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鈴本3上夜 3/6

 3月 6日(水)鈴本演芸場 夜席 『雲助江戸噺』


鈴本演芸場の3月上席夜は『雲助江戸噺』と銘打った主任五街道雲助師、根多出しの特別企画。
6日目の今夜は雲助師『淀五郎』と触れられております。
鑑賞歴の長い友人と二人、上野鈴本。


柳亭市坊 子ほめ
桃月庵こはく ざる屋
マギー隆司 奇 術  
蜃気楼龍玉 ぞろぞろ
春風亭正朝 悋気の火の玉
ニックス 漫 才  
三遊亭歌奴 近日息子
隅田川馬石 鮑熨斗

~仲 入~

林家二楽 紙切り
古今亭菊之丞 愛宕山
翁家社中 太神楽曲芸
五街道雲助 淀五郎


◆市坊 『子ほめ』
良く通る声。前座さんの高座とすれば申し分なし。

◆こはく 『ざる屋』
お家芸。
硬いですねぇ。
終始声を張り通し。
声の “表情” も、顔の表情も変化に乏しく、登場人物の演じ分けが今一つ。
今後に期待。

◆マギー隆司 奇 術
先日の国立昼席初日と全く同じ内容。
あの時はそこそこ受けていたのですが・・・
今夜の客席は相当重いですね。
  
◆龍玉  『ぞろぞろ』
開演前に『浅い時間だから “ぞろぞろ” じゃないの?』と友人と話していたのですが、 “的中” 。
十八番ですもの。文句無し。

◆正朝 『悋気の火の玉』
こちらも手慣れた演目で。
軽い味わい。

◆ニックス 漫 才
全く脈絡のない短めの話題を繋ぐ “思いつき会話” の様な展開。
街中の “ギャルトークの再現” が狙いなのかな?
それにしても “意外性” がないなぁ。
見た目が面白い訳でもなく・・・
と言って目を引く美人さんでもなく・・・
飛び切り愉快な遣り取りでもないし・・・どうしたら良いでしょうねぇ。
うむぅ。10分程度のストーリー物を演ってみれば面白くなりそうなのですが・・・。
 
◆歌奴 『近日息子』
手堅いですね。
間に挟まった出番なので、軽い調子の演目。
『巧いなぁ』と言う印象です。

◆馬石 『鮑熨斗』
仲入の馬石師は、志ん生師、馬生師以来の由緒あるお家芸の一席。
いきなり本編。
魚屋の場面を割愛しましたが、ほぼ完全版。
甚兵衛さんの壊れっぷりが尋常ではなく、気の毒な程ですがそれがまた面白い。
今夜の重い客席から笑いが弾ける好演。
『おにょにょごさま』、『なにをぉ、なにをぉ、何だっけ?』、『事情があって(裾を)まくらねぇ』
懐かしいくすぐりが満載。(多摩川へ行きますか?はなかったけど ^^)
“鮑の剥き掛け” は “のし” 。 “杖付きの熨斗” は “乃し” という事ですね。
これ、次の世代には理解出来なくなりましょうね。

◆二楽 紙切り
二楽師匠。面立ちが随分と痩せた印象。
鋏試し桃太郎、前座修行、エレキング、招き猫。
“エレキング師匠(宇宙怪獣)に前座さんがお茶を出す様子” という “奇手” を繰り出し、 “A面、B面” でお題二つを一気に片付けちゃいました ^^

◆菊之丞 『愛宕山』
膝前で『愛宕山』とは珍しい。
座敷場面、山登りを割愛し、小判投げ~一八生還を。
崖下の一八に対し下を向いて声を掛ける芸妓のこめかみ辺り、髪飾りの房が揺れる描写を扇子を使って模す細やかな演出。
この工夫で芸妓が正装で同道している様が目に浮かび、一気に現実味が増しました。
お洒落な高座。
お見事。

◆翁家社中 太神楽曲芸
和助小花のご両人。
籠と毬、傘、出刃皿、ナイフ
和助さんが『(昔は演っていたが)今は回さなくなったもの』として、輪鈴・硬貨・錦の紙入(?)などを傘の芸で演ってくれました。
今までと異なる味付けに敢えて挑戦する姿勢に好感。

◆雲助 『淀五郎』
“日千両 散る山吹は 江戸の華” と、魚河岸、芝居、吉原が栄えていた様子から。
江戸三座、中村座、市村座、森田座の賑わいから本編へ。
澤村淀五郎は芝居茶屋の倅で、相中の役者、としました。

まずもって座頭市川團蔵の威厳、迫力が凄かった。
何と言うか客席の此方も気圧される空気。
その團蔵の前で淀五郎が小さくなっている様子が、非常な現実味を帯びて伝わって来ます。

初日、返り初日と由良之助の團蔵が傍に来てくれない為、すっかり自分を見失った淀五郎が『明日は團蔵を突き殺して腹を切って死のう』と “方々暇請いに” 街を歩いていると中村座の打ち出しの音。
裏口から中村座へ入った淀五郎に対し、『紀伊国屋の親方、表から入って下さいな』と座の者の科白を挿れ、客席に “名題澤村淀五郎” を再認識させてくれます。

雲助師、『中村仲蔵、この人の事は明々後日演らせて貰いますが・・・』と客席を和ませておいて・・・
その仲蔵が、淀五郎=判官の芝居を見る様子が物凄い。
次第に表情が険しくなり、長火鉢の引出しを開け、煙管に莨を詰めるのですが、その仕種をしつつ視線は淀五郎へ厳しく向けられて・・・
ここで團蔵と仲蔵が被らない様に演ずるのは難しそうですねぇ。
何と言うかな、仲蔵は “目の表情を優しく” していますかね、雲助師匠は。

『判官はどういう気持ちで腹を切ると思うんだい?淀さん』
『く、悔しい・・・』
『そう、悔しいんだ。だけどそれだけじゃぁない。家来に済まないって気持ちがあるのさ』
仲蔵が淀五郎を諭しながら、丁寧に稽古を付ける描写に、私、目が潤みました。

翌日の判官はもう見違える出来で、惚れ惚れする姿。
いや、物語冒頭の判官だって悪い感じではないのですが、仲蔵の指摘を受けた後の発声、姿勢、空気が素晴らしく、まさに形になった印象。
成程、手を床に置き肩を落とすと勘平、膝上に手を置くと判官ですね。

下げの『待ちかねたぁ』も全く声を張らず、芝居のまま細い声で。
名演。素晴らしい『淀五郎』。


跳ねて歩きながら『前に座った所為か、雲助師の(演ずる)團蔵と仲蔵とに直に稽古を付けられている感じがしたね』
『迫力が凄くて呼吸が苦しかったよ』

いやぁ、大満足。
土曜日の『中村仲蔵』、行こうかなぁ。


Tag:落語会・寄席  Trackback:0 comment:2 

Comment

佐平次 URL|
#- 2019.03.08 Fri09:34
う~む、これは行けそうもないかな。
喜洛庵上々 URL|
#SFo5/nok Edit  2019.03.08 Fri10:11
佐平次さん
昨夜は貸切、今日(8日)は代バネで、残すところ土曜日曜の二日間ですから私も思案中です ^^;
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喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)

Author:喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)
喜洛庵寄席桟敷へお越しいただきまして、ありがとう存じます。
寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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