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第564回 落語研究会 6/30

 6月30日(火)第564回 落語研究会 国立小劇場

今夜のTBS落語研究会は主任さん喬師『大山詣り』、仲入は小満ん師『怪談乳房榎~おきせの危機』。
他に小里ん師、三三師と五代目小さん師一門で固めて来ました。前方も市馬師のお弟子さん、つまり五代目孫弟子の市童さん。
小満ん師は本来黒門町の、また三三師は小三治師のお弟子さんですが『おぉ、こうして勢揃いすると、小さん師一門、壮観だなぁ』という印象です。


◆柳家市童 『一目上がり』
入場時に手渡された冊子に “市助改メ・・” と記載されていましたが、先ずはその二つ目昇進の報告から。

『口馴れない様子で初々しさを演出するのも話芸の内なのだなぁ』なんて事を考えながら聴いておりました。
・・・と申しますのも、市助改メ市童さんは雲助五拾三次の専属前座さんを務められていて、場内の案内放送もずっとされていましたのでよく聴いていましたけれども、大変に流暢な喋りの出来る前座さん、との印象が残っているのです。
そんな事から『こんなにつっかえる訳が無いンだよな』と不思議な感じを持った次第。そこで、私『演出かなぁ?』なんてね、穿っちゃったのです・・・。
挨拶の後は “お手の物” とばかりに『一目上がり』、お見事でした。

◆柳家三三 『五目講釈』
『湯屋番』の導入部と共通の “居候小咄” から入りました。
講釈の場面では本当に愉快そうに名調子で演ってくれました。
面白かったなぁ。

◆柳家小満ん 『怪談乳房榎~おきせの危機』
よく一緒に聴きに行く家人が
『圓朝噺は、込み入った筋を要領よく説明しようとして、地が多くなるので飽きちゃう』
なんて不埒を口にするのを聞いた事がありますが
今夜の小満ん師、出来るだけ地の喋りを排し会話で繋ごうと苦心されていた感じ。
そしてそれが奏効して、無理なく非常に滑らかに私の中に物語が入って来ました。

柳島の菱川重信留守宅へ弟子の磯貝浪江が地紙折りの竹六と二人してやって来て、帰りしなに浪江が空癪の詐病で居残り、その後長男真与太郎へ白刃を突きつけつつおきせへ迫る場面まで。

『あのぅ、ご婦人の方に伺いたいンですけれども、こんな時どうされますか?言うこと聞きますか?』と軽い調子で問い掛け、客席っをふっと緩め和ませた後
『次回はこの続きを申し上げます』と告げて下がりました。
粋と言うのか・・・本当にお洒落だったなぁ。
堪能しました。

~仲 入~

◆柳家小里ん 『提灯屋』
導入部の御隠居と無筆の若衆との会話の中に、さり気なく “柏と丸” を仕込みました。
巧いなぁ。
努めて軽く演ろうという感じでしたけれども、たっぷり笑わせてくれました。
好高座。

◆柳家さん喬 『大山詣り』
聴き慣れた型ではなく、独自の構成で噺を進めました。

導入は長屋での遣り取りではなく、大山へ詣る道中。
江戸を出てから最初の休憩を “梅屋敷の茶屋” でする、その場面から。
この梅屋敷の茶屋で定式(きめしき)が提案され、噺が始まります。

あと私の気づいた “新視点” は、熊を置き去りにした一行が神奈川宿から『本当に』金沢八景へ廻り遊山をする、というところ。
これはかなり驚きました。

熊が駕籠で追い掛け、例え長屋に先着したとしても、一行がぶらぶら歩いて我が家へ直行したのでは『熊があれこれしている時間は無いだろう』との解釈からの『寄り道』と思われます。

ここは “金沢八景” ではなく “生麦で舟遊び” あたりでも良いかも・・・
神奈川から金沢八景廻って江戸だと、一日では帰れないと思いました。

それと、この “金沢八景の遊び” が一行の会話と地とで描写された後、長屋へ先着した熊の口からも(今度は法螺なのですが)語られる、これがどうも “同じ話の繰り返しでくどい感じ” なのです。

ここは地理的にも、また噺の完成度を高める意味でも “子安で鰺釣り” だとか “生麦で・・・” 或いは矢来町の様に “品川宿で迎えの連中と一杯やって・・・” の方が好い様に感じられました。

場面々々はさん喬師らしく丁寧な描写の積み重ねで大変に楽しめましたので、更に一工夫凝らされた版を、出来ればまた聴いてみたいなぁ。


跳ねて木戸口に貼り紙。
『お配りしたチラシ記載の “孫帰る” 柳家さん喬、は柳家喬太郎の誤りです』
なぁんだ・・・がっかり。
『演るの?へぇ!』って手帳に放送日を留めたのになぁ。
第一印象『さん喬師、お似合い!』って思っていましただけに、どんな『孫帰る』なのか聴いてみたかったですねぇ。
これ『駒長』よろしく実現して欲しいなぁ。


そんな感想やら、翌日からの急に決定した予定を、頭の中で整理しながら家路へ。





Tag:落語会・寄席  Trackback:0 comment:0 

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喜洛庵上々

Author:喜洛庵上々
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寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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