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春風亭一之輔独演会 9/8

 9月 8日(月)春風亭一之輔独演会 にぎわい座

季節の変わり目ということか、はたまた台風の影響か、はっきりしない空模様。
『降らなきゃいいけど』と呟きながらにぎわい座へ。


◆柳家小かじ 『たらちね』
相当身についていると見えて、台詞と表情、仕種がきちんと同調しています。
珍しく “酔って件の如し” まで演ってくれました。
面白かったなぁ。

◆春風亭一蔵 『鷺とり』
冒頭のお子さんの塾での親子面談の話題、更に前段の “雀とり” をも丁寧にまた長めに演りましたので、『今夜はこれで仕舞かな?』と思っておりましたけれども、『鷺とり』へ入っていきました。
下げは捻って『浅草温泉の由来』。
愉快な高座。

◆春風亭一之輔 『笠碁』
独演会らしく雑談めいた話題を二十分程。
『全米オープンテニス決勝進出の錦織選手24歳、 “たらちね” の柳家小かじ24歳、前座』

九歳になる上のお子さんが将棋に凝っていて、棋譜も書いて研究しているというのですから凄いですね。
これはひょっとするとひょっとするかも知れませんよ。
『将棋の名人になったら美人と結婚出来るかなぁ?』
『昔からな、碁将棋に凝ると親の死に目に会えない、と言うんだぞ』
『親が死にそうな時に、僕将棋なんか指さないもん!』
実に自然な流れで、碁会所風景を挟んで本編へ。

一カ所演出の捻りをいれましたけれども、それを除きますと今年三十三回忌を迎えた十代目馬生師の型を踏襲しました。
この “馬生師型” は、ぴたり私の好みなので大歓迎。前のめりになって聴きいりました。面白かったなぁ。

“空き地で犬に追いかけられたまま帰ってこないお前をずっと待っていて・・・” と冒頭の喧嘩場面終盤に仕込んでおいて、下げは笠をとって “空き地ではごめんね” と捻りました。

私、あやうく “あぁ!お前さん、笠かぶったまんまだ” で拍手しそうになりましたが、慌てて叩かずに良かった。
好高座。本編25分、素晴らしい『笠碁』でした。

~仲 入~

仲入休憩中に場内放送。
一之輔師の声で『先程 “笠碁” の枕で、羽生名人の奥さんを佐野量子さんと言いましたが、正しくは畠田理恵さんでした。佐野さんは武豊さんの奥さんですね・・・』と訂正が入りました。
私も聴いているとき『あっ!』と思ったのですが、律儀に訂正放送とはまた愉快な一幕。


◆春風亭一之輔 『唐茄子屋政談』
根多出しの一席。
雑談なしで、さっと枕へ入りました。
こちらの基本型は矢来町ですね。
志ん朝師から先代柳朝師へ、そして一朝師から一之輔師と伝わったのかも知れません。

一之輔師はこちらにも一捻り入れまして、蹴躓いて唐茄子を転がしてしまった場面で親切に売ってくれた御仁(兄貴)にいじられる “半公” に光を当てる演出。
なんと片手に二つづつ、袂へ二つづつ、更に二つ抱えさせられて唐茄子十個をいっぺんに買わせられるという茶利。
まぁ、更に頭へ一つ載せられて都合十一個買わされちゃうのですが・・・
これ、頭へ載せるのを最初に思いついたのだろうなぁ~、なんて考えながら聴いていました。
この演出の為『大きいのを選っていやがる』の名台詞が無くなったのは残念。

売り声場面の後、吉原田圃へ。ここまで30分強。下げるのかな?と思いましたが、続けて誓願寺店へ。
この後半も好かったなぁ。
若旦那の直情、叔父さんの思慮深さ、そして誓願寺店の住人の様子などを、巧みな描写で伝えてくれました。

若旦那、兄貴、半公の三人で “頭へ五つ唐茄子を重ねる稽古” 場面で下げ。
『笠碁』ほどの驚きはなかったですねぇ、こちらの捻りは。
むしろ普通に演った方が好かったのでは?と感じました。
50分の長講。

一蔵さんの『鷺とり』も含めると三席とも捻った下げでしたが、根多出しの『唐茄子屋政談』は捻り抜きでも好かったのではないかしらん?
この噺は『情けは他人の為ならず、巡り巡って己が身の為、唐茄子屋政談の一席』とお開きにする古今亭志ん輔師の演出が最も “適切” なのだなぁ、としみじみ思いました。


跳ねて外は傘が要るかどうか微妙な降り。『笠碁』を反芻しつつ家路へ。



Tag:落語会・寄席  Trackback:0 comment:0 

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喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)

Author:喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)
喜洛庵寄席桟敷へお越しいただきまして、ありがとう存じます。
寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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