溜飲を下げまた気持ちが高揚する様と、若侍が川へ飛び込んだ後の不安感そして恐怖感溢れる様の落差で笑わせる演出も見受けますけれども
今夜の志ん橋師は老武士と若侍をたっぷり描き込み、落ち着いた噺の進め方。

町人を出っ張らせると軽く、侍の遣り取りを中心に描き込むと重厚な味わいになりますね。
練達の至芸、堪能しました。

◆五街道雲助 『お若伊之助』
鞍馬の出囃子に合わせ、いつもの様にひょうひょうと登場。
『春とは言えまだ少しお寒い日が続いていますが、今日はひとつ暖かい春の噺を・・・』
と短い枕を振って本編突入。

圓朝噺特有の重い語り口調の場面描写と軽妙な会話を見事に織り込んで、あたかもそれは綾織の反物の様。
鳶頭(に組初五郎)の茶利が効いて、長尾一角の武張った重々しさが際立つ見事な演出。
名演。

上がってきた時の様にさっと下がろうとするのを押しとどめる様に、馬生師を先頭に洋服に着替えた志ん橋師、白酒師が下手袖から高座へ上がり(遊雀師も満面の笑みで袖に)
『雲助師匠、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞されましたので、そのお祝いを』

先ず総領弟子の白酒師。中々言葉が出ず顔を真っ赤にするところを雲助師匠が『早くしろよ』。『お、おめでとうございます』
手締めの音頭をと指名された志ん橋師匠。馬生師の『では、お願いします』のきっかけに『・・・何だっけ?』
大笑いのうちにお目出度く三本〆、お開き。

大満足の “らくご・古金亭” 。
次回は6月14日(土)開催。客演に一朝師、小里ん師、龍玉師。
雲助師『大山詣り』、馬生師『居残り佐平次』と発表されています。




Tag:落語会・寄席  Trackback:0 comment:0 

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喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)

Author:喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)
喜洛庵寄席桟敷へお越しいただきまして、ありがとう存じます。
寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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