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らくご街道 雲助五拾三次 -鉄板- 4/14

 4月14日(月)らくご街道 雲助五拾三次 -鉄板- 日本橋劇場

昨年4月12日に -発端- で出発した雲助五拾三次。本日はその第十三宿 -鉄板-。二年目へ歩み出します。
お楽しみ四席と嬉しい予告。肩の凝らないところを楽しむことが出来そうな予感。

日本橋劇場に入りますと、演題のリクエストシートを手渡されました。
私、既にweb上でリクエストをしているのですが再度の “投票” 。
因みに四つの部門で “候補噺” が三席(落噺と夫婦噺は四席)挙げられています。

○寄席落噺之鉄板
強情灸、子ほめ(通常版)、子ほめ(ヴァイオレンス版)、ざるや

○粗忽無筆之鉄板
粗忽の釘、代書屋、堀の内

○廓落噺之鉄板
お見立て、辰巳の辻占、干物箱

○夫婦情之鉄板
厩火事、お直し、火焔太鼓(通常版)、火焔太鼓(人情噺版)

開演時間となり、雲助師匠が着流し姿、ワイヤレスマイクを持って登場。
『今夜は鉄板、となっていますけれども、寄席などでも必ず受ける噺、必ず爆笑を巻き起こすくすぐり、というものは存在しないのです』と、切り出しました。
大意として、同じ噺でもその日の流れ、お客様の好みなどによって受ける、蹴られる(すべる、だったかな)があり “必ず” ということはないのだそうです。
『ですから、鉄板ではなく定番、寄席でよく掛ける噺、と捉えて欲しいのです・・・』
『リクエストにお応えして、という趣向を池袋で一度試みたのですが、その時圧倒的票数を得た “ジャズ息子” を演る許可が川柳大兄に頂けず、そのまま第二回を行わなかった』など懐かしい話をしていると・・・
お手伝いの市助さんが登場。師匠に封筒を手渡します。

それを開封、天紅の用箋に今日の演題が書かれている、という凝った趣向。

『(将棋)名人戦の封じ手の様ですね』と言いながら開封し “発表” 。

web投票の票数が師匠に報告されていたとのことですが、異なる結果となった部門もあるとのこと。
『夫婦人情噺は “人情噺 火焔太鼓” ですかぁ! てっきり “お直し” と決めて浚っていましたのに・・・』


◆五街道雲助 『ざる屋』
これこそ “真の鉄板” ではないかなぁ。
十代目直伝。私も一票を投じました。

今夜は珍しく本来の下げ『うちの笊はつぶれません』まで演ってくれましたけれども、『金庫』で下げて受ける受けないに頓着しないのが “十代目流の本寸法” なのだそうです。
客席大爆笑の一席。

◆五街道雲助 『代書屋』
昨日鈴本で聴いた時に『これは明日も演るだろうなぁ』と覚悟しておりました。
『儲かった時も代書屋同じ顔』と川柳を詠んで滑稽譚の幕が切って落とされます。
『一行抹消。印鑑!』の繰り返しが何とも愉快。

下げて後、上方由来の噺を桂小南師(懐かしい!私はTVでしか存じ上げません)から喜多八師、そして雲助師へ伝わったと明かされました。

ツェッペリン飛行船云々は雲助師の工夫だそうで、時代が移り即位の大礼が平成の御代でも行われました為、本来の即位の大礼をツェッペリン飛行船来日に置き換えたのだそうです。

余談ですが、私の父親もこのツェッペリン飛行船は見たそうで、一度ならず高揚した口調でその時の様子を語ってくれたことがあります。

◆五街道雲助 『お見立て』
雲助師の『お見立て』を聴く度に “江戸から明治の雰囲気” を強く感じ、その時代に飛ばされます。
この雰囲気づくりには、喜瀬川花魁の伝法な口調が大きく寄与していますね。
独特の気怠い雰囲気と伝法な言葉遣いで、今夜も見事に百五十年ばかり過去へ飛ばされました。

ここまで三席を続けて口演し、仲入。

~仲 入~

◆五街道雲助 『人情噺 火焔太鼓』
『ねぇ、お前さん・・・』と女房の初手の切り出しが、まるで『芝浜』の冒頭の口調なのですね。
『ねぇ、お前さん、起きておくれよぉ』となるのではないか?『芝浜』が始まるのではないか、といった感じ。場内はここで早くも爆笑が沸き起こっていました。

そして亭主がまた傑作で、髪結新三或いは “双蝶々 雪の子別れ” の長吉といった風情の台詞回し。
『そりゃぁお前、俺だって・・・』と色悪の表情、口調で演るものですから、客席はひっくり返って笑いの渦。

全編こんな調子で進み、客席全体が噺のあいだすっと笑い続けるという事態に陥りました。私も涙が出る程笑いましたけれども、まぁ近頃では記憶に無いひっくり返りようでしたね。
これは文章ではとても伝えられません。実際にその場に居て同じ空気を吸っていないとこの雰囲気は解らないでしょう。
兎にも角にも客席大爆笑の “人情噺 火焔太鼓” お見事。

◆五街道雲助 『新版三十石』
大拍手と笑い声を制しながら『言わば洒落、遊びで拵えた噺ですから、今夜で封印しても宜しいかと存じます』と “人情噺 火焔太鼓” の封印宣言。

『お開きに寄席で時間の無い時に掛ける噺を・・・』と浪花節の枕から “新版三十石” へ。
大訛りの赤澤熊蔵先生で、これまた客席を爆笑させてくれました。
これも愉しかったなぁ。


寄席で間へ挟まった時によく伺う根多を中心に五席。
主任根多の『お見立て』で仲入という贅沢な一夜となりました。
いやぁ素晴らしかった。

家人と、これは忘れられない晩となりそうだね、など語らいながら家路へ。

大満足の雲助五拾三次。次回は5月20日(火)柳家小里ん師を迎え吉例『髪結新三』と触れられています。




Tag:落語会・寄席  Trackback:0 comment:0 

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Author:喜洛庵上々
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寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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