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国立4上昼 4/3

 4月 3日(木)国立演芸場 昼席

国立演芸場4月上席は、正蔵師の芝居。
『たちきり』、『子別れ(通し)』、『試し酒』、『山崎屋』、『ねずみ』の五席を二日間づつ根多出しで勤めるという意欲的興行です。
私、ごく最近正蔵師の『たちきり』と『試し酒』には接しておりますので、
『子別れ(通し)』、『山崎屋』そして『ねずみ』の日を選択し予約をしました。
今日はその “初日” という訳です。『子別れ(通し)』、楽しみだなぁ。


◆林家つる子 『牛ほめ』

◆林家たけ平 『金色夜叉』
駄洒落尽くし。
“参加型” と称して客席に挙手を求めるのは私の好みではありませんが、それを除けば愉快な高座。

◆隅田川馬石 『時そば』
細かな描写を重ねて綿密な組立。表情が秀逸でしたねぇ。お座敷の芸と言ったところ。

特に、模倣者が中々出来上がらない蕎麦を待つ間の、その何ともいえない表情の変化が素晴らしかったなぁ。
しかも、今日はこの場面で携帯の鳴る “事故” 。
ますます『嫌ぁ~な表情となる』馬石師、いや模倣者・・・。
実に上質な『時そば』。堪能しました。

◆花島世津子 奇 術
夢葉先生の代演。
ハンカチ~ロープ~トランプ。
“拍手” のプラカードを有効に使い、お洒落な奇術を見せてくれました。

◆三遊亭萬窓 『宮戸川』
楷書体、丁寧な口調で噺を進めます。
何と言うのだろう、萬窓師の “癖のない” 高座に接しますと、
客席に座っているこちらまで清々しい透明な気持ちになります。

寄席の尺で『あっ、お時間でございます』
好高座。

◆鈴々舎馬桜 『景清』
出の時に袖で何やら話し声。
『いや、演るよ!』と声が聞こえると同時に上がって来ました。

『私は地味なところ、お珍しい噺・・・盲人の噺を』と断りを入れて本編へ。
盲人の様子が巧みですね。
願い通じず、と知った時の赤坂の円通寺並びに寛永寺清水観音への罵詈雑言、
また喋っている時の微妙な抑揚の変化、そして僅かな表情の違い等で
病を得た者特有の屈折した内面をも客席へ伝えてくれました。

目を瞑っているので、顔の上げ下げや口を尖らせるなどの工夫で見せてくれるのですが
素晴らしい表現力だったなぁ。

それと・・・おつむりの所為もあるのでしょうけれども
本当の座頭に見えるのですよね、馬桜師が演ると。

目が覚めた定次郎の驚愕を交えた喜びの表情が印象的です。好演。

『演るよ!』の声は、雷に撃たれて目を廻す場面が前方と丸きり付くことに触れたものだったのでしょう。

~仲 入~

◆林家三平 『ざる屋』
漫談で下がるのだなぁ~、と思っておりましたら
最後半に5分程の『ざる屋』。
最初から演って欲しかったなぁ。
漫談で時間を費やしてしまうのは勿体ないと思いますね。愉快な『ざる屋』でしたから。

◆笑組 漫 才
走れメロス。お馴染みの根多で客席を沸かせました。
客席から高座へ話し掛けるお客様がいらっしゃって、少しだけぎくしゃくした雰囲気に。
困っちゃうねぇ、本当。

◆林家正蔵 『子別れ(通し)』
夫婦喧嘩、夫婦別れの枕を短めに振り、古川柳 “弔いが山谷と聞いて親父行き” と “強飯の女郎買い” へ。

熊さんの毒気が若干不足気味かな?
尚、正蔵師は熊五郎、お徳、亀で演りました。
紙屑屋の長さん所持金の件は、掛け合いを刈り込んで、あっさり『三銭だよ』の一言。

中の “浮き名のお勝” は地噺で簡単に触れるに留め、 “子は鎹” へ。
うむ~、 “通し” と予告した割に、上、中はあっさり進めた印象です。

下では女房お徳が亀を引き寄せ叱る場面が好かったですね。
お徳の表情が真に迫っていました。

それと、熊五郎が亀に『また一緒に暮らすには、お前から母ちゃんに俺の事を言うのじゃなくて、
先ず俺があいつの前に手を突いて詫びなけりゃぁいけねぇんだ。だから今日の事は内緒にな』と言います。
やや説明的にはなりますけども、そういう了見なのだ、と念を押すのが律義で良かったですね。
鰻屋では実際両手を突いて頭を下げる場面もありました。

鰻屋二階で、またお父つぁんお母さんと三人で暮らしたい、と亀坊。
その亀坊にもっと喋らせても・・・と感じた場面もありましたけれども、
どちらかと言うと大人二人が主役で、落ち着いた風情の “子は鎹” 。
泣かせに走らない粋な『子別れ』。好高座。


跳ねて外は花散らしの強い雨。
川さながらに流れる水に逆らって歩きつつ『うむ好かったなぁ』と独りごちながら家路へ。



Tag:落語会・寄席  Trackback:0 comment:0 

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喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)

Author:喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)
喜洛庵寄席桟敷へお越しいただきまして、ありがとう存じます。
寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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