FC2ブログ

2014年下半期回顧 その1 7~9月

2014年(平成26年)下半期回顧 その1 7~9月

早いもので今年もあと一ヶ月で来年へバトンタッチ。
四週間後の木曜日には『明けましておめでとうございます』とやっている訳です。

6月に掲載しました2014年上半期回顧 その1その2 に続きまして、下半期(7月~12月)印象に残った高座について家人と振り返ります。
まずは下半期前半、7月~9月篇。


私 『下半期の最初は鈴本演芸場夜席、菊之丞師の芝居だね』
家人 『私は行かなかったけど、Fさんと?』
私 『そう、Zちゃんと二人』
家人 『どんなだったの?』
私 『良い意味でティピカルな寄席の流れだったよ。二つ目の鬼〆さんが流れの土台を作った感じ』
家人 『そういう事って多いの?』
私 『多いと言うか・・・日常と言えるのじゃないかなぁ。この日は出演の師匠方の高座も粒揃いで、本当に寄席を楽しめた』

家人 『あなた翌日も国立の昼席へ行ったのね』
私 『ああ、芸協の披露目ね。講釈の京子先生の真打昇進披露でした』
家人 『帰ってきてから、ボンボンブラザースを誉めていたわね』
私 『何度もblogに書いているけれども、芸術協会は色物の先生方が充実しているし、伸び伸びと演っているね』

家人 『鈴本7上昼の燕路師匠の芝居も・・・なんだか7月は上席から随分行ってるね』
私 『燕路師、好きなんだよ。 それにさぁ川柳師、はん治師、文左衛門師に志ん輔師、一之輔師ですよ、オールスターじゃない?』
家人 『どうだった?』
私 『仲入の文左衛門師 “夏泥” が絶品。 あと志ん輔師の十八番 “豊竹屋”、主任燕路師 “青菜” が印象的でした』
家人 『一席に絞ると?』
私 『文句なく文左衛門師の “夏泥” ですな』

家人 『中席は国立の市馬師匠の芝居。二回観ているのね』
私 『うん、ここは市馬師は勿論だけど、小里ん師が仲入だったので予約したんだったな』
家人 『小里ん師は雰囲気を持っていらっしゃるものね』
私 『小里ん師の “青菜” と “二階ぞめき” は両方とも印象高座だなぁ。素晴らしかったよ』

家人 『雲助師匠のにぎわい座独演会、好かったよね』
私 『“手紙無筆”、“酢豆腐”、“唐茄子屋政談” だったね。 この日の印象高座は、人情味に溢れている上に、徳三郎の言葉に疑いを持たないという新しい造形で客席を大いに唸らせてくれた “唐茄子屋政談” ですな』

家人 『翌日が五拾三次でお題は「鰻」だったね』
私 『“後生鰻” 、“鰻の幇間” 、“子別れ(通し)” の三席、素晴らしい晩だったなぁ』
家人 『“子別れ” をお葬式の場面からちゃんと聴いたのは初めてだったわ』
私 『実は私も生の「本当の通し」は記憶に無いんだよ。 権太楼師匠やさん喬師匠のを聴いた筈なのだけれども・・・。思うに「中」の長屋風景が略筆だった為に「通し」の印象が薄いのかも知れない』
家人 『70分があっという間だったわ』
私 『“強飯の女郎買い”、“浮き名のお勝” と熱演だったし、「下」の “子は鎹” がこれまた秀逸だったね。こうして話していてもあの時の感動を思い出して目が潤むよ。好かったなぁ』

家人 『7月はあと “白酒ひとり” と鈴本下夜の馬石師の芝居、国立名人会、そして龍玉師匠の独演会』
私 『うむ。その中では鈴本下夜が印象的ですな。 いつもの様にZちゃんを誘って出掛けたのだけど、志ん輔師 “岸柳島”、白酒師 “死神”、更に主任馬石師がまさかの “柳田格之進” と来て、それこそ名人会レベルの晩だったなぁ。それと白酒師は直前の独演会で演った “死神” より断然面白くなっていたし・・・あらゆる意味で凄かったよ』

家人 『龍玉師匠の独演会はどう?』
私 『“真景累ヶ淵” の「通し」という試みだったね』
家人 『普通は十回くらいに分けて演るのよね?』
私 『そうだね。だからまぁ “要約” 或いは “抄訳” というところかな。抜き読みだと一つ二つのエピソードを選んで演ずる訳だけど、それとは別の・・・矢張り “要約” でいいかな? 物語全体は長くてとても一晩では演じられないけれども、要約だから “累ヶ淵” を知らないお客様が “一夜” で物語の山場に触れることが出来る。そこが重要なんだろうと思う』
家人 『それがきっかけになって、お客様が物語全体に興味を持つ様になれば嬉しい事よね』
私 『勿論単なる紹介に終わってはいないし、一夜完結の脚本を作って演るのだから、大変な作業だし労力だよ。 生半な腰の据え方じゃあ出来ないさ』
家人 『今松師匠も長い噺の一夜完結版を演るけれども、色々と意味深いものなのね』

私 『さて8月だ』
家人 『国立上昼になんと四日間』
私 『志ん輔師の芝居で仲入が扇遊師匠だったのね。その上喜多八師が出演ともう大変』
家人 『何が大変なのよ、四日間も通っちゃって』
私 『・・・え~っとこの四日間では初日の志ん輔師 “子は鎹”、扇遊師 “厩火事”。 仲日の志ん輔師 “幾代餅”、扇遊師 “天狗裁き”。 楽日の喜多八師 “尼狐”、始さん “強情灸”を印象高座に上げたいな』

家人 『五拾三次は “怪談牡丹灯籠より栗橋宿~関口屋” ね』
私 『凄かったね。お峰殺しの場面の迫力、そしてお峰の幽霊の怖かったこと』
家人 『後半の “関口屋” も “お札はがし” の真相が判明したり興味深い一席だったわね』
私 『“栗橋宿~関口屋” という括りで印象高座だね』

家人 『8月9日の花形演芸会は?如何でした?』
私 『ここは主任志ん陽師の “らくだ” に尽きるなぁ。 志ん陽師は真打披露の大初日も “らくだ” を演ったのだけれども、この日の “らくだ” もまた素晴らしい出来だったなぁ』

家人 『中席は・・・にぎわい座の睦会からね』
私 『喜多八師が主任番で “ラブレター”、“落武者”、“茄子娘” の三席』
家人 『三席?大変ね』
私 『まぁ “落武者”、“茄子娘” は続けて演ったのだけれどもね。 この会では扇遊師の “三井の大黒” と主任喜多八師の “落武者~茄子娘” が印象的だったなぁ』

家人 『川柳師・つくし師の大倉山親子会、そして鈴本下昼の川柳師の芝居。あと8月の最後は31日の鈴本下夜、雲助師匠の芝居ね』
私 『雲助師は根多出しの芝居だったけれども、お目当て “中村仲蔵” が絶品でした』
家人 『雲助師匠は噺の中で矛盾が無いと言うか、登場する人の心情を凄く細かく設定している様な気がする。だから聴いていて共感しちゃうし、噺に入り込んでしまうのよ。素敵だなぁ』

私 『9月は国立の二日目、そして久し振りの「長講三人の会」からだね』
家人 『上席はあと・・・にぎわい座の一之輔師独演会、渋谷の雲助師一門会、にぎわい座の “白酒ばなし” に行っているわね』

私 『長講三人の会から権太楼師匠の至宝 “鰻の幇間”、所謂「よしおちゃん」。 渋谷の一門会では雲助師匠の “妾馬”。 あと、にぎわい座白酒ばなしの “二階ぞめき” だね、印象高座は』

家人 『9月の中席は、人形町らくだ亭、古金亭、にぎわい座の菊之丞師独演、同じくにぎわい座 “志ん輔三昧”、そして“五拾三次” だね』
私 『らくだ亭では雲助師匠が十八番の “干物箱” を演ったけれど好かったなぁ』
家人 『お父さんが疑わないのね、遊び人の息子を』
私 『親が子を思う情というのかね、巧みな描写でした』


家人 『古金亭は先代馬生師匠の三十三回忌追善公演』
私 『最初は出演が発表されていて、後で案内から名前の消えた中尾彬さん、池波志乃さん御夫婦も駆けつけて・・・』
家人 『嬉しかったわぁ、色々な話を聞くことが出来て』
私 『この日の雲助師 “子は鎹” がまた好かった』
家人 『泣いている人が大勢いらしたね』
私 『座談会では北村幾夫さんの話が興味深かったなぁ』

家人 『にぎわい座の志ん輔三昧は?』
私 『珍しい“猫忠”を上げておきたいな。 義経千本桜 四段目 “河連法眼の段” 狐忠信より、って奴だけど、これ演る師匠、他にいらっしゃるのかな?』
家人 『芝居心が無いと無理だわよね。あとお芝居が好きな人しか出来ないでしょう』
私 『圓生師匠のあとは・・・志ん輔師なのかなぁ? 市馬師も掛けるみたいだけれども、私は未見だなぁ多分・・・』

家人 『珍しいと言えば9月の五拾三次の “業平文治漂流奇談” もお初だったわ』
私 『あれ、お初じゃない人なんて居ないだろうさ』
家人 『雲助師は満足いかなかったみたいだけれども、私は印象に残ったわ』

