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第56回人形町らくだ亭 10/29

10月29日(水)第56回人形町らくだ亭 日本橋劇場

今夜のらくだ亭は『サライ』創刊25周年記念特別公演。
レギュラー勢揃い。そして主任さん喬師は『らくだ(通し)』と触れられています。


◆柳家さん坊 『穴子でからぬけ』
下げの一言を『穴子だよ』と悪魔の囁きの様に演りました。
噺の味わいががらりと変わるのですねぇ、一言の表現によって。
こういう捻った型も面白いですね。

◆五街道雲助 『商売根問』
愉しげに陽気な高座。
以前、日本橋亭で聴いた時には冒頭の『御隠居さん居ますか』の一言を上方言葉で演りましたけれども(この時『上方由来の噺なので』と流暢な上方弁で説明してくれたのを覚えています)、今夜は普通に入りました。

能天気な男の珍商売は、雀、鶯、河童。
笑った笑った、大笑い。

◆柳家小満ん 『溲瓶』
パリの蚤の市風景を枕に本編へ。
お洒落で粋な風情の高座。
聴く者を小満ん師の世界へ引き込んでくれました。

古道具屋で物を買うものじゃあないですな。
好高座。

◆古今亭志ん輔 『もう半分』
『人というものは魔が差すということがあるのでございますが・・・』といきなり本編へ。

と、思いきや千住の居酒屋の品書きを語りながら、十代目馬生師に年始に出向いた際にいただいた『豆腐の煮浸し』の美味しさが忘れられず、お中元の時にその作り方をお内儀さんに習ったという挿話で脱線。
出汁、味醂、酒、醤油ですか。今度作ってみようっと。

慌てて忘れ物を取りに戻って来た八百屋のお爺さんの相手は、専ら女房がして亭主は最後に突き飛ばす場面でのみ登場。
更に亭主は止める女房を振り切り、金包みを持ち、駆け出して爺さんの後を追います。

所謂怪談場面はさらりと演った印象。
ただこれは、私が雲助師の怖いのを何回も聴いている為に、あっさり目に感ずるだけかも知れません。

私には、志ん輔師が努めて怪談方向へ行くまいとしている様に思えたのですが・・・
亭主が本来は好人物で、ただその瞬間だけまさに “魔が差した” 為に・・・という説話的色彩で纏めたいとの試みだったのかな?
好演でした。

~仲 入~

◆春風亭一朝/太田その 音曲『黒髪』
その姐さんの喉と糸。一朝師の笛。
聴いているこちらも普段と異なる高座風景に緊張。
一朝師の真剣な表情が印象的。
面白い趣向でしたね。

緞帳を下ろしてからも繋ぎの曲で笛の演奏は続きました。これもまた好い雰囲気。

◆柳家さん喬 『らくだ』
出囃子に笛が加わり豪華な感じ。映えますね笛が入りますと。

座についたさん喬師がぽつり。
『私、一朝師と一緒に笛を習い始めたんです』
『二ヶ月で止めちゃいました、ひゃーの音も出ないで・・・』

本編は独特の演出。

あくまで暗く重い語り口調。

屑屋(留さんで演りました)が『あっ、いけねぇ、らくださんとこで声出しちゃった』と独りごちる場面で、次の瞬間がらり表情を緩ませて『へい、屑屋でござい!』と満面の笑み。
私、どきっとしました。
さん喬師、ここで屑屋の留の二面性を鮮やかに表現、凄かったなぁ。

あと、らくだの描写なのですが『土間に頭を落として寝ている』と兄貴分の“どぶろくの政”に言わせたり、手を前に突き出して硬直したらくだの死骸の姿をやってみせたり、凄惨さが目立ちました。

今夜のさん喬師の演出ならば、通しではなく長屋場面で切っても好かったのじゃないかなぁ。
まぁ、通しを根多出ししているのですから無理な話なのですが、屑屋留の造形が素晴らしかったので、後半が余分な印象でした。


跳ねてSさんKさん、そして初対面のI女史に混ぜていただき、四人で居残り会。
愉快な会話に美味しい料理。時の進むも瞬くうち。様々な話題で賑やかに呑ってお開き。

人形町らくだ亭、次回は12月25日(木)開催。
主任喜多八師『睨み返し』、小満ん師『権兵衛狸』、雲助師『くしゃみ講釈』、桂九雀師『土橋萬歳』、三笑亭夢吉さん『思ひ出』と発表されています。



Tag:落語会・寄席  Trackback:0 comment:0 

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喜洛庵上々

Author:喜洛庵上々
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寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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