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国立4上昼 4/10

 4月10日(木)国立演芸場 昼席

国立演芸場4月上席千穐楽。
主任正蔵師の根多は『ねずみ』。


◆林家つる子 『桃太郎』
愉快な表情で達者な高座。
以前にも書いたように思いますが、つる子さんは演ずる事を楽しんでいる様に感じます。好演でした。

◆林家はな平 『看板のピン』
『親分、賽子が壺から転がり出ていますぜ、と言った奴が一人でも居たかい・・・』
『・・・そういうさもしい了見になるから博打なんぞやらねぇに限るンだ』
これを丸きり刈り込んじゃった。

この親分の警句を挿れないと、噺の面白味が半減・・と言いますより、そもそも噺が成立しないと思うのですけれども・・・。
会話の間合いは良かったのですが、澱が残りました。

◆隅田川馬石 『堀の内』
寄席で間に挟まって演る時に馬石師が見せる軽妙な味わいって、何か癖になりますね。
面白かったなぁ。

◆伊藤夢葉 奇 術
ロープとハンカチをみっちり。
客席爆笑。

◆三遊亭萬窓 『たらちね』
巧いなぁ。
下げは『依って件の如し』を避けて、八百屋と八五郎の会話。
『旦那、長いのがございますが』
『いやぁ、長いのはよそう。長いのは名前だけで沢山だ』
至芸を堪能しました。流石。

◆鈴々舎馬桜 『人形買い』
珍しくも “通し” を非常に丁寧に演ってくれました。
私、『人形買い』を本来の下げまで聴いたのは、数十年振りじゃぁないかしらん。好高座。

~仲 入~

◆林家三平 『悋気の独楽』
枕の “家族漫談” を早めに切り上げて本編へ。
妾が寝そべって『にゃ~お』には大笑い。三平師らしい愉快な一席。好演。

◆笑組 漫 才
千穐楽は杜子春。客席を大いに沸かせました。

◆林家正蔵 『ねずみ』
甚五郎の造形が誠に素晴らしい。
悟りを開いたが如くの鷹揚な口調を強調し、村夫子然とした長閑な風情を巧みに描き込みました。

意外だったのは卯之吉。
正蔵師ならばもっと子供々々した卯之吉かと思いの外、大人びた造形。
それでいて生意気でもなし、こまっしゃくれてもいない素直な感じ。
成程!、と得心の行く人物造形に唸りました。

後添の女中頭お紺と虎屋番頭丑蔵との関係はぼかした表現に留め
お紺の登場は、卯之吉への折檻一件と印形の件のみ。
『前から出来ていた』の説明は割愛しても良いかも知れません。蛇足って感じですものね。

あと気づいたことは・・・
仙台再訪の折、甚五郎は政五郎と二人連れでやって来ますけれども
飯田丹下作の虎を評価する際、先ずその政五郎に感想を聞きます。
ここは『政五郎さん、どう思うね?』或いは『政さん』、『政』、『若、どうかね?』など
演者によって問い掛け方が異なりますが、
正蔵師は『二代目、どう思うね?』と演っていました。この『二代目』って好い響きでしたねぇ。

下げも素に戻らず台詞の調子で。
これこれ、こうでなけりゃぁね。

私はこの『ねずみ』という噺が元々好きですけれども、今日の正蔵師の『ねずみ』は印象に残る一席だなぁ。

下げの直前、甚五郎がねずみに語り掛けた『おい!ねずみ!』の一言に、私、雷に撃たれた様な感動を覚えました。
それこそ甚五郎の、そして正蔵師の、一言に込めた魂が伝わって来た感じです。
素晴らしい出来。見事な『ねずみ』。


良かったなぁ、面白かったなぁ、と感慨に耽りつつ家路へ。




Tag:落語会・寄席  Trackback:0 comment:0 

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喜洛庵上々

Author:喜洛庵上々
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寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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