FC2ブログ

第53回人形町らくだ亭 4/7

 4月 7日(月)第53回人形町らくだ亭 日本橋劇場

『花も散り始めているのに、風は冷たいなぁ』などぶつぶつ言いながら人形町へ。


◆古今亭半輔 『牛ほめ』
最初の誉め口上伝授場面で、与太郎が父親の口上をなぞらない短縮版。
視線の動かし方で噺に立体感を持たせました。抑揚の効いた高座。面白かったなぁ。

◆柳亭こみち 『安兵衛狐』
枕で登場した師匠の口真似が『いかにも燕路師の言いそうな内容』で、且つよく似ていたので思わず大笑い。

歯切れよく聴きやすい口跡で噺を進めました。
登場する『二人の女房』の描写が抑え気味でしたので、女流が女性を演るのって案外難しいのだろうなぁ、などと考えながら聴いていました。
すっきりとまとまった『安兵衛狐』、好演。

◆蜃気楼龍玉 『強情灸』
十八番と言って良いと思います。
今夜はどちらかと言いますと、後半の芝居掛かった仕種や台詞回しに力点を置いた演出。
豊かな表情、大きな動作で面白く見せてくれました。

一か所だけ・・・番号札を交換した年増の年齢を語る場面で、いつもの間ではなく若干間延びした感じ。
ここ、残念だったなぁ。大笑いしたかったのですが・・・

◆柳家小満ん 『長屋の花見』
発端で、長屋の住人達が喜び、また落胆する様を面白おかしく伝えてくれました。
しかし圧巻だったのは上野へ着いてからの描写。
今夜小満ん師の “長屋の花見” に接し『成る程なぁ~』と感じた事があるのですけれども、
長屋連中が半畳を入れながらこの貧乏花見を楽しんでいる雰囲気なのですね。
自棄になって、というのではなく洒落のめして楽しんじゃおう、との感じ。
『後ろが桜だからまだいいや、これで松並木だったら “晒し” だよ、まるっきり』など、てんでに愚痴りながらの愉快な花見。
『長屋中 歯を食いしばる 花見かな』、『大家さん、酒柱が立ちました』、と一通り演った後『去年の秋、井戸に落っこちた時と同じ心持ち』で下げ。
誠に味わい深い一席。お見事でした。

~仲 入~

◆古今亭志ん輔 『火事息子』
枕で大名火消、定火消、町火消について触れ、定火消の評判が良くなかったこと、中でも臥煙(定火消の火事人足)の風体及び言行が奇矯で、嫌われ者であったことなどを仕込みました。

息子の名は “よしさぶろう” ・・吉三郎・・かな?
に組鳶頭初五郎の未亡人がその乳母で・・・と後半に明かされました。
乳母におぶわれて屋根で火事の方角を見たり・・・なんだっけな、買い与える玩具と言えば鳶口や纏・・・でしたか?そんなこんなで火事好きになっちゃったのね。

『決め台詞』と言うのでしょうか、志ん輔師の高座ではよく『この一言』という感じの非常に印象深い台詞回しがあるのですが、今夜も竃の脇で小さくなっている息子へ掛けた父親の一言、『馬鹿野郎!前へ出ろ!』の迫力が凄かった。
今夜の全てをこの台詞に込めた感じだったなぁ。万感込めた珠玉の一言。
私、ここで深い感動を覚えました。

続く父親の嗚咽をこらえながらの長台詞、そして母親登場、このあたり次第次第に感情の昂揚(演者は勿論、客席の雰囲気も)を鎮静化させるが如くの演出。つまり芝居から落語へ流れを戻す様な感じ。
そして下げへ。
いやぁ、期待した通りの素晴らしい高座、堪能しました。


今夜もまた好高座の揃った人形町らくだ亭。次回は6月25日(水)開催。主任小満ん師、さん喬師他出演と発表されています。




Tag:落語会・寄席  Trackback:0 comment:0 

Comment

comment form
(編集・削除用):
管理者にだけ表示を許可
プロフィール

喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)

Author:喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)
喜洛庵寄席桟敷へお越しいただきまして、ありがとう存じます。
寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

最新トラックバック
検索フォーム
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR