FC2ブログ

2014年下半期回顧 その2 10~12月

2014年(平成26年)下半期回顧 その2 10~12月

いよいよ押し詰まって参りました。
12月5日掲載の “2014年下半期回顧 その1 7~9月篇” に続きまして、
下半期後半篇(10~12月)を掲載します。


私 『え~っと、10月の最初は3日の鈴本昼席。いつもの様にZちゃんと二人で行ったんだ』
家人 『この日の主任は扇好師匠ね。以前、逗子の小さな会で観た師匠でしょう?』
私 『そうそう「汀亭」だったっけ? あの会はZちゃんが招待してくれたのだよね』
家人 『この鈴本10上昼もお馴染みの師匠方、文左衛門師、白酒師が出演されていたのね』
私 『文左衛門師は “手紙無筆” 、仲入の白酒師は “元帳” だった。 あと小ゑん師匠の “即興詩人” これは面白かったなぁ』

家人 『にぎわい座の “講談から生まれたオモシロ落語競演” は?どうだったの? かなり期待して出掛けたみたいだったけど』
私 『・・・タイトルを見ると “こなれていない感じ” だけれども、内容は悪くなかった。 ただ噺家の師匠方の中に “根多に対してまだ違和感を拭いきれない” 或いは “自分のモノになっていない” ことを繰り返し口にした人が居たのが気になったね』
家人 『上手く出来ない言い訳かな?』
私 『うむ。言い訳もあるだろうね。それにプラス “こういう事を演るのは本意ではない” と言いたいのかも知れない』
家人 『企画が強引だったったこと?』
私 『人選も含めて制作側の問題が大きいのかな? まぁ、竹丸師あたりなら普段から地噺で歴史物を演るのだから “言い訳なし” で出来たのかも知れないなぁ。 いっそのこと講釈の先生だけの番組を、流派を超えて組んでみれば面白かったのに、とも思ったね』

家人 『噺そのものはどうだったの?』
私 『そりゃあもう琴調先生の “赤垣源蔵” ですよ』
家人 『落語は?』
私 『この企画発想のきっかけになった(?)感も無いでもない、喬太郎師お馴染みのところ “小政の生い立ち” だね』
家人 『あなた “徳利の別れ” が好きだものね』
私 『大好物!』

家人 『五拾三次は「慕情」がお題で “駒長” 、“電話の遊び” 、“九州吹き戻し” ね』
私 『下座の姐さんとの息もぴたり。絶品モノの “電話の遊び” が印象高座です』

家人 『 “電話の遊び” って雲ちゃんしか演らないの?』
私 『遊雀師のを聴いたことがあるけれども、面白かったよ。 遊雀師匠以外では・・・聴いていないなぁ』

家人 『次は・・・国立名人会、それから鈴本の一之輔師の芝居ね』
私 『一之輔師は白酒師の代跳だから、正確には白酒師匠の芝居だけれどもね。 この日の高座では仲入馬石師 “替り目” と代跳一之輔師の “妾馬” が傑出していた。 国立名人会では主任さん喬師の “たちきり” が印象的。 さん喬師の “たちきり” は何度も聴いているけれども、この日の “たちきり” は、泣かせに走らない素晴らしい出来だった』

家人 『初めての “NHK新人落語大賞” 公開録画。面白かったわぁ』
私 『後日TV放送も見たけれど、あんなに摘んじゃうモンなんだねぇ。短くまとまっていたので驚いたよ』
家人 『矢張り朝也さん?』
私 『文句無し』

家人 『10月の最後はらくだ亭ね』
私 『粋な枕でお洒落に演ってくれた小満ん師の “溲瓶” と、主任さん喬師の “らくだ” が抜群だったなぁ』

家人 『 “らくだ” は後半が無い方が好かったと思う、って書いているよ?』
私 『うむ。当時はそう感じだのだけれどもね。 あの晩の演出は物凄くリアルと言うのか・・・ 死人の表現、それとまた死人を扱う描写が細密で凄惨だったんだよ。 更に屑留の造形が秀逸で、非常に鮮やかに屑屋の内面と外面双方、つまり二面性を伝えてくれた訳よ』

家人 『深かったのね?』
私 『そうだね。 そうした血生臭さや、内面のどろどろした思いが露わになったまま終わった方が、余韻が残る気がしたのだなぁ』
家人 『あなた、そういう余韻を引きずる終わり方がお好みなのよ。フレンチ・コネクションとか』

私 『だけど今考えてみると、あの会が小学館発行雑誌の記念会でさぁ、髪の毛を毟ったところで下がったのじゃあ流石に不味いだろうし・・・ まぁ客席側の感ずる後味という意味でもね。 大喜利を演って跳ねる訳でもないから、火屋の件があって好かったのだ、と思い直しているんだ』
家人 『火屋で中和した?』
私 『そうね、笑いに転じて・・・と言う意味が一つ。これは客席や主催者への配慮ね』

家人『他にあるの?』
私『もう一つは作品の主題を詰める面での “笑い”。 噺の中での登場人物の “笑い” だね。 その笑いは腹の底からの笑いではなく、些か自嘲気味な腹の中での笑い、と思うけれど。 その言わば “引きつり気味の笑い” を描写する事によって、主題が鮮明になったのだな』
家人 『何か難しいね、次に行きましょう。11月!』

私 『11月は、日本橋亭のNBS殺人研究会からだね』
家人 『いつもの事ながら、龍玉師匠の語り口に痺れたわ』
私 『 “怪談牡丹灯籠より 孝助の槍~平左衛門殺し” ね。お見事だったなぁ』

家人 『あなた、珍しく末広亭へ行ったのね?』
私 『そう。Zちゃん誘って。 寿輔師匠が昼席の主任だったし、夜席の仲入が圓輔師だったのでふらりと。 夜席が松鯉先生の芝居なのよ、本来は。 それで計画をしたのだけれども日程が合わなくてねぇ・・・ 松鯉先生が休席の日になっちゃった』
家人 『だけど、好かったみたいだね』
私 『寿輔師匠は “天狗裁き” だったけれどもねぇ。面白おかしく演ってくれていたのに、最後の畳掛けるところで携帯が鳴っちゃって・・・ しかも何故か鳴りっぱなし。好い出来だったのにすっかり台無しになっちゃった。残念だったよ。 夜の仲入圓輔師はこれまた夢で “夢の酒” 。素晴らしかった』

家人 『末広亭の後、今松師匠の独演会。そして中席は鈴本の志ん輔・扇遊二人会と国立の志ん輔師匠独演会ね』
私 『鈴本11中夜は、毎年独演会形式なんだよね。 席が取れたので、二年振りに志ん輔師と扇遊師の二人会へ行ったんだ』
家人 『印象高座は、志ん輔師の “ふぜいや” と扇遊師の “木乃伊取り” でしょ?』
私 『そう、その通り。“ふぜいや” って不思議な噺だよ、一度聴いて欲しい。気に入ると思うよ』

家人 『続けて志ん輔師匠、国立演芸場の独演会ね』
私 『え~っと、国立の志ん輔師独演は “真景累ヶ淵” の連続口演だから “この一席” というのには馴染まないけれど、好い口演が続いているよ。素敵な会だね』

家人『11月はあと鈴本の昼席。 一朝師の芝居だけれども、代跳で志ん輔師だったのね』
私 『そう。その志ん輔師が絶品モノの “子は鎹” を演ってくれたんだよ。 間へ挟まっての燕路師匠 “悋気の独楽” も好かったなぁ』

家人 『いよいよ12月。今月は最初が五拾三次でお題が「騙り」だったわね』
私 『11月の月例を12月1日に開催したんだったね。 この晩は “居残り佐平次” が根多出しされていたけれども、その “居残り” とまさかの “姫騙り” は好高座だったねぇ』
家人 『私、途中まで本当にあのお姫様が苦しんでいるのかと思ったわよ』
私 『そう演らないと駄目なんだろうね。まさに客席をも巻き込んだ迫真の “騙り” だった訳だ』

家人 『にぎわい座の文菊師独演会は?どうだったの?』
私 『囁き声の多用で写実性を増した印象の “不動坊火焔” が圧倒的だった。 “柳田” も好かったけれども、この晩は “不動坊” だね』

家人 『同じくにぎわい座の雲助師独演会。最高だったわぁ』
私 『 “ざる屋” 、“替り目” 、“文七元結” だもの。そりゃもう贅沢三昧でしたな』
家人 『三席ともに好かったよぉ』
私 『お家芸中のお家芸、新内やかっぽれの入った “替り目” 、そして左官長兵衛の造形が特に素晴らしかった “文七元結” は、共に印象高座だね。  “文七” は、佐野槌の女将の造形もまた好かったなぁ』

家人 『雲助師独演会の翌晩もにぎわい座で “ポカスカ寄席” 。そして翌週月曜日にも、にぎわい座の “志ん輔三昧・年末の会” 、ここはにぎわい座が続いたわね』
私 『志ん輔師匠の “文七” がまた絶品でねぇ、もう何ていうのか・・・長兵衛の心情がよく描写されていて、言うことなかったなぁ』

家人 『道楽亭さんの “雲助の弟子でござる” が18日、一日置いて20日が古金亭だね』
私 『新しい発見があったンだけれどもね・・・ 月島の椅子と日本橋小学校の椅子ってのが私の “二大苦手椅子” って事』
家人 『噺のことをどうぞ!』

