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2014年上半期回顧 その1 1~3月

 2014年(平成26年)上半期回顧 その1 1~3月

冬季五輪そしてサッカーW杯とスポーツイベントの続く2014年も折り返し。
そこで今年1月~6月の上半期、印象に残った高座について家人と振り返ってみました。
まずはその前半、1月~3月篇。


家人 『今年は珍しく落語が最初ではなくて四季の “ふたりのロッテ” からだったわね』
私 『初席を避けたので演劇からになりましたな』

家人 『噺は・・・にぎわい座の白鳥師独演会からよね』
私 『 “隅田川母娘” は印象高座だなぁ』
家人 『 “王子と乞食” の様な味わいだったわね』
私 『 “ローマの休日” にしとこうよ。 “乞食” じゃぁ気の毒だよ・・・え~と、次は志ん輔師の “志ん輔三昧 年始の会” かな?』
家人 『 “七段目” と “付き馬” 』
私 『寄席でもよく高座に掛けていらっしゃる “七段目” が印象的だけれども “付き馬” の完成度は抜群に高かったなぁ』
家人 『志ん輔師匠はどちらかと言うと “騙す噺” はお好みではない様子だと思わない?』
私 『うむ・・・まぁ演っていて気持ちの良い噺、また演りながらも内心 “イヤだねぇ” と思う噺ってのはあるでしょうね。 しかし、この時の “付き馬” 、妓夫の苛立っていく描写、またそれに伴う口調の僅かな変化などは、志ん輔師ならではの細密な描き込みだと感心したなぁ』
家人 『悪戯、洒落の範疇として描くのか、もっと悪質なものなのか。志ん輔師は後者の雰囲気も感じさせたわよね』
私 『 “時そば” とは桁の違う詐欺だからなぁ~。この時の志ん輔師は、遊び人の遊び人たる小悪な側面もきちんと描写していたよ』
家人 『妓夫もひと皮剥けば実は恐い人という感じだったよね』

私 『五拾三次は “名人長二 お白州~大団円” 』
家人 『大団円での “隅に控えし噺家五街道雲助・・・” は傑作だったなぁ~』
私 『あれで客席の張り詰めた空気がほぐれて、笑顔でお開きになったんだよ。 “心中穏やかならず” と言った状況下に於いても、客席への心配りを忘れない雲助師匠に頭の下がる思いだね』

家人 『 “睦会” はどうだったの?、あと久し振りに “長講三人の会” もあったわね』
私 『 “睦会” は、扇遊師の “棒鱈” が絶品でした、これ印象高座。 “長講三人の会” は、さん喬師の “鼠穴” が好演でしたが、同じ演目で翌月に扇遊師の名演を聴いちゃったからなぁ・・・ここは涙をのんで・・・』

家人 『1月はこのくらい?』
私 『花形演芸会の司さん “洒落番頭” を挙げておきたいですね。寄席でも掛ける十八番の演目だけれども、素晴らしく練れて来た感じ』

家人 『では2月へ。道楽亭さんの二夜連続落語会が目立つわね』
私 『うむ。その前に、にぎわい座の白酒ばなし “今戸の狐” を印象高座に。この噺は何かと説明が多くなってしまい勝ちなのだけれども、流石に白酒師、お家芸たる貫禄。素晴らしいのを聴かせてくれました』

家人 『NBS殺人研究会は、龍玉師 “島鵆沖白浪より 大坂屋花鳥” 、松之丞さん “畔倉重四郎より 栗橋の焼き場殺し” だったわね』
私 『ともに楽しめたけれども、印象高座にはあと一歩かなぁ』

家人 『殺人研究会の翌日から道楽亭さんの二夜連続落語会だったのね』
私 『まず感じたのは出演の師匠方が頗る居心地良さそうだった事』
家人 『お馴染みのお客様ばかりなの?』
私 『私自身が新宿のお店を知らずに “出張寄席専門” なので定かではないけれども、お店の常連さんが大勢いらっしゃっていたのじゃぁないかなぁ?』

家人 『初日は小ゑん師匠を誉めていたよね?』
私 『うむ、小ゑん師 “鉄の男” と扇遊師 “鼠穴” が出色の高座でした。 “鉄の男” の『こんなところにレンゲが咲いていたっけ?』、『うん、去年種を蒔いといたの』なんて遣り取りは小ゑん師匠ならではと感心したよ。 “鼠穴” は非常に研ぎ澄まされた無駄の無い演出で、兄弟の会話が活きていたなぁ~』

家人 『二日目は?』
私 『仲入の扇辰師が全部持って行っちゃった』
家人 『 “鰍沢” ね』
私 『緻密で写実的な所作に引き込まれたよ、凄かった。主任の鯉昇師 “御神酒徳利” も好演だったのだけれども、扇辰師の印象が強いなぁこの晩は』

家人 『五拾三次は “のめる” 、 “幇間の炬燵” 、 “らくだ” 、好かったよねぇ』
私 『三席揃えたね。どこか物悲しい風情の野幇間平助と謹厳実直な番頭さんの対比が見事な “幇間の炬燵” 。豹変する屑屋さん、実は好人物らしい “兄貴” 、そして能天気な落合の隠亡、更に道中の “アリャアリャアリャアリャアリャアリャよ” の掛け声が印象に残る “らくだ” を印象高座に』

家人 『あなた、落合の隠亡が起こされた時の第一声を “なぁ~にぃ?” と書いているけれども、あそこ “誰ぁれぇ~?” だったわよ』
私 『そうだっけ? じゃぁこの場を借りてお詫びと訂正を・・・』

家人 『2月の国立名人会は、志らく師、扇辰師、雲助師、小ゑん師、圓窓師の出演だったわね』
私 『扇辰師 “夢の酒” には舌を巻いたねぇ。素晴らしい出来だった』
家人 『小ゑん師の “ほっとけない娘” 、雲助師の “井戸の茶碗” も好かったわぁ』
私 『 “ほっとけない娘” はまるで小ゑん師に誂えたかの様な、ぴたり嵌まった噺。 “井戸の茶碗” は更に進化していたね、共に好高座でした』

家人 『小学館のらくだ亭はどうだったの?』
私 『雲助師 “幇間腹” は脱力した幇間一八で大笑い。まるで当て書きの様な一朝師 “三方一両損” 、お奉行にも啖呵切っちゃうんだよ、面白かったなぁ。主任さん喬師 “白ざつま” は大旦那、若旦那、番頭の人物造形がお見事でした』
家人 『印象高座は?』
私 『一席となるとさん喬師 “白ざつま” かな。この噺を聴く度に我が身と引き比べるというのか、共感を覚えるンだよなぁ、何故か・・・』
家人 『若旦那?・・・そう言えばどことなくあなた似かも知れないわね』
私 『そんな気がするンだよねぇ~』

家人 『鈴本の雲助師匠の芝居、千穐楽にやっと行けたね』
私 『浜松町でマチネ跳ねてから駆けつけたんだよ』
家人 『雲助師匠、好かったよねぇ』
私 『刈り込んで無駄のない “幾代餅” 、名演でした。勿論文句なしに印象高座』

家人 『3月は国立の花形演芸会からね』
私 『うむ、この晩はボーイズのポカスカジャン先生に圧倒されたなぁ』
家人 『演奏が上手よね』
私 『高座を丁寧に勤めているのが伝わって来ます。好感度高いョ』

家人 『他の出演者はどうだったの?』
私 『仲入の歌奴師 “片棒” 、主任の百栄師 “船越くん” はともに印象高座に僅か及ばずかなぁ~。好かったのだけれども、少ぉ~しだけ・・・』

家人 『え~と次は “らくご・古金亭” ね』
私 『雲助師匠の芸術選奨文部科学大臣賞受賞の報道直後でしたな』
家人 『白酒師が “喜んでいるとは思うけれども、うちの師匠はパーティーのような大袈裟なことは一切しない” と断言していたのが、印象的だったわ』
私 『ご自身の高座でも全く触れずに、ささっと噺へ入ったんだよね』
家人 『自ら発表して手を貰う人も多いのにねぇ~。そんな野暮な真似が出来るか!って感じだったよね』
私 『ハハハ、そうだったねぇ』
家人 『噺の方は?』
私 『あの晩は、志ん橋師の “岸柳島” と雲助師の “お若伊之助” だね』
家人 『そうだった!志ん橋師匠好かったなぁ~』

私 『3月はあと・・・』
家人 『鈴本の文左衛門師の芝居と国立の “圓朝に挑む!” 、そして “五拾三次” よね』
私 『あぁ、そうか。文左衛門師匠、好かったんだよぉ、 “らくだ” 。 “圓朝に挑む!” の出演は左龍師、圓太郎師、馬るこさん、百栄師だったかな?』
家人 『そうね。どうだったの?』
私 『皆さん好演だったよ。その中でも百栄師、抜群の出来でした。左龍師も印象的だなぁ~』

家人 『五拾三次は珍しく昼席で・・・』
私 『終演後お花見でも、という粋なご趣向なのじゃない?、気分だけでもって』
家人 『ハハハ、花には早かったものね。だけど “百年目” 、好かったなぁ~』
私 『遊び心満載の “付き馬” も印象的でしたな』
家人 『ああいう型では中々聴くことが出来ないものね。どちらか一席を選ぶならどう?』
私 『圓生師型の “百年目” も好かったけれども、ここは雲助師型とも言える “付き馬” かな』

家人 『1月から3月の“印象高座”をまとめましょうよ』


○白鳥師(1/11 三遊亭白鳥独演会) “隅田川母娘”

○志ん輔師(1/12 志ん輔三昧) “付き馬”

○扇遊師(1/14 睦会) “棒鱈”

○雲助師(1/15 五拾三次) “名人長二 大団円”

○司さん(1/18 花形演芸会) “洒落番頭”

○白酒師(2/13 白酒ばなし) “今戸の狐”

○小ゑん師(2/17 道楽亭出張寄席 “笑” 第一夜) “鉄の男”

○扇遊師(2/17 道楽亭出張寄席 “笑” 第一夜) “鼠穴”

○扇辰師(2/18 道楽亭出張寄席 “笑” 第二夜) “鰍沢”

○雲助師(2/19 五拾三次) “幇間の炬燵”

○雲助師(2/19 五拾三次) “らくだ”

○扇辰師(2/23 国立名人会) “夢の酒”

○雲助師(2/23 国立名人会) “井戸の茶碗”

○小ゑん師(2/23 国立名人会) “ほっとけない娘” 作=小林由紀

○さん喬師(2/24 人形町らくだ亭) “白ざつま”

○雲助師(2/28 鈴本2下夜)  “幾代餅”

○ポカスカジャン先生(3/8 花形演芸会)

○志ん橋師(3/15 らくご・古金亭) “岸柳島”

○雲助師(3/15 らくご・古金亭) “お若伊之助”

○文左衛門師(3/19 鈴本3中夜) “らくだ”

○左龍師(3/21 圓朝に挑む!) “茗荷宿屋” 

○百栄師(3/21 圓朝に挑む!) “雨夜の引窓”

○雲助師(3/22 五拾三次) “付き馬”


家人 『三ヶ月で二十三席よ』
私 『好高座に恵まれて良かったじゃない』
家人 『それもそうね』

【2014年上半期回顧 その2 4~6月篇は、6月30日掲載予定です。】



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喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)

Author:喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)
喜洛庵寄席桟敷へお越しいただきまして、ありがとう存じます。
寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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