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鈴本11下昼 11/27

11月27日(木)鈴本演芸場 昼席

『鈴本の下席、文菊さんの芝居だよ。仲入が雲ちゃんだし行こうよ』
と鑑賞歴の長い友人を誘っていたのですが・・・
下席で二人の都合が合致したのは本日27日のみ。

『夜は貸切だよぉ、駄目だわぁ』
『末広はどうなの?』
『昼が幸丸師匠、夜席は歌さん』
『混みそうだね・・・じゃ鈴本の昼は?』
『本来の昼席主任は一朝師だけど今日は代跳、志ん輔師匠。仲入は白酒師』
『おっ、志ん輔さん!聴きたいね』
ということで、鈴本演芸場へ二人旅。


桃月庵はまぐり 道灌
春風亭朝之助 幇間腹
アサダ二世 奇 術
林家しん平 初天神
橘家文左衛門 手紙無筆
大空遊平・かほり 漫 才
三遊亭若圓歌 西行
柳亭燕路 悋気の独楽
三増紋之助 曲独楽
桃月庵白酒 茗荷宿

~仲 入~

ホームラン 漫 才
春風亭百栄 コンビニ強盗
桂藤兵衛 子ほめ
江戸家猫八 ものまね
古今亭志ん輔 子は鎹


◆はまぐり 『道灌』
本日夜席は団体貸切ですが、昼席も団体のお客様が入っていらっしゃいました。
お弁当を広げたり、お隣同士でちょっとした会話があったり、そんな騒がしさを特段声を張ったりすることなく次第々々に静め、自然に高座へ目を向けさせる辺り中々のもの。
以前にも思いましたけれども、はまぐりさんは良い声をしていますねぇ。通りが良くて発音も綺麗。
好演でした。

◆朝之助 『幇間腹』
つい先だって国立演芸場の “志ん輔の会” で聴いたばかりなのですけれども、一八の描写が心なしか進化した様に思います。。
滑稽味の勝った印象に変わりはありませんが、何というのか『より噺らしくなった』感じ。面白かったです。

◆アサダ二世 奇 術
コップとハンカチ、袋と卵、1(A)と13(K)、お札
お元気そうで何より。
愉快に騙してくれました。

◆しん平 『初天神』
初手の『連れて行く、行かない』から金坊が矢鱈と大きな声で愚図るのが特徴的。
それと『父ちゃんはな、願い事があって行くんだ』と初天神へ詣る理由を明言します。
しん平師のこの一言で、なにか古の時代の信心深さ、生活に根付いた信心といったものに想いを寄せることが出来ました。

『ねぇ、熊手買ってぇ!』
『熊手?・・・熊手って幾らするんだ?』
『え~っとねぇ、え~っと八億円』
『もっと安いものにしろ!、大体な、国会議員なんて悪い事をしていても少し姿を隠してれば無かった事になっちまうんだから』
文章にすると脈絡のないものになりますが、これ聴いた時には違和感なく大笑いしました。
飴屋まで。好高座。

◆文左衛門 『手紙無筆』
正朝師代演。
十八番をさらりと。
『先は道路工事で行かれない』まで。
う~ん、巧いなぁ。

◆遊平・かほり 漫 才
お馴染みの根多でしたけれども、客席に初見が多かったのか、かなり沸かせました。

◆若圓歌 『西行』
北面の武士佐藤左兵衛尉憲清が、出家して西行法師となる顛末を、染殿の内侍との和歌の遣り取りを中心に据えて描く地噺。
本来は破礼噺だった筈ですが、若圓歌師、割合と綺麗に噺を進めました。
流石お家芸、といったところ。

◆燕路 『悋気の独楽』
圓太郎師代演。
安定しているなぁ。
何回も書いていますが、燕路師の高座に接すると『寄席に来たなぁ』と強く感じますねぇ。
手堅く、また大変面白く演ってくれました。好高座。

◆紋之助 曲独楽
掛け違ってお久し振りです。
相変わらず元気一杯。
張り切って演ってくれますので、観ているこちらも自然と笑顔となりますね。

◆白酒 『茗荷宿』
今席は馬石師と交互で仲入を勤める白酒師。
金原亭お家芸のこれを掛けてくれました。
少し抑え気味に渋く演った印象。
好高座。

◆ホームラン 漫 才
ロケット団代演。
差し歯~東京五輪。お馴染みのところ。
五輪音頭でたにし先生の当て振り、お見事。

◆百栄 『コンビニ強盗』
白鳥師との交互出演で今席を勤める百栄師、何を掛けてくれるか楽しみです。
出だしの緊張感から一変、結末はほのぼのと “温かい” のが素晴らしい。楽しめました。
傑作。

◆藤兵衛 『子ほめ』
何かまた珍しいところを演るのかと思いの外、今日は前座噺と捻りました。
こんなにも面白いのか、と驚いたり感心したり。
手練れの師匠の演る前座噺って本当に愉快ですねぇ。

◆猫八 ものまね
お馴染みのところを短めに。
何か今年は夏から冬へと気候が激しく移り変わり、秋を感ずることなく冬支度となってしまいましたけれども、猫八先生の鈴虫で秋を楽しみました。

◆志ん輔 『子は鎹』
殆ど枕を振らずにさっと本編へ。
“上”、“中” を地噺で説明した後、番頭さんが熊さんの家へ迎えに来た場面から。

番頭さんが茶室の普請を切り出すその会話中に、煙草盆を引き寄せ手にとり煙管に火を着ける、喫む、叩く。
この仕種を会話中に入れた為に一気に写実性が高まりました。
二人で木場へ向かう道すがらの会話風景がこれまた絶妙。実際に歩いている様な臨場感。
私など、この冒頭の演出ですっかり噺へ引き込まれ、ここから先は『もうどうにでもして!』状態。

金坊との再会場面、二人の微妙な表情の変化、これが刻々と変わっていく。
金坊は不審化な表情から笑い顔、泣き顔、懇願する甘えた表情。
熊五郎は、不安、安心、笑い顔、泣き顔、そして父親らしさを取り戻したかの様な自信の表情。

志ん輔師独特の細かい演出で、場内は水を打った様な静けさ。
息を呑んで成り行きを見守る、そんな風情。

これで寄席の尺にきちんと縮めているのですから凄いですね。
再会場面、そして金坊と母親の遣り取り、鰻屋の二階での母親が来る前の描写、そして三人になってからの遣り取りなど、少しづつ摘んで尺を合わせました。
これが奏功、まったく息の抜けない緊張した展開となり充実した一席。
いやぁ、恐れ入りました。
名演。


跳ねてアメ横をぶらぶら歩きながら
『志ん輔師匠、独演会並みの熱演だったねぇ』
『軽妙な噺が得意なのに人情噺も名人級なんだなぁ、驚いたよ』
『だろう? “柳田” なんかも凄く好いんだぜ』
と、二人とも主任高座の名演に興奮気味。

『しん平師、珍しく噺を演ったね』
『これがまた好演でした』
『燕路師、白酒師も好かったなぁ』
など、いつもより饒舌だったのは好高座が目白押しだった所為でしょう。

いやぁ、満足、満足。




Tag:落語会・寄席  Trackback:0 comment:0 

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喜洛庵上々

Author:喜洛庵上々
喜洛庵寄席桟敷へお越しいただきまして、ありがとう存じます。
寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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