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睦会 8/12

 8月12日(火)睦会~扇遊・鯉昇・喜多八三人会 にぎわい座

“にぎわい座 睦会”。今夜は喜多八師が主任で二席と触れられています。


◆入船亭ゆう京 『堀の内』
定刻を3分程過ぎて緞帳を上げました。
私てっきり、緞帳が上がらなくなっちゃったのか?と心配しましたけれども、そうではなく何か別の事情だった様です。

さて、『堀の内』。
一昨日国立で聴いた時よりも、幾分か速度感が増した感じ。
それと開演が遅れた所為でしょう、やや刈り込んで短くしたのが奏功しましたね。好い出来でした。

◆柳家喜多八 『ラブレター』
『今のああいう噺、簡単な様で実は難しいンです』。
『圓朝ものの様な筋のある噺の方がむしろ簡単で・・・』、『本当は “真景累ヶ淵” を通しでみっちり演った方が・・・。まぁ、覚えていませんからそれも私は出来ないンですけれども』と、客席をほぐしておいて本編へ。

米国暮らしの長い彼女(日本人)から来た片仮名のラブレターを持って、嬉しそうな男。
兄貴分が『俺に見せろ!』と読み始めますが、これがまるでチンプンカンプン。
『なんだい?ツンちゃんて?』、『あっ、それシンちゃんです』
『コナだコナだ、って流石にメリケンだけあらぁ』、『コナいだはコナかったけれども、です』
内容はありませんけれども客席大笑いの一席。
調べましたら、どうやら痴楽綴り方教室(懐かしい!)で有名な柳亭痴楽師の作。喜多八師は独自の言い回しに書き直したのかな?好演。

◆入船亭扇遊 『三井の大黒』
“ぽんしゅう” こと甚五郎の造形が素晴らしい。鷹揚ながらただならぬ光を奥に秘めた様子を見事に描いてくれました。
“扇遊スマイル” のままで、眼力を強める工夫が効いています。

そして政五郎。その棟梁たる威厳もまた存分に活写。
人物造形にぶれがありませんので、噺に入り込めますね。『あれ?』って思わせる様な隙は一つもありません。
なにかこうわくわくする様な展開でしたねぇ。
好高座、名演。

~仲 入~

◆瀧川鯉昇 『死ぬなら今』
これは珍しい。
閻魔様へ袖の下をと用意した三百両を『無駄だ』と懐に入れ、芝居の小道具の贋小判を代わりに頭陀袋に押し込む親戚の叔父さんの描写が、飛び切り愉快。
地獄の評定風景もまたなんとも言えぬ味わいで、鯉昇ワールド全開。面白かったなぁ。

◆鏡味味千代 太神楽
五階茶碗~鞠と撥の取り分け~傘(鞠、金輪、升)
以前一度だけ “雲助月極十番” で高座に接したことがあります。
いたちやさんのHPで確認しましたところ、2011年5月16日に開催された肆番、『千早振る』、『中村仲蔵』の回ですね。
当然ながら安定感が格段に増していますし、見せ方も緩急の効いたものへ進化。口上もまた独特のお洒落な物言いとなりました。好演。

◆柳家喜多八 『落武者』~『茄子娘』
『蚊帳の中で横座りしている女は五割方女振りが上がりますね。紗が掛かってるから』

最初の『落武者』
脚に槍疵を負った落武者が夕立に合い、稲荷堂で雨宿りを兼ねて暫しの休息。
驚いた事に中には先客が。
これがまたすこぶる好い女。
しかも、やれ「寒い」、「殿方の温もりが欲しい」などとしきりと誘いを掛けてくるのですが、近くへ寄ると顔を張って来たり爪で引っ掻いてきたりで、さっぱり先へ進まない。

落武者の様々に変化する表情、そして、女の誘う風情が喜多八師ならではの絶品もの。お見事。

諦めた落武者がいつしか眠りにつき、目が醒めると女は姿は見当たらず、一本の破れ傘が傍らに。
『さては、昨夜の女は破れ傘の化け物か。道理でさせぬ訳だ』と幾重にも掛かる地口落ち。

ここでお開きと思いきや、破礼噺では跳ねられぬとばかりに続けて『茄子娘』へ。
夏の風景を紡いで、洒落た小品をさらっと演ってくれました。


跳ねて歩きながら独り言。
『今月は今日まで扇遊師を四席、喜多八師は六席聴いているのだけれど、全然聴き飽きが来ないなぁ~』
大満足のにぎわい座睦会。





Tag:落語会・寄席  Trackback:0 comment:2 

Comment

佐平次 URL|
#- 2014.08.14 Thu11:25
メモしといたんですがいけませんでした、残念也!
「堀之内」、こないだこみちがいい感じで聴かせてくれました。
さらっと、巧まざるユーモアってのが難しいですね。
喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう) URL|佐平次様
#sW.pyMog Edit  2014.08.14 Thu12:10
それはそれは残念。
この睦会も次第々々に客席が埋まる様になりましたね。
私、直前に鑑賞した国立上席と演目が被るかも・・・と覚悟をしていたのですけれども、重複することなく幸運でした。

こみちさんの『堀の内』、聴いてみたいなぁ。
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喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)

Author:喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)
喜洛庵寄席桟敷へお越しいただきまして、ありがとう存じます。
寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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