私 『18日の “雲助の弟子でござる” からは白酒師 “文違い” 、そして馬石師 “明烏” を印象高座に。20日の古金亭から菊志ん師 “汐留の蜆売り” と小満ん師 “言訳座頭” を挙げましょう』
家人 『雲助師匠の “二番煎じ” は?』
私 『勿論。素晴らしい出来で、大いに楽しめた “二番煎じ” も入れましょう』

家人 『クリスマス・イヴに五拾三次があって・・・翌日は同じ日本橋劇場の人形町らくだ亭へ行ったのね』
私 『五拾三次から雲助師 “芝浜” を印象高座へ加えよう。夫婦の情愛を見事に描き出した名演だったもの』

家人 『納めのらくだ亭は?』
私 『らくだ亭は好高座揃いだったので迷うのだけれども、ここも雲助師の “くしゃみ講釈” かなぁ。「犬糞」ではなく「前夜は吉原で・・・」と色っぽい理由の版。そして小満ん師の “権兵衛狸” 。こちらは民話調のほのぼのした雰囲気。この二席を挙げよう』

家人 『まとめるけれども、三ヶ月で印象高座が三十一席よ』
私 『多いねぇ。寄席・落語会に22回行っているからなぁ』
家人 『まぁ列挙しておきましょう』


○白酒師(10/3 鈴本10上昼) “元帳”

○小ゑん師(10/3 鈴本10上昼) “即興詩人”

○喬太郎師(10/10 講談から生まれたオモシロ落語競演) “小政の生い立ち”

○琴調先生(10/10 講談から生まれたオモシロ落語競演) “赤垣源蔵徳利の別れ”

○雲助師(10/15 五拾三次) “電話の遊び”

○さん喬師(10/18 国立名人会) “たちきり”

○馬石師(10/23 鈴本10下昼) “替り目”

○一之輔師(10/23 鈴本10下昼) “妾馬”

○朝也さん(10/27 NHK新人落語大賞) “やかんなめ”

○小満ん師(10/29 人形町らくだ亭) “溲瓶”

○さん喬師(10/29 人形町らくだ亭) “らくだ(通し)”

○龍玉師(11/3 NBS殺人研究会) “怪談牡丹灯籠より 孝助の槍~平左衛門殺し”

○圓輔師(11/7 末広11上夜) “夢の酒”

○志ん輔師(11/11 志ん輔・扇遊の会) “ふぜいや”

○扇遊師(11/11 志ん輔・扇遊の会) “木乃伊取り”

○燕路師(11/27 鈴本11下昼) “悋気の独楽”

○志ん輔師(11/27 鈴本11下昼) “子は鎹”

○雲助師(12/1 五拾三次) “姫騙り”

○雲助師(12/1 五拾三次) “居残り佐平次”

○文菊師(12/3 古今亭文菊独演会) “不動坊火焔”

○雲助師(12/9 にぎわい座独演会) “替り目”

○雲助師(12/9 にぎわい座独演会) “文七元結”

○志ん輔師(12/15 志ん輔三昧) “文七元結”

○白酒師(12/18 雲助の弟子でござる) “文違い”

○馬石師(12/18 雲助の弟子でござる) “明烏”

○菊志ん師(12/20 らくご・古金亭) “汐留の蜆売り”

○小満ん師(12/20 らくご・古金亭) “言訳座頭”

○雲助師(12/20 らくご・古金亭) 二番煎じ”

○雲助師(12/24 五拾三次) “芝浜”

○雲助師(12/25 人形町らくだ亭) “くしゃみ講釈”

○小満ん師(12/25 人形町らくだ亭) “権兵衛狸”


私 『四半期ごとの印象高座は別に “今年の特別高座” とでも名付けて、是非名前を挙げておきたい師匠がいるのだけれども・・・良いかな?』
家人 『どうぞ』
私 『では、来年の年男。川柳川柳師匠の高座から・・・ 8月16日 川柳川柳・川柳つくし親子会での二席。 “ガーコン” 、 “ジャズ息子” を2014年特別高座として加えてお開きにしよう』

◆2014年特別高座
○川柳師(8/16 川柳・つくし親子会) “ガーコン” 、 “ジャズ息子”

家人 『親子会、面白かったなぁ。川柳師匠の凄いところは定席できちんと十日間休まずに主任を勤めている事よね』
私 『 “ラ・マラゲーニャ健在なり” だね』
家人 『来年も川柳師匠の元気を見習って、私たちも大いに落語を楽しみましょう』
私 『おぉ!大賛成だね。体調に留意し、来年も愉快に演芸を楽しもう』


【明日、31日に “2014年回顧 舞台・演劇篇” を掲載致します。】




Tag:雑記  Trackback:0 comment:0 

Comment

comment form
(編集・削除用):
管理者にだけ表示を許可
プロフィール

喜洛庵上々

Author:喜洛庵上々
喜洛庵寄席桟敷へお越しいただきまして、ありがとう存じます。
寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

最新記事
最新トラックバック
検索フォーム
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR