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落語アトランダム 11/12

11月12日(木)落語アトランダム にぎわい座

今春真打に昇進した喬之進改メ 小傳次師、さん弥改メ さん助師の御披露目。
客演に二人の師匠さん喬師、そして正蔵師出演と華やかな会。
二つ目時分にその高座に接し、印象に残っているさん助師匠を聴きたいなぁ、と席を予約しました。


◆真打昇進襲名披露口上
緞帳が上がると高座には紋付袴姿で平伏する四人。
上手にさん喬師、下手に司会役の正蔵師。挟まれて真ん中上手に小傳次師そしてさん助師と並んでいます。
後ろ幕こそありませんが、寄席での正式な披露目、それも大初日の様な緊張が感じられました。

さん喬師匠から “今夜は横浜にぎわい座での披露目” である旨の発言があり、また二人の新真打の師匠として『芸の道は自らが一段々々踏みしめて登る事が肝腎』と言葉を贈られました。

司会役正蔵師は、さん喬師との旅興行で様々な助言をいただいた事などを懐かし気に。

今夜は新真打もそれぞれ言葉を発し、さん助師は『先代さん助師匠は明るい高座で憧れていたので襲名を熱望していたところ、師匠さん喬が根回しをしてくれて襲名に至った。ありがたい良い師匠でした』。
ここでさん喬師が『まるで死んだみたいじゃねぇか!』
また『先代の未亡人にも襲名を喜んでいただき、益々その名を汚すことのない様精進せねばと噛み締めている』決意表明。

小傳次師は『小傳次の名は師匠さん喬が温めておいてくれた名前。真打で小傳次の名を使うのは自分が最初であるが、過去に二人の “小傳次” がいたので、初代を名乗るけれども実際には三人目。由緒ある名を汚さぬ様に、そして大師匠小さんの芸を “次へ伝える” との意味の名とも思うので頑張りたい』と頼もしい言葉を。

口上の後、さん喬師が『今夜は “アトランダム” なのだから出番も籤で決めよう』と提案。
前座のたま平さんを呼び白い紙箱(使い捨ての塵箱かな?)を手にして『まるで遺骨を抱いているみたいだ』など言いなから最初に籤を引きました。
全員が籤を引いた後に順番に開封。

先ずさん喬師が開封すると『前座』。
『たま平この野郎!もう一回持って来い!』
再度の籤は『くいつき』。
その後、正蔵師が『仲入』、小傳次師『さら』と来てここで主任はさん助師と決まった訳ですが、そのさん助の籤を開封すると『ハズレ』。
『なんだ?出番なしかい?』と、こちらも再度の籤を引いて『トリ』がようやく出ました^^

手締めでお開き、仮幕を降ろしました。

◆林家たま平 『一目上がり』
籤引きの際、正蔵師の息子さんであることをさん助師だったかな?がそれとなく客席へ伝えてくれました。
私、お初です。
兎にも角にも元気な高座。
汗びっしょり。
お父さんと違ってよく通る声ですね。

◆柳家やなぎ 『松竹梅』
お兄さんの(二人いらして、それぞれの)結婚式に出席した際の出来事を枕に本編へ。
御隠居が三人を招き入れる際、つい『八っつぁん』と呼び掛けてしまい『今日は八っつぁんじゃあない、松つぁんだったね・・・』と、隠居の口調そのままで “訂正” 。
ここで素に戻らない辺り、流石に経験を積んだ二つ目さんと言ったところ。

◆柳家小傳次 『佐々木政談』
やや高めながらも聴き易い声質なので、自然と噺に引き込まれました。

侍も子供も巧み。
“写実に徹した” そんな印象です。
この『佐々木政談』、古今亭志ん輔師匠のこってりした味わいが耳に残っていますけれども、さらっと演るのを聴いてもまた好いものですね。

◆林家正蔵 『西行鼓ヶ滝』
おぉ、十八番を繰り出してくれました。
普段よりも大袈裟な表情だったかな?
今夜はそんな客層なのかも知れません。
歌を直された西行が『素晴らしい』と感嘆した直後、冒頭に登場した樵が再び登場。西行に語り掛けます。
この場面の直後、客席から『夢か』の声。
正蔵師、この “不規則発言” をも噺の中に取り入れて破綻なく下げました。

しかし、このにぎわい座って小屋は全体的に鑑賞態度が良くないなぁ。
鼾、お喋り、声掛け、テーブルの開け閉め音、そしてまた隣席への “侵入” 、食べがら呑みがらを放置しての退場など、今までにも酷いのを何度も実際に目撃して参りましたけれども、今夜の声掛けは何時ぞやの萬橘師の会の折りに客席が小咄の下げの先取りをした『(スケートだけに)滑った』以来の “不祥事” ですね。
しかも今夜は本編の下げ直前ですからねぇ。

もう少し考えて鑑賞して欲しいなぁ。
我が家の茶の間じゃないンだから。

『齢を重ねると皆が童子へ帰って行くものだ』などとも言いますが、他のお客様のご迷惑となる場で子供へ戻っちまっちゃあ困ります。
小屋の方も “お客様任せ” は諦め、取り敢えず『場内飲食の禁止』辺りから始めて風紀を糺してみたら如何でしょうか。
呑みながら食べながらだと緊張感が薄れますからね。

お客席へも、そしてまた小屋へも猛省を促したいですね。

~仲 入~

◆柳家さん喬 『棒鱈』
此方も十八番を演ってくれました。
堪能したなぁ。
二人連れの会話が生き生きとしています。
そしてまた隣座敷の取り持ちをする女将かな?、が薩摩侍をあしらう様子など、見所沢山。
お見事でした。

◆柳家さん助 『占い八百屋』
さん助師が上がった時刻は9時10分。
口上に落語六本、それも真打四人は主任根多ですからね。私も覚悟はしておりました。さん喬師ですし・・・^^;

『(籤引きでハズレと出たので)一時は高座に上がれないのかと心配致しましたが・・・』と振って本編へ。

抜群の出来。
口調、表情ともに文句無し。すっかり聴き惚れました。
噺へ入り込んで、まるで座敷の隅で一部始終を見ている感じ。
長講43分、素晴らしい高座。
面白かったなぁ。


木戸を潜って歩き始め『色々あったけれども聴きに来て良かったなぁ』など独りごちつつ家路へ。




Tag:落語会・寄席  Trackback:0 comment:2 

Comment

佐平次 URL|
#- 2015.11.14 Sat10:22
さん喬の「棒鱈」は楽しいですね。
喜洛庵上々 URL|^^面白かったです。
#- 2015.11.14 Sat13:32
二人連れの「しっかりしている方」の造形が、
何かさん喬師の『素』の様な感じがしまして
そんな気持ちで聴いていました^^

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喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)

Author:喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)
喜洛庵寄席桟敷へお越しいただきまして、ありがとう存じます。
寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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