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渋谷に福来たる 雲助一門集結編 9/9

 9月 9日(火)毎日新聞落語会 渋谷に福来たる 雲助一門集結編 渋谷区文化総合センター大和田 伝承ホール

『渋谷に二人で来るのは5月の Paul McCartney 以来かなぁ?』
『あの時は乗り換えただけじゃない!、それに中止になっちゃってさぁ』
など喋りながら家人と渋谷へ。
さぁ、雲助一門会。

◆おしゃべり
先ずは三人のお弟子さんが登場。
総領弟子の白酒師が司会を務め、各自自己紹介。ひとしきり会話の後、雲助師匠が招じられ大きな拍手の中を着席しました。

雲助一門の座談会は毎度 “各人が引き気味” で、盛り上がらないのですけれども、今夜は座談の最後に『では、師匠から弟子へ何かお言葉をお願いします』に応えた雲助師匠の『うむ、割合と真面(マジ)な話になってしまうのだが・・・』とのただならぬ様子の一言で、壇上のお弟子さん達、そしてまた客席も座り直し居住まいを正しました。

『弟子が三人とも寄席の主任を取れる立派な真打に育ったのは大変嬉しい』
『しかしそうして立派な真打になった弟子達がだねぇ・・・』

神妙の面持ちで師匠を注視し、次の言葉を待つ三人のお弟子さん。

客席もいつもとは違う雲助師匠の重々しくまた真剣な口調に、水を打った様な静けさ。次の言葉を待ちます。

『その立派な真打達が、いつまでもだね、忘年会で俺にご馳走になっているってのはどういうものなのかね』

座談会は大笑いの内にお開き。


◆蜃気楼龍玉 『夏泥』
『座談会はどうも苦手・・・、素は嫌なんですねぇ。こうして落語だと正面を向けるのですが・・・』
『いや、他の一門は弟子が師匠を招待しているとは聞いていたのですが、うちは違うンだなぁ~なんてねぇ・・・』

お馴染み、浅草の観音様賽銭泥棒の小咄から本編へ。
辺りの様子を窺う泥棒の描写、その豊かな表情、目配り、素晴らしいなぁ。
この『夏泥』。龍玉師の “泣き” の演出、文左衛門師の “脅し” の演出。私は両方ともに好みです。
好演でした。

◆桃月庵白酒 『死神』
『えぇっ?お前が死神?死神ってさ肋骨が浮き出て杖突いてさぁ・・・』
『それは圓生のだろ!』

呪文は『あじゃらかもくれん錦織圭、にしきおりではありません』
『えっ? “にしきおり” って読むんじゃなかったのかよ!』

「かごめかごめ」で枕元の死神を騙す場面など、筋立ての骨格は先だって(7月15日)の “白酒ひとり” で聴いた『死神』と同じなのですけれども、細部に手を入れてより面白く進化しています。

しかし五十両、百両と得た金を、全て一晩で遣いきってしまい朝を迎えるというのがまた凄いですね。

下げも “くしゃみは逃れたものの、安堵の溜め息で消える” のではなく、洞窟から外へ出て
『やっぱり娑婆は好いなぁ~』
『もう明るいんだから蝋燭要らないだろう、消せよ』
『そうだな、要らないわな、ふっ』
好演。

~仲 入~

◆隅田川馬石 『臆病源兵衛』
聴き馴れた版ではなく、下げも初めて聴く型。
こういう『源兵衛』もあるのだなぁ、と興味深く聴きました。
冒頭に『源兵衛は助平だけど夜の闇が怖いから昼遊びしていやがる』
『しかも吉原(なか)じゃなく根津だ、地獄だよ』
『地獄遊びは極楽だ、かなんか言って・・・』
と非常に巧みな仕込。
こうして会話で仕込を挿れてくれますと、自然と入ってきますね。
面白かったなぁ。

◆五街道雲助 『妾馬』
『普通は “師匠、お身体も大変でしょうからお先へ上がって下さい” と弟子が師匠を気遣って主任を取るものなんですが・・・』

十八番の『妾馬』。
沖縄での充電の所為か、大変切れの良い素晴らしい口跡で面白おかしく演ってくれました。

八五郎の『三太夫、控えておれ!』の台詞の間が凄かったなぁ。この一言を客席も待っているのでしょうけれども、絶妙の間で繰り出しました。
巧いなぁ。

それと一節唄う都々逸のその声の好いこと。こうした細部の拘り、丁寧さが、練られた演出と相乗して名演を生むのでしょう。

昨夜の一之輔師『唐茄子屋政談』吉原田圃場面で、唄が出なかったのを寂しい思いで聴いていましたが、成程素養がなければ高座へは掛けられませんものね。
その日の喉の調子もあるでしょうし、演者の好みにも依りますけれど・・・

たった一節の都々逸で、大名屋敷の酒宴の雰囲気をがらり変えてしまう雲助師匠の芸の深さ、いやぁ恐れ入りました。凄いなぁ。
名演。


跳ねて家人と『雲ちゃん、絶好調だったね』、『一門会は矢張り良いねぇ』と会話を交わしつつ家路へ。




Tag:落語会・寄席  Trackback:0 comment:0 

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喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)

Author:喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)
喜洛庵寄席桟敷へお越しいただきまして、ありがとう存じます。
寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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