FC2ブログ

とみん特選寄席 夜席 2/26

 2月26日(火)とみん特選寄席 夜席 紀伊國屋ホール


“公財) 都民劇場主催・柳家喬太郎プロデュース・とみん特選小劇場” 。
居残り会のお仲間 M さんの肝煎で “新宿へ集合” ^^
私、紀伊國屋ホールへは何度か伺っておりますが、この会は初めて。楽しみです。


◆橘家門朗 『穴子でから抜け』
酒の粕~から抜け。
はっきりとした口跡で聴き取り易いですね。
次に出た小辰さんが言っていましたが、 “登場人物全員が悪人風” 。
噺家って核心突いてくるなぁ ^^

◆入船亭小辰 『悋気の独楽』
小辰さんは女性の人物造形が巧みですので、この様な噺はお得意。
小僧さん(定吉)も中々良かったですね。

この小辰さんの高座で気づいたのですが・・・
今夜は音響の高音部がかなり強調されている様子で、高い声を出されると一寸不快な音質に聞こえました。
私だけかな?

◆林家たけ平 『袈裟御前』
面白可笑しい小咄を、時折膝立ちになりつつ速射砲の様に繰り出す熱演。
客席が一気に温まりました。
本編はごく短く纏める “根岸流” 。

以前研究会で聴いた時には気の毒な程受けていなかったのですが、今夜は嵌りました。
こうした漫談風味の高座も流れの中では必須なんですよね。

◆翁家 和助 太神楽曲芸
ジャグリングの方で言います “デビルスティック” から。
こちらは “お撥三本の芸” と紹介していました。
五階茶碗~土瓶~皿包丁。
芸の迫力が “他の追随を許さず” と言う水準。
五階茶碗での “払い板” なんて芸、私初めて見ました。

◆三遊亭兼好 『置泥』
この高座も面白かったなぁ。
私、この噺は文蔵師匠の “不気味風味” 、龍玉師匠の “哀愁風味” ともに好ましく感じておりますが、兼好師は “おとぼけ風味” と言ったところ。
“にこやかな騙り” もまた愉快です。
下げは『家を教えてくれ』、『何故?』、『お前さんの家へ泥棒に入って恩返しがしたい』としました。
好高座。

~仲 入~

◆一龍斎貞寿 『石川一夢』
女流。
川へ身を投げようとする若い男女を救った講釈師が、その男女の拵えた金銭の穴を埋める為に十八番の読み物を入質するといった人情物。
実在の名人、石川一夢がその講釈師。実際に十八番であった “佐倉義民伝” が質種。
釈場の客の『佐倉義民伝を演ってくれ』、『出来ません』、『じゃぁ皆で金を出し合って受け出そうじゃないか』、とまさに絵に描いたが如くの展開。
心地良し。

◆林家正楽 紙切り
鋏試し相合傘~ひな祭り~ハヤブサ2~紀伊国屋文左衛門~ボヘミアンラプソディ

ハヤブサ2のお囃子が “少年探偵団” なのは、漫才のロケット団の出囃子だからだョなぁ。巧いこと思いつくねぇ。
などと感心しておりましたが・・・

驚いたのは “ボヘミアンラプソディ” の鳴り物。
大太鼓小太鼓で “We Will Rock You” のイントロを刻み始め、糸がそれに呼応する大外連。
客席がコンサートよろしく手拍子。
『そんなに早く切れません。疲れるから(手拍子を)止めましょう』と正楽師匠。
しかし驚いたなぁ。 “機転が利く” ってのはああした事をいうのでしょうな。

ひな祭り、人形を飾り付けようとする少女二人、傑作。
ハヤブサ2、衛星のシルエット巧かったなぁ。紀伊国屋文左衛門は蜜柑船の遠景。
ボヘミアンラプソディ、スタンドマイクを引き寄せ歌うフレディ。バックにブライアンメイ。
いずれも見事な作品でした。

◆柳家喬太郎 『掛取り』
前方のボヘミアンラプソディですっかり客席が染まってしまっていたので、『ボヘミアンの後で何を演れば良いってぇの?』
喬太郎師自身の空気入れとともに客席の雰囲気転換を狙ってでしょう、大きな声を発しておいて・・・
『噺家の時季知らずと申しますが・・・春を先取りし一気に暮れへ』と『お前さん、起きとくれよ』
“えっ芝浜?” と思わせておいて、『掛取り』へ。

私、最初は柳派お家芸の『言訳座頭の序』若しくは『睨み返しの序』を演って跳ねるのかなあ?と思いましたが、最初に来たのが魚屋でしたので、あら『掛取り』だ!と驚きました。
喬太郎師、初手は “魚勝” で演っていましたが、後に “魚屋の金公” に変化してしまったのは御愛嬌。

“好きな物” が独特でして・・・
ホール落語、ウルトラマン、寄席(の落語)、芝居(但し、つかこうへい)。

ホール落語では “芝浜” 。
ウルトラマンは “ガヴァドン対ウルトラマン” 。
寄席は、『法事の茶』の要領で圓丈師、馬風師、貞水先生、さん喬師、雲助師の出の様子と語りを真似て。
芝居は “熱海殺人事件” から終盤の名場面を。(熱海殺人事件は、ご当所紀伊國屋ホールの芝居ですね。掛取人が紀伊國屋さんであったことからも、喬太郎師のオマージュでしょう。)

抱腹絶倒の二十分、お見事!


木戸で M さんにご挨拶しましたら『兼好師匠がイラスト入りで描いてくれた “演目一覧” を見て行って!』
いやぁ器用なものだなぁ、本職のイラストレーター級です。
これ一つとっても、出演の皆さんの熱気が伝わって来ますね。
高座からも充分過ぎるくらいな “本気度” が伝わって来ていましたが、矢張りなぁと言う印象を持ちました。

居残り会では、先だっての “国立名人会での志ん輔師迷演” が先ず話題となりましたが、何と言っても今夜の “とみん特選寄席” の一体感が素晴らしく、また好ましい雰囲気でしたので自然と愉快な話へ。
“M さん始め、関係者の皆さんの人徳によって創られ、また実った会と言う感じですね” など、様々語りつつ夜更けまで。
皆さん、どうもありがとうございました。


Tag:落語会・寄席  Trackback:0 comment:4 

Comment

佐平次 URL|
#- 2019.02.27 Wed15:19
ほんとに国立と都民じゃ大違いでした。
さいきんはこらえ性がなくなって、せいぜい3~4人が好いところなのに、昨日はまったく飽きずに見続けることができました。
喜洛庵上々 URL|^^/
#SFo5/nok Edit  2019.02.27 Wed15:34
滅多に遭遇しない『神の降りた晩』だったように思いました。素晴らしかったです。
小言幸兵衛 URL|Mさんと喬太郎に、感謝!
#- 2019.02.27 Wed17:13
寄席の尺だから、ほぼ20分。
だから、無駄にマクラでひっぱるようなこともない。
それぞれの演者が、精一杯、自分の持ち味をその20分にぶつける高座の襷リレーでしたね。
居残り会を含め、得がたい夜でした。
喜洛庵上々 URL|
#SFo5/nok Edit  2019.02.27 Wed17:26
幸兵衛さん
ホールではなく寄席の雰囲気でした。
個々の演者が「自らの得意な役割」を充分に発揮出来た印象です。
楽屋が良い空気だと愉快な番組になるのでしょうね。
素晴らしい晩でした ^^
comment form
(編集・削除用):
管理者にだけ表示を許可
プロフィール

喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)

Author:喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)
喜洛庵寄席桟敷へお越しいただきまして、ありがとう存じます。
寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

最新トラックバック
検索フォーム
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR