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らくご街道 雲助五拾三次 -大晦日Ⅱ- 12/14

12月14日(月)らくご街道 雲助五拾三次 -大晦日Ⅱ- 日本橋劇場

雲助五拾三次、第三十三宿 -大晦日Ⅱ- 。
討ち入り当夜の雲助五拾三次は、客演に柳家小満ん師を迎えてのご趣向。
小満ん師『芝浜』、雲助師『掛取万歳』と大根多二席が前触れされています。


◆五街道雲助 『二度目の清書』
討ち入り当日と言う事で特別な高座。
何と雲助師が講釈を演ってくれました。
六代目一龍斎貞山先生の音源から起こしたという『忠臣、二度目の清書 寺坂吉右衛門口上』。
きちっとした講釈口調、それもかなり古い型の講釈師の雰囲気で、澱みなく一編を読み切りました。
ご趣向。お見事。

◆五街道雲助 『掛取万歳』
下がらずに続けて大晦日風景の枕から十八番の『掛取万歳』へ。
今夜はいつもよりも “掛取側” の “してやられた” という表情が強く描写された感じ。
雲助師の『掛取万歳』は、八五郎も掛取側も “洒落だから” という雰囲気の含み笑いが底にあるのが特徴ですが、今夜はそれに加えて “うむぅ、やられたぁ” という残念そうな表情を掛取側が見せる愉快な演出が際立ちました。

狂歌、喧嘩、義太夫、芝居、万歳、どの場面も本気と洒落の配合が見事。
本当に面白かったなぁ。
堪能しました。

~仲 入~

◆柳家小満ん 『芝浜』
『雲助さんの会だから間だと思って気楽に構えていたのですが、お仕舞いだってことで・・・』との切り出しから本編へ。

素晴らしい『芝浜』でしたねぇ。
勝五郎の造形は “酒好きながら、仕事も好きな腕の良い魚屋” という感じ。
この十日間程は酒好きの面が勝って仕事を休んでいる、そんな背景でした。

日の出を愛でる場面の “空と海の色” の描写なども小満ん師独特のもので、磯の香りを客席へ伝えてくれる素晴らしい表現力でしたね。

更に感心しましたのは、大団円の大晦日の場面。
女房が “騙しの告白” をする際に、あっさりと切り出し、勝五郎も皮財布と四十二両を見て直ぐに気づいて得心するのです。
まるで『そんな事はもうどうでも良いのさ』という感じで・・・。

女房が切り出す時に溜めて演りますと、勝五郎を怒らせなけりゃならない、そうすると噺の後味が悪くなる。
そうかと言って余りあっさりでも現実味が薄れてしまう。
その辺りの匙加減が、今夜の小満ん師の『芝浜』は実に巧妙かつ合理的だった様に思われました。

勝五郎は人間として成長している訳です。使用人もいる親方ですからね。
それを考えれば、一瞬怒ったとしても『いや、今があるのは騙してくれたお蔭。むしろ感謝しているのさ』と言う心境も理解出来ます。

実にこう得心のいった『芝浜』だったですねぇ。恐れ入りました。


お開きは雲助師再登場。
先ず小満ん師と二人で思い出話など。
恒例の餅撒き(チョコとキャンディー)。そして小満ん師の音頭で三本締め。
今年の雲助五拾三次、目出度くお開き。

いやぁ、面白かったなぁ。
今夜はまた特に素晴らしい晩でした。
満足。





Tag:落語会・寄席  Trackback:0 comment:0 

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喜洛庵上々

Author:喜洛庵上々
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寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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