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円丈十番勝負 第一回 6/29

 6月29日(金)円丈十番勝負 第一回 ~怪談噺対決~ 日本橋社会教育会館

実は私、この小屋の座席と相性が合わなくて・・・ 予約時に逡巡しました。

それはともかく
円丈師も無限落語が一区切りしたと思いきや
すぐさまこうした新たな表現手段を模索される、その気力体力には頭が下がります。

『円丈師の絡む会は、こういう「勝負」とか「対決」なんていう言い回しを昔からよく使うんだョ』などと家人と話しながら、久し振りの社会教育会館へやって参りました。

今夜は雲助師が『もう半分』、
円丈師は『現代怪談噺~返事』と根多出しされています。

来週にぎわい座で学習院同窓の会がありますが、こちらも明治同窓生対決ですね。

◆柳亭市助 『たらちね』

◆トーク 三遊亭円丈+大友浩

◆三遊亭円丈 『なんばん』

◆五街道雲助 『もう半分』
今夜は怪談噺とのご注文で・・・と彦六師の怪談噺高座風景などを振りながら。
途中裏方へ照明を落とす様に依頼し、客席側をもう少し、など細かく調整しながら雰囲気を作っていきました。

聴き慣れた千住版ではなく、なにやら泥水を飲んで来たらしい夫婦の居酒屋は本所林町。

老人の忘れた荷物が五十両とわかった時、亭主は追いかけようとしますが、女房の言によってあっさり翻意。
知らぬ存ぜぬで押し通す腹を決めます。

戻って来た老人への態度は夫婦ともに悪党そのもの。
それを雲助師が、独特の半眼を下手へ流し演じます。

この老人、かつてはそこそこの青物問屋の主人であったのが、酒で身を持ち崩して棒手振に落ちた設定。
対する居酒屋夫婦は、一度も浮かび上がったことのない日陰者。
この対比が、居酒屋夫婦の『忘れた奴が悪いのさ』という言葉に現実味を帯びさせます。

金は出ないと諦めて帰る老人を追い掛け、出刃で刺殺する場面は糸と太鼓が入り芝居掛。
膝立ちになって演じます。

盗った金で本所相生町に店を出し、大層な繁盛ぷりを見せました後は、お馴染みの場面。
妊娠~出産~女房急死と進みまして、
最後は乳母の訴えに半信半疑の亭主が次の間に控える中、赤子がむくっと起き上がり行灯の油差しから湯呑みへ油を入れて飲みます。
亭主が襖をさっと開け(ここも芝居掛で)『爺!化けやがったな?』
『もう半分』と下げました。
私、その情景が目の前に現れてきまして、実際に総毛立ちました。

夫婦ともに悪党で亭主が老人を刺殺する今夜のこの版、雲助師が速記本から起こしたものと伺いましたが、大変見事な仕上がり。
従来の千住版に比べ人物像の設定に無理がない(千住版は居酒屋亭主の描き方に曖昧さが残る)ので、聴く側が噺にすっと入っていける気がしました。

いやぁ、お見事。素晴らしい高座でした。

~仲 入~

◆三遊亭円丈 『現代怪談噺~返事』

円丈師の二席は新作ですので、今後どんどん進化していくことと思います。

今夜は雲助師に尽きます。
『もう半分』一席の木戸だとしても高くはないね、などと家人と言い合いながら家路へ。

悪役が巧いと芝居が面白くなると言いますが、雲助師の悪党描写の確かさは、まさに圧倒的。
今夜もまた凄いものを観た充足感に身体が震えました。





Tag:落語会・寄席  Trackback:0 comment:0 

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喜洛庵上々

Author:喜洛庵上々
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寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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