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平成26年度 NHK新人落語大賞 10/27

10月27日(月)NHK新人落語大賞 NHKみんなの広場ふれあいホール

籤運に恵まれ初めての観覧。
こういう公開録画というのも経験なかった、かなぁ?
家人と連れ立って渋谷のNHKへ。

開場前に入場順を決める抽選が行われます。
掴んだ番号札が入場番号という訳。先着順ではないのですね。(籤を引く順番は先着順ですが)

抽選時に今日の出演者が紹介された冊子をいただきました。但しこの段階では、まだ出演の順番は不明です。
(当blogで演者・演題の後に記す師匠/入門/抱負は、このとき配布された冊子より引用させていただきました)

小一時間後に再び集合。
今度は番号札1番から20番、21番から40番といった具合に列を作り、順に入場。

300席弱ぐらいかな?間口の広いスタジオ、客席はフラットで高低差はありません。


番組スタッフから諸説明、注意などの後、司会の林家たい平師と藤井彩子アナウンサーが登場。
104人参加の予選を勝ち抜いた5人が今日の出演者であること。
持ち時間は11分で、12分を超えると失格となること。などを客席に伝えてくれました。

審査員は、桂米丸師、桂文珍師、松倉久幸氏(浅草演芸ホール会長)、恩田雅和氏(天満天神繁昌亭支配人)、山本一力氏(作家)、神津友好氏(演芸作家)、三溝敬志氏(NHKエンターテインメント番組部長)の七人。


◆春風亭昇吉 『紙屑屋』
師匠:春風亭昇太〈2007年4月入門〉
(今年で3年連続本選出場)今回は、最後にお客さんの心をがっちりつかむ演出を用意して挑戦します!

東京大学卒業、とたい平師に紹介され登場。
『落語界の羽生結弦です』確かに似た雰囲気、かな?

本編は私にとって馴染みの薄い演目です。
道楽者の若旦那が紙屑屋に奉公する事となり、紙は紙、金物は金物と選別する仕事を始めますが、隣家が稽古屋で三味線の音色が・・・
聞こえてくる糸に乗せ都々逸を唄う、踊りだす、芝居振りをするなどの若旦那の浮世離れした姿を、はめもの入りで描写するといった噺。

初手の都々逸でいい喉を披露してくれて『面白いなぁ』と前へ乗り出しました。

進むに連れて、高座で立って踊る、そして高座を降りて客席との間で芝居振りで横座りになる、手鞠つきでは高座一周 “あひる歩き” と立体落語を披露。
抱負にあった『お客さんの心をがっちりつかむ演出』が、これなのね。
中手が頻繁に送られていましたが、う~ん・・・

この『新人落語大賞』ならではの演出なのでしょうけれども、寄席では見かけないこの手の外連を『見せ場』とする感覚が、私には理解出来なかったなぁ。
敢えて上方噺を掛けたことも・・・?
『稽古屋』では駄目だったのかなぁ?という感じがしました。


◆笑福亭べ瓶 『真田小僧』
師匠:笑福亭鶴瓶〈2002年5月入門〉
鶴瓶師匠と奥さんには修行中本当によく叱られたので、叱られた経験を糧に恩返しをしたいです!

膝隠しを使っての高座。
お馴染みの、と言ってもお金の高は五銭単位の『真田小僧』。

声にも恵まれていて、間も大変いい感じ。
子供が父親を焦らす描写などは相当戯画化して演りましたが、違和感はありませんでした。それだけ私が引き込まれていたのでしょう。

入門十二年強、つまり東京ならば真打目前の噺家さんですので安定感は抜群です。
押してくるので好みは分かれましょうが、完成度は高かったですね。
好演でした。


◆桂三度 『隣の空き地』
師匠:桂文枝〈2011年3月入門〉
もし大賞が獲れたら、そこが落語家としてゼロからのスタートだと思うので頑張ります!

唯一、新作での出場。自作の噺とのこと。
噺家入門は三年前ながら、タレントとしての出発は1991年11月(ウィキペディア参照)。
四半世紀近い芸歴ということですね。

『時うどん』を縮めて演りますと・・・なんて調子で始め、映画タイタニックや南極物語を『二、三行の短縮版』で披露した後、逆に『隣の空き地に囲いが出来たね』、『へぇ~』の遣り取りを伸ばしたらどうなるのだろう、という振りから本編へ入りました。

洒落の解らない、勘の鈍い後輩。その後輩に振り回される先輩。
二人の話は思いがけぬ展開になっていきます。

三度さん、活き活きとした会話で引っ張り、客席に爆笑をもたらしました。
お見事。
話芸は勿論、噺そのものもまた面白かったです。


◆三遊亭歌太郎 『たがや』
師匠:三遊亭歌武蔵〈2004年8月入門〉
3年前よりは心に余裕があるので(3年前にも本選出場)、「お客さんが一番喜んだ」という意味での大賞が欲しいです!

配布された冊子で歌太郎さんの根多を知った時、『たがや』という選択はどうだろう、客席への訴求力といった点でやや厳しいかな?
と思いました。

果たして歌太郎さん、前方の三度さんの噺ではありませんが、相当の短縮版で演りました。

コマ送り(スローモーション)描写の工夫もあり、愉快な高座。
特筆すべきは啖呵の切れ。これは凄かったですよ。大迫力。

しかしながら侍側の人物造形が略筆だった為でしょうか(侍側のみならず、全てが略筆でしたが・・・)。
聴いていて私、『同じ場面を繰り返し観ている』様な感覚に陥りました。

たがや本人も急に居直った風でしたし、矢張り尺がきつかったのかなぁ?
展開、描写ともに『コマ落とし気味』になってしまった印象でした。


◆春風亭朝也 『やかんなめ』
師匠:春風亭一朝〈2002年5月入門〉
一之輔兄さんに追いつけ追い越せで頑張っていきますし(4年前に兄弟子の春風亭一之輔が大賞を受賞)、優勝して師匠にも喜んでもらいたいので頑張ります!

『癪』や『合い薬』を説明しながら、さっと本編へ。
場面描写が上手ですね。目に浮かぶ様です。

この『やかんなめ』、一昨年11月17日、鈴本演芸場で行われた『柳家はん治の会』の、柳家さん弥さんの高座が大変面白かった記憶が私には残っているのですが、今夜の朝也さんも中々でしたね。

お供が笑い転げる様子の直接描写が割愛されたのは、限られた時間の所為かな?
寄席の持ち時間で聴き直したい、という感じ。好演でした。


さて、結果発表・・・
一席終わるごとに、たい平師に指名された複数の審査員が講評する形式でしたが、皆さん当たり障りのないコメントに終始し実際の採点がどうだったのかは見当もつきません。

私は、上方のお二人と朝也さん、この三人の争いかな?と思いました。

春風亭朝也さんが大賞受賞。

七人の審査員が10点満点で採点した結果、松倉氏と神津氏お二方が朝也さん満点。
米丸師が8点と辛目の点でしたが、文珍師、恩田氏、山本氏、三溝氏がいずれも9点を付けて合計64点。
次点は春風亭昇吉さん、62点。

朝也さん、本当に嬉しそうでした。
大賞受賞、おめでとう!


跳ねて家人と『本気モードというのか、五人ともに物凄い迫力だったね』
『朝也さんの大賞は揺るぎない感じ』
『上方勢の二人も面白かったね』
『歌太郎さん、根多選びが・・・』
など語り合いながら家路へ。

いやぁ、実際『本気モード』ってあるのですね。
志ん生師匠が『芸と商売とは違います。始終芸を演っていたのでは、身体が保ちません(大意)』と言ったのをどこかで目にした覚えがありますけれども、なにかその言葉を思い出して家人にも紹介した次第。

最後に喜洛庵の「ひとくち講評」を。本文重複ご容赦。
昇吉さん、客席うけは良かったのですが、外連に活路を見出すのは勿体ない。
べ瓶さん、押し芸お見事。しかし若干の「作っている感」を私は持ちました。自然体を大切にされてはいかがでしょう。
三度さん、書き手としても既にご活躍の様子ですが、二刀流で行かれるのかな?新作、楽しみにしています。
歌太郎さん、素晴らしい口跡、そして啖呵を活かすことの出来る噺が他にあったのでは?
朝也さん、今夜は文句なし。長い尺で聴いてみたいです。

今夜出場の五人、皆さん熱演。素晴らしい会でした。
益々の活躍を期待し、応援していきたいと思います。




Tag:落語会・寄席  Trackback:0 comment:0 

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喜洛庵上々

Author:喜洛庵上々
喜洛庵寄席桟敷へお越しいただきまして、ありがとう存じます。
寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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