私 『9月の最後は関内の小満ん師匠の会だね』
家人 『如何でした?』
私 『黒門町の直弟子が演る “寝床” を聴くことが出来たのは幸せだったよ。 がんもどきの製造法の件なんか、そのままだったし・・・素敵な会だったなぁ。来年からは欠かさず行きたい会だね』


家人 『まとめておきましょうか』

○文左衛門師(7/8 鈴本7上昼) “夏泥”

○小里ん師(7/11 国立7中昼) “青菜”

○雲助師(7/13 にぎわい座独演会) “唐茄子屋政談”

○雲助師(7/14 五拾三次) “子別れ(通し)”

○小里ん師(7/17 国立7中昼) “二階ぞめき”

○馬石師(7/24 鈴本7下夜) “柳田格之進”

○龍玉師(7/28 蜃気楼龍玉独演会) “真景累ヶ淵(通し)”

○扇遊師(8/1 国立8上昼) “厩火事”

○志ん輔師(8/1 国立8上昼) “子は鎹”

○雲助師(8/4 五拾三次) “怪談牡丹灯籠より栗橋宿~関口屋”

○扇遊師(8/5 国立8上昼) “天狗裁き”

○志ん輔師(8/5 国立8上昼) “幾代餅”

○志ん陽師(8/9 花形演芸会) “らくだ”

○始さん(8/10 国立8上昼) “強情灸”

○喜多八師(8/10 国立8上昼) “尼狐”

○扇遊師(8/12 睦会) “三井の大黒”

○喜多八師(8/12 睦会) “落武者~茄子娘”

○雲助師(8/31 鈴本8下夜) “中村仲蔵”

○権太楼師(9/5 長講三人の会) “鰻の幇間”

○雲助師(9/9 渋谷に福来たる 雲助一門集結編) “妾馬”

○白酒師(9/10 白酒ばなし) “二階ぞめき”

○雲助師(9/11 人形町らくだ亭) “干物箱”

○雲助師(9/13 らくご・古金亭) “子は鎹”

○志ん輔師(9/15 志ん輔三昧) “猫忠”

○雲助師(9/17 五拾三次) “業平文治漂流奇談”

○小満ん師(9/26 柳家小満んの会) “寝床”


私 『三ヶ月で印象高座二十六席かぁ』
家人 『7~9月は32回行ってるよ、寄席とホールで』
私 『三日に一度だね。ちと抑えないといかんなぁ』
家人 『下半期の後半は割合といつものペースに戻っているみたい』
私 『寄席に行っちゃうと回数が増えるんだよね、どうしても』
家人 『前半に目立った国立の定席公演に、後半は行っていないみたいね』
私 『まぁ好みの顔触れが少なかったのだと思うよ』
家人 『意識してセーブしているのかと思っていたわよ』
私 『へへ、残念でしたぁ~』


【2014年下半期回顧 その2 10~12月篇は、12月30日掲載予定です。】




Tag:雑記  Trackback:0 comment:4 

Comment

佐平次 URL|
#- 2014.12.08 Mon10:36
精励恪勤でしたなあ^^。
こうして拝読していると私ももっと頑張らなくちゃとも思うし、まあ、今程度が限界かなとも思います。
楽しむ力が衰えてきました。
喜洛庵上々 URL|溺れちゃったですね^^
#SFo5/nok Edit  2014.12.08 Mon15:13
佐平次さん、ありがとうございます。
今年は少しばかり「溺れて」しまった感がします。
家人にも『来年も寄席へ行く回数が多くなると思うから、ホールを厳選しようかな』と“言い訳”しているところです^^
小言幸兵衛 URL|流石!
#- 2014.12.10 Wed18:33
凄い数、そして記憶力!

お二人の会話が聞こえてきそうです^^

ご一緒できたのは、小満ん『寝床』のみかもしれません。

同じ会ではないですが、噺家さんとネタということで、扇遊『厩火事』『三井の大黒』、志ん輔『子は鎹』、権太楼『鰻の幇間』あたりは同感できます。

私は、週一位の回数です。年内残る落語会・寄席は、2、あるいか3回かな。

また、お会いできるのを楽しみにしております。
喜洛庵上々 URL|
#- 2014.12.11 Thu09:46
幸兵衛さん、コメントありがとう存じます。
今年は少し「過ぎた」感じがします。
しかし幸兵衛さんとのご一緒が先だっての小満ん師だけというのも
意外ですね。
それだけ多くの落語会が開催され、選択肢が増えているのでしょうね。

私も年末の落語会はいくつか予約をしておりますが、
寄席は鈴本下席の「琴調六夜」へ行きたいなぁと考えています・・・
行けるかな?^^

来年もまた宜しくお願い申し上げます。
comment form
(編集・削除用):
管理者にだけ表示を許可
プロフィール

喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)

Author:喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)
喜洛庵寄席桟敷へお越しいただきまして、ありがとう存じます。
寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

最新トラックバック
検索フォーム
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR