FC2ブログ

志ん輔の会 古今亭志ん輔独演会 4/16

 4月16日(水)志ん輔の会 古今亭志ん輔独演会  国立演芸場

国立演芸場の志ん輔師独演会。
『真景累ヶ淵』連続口演の第四回目。

◆古今亭志ん輔 『真景累ヶ淵~前回までの粗筋』

◆入船亭小辰 『鈴ヶ森』
前座時分から『真面目そうな好青年』の印象を持っていたのですけれども
流石に噺家さん、悪も巧く表現しますねぇ。
声質の変化や目つき目配せなどの『眼の演技』で、なかなかに達者な描写。
『(志ん輔師が先に上がった為)演りにくい』とのことでやや硬めながら、好演でした。

◆古今亭志ん輔 『三枚起請』
枕で志ん生師匠が人形町末廣の独演会を抜いた挿話。助演の馬生師匠と志ん朝師匠が五席伺って跳ねた、とのことで・・・
この時か否か定かではありませんけれども、『志ん生一代』に同じ様な話が紹介されていた記憶があります。
けれども、なに?女の子のところへ行ってたの?そりゃぁ存じませんでした。そういう事かぁ、と得心がいきましたョ。
用事ってのか、ちゃんとした訳があったんですねぇ、一応。

聴き慣れた志ん朝師の型をほぼそのままに口演。お家芸ですし、手を入れる箇所も無いのでしょう。
ただ、それでも “志ん輔師の三枚起請なのだ” と言い切れる “独特の間” や “呼吸” が感じられます。
これは凄い事ですね。

鳶頭の造形が良いですなぁ。さっぱりとした口調で、如何にもと言った風情を伝えてくれました。。
また、喜瀬川が開き直るその瞬間の表情の変化、この描写も志ん輔師の右に出る演り手は中々見つからないなぁ。
素晴らしい『三枚起請』、お家芸を存分に味あわせていただきました。

◆三増紋之助 曲独楽
いつも通り目一杯の明るく元気な高座。
見せ方が上手ですね、紋之助師匠は。

◆古今亭志ん輔 『真景累ヶ淵 其の四 上』
新吉は、下総羽生村の豪農で質屋も営む三蔵の妹お累の婿養子となって、不自由のない暮らしをしているところ。

そんな折、育ての親勘蔵危篤の報に接し、身重のお累を残し、新吉は独り江戸へ。
そこで死の床にある勘蔵から、自身の出生の真実を知らされます。

葬儀を終えて下総羽生へ帰ろうと駕籠を雇う新吉。
その駕籠は小塚原辺りで道に迷い、その際新吉は恐ろしい夢幻に襲われます。

“雨と闇” の組み合わせというのは、どうも恐怖感を倍加させる様で、聴いている私もぞくぞくとして来ました。
怖かったなぁ、この夢の場面は。

夢から覚め、千住の宿を目指して歩き始める新吉は兄新五郎の凶状と獄門首を眼にし、
兄の末期を知ることになります。

月満ちてお累の産んだ子は兄新五郎に生き写し。新吉は因縁を感じ、次第に気鬱となっていきます。
気散じに無縁墓の掃除をする新吉は、土地の名主惣右衛門の妾お賤と出会い、
二人はやがて理無い仲へとなっていきます。

新吉はお累と我が子与之助を疎んじ、全く顧みようとしませんので母子の生活は困窮を極め、見かねた兄三蔵がお累に蚊帳を買い与え、吊ってやります。

ここまで、地噺と会話の配分も良く、志ん輔師らしい “累ヶ淵” を堪能しました。
時折効果音として楽器が奏でられ、それらしい音色で言葉の後押し。
こういうのもあるのだなぁ、という感じですね。

~仲 入~

◆古今亭志ん輔 『真景累ヶ淵 其の四 下』
お賤に夢中になる新吉は、三蔵の買い与えた蚊帳をもすぐさま売り払う始末。
息子与之助が蚊に喰われるからと追いすがるお累の生爪をはがしてまで取り上げます。

またこの際、息子与之助をはずみで殺し、そのままにしてお賤のもとへ行ってしまいます。

その晩お賤の家に死んだ息子を抱いたお累がやって来ますが、どうも様子がおかしい。
新吉が家へ戻ってみると、お累は鎌で自害し果てていました。

さぁ、邪魔な妻子もいなくなり身軽となった新吉は、益々お賤へのめり込み、ついにはお賤の企みにのって惣右衛門を縊り殺し、お賤が予め書かせておいた遺言により金子を得るとともに、惣右衛門の湯灌を単独ですることとして殺害の隠蔽をも企図します。

独りで湯灌は手に余ると難儀する新吉。
そこへ兄貴分の土手の甚蔵が現れ、惣右衛門の死体の首に残る索状痕を根多に強請を掛けて来ます。

今夜はここが切れ場。
仲入後は三十分の口演。

抜群の描写力で、新吉、お賤の胸の内を見せてくれました。
何か闇の世界の窓を開けて、こちらを底知れぬ暗闇へ誘う妖しい雰囲気。


跳ねて歩き出しながら『兎にも角にも凄かったなぁ』と独り言。


帰宅して家人から『どうだった?』と問われ『(番組の)構成がちょっとなぁ』と感想。
仲入前が余りにも長く感じられたので、そんな “第一声” となったのですけれども・・・

私見を申し上げますと、色物さんは必要ないのじゃぁないかしらね、この会は。
肝心の “累” で、客席がやや集中を欠き、落ち着きを失っていた(もぞもぞ動く人が多かった)のを見ても、
仲入前が冗長だったと思います。

変則的ではありますが、休憩を二度入れる(志ん輔『三枚起請』後に仲入、『累』の上下間に休憩)様な事でもいいのじゃぁないかなぁ。
その方が客席は噺にのめり込めると思うのですが・・・

是非次回も、と思わせる志ん輔師の “怪演” が印象的な今夜の独演会。
『三枚起請』、『真景累ヶ淵』ともに名演だったことは間違いのないところです。




Tag:落語会・寄席  Trackback:0 comment:0 

Comment

comment form
(編集・削除用):
管理者にだけ表示を許可
プロフィール

喜洛庵上々

Author:喜洛庵上々
喜洛庵寄席桟敷へお越しいただきまして、ありがとう存じます。
寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

最新記事
最新トラックバック
検索フォーム
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR