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鈴本11中夜 志ん輔・扇遊の会 11/11

11月11日(火)鈴本演芸場 夜席

鈴本11中夜は “寄席DAYパート49 鈴本特選会” 。
独演会形式の番組が日替わりで予定されています。
初日の今夜は、古今亭志ん輔師と入船亭扇遊師の二人会。
非常に楽しみです。

鈴本へ着きますと入口は人、人。
テケツは立ち見を売る盛況。満員御礼。


◆柳家花どん 『元犬』

◆入船亭扇遊 『短命』
下手前方から素晴らしく良い声、速度感で『待ってました!』
これほど絶妙の声掛けは中々聞く機会がありません。名人芸。
大抵が間延びしちゃったりで『よせば良いのに・・・』と思うことが多いのですが。

扇遊師、先ずはお馴染みお天気の半井小絵さんの話題から。
そこから “いつまでも美しい草笛光子さん” と振って本編へ。

御隠居さんとの問答場面は、そうは溜めないで、割にすらすらっと。

圧巻は帰宅してから。

女房の造形が凄い。
『支度は出来てるわよ!』
と、鼠いらずに昨日の鮭の残り、おつけは今朝の残り、などと残り物の置いてある場所を言い立てる。
『お前、それ、ある場所を言ってるだけじゃぁねぇか』と亭主。
これでは、顔を見るまでもなく・・・『短命』・・・ですな。
愉快な高座でした。

◆古今亭志ん輔 『黄金餅』
私にとっては昨年10月8日の “志ん輔三夜” 以来、約一年振りとなる志ん輔師の『黄金餅』。
10月8日 志ん輔三夜 第三夜 国立演芸場

いつものようにふらふらと登場し着座した志ん輔師が、今夜のお客様への御礼やご挨拶を一通り終えて
大師匠志ん生師のお内儀さんの箪笥貯金の話だったかな、枕を喋っている最中に・・・
最前列のお客様がゆったりとした動作で席を立ち、退場するという珍事。
下手のお客様でしたので、もろに高座前を横切ってロビー方向へ歩いて行くものですから堪らない。

『お気に召さなかった御様子で・・・』と志ん輔師。
寄席以外の独演や二人会でこうした光景に出くわすのは三十年も前に一度、談志師匠の高座以来ですねぇ、私。
お陰であの時の演目が『たがや』だったことを覚えていますが・・・

噺の方は澱みなく進み、道中の言い立てで中手。今夜は言い立てが丁寧でゆっくりだった感じ。
“息も継がずに” という感じではなかったので『私も草臥れた』は入れなかった模様(中手で私が聞き取れなかったのかも?)

読経する和尚の描写が秀逸。
また鈴(りん)の代わりに時折鳴らす欠け茶碗が、欠けてるが故に響かない、なんて辺りは大爆笑。進化していますなぁ。

およそ四十分の高座。“志ん輔三夜” の時に比べ、こなれている印象。好演。

~仲 入~

◆古今亭志ん輔 『ふぜいや』
枕で二つ目専用館の神田連雀亭の話題をちらり。

そう言えば前席の『黄金餅』で金兵衛が独りで桐ヶ谷の焼き場へ仏様を運ぶ際、
『奥の方から連尺を出して来ましてこれを引っ背負って・・・』との描写を志ん輔師がしました。
折よく、blog先輩の幸兵衛さんが、関連する記事を執筆掲載なさっています。どうぞご一読、御参照下さい。
『噺の話』 “幸兵衛の独り言”
「神田連雀亭周辺の老舗について。」



さて『ふぜいや』
私はお初なのですが、そうですねぇ『西行鼓ヶ滝』に似た夢の様な噺なんですね。それより童話に近いでしょうか。

喬太郎師の『路地裏の伝説』や『諜報員メアリー』などにも共通する部分があるかしらねぇ。

お祖父さんに手を引かれた孫の “まさる” この二人の散歩場面から物語が始まります。

道に迷ったお祖父さん、『ここはどの辺りだろう、おおあそこにお店があるから尋ねてみよう』と、古びた駄菓子屋『ふぜいや』へ入りますが、そこには懐かしい駄菓子や玩具などが並べられていて・・・

それらを懐かしそうに手に取るお祖父さん。そしてその相手をするお店のお婆さん。
興味深い眼差しで見ている “まさる”。

客席はお祖父さん、お婆さん、まさるの三者に自らを投影して束の間のタイムスリップ。

志ん輔師、ゆったりとした口調でしみじみと演ってくれました。
二十分強の不思議な空間体験。
好高座。

◆ロケット団 漫 才
客席に初見が多いと判断したか、今夜は珍しく新しい根多の入らない定番版で。
『2020年の東京五輪なんか、メダル獲得も相当増えるでしょうが・・・カメラも何個取るか判りませんよ!』

◆入船亭扇遊 『木乃伊取り』
中の舞の糸で出て、さっと本編へ。

冒頭の大旦那、お内儀さん、番頭、三者の会話風景がまずもって秀逸。
噺に引き込まれます。
私自身も『まったく、どうしたもんだろうねぇ』と、一緒になって考えている感じになりました。
この時、番頭佐兵衛が垣間見せる若干あやふやな雰囲気がまさに落語。愉快でしたねぇ。

鳶頭の造形がまた良かった。軽薄まで行く寸前で食いとどまっている、そんな感じ。
そして土手で鳶頭に声を掛ける幇間。この場面も面白かったなぁ。

扇遊師はまた飯炊きの清蔵が滅法上手いのですよ。
こう頑固で一本気な様子、直情型と言うのかなぁ、そんな雰囲気を巧みに伝えてくれました。
その清蔵の表情、口調が呑むほどに酔うほどに柔らかくまた滑らかとなる、ここも見所ですね。

主任高座に相応しい素晴らしい出来。長講四十五分。
恐れ入りました。


跳ねてめっきり寒くなった風を頬に感じながら
『早く連雀亭に行ってみたいなぁ』と独り言。
行けば神田界隈の『ふぜいや』で、不思議な幻想体験が出来るかしら。




Tag:落語会・寄席  Trackback:0 comment:4 

Comment

佐平次 URL|
#- 2014.11.13 Thu11:04
ああ、無理にでも行けばよかった。
喜洛庵上々 URL|
#SFo5/nok Edit  2014.11.13 Thu13:17
>佐平次さん

体調はいかがでしょう。
ひょっとして、予約されていたのを自重されたのでしょうか?
(私の風邪、少し良くなってきましたのに、またぶり返しちゃいました・・・)

来年は是非!

扇遊師は独演会をあまりされず、睦会をはじめ複数のお仲間との会が多いですね。そんな控えめな雰囲気がまた私は好きです。
小言幸兵衛 URL|この二人会、次回はぜひ行きたい!
#- 2014.11.13 Thu21:23
リンクしていただき、ありがとうございます。

今夜も、池波正太郎の本から、連雀町の由来を引用させてもらいました^^

入門、そして真打昇進も同じ二人の会、なかなか縁がなかったのですが、ぜひ次回は行きたいと思います。
志ん輔の『ふぜいや』は、聴いたことがありません。
喬太郎の『孫、帰る』に近いのかなぁ?

やっぱり、実際に聴くしかないですね^^
喜洛庵上々 URL|来年は是非「総見」と参りましょう^^
#SFo5/nok Edit  2014.11.13 Thu22:35
>幸兵衛さん

すみません、コメント作成中に途中送信してしまいました。

こちらこそリンクいただきまして、ありがとう存じます。
『ふぜいや』は、『孫、帰る』程のシリアスな内容ではありませんが
白昼夢的な味わいという意味では共通点があります。
気軽な物語ではありますが、ひょっとするとお祖父さんは「降りてきた人」との解釈も
成り立つかも知れません。

この志ん輔・扇遊の会、来年は是非総見と洒落られるならば愉快ですね^^


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喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)

Author:喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)
喜洛庵寄席桟敷へお越しいただきまして、ありがとう存じます。
寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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