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らくご街道 雲助五拾三次 -大晦日- 12/24

12月24日(水)らくご街道 雲助五拾三次 -大晦日- 日本橋劇場

雲助五拾三次、第二十一宿 -大晦日- 。
確か昨年もクリスマスイヴの開催でした(『名人長二』 請地の土手~清兵衛縁切り)この五拾三次。
今年もイヴに “集合” が掛かりました。

今夜は雲助師『芝浜』、客演市馬師『掛取』と前触れされています。


◆五街道雲助 『身投げ屋』
いきなり箱根八里の出囃子で雲助師登場。
正月のあれこれ、今昔を枕に地見屋~身投げ屋へ。

最初はあっさり百円をせしめますが、次の職人風の男は一文無し。
電車の切符を渡して去っていきます。
この切符に鋏が入っているというのが、面白くまた懐かしい感じ。

盲人と子供の二人連れ、特に盲人の描写が素晴らしい。
顎を上げ白眼を剥いて喋る様など、如何にもといった風情。
面白かったなぁ。

◆柳亭市馬 『掛取』
狂歌、相撲、喧嘩、芝居、三橋美智也で演る市馬師独特の型。
“相撲” の四股名尽くしでの言い訳、その後の相撲甚句、そして喧嘩、芝居の場面は共に秀逸だったですねぇ。

三橋美智也は本歌を知らないので、ちんぷんかんぷんでしたが、これはまあこういう型なのだから仕方ないでしょう。
好みを言えば本来の三河万歳ですし、市馬師ならばそれでも物凄く面白いと思いますけれども。
愉快な一席。好演でした。

~仲 入~

◆五街道雲助 『芝浜』
魚屋は勝五郎の “魚勝” 。
昨夜散々呑んで二日酔い気味の勝が河岸へ向かう。その時の寒さの描写が先ずもって秀逸でした。
『おっ?磯臭くなって来やがった』の台詞が何ともいい雰囲気。
『寒い』、『因果な商売だ』と愚痴っていた勝も、磯の香りを嗅いで嬉しそうなのが面白いですね。

河岸に着き問屋が開いていないので、海辺の岩へ腰掛け煙草を呑む。『火口だけが赤く・・・』と暗さを表現したのも好い感じでした。
沖へ向けて競争をする帆掛舟の風景を挟んで、次第に白んで太陽が顔を出します。

口こそ濯ぎませんが『今日からまた商売に出ますんで、ひとつ・・・』と手を合わせる。その直後岩の間に紐を発見し、手繰り寄せて皮財布を手にします。

慌てて家へ帰る勝五郎。
女房の『お前、これ銭じゃあないよ。金だよ』の台詞は私の大好物。
『当分、酒呑んでいても暮らせらぁ』と恵比寿顔の勝。

昼間のどんちゃん騒ぎ描写は無く、翌朝の回想で語られます。
女房に言いくるめられ “夢” となった途端、昨日の恵比寿顔から一転『死のう』。ここで “目を醒ませ” とばかりに女房に一発張られます。

ここからの勝の頑張りようが何とも健気。毎朝河岸で仕入をして昼頃まで売り歩く。午後は残った魚を煮付けて、日本橋で仕入れた小魚とともに売り、夜は板前として働く。大車輪。

『無沙汰のお詫びと御挨拶』と刺身を差し出す。『おい、下地を持って来い』、手で摘んで口に入れる。
『明日っから出入しな』
この、お得意様が復活していく場面も私は大好きです。

さぁ、三年後の大晦日。
若い者を湯に出して、女房が真相を語る場面。
財布を目の前にしてもまだ得心の行かぬ風情の勝五郎。
『あんなに情けない思いをしたことは無かった』と女房を責めますが、割合とあっさりした構えで納得します。
ここが一つの “綾” でしょうね。

一所懸命に働いたお蔭で大晦日の払いもなく、返って取りに行く側となった余裕といったものが、真相をあっさり受け入れる素地となっているのが非常に良く解りました。

得心した勝五郎へ女房が妊娠を告げ、夫婦の明るい正月となります。
お見事。名演でした。


噺を終えた雲助師、そして市馬師が再登場して餅撒き。
チョコレート菓子を客席へ撒きました。
このチョコレートの包み紙が特製で、五拾三次でも使っている雲助師の高座姿の写しなんですが、これじゃ食べられないね、勿体なくて。
来年五月に二つ目昇進と紹介された市助さん、さん坊さんがお手伝い。

雲助師から『会長、ひとつ』と促された市馬師の三本締めで、今年の五拾三次は目出度くお開きとなりました。


外へ出て家人と『雲助師 “芝浜” が圧倒的だった』など諸々語り合いながら家路へ。




Tag:落語会・寄席  Trackback:0 comment:0 

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喜洛庵上々

Author:喜洛庵上々
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寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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