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古今亭文菊独演会 12/3

12月 3日(水)古今亭文菊独演会 にぎわい座

鈴本11下夜の主任興行を終えたばかりの文菊師。
今夜の横浜にぎわい座独演会は『柳田格之進』、『不動坊火焔』の二席が根多出しされています。

二階こそ開きませんでしたけれども、ほぼ満員のお客様。そして特徴的なのは女性客の多さ。七三の割合だったのじゃあないかなぁ。驚きました。


◆林家けい木 『牛ほめ』

◆古今亭文菊 『不動坊火焔』
まずは市川海老蔵丈が中心となって展開した「JAPAN THEATER」の話題から。
能、歌舞伎(舞踊)、邦楽などに加え、落語も間へ挟まっての舞台。
文菊師のお家と市川家とは深いお付き合いと伺っておりますので、そんなご縁でお声が掛かったのでしょう。
東京は日本橋三井ホール、その後京都南座。
そしてシンガポールまで足を伸ばし伝統文化を紹介したそうです。

シンガポールでは『転失気』を英語版で披露したところ、会場を埋めた千六百人程のお客様にうけにうけたとの事。
『もうね、日本に帰りたくなくなっちゃいました』

シンガポールのカジノでの海老蔵丈の豪快な賭けっぷりから、男の悋気を仕込みつつ本編へ。

“吉つぁん” が大家に婚礼を切り出される場面から。
湯屋で身体を洗いながら、また湯船に入ってからも止まらない独り言。嬉しくてしょうがない感じ、上手く描写しましたねぇ。

大家との会話で、また湯屋での “妄想” 場面においても文菊師は “囁き声” を多用。これが実に効果的。
描写の写実性を高めました。

また、この囁き声の演出は『振られ連中』の相談場面、また夜になってからの屋根上の “幽霊準備” 場面でも効果的に用いられました。
それと、梯子を昇る仕種、また幽霊の吊られた様子なども、工夫を凝らした表現。
まるで目の前で実際に見ている様な感じ。

非常に丁寧に噺を紡いだ印象です。
枕も含め五十分の長講。好高座でした。

~仲 入~

◆マギー隆司 奇 術
袋とハンカチ、宙に浮くお札、カード当て。
隆司先生の軽妙な話術で大いに笑いました。面白かったなぁ。

◆古今亭文菊 『柳田格之進』
黒紋付に着替えて登場。

枕無し、いきなり『江州彦根藩・・・』と始まりました。

口演する師匠方それぞれで型が違うと言っても過言ではない印象の『柳田』。
今夜の文菊師も古今亭伝統の型ではなく、独自型を披露してくれました。

まず気づいたのは、物語の主役が「万屋源兵衛と柳田」ではなく「番頭徳兵衛と柳田」な事。
今夜の『柳田』は、前席と同じく男の悋気を主題にした印象。
徳兵衛は嫉妬心から柳田宅を訪問。難詰めします。
それと茶利場の割愛。
例えば、柳田失踪直後の行方探しには全く触れません。

言わば余話は出来るだけ刈り込んで、主題を明確にした、そんな感じ。

そしてこれは文菊師型独特だと思いますが、
お絹は吉原へ身を沈めた後、肌身を許すことなく自害した、と柳田の口から源兵衛、徳兵衛に伝えられます。

自害となると “身請けして番頭と夫婦に” より “実話っぽく” なりますね。

志ん生師、志ん朝師の “身請けして番頭と夫婦に” は如何にも落語ではありますけれども、
あれはあれで聴く側は納得してしまうのですよね。身請けが後回しでも。

志ん輔師型の仕官後直ちに身請けし “仏門に入ったが心を病んで・・・” の方が私は好みではありますが、
自害というのは武士の娘として当然かも知れないなぁ、と思いました。

一つ、これは演出上仕方ないのでしょうけれども・・・
湯島切通で柳田と番頭徳兵衛が再会した時に、鳶頭が先に帰ったのにもかかわらず、主人源兵衛に “柳田発見” の報が伝わっていないのはちと不自然でした。
ここはひと工夫欲しかった感じ。

源兵衛が番頭徳兵衛に用事を言いつけて徳兵衛を外へ出そうとする場面は割愛され、
二人で柳田の訪問を待ちますが、この「待ち」の描写、そして柳田来訪後の “主従庇い合い” 見応え充分でした。

四十分あまりにまとめた文菊師版『柳田』。
お見事でした。


跳ねて外はまさに寒風。
歩きながら『馬石師の “柳田” をまた聴きたいなぁ』など独りごちながら家路へ。



Tag:落語会・寄席  Trackback:0 comment:0 

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Author:喜洛庵上々
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寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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