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長講三人の会 10/11

10月11日(木)長講三人の会 日本橋劇場

お久しぶりの長講三人の会。

前回は三月十五日でした。
桃太郎『死神』、権太楼『お化け長屋』、さん喬『おせつ徳三郎』。
桃太郎師『死神』は、最後にゴルゴ13が登場したんだな。

その前は・・・
昨年九月十五日、桃太郎『不動坊火焔』、さん喬『幾代餅』、権太楼『茶の湯』。
この時、権太楼師は噺の後半、下げに繋がる挿話を抜かしちゃったのだっけ。

変なことばかり覚えていますな。
(この記憶いささか怪しく、今夜配布されたパンフに昨年九月の記載はありません。
私が何か混同しているのかも。)

さぁ、お三人今夜はなにを掛けるのだろう、楽しみです。

◆柳家おじさん 『牛ほめ』

◆昔昔亭桃太郎 『茶の湯』
様々な話題を挟みながら愉しい高座。
桃太郎師独特の『茶の湯』に爆笑しました。

下げに掛かる「利休饅頭」のくだりで
『不味くてとても食べられないので、残りを袂に入れたのだが、油が着物に染みを作り始めた為、厠へ行って・・・』
という流れがきちんと伝わって来ませんでした。
そこだけ残念。

◆柳家さん喬 『子別れ(下)』
中をさらっと描いて『子は鎹』へ。
演者によって、上、中の挿話を同行する番頭さんに喋らせて説明する演出もある様ですが、
矢張りこうして「代表的場面を描写しつつ、粗筋をなぞる」方が、
聴き手側はより噺に入っていける感じがします。

亀ちゃんの『学級で靴履いていないのはあたいだけなんだぁ。ねぇ、この五十銭でズック買ってもいい?』なんてね
泣かせる科白、場面がそこここにあって、じわ~っと来ました。

「額の傷」「あそこの家からはお仕事を貰っているから」などの挿話は刈り込まれ、
学級(学校)で『子供は両親の下ですくすく育つものだと先生が言った』或いは、
上に書きましたズック靴の挿話等によって
母一人子一人の寂しさ、異なる環境に由来する子供社会での疎外感などを
丁寧に描き出しました。

さん喬師、亀ちゃんになりきっていましたね、お見事。

最後半、鰻屋の二階の三人の会話が堂々巡りになっているところへ
昨日の番頭さんが登場。
『いま廊下で話は聞いた』と仲を取り持って下げとなります。

この場面、女房が『勝手なことばかり言って』と、
恐らく離別以来初めてでありましょう、感情を爆発させ熊五郎を軽く責める演出なので、
仲を取り持つのが亀では役不足。
大人の第三者が登場しないと話がまとまらない訳です。
これはなかなか新鮮に感じました。

一つ、「玄翁」が最早解らないと見て「金槌」と言い換えたのかと思っていましたが、
志ん生師、圓生師の型だと金槌の様です。

素晴らしい『子別れ』でした。

~仲 入~

◆柳家権太楼 『うどん屋』
座について落ち着かない様子でもぞもぞと身体を小刻みに動かすものですから、
眩暈でも発症して大変なことになっているのではないか、と心配しました。

膝を痛めてしまったとのこと、今月二十二日に入院、手術なんだそうです。
いま辛いだろうなぁ。相当痛いのではないかしら。

「高座百遍」が信条の権太楼師らしく
今季あちこちで重ねて掛けている『うどん屋』をまた遣らせていただきたい、
と断って噺へ。

先代小さん師の十八番で、柳家の師匠方が冬場によく掛ける『うどん屋』。
喬太郎師で何度か聴いた記憶かありますが、さてさん喬師ではどうだったろう。

完成途中だと言っても、権太楼師の中でのことで
客席が『なるほど、途中ですね』なんて気づく水準の話ではありません。

ちょっと気になったのは、前半の酔っ払いとのやり取り。

今夜の権太楼師よりもむしろ先代小さん師版のほうが、
酔っ払いの登場している時間は長いのかもしれませんが、
権太楼師の口調だと酔っ払いの絡みがしつこく聞こえます。

「気のいい小父さんが祝い酒に酔った姿」に見えないんです。

もう少し刈り込んだ方が、私はより噺へ入り込める気がしました。

あと、細かいことですが
出されたうどんの土鍋の蓋を開けて、
その蓋は脇へ置き土鍋を左手に持って食べていました。

これは矢張り、置いた蓋の上へ土鍋を載せ、蓋ごと持って食べるのが本当ではないかしらん?
いまのいままで火に掛かっていた土鍋を、手で持てないでしょうから。

しかし権太楼師、熱心だなぁ。
以前、権太楼師の『百年目』に何度か続けて遭遇し、
『早く暑くならないかねぇ』と家人に愚痴ったことを思い出しました。
この『うどん屋』も得心いくまで何度も掛けて、十八番にして行くのでしょう。


今夜は『子別れ』に尽きるなぁ、と独りごちながら家路へ。





Tag:落語会・寄席  Trackback:0 comment:0 

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喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)

Author:喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)
喜洛庵寄席桟敷へお越しいただきまして、ありがとう存じます。
寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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