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鈴本7中夜 -蔵出し喬太郎作品集- 7/11

 7月11日(木)鈴本演芸場 夜席 『蔵出し喬太郎作品集』 - 引き出しの奥のネタ帳 -


鈴本演芸場中席夜は主任喬太郎師匠の “特別企画公演” 。
初席や盆興行並に前売、指定席。
その初日にやって参りました。

『蔵出し』と言うことは “持っているけれども、演る機会がない(少ない)根多を虫干しする” ことでしょうかね?
通常、独演会で企画するべき内容とは思いますが、喬太郎師の独演会というと三鷹だけ?都内は無かったかしら?
持っている根多の完成度を高める意とすれば、都内のホールで独演会を開催して、じっくり煮詰める方が後々宜しい様にも思われますが・・・
まっ、何はともあれ期待して登場を待ちましょう。


橘家門朗 道灌
柳家やなぎ 転失気
三増紋之助 曲独楽  
柳家さん助 だくだく
古今亭志ん輔 元帳
江戸家小猫 ものまね
春風亭一之輔 浮世床
林家彦いち 演題不詳、新作

~仲 入~

ダーク広和 奇 術  
橘家文蔵 呑める
柳家小菊 粋 曲  
柳家喬太郎 彫師マリリン


◆門朗 『道潅』
ざわざわ、カサカサと落ち着かない中での高座。マイク無しですから声も通らない。
気の毒ですが、これも修行か。
指定席なので、お客様が自分の席へ座ろうとすると、通路側の数名がテーブルを畳み一旦通路へ出る。今夜は仲入までこんな調子。
しかも前座さんのみならず全ての高座が “出入自由” 。
つまり噺の途中にこの “入替” があるので、落ち着かないったらありゃしない。
お客様の着席は高座返しの時間に限って欲しいですな。

◆やなぎ 『転失気』
羽織姿は初見かなぁ。
物凄く面白くなりましたね。
珍念が最初に訊ねた雑貨屋のご主人の『ね、私の口の動きを見てごらん。て・ん・し・き、ね?言い馴れた感じだろう?知ってンだよ』
なんてね。爆笑。好高座。

◆紋之助 曲独楽
多分演出だと思いますが(?)
最初の “扇の曲” で独楽を落としました。
で、芯の調整を何度も繰り返したり・・・
これはこれで面白いですね。

◆さん助 『だくだく』
他の演者は “泥棒が近視で乱視” と説明し、手探りの様子で暗がりと視力の弱さを表現しますが・・・
さん助師の場合は “まるで盲人” 。
その様が実に惚けていて好いですねぇ。
愉快な高座でした。

◆志ん輔 『元帳』
枕を長目に振った所為か、おでん種を巡る遣り取りは割愛。
お家芸ですからね、綺麗に纏めて呉れました。

◆小猫 ものまね
ものまねを繋ぐ合間の喋りが、観る度に上手になっています。
客席が大きな拍手と笑いで埋まりました。凄い!

◆一之輔 『浮世床~本』
『この芝居、前売完売で満員が約束されているですよね』
『普通ね、寄席の主任を取ると “今日はどのくらい入るかなぁ” とかね “雨降りだしなぁ” なんて気になって気になって』
『プレッシャー、凄いンですがねぇ。この芝居はそんな心配もなく・・・』
『実は私、これから池袋の主任なんですが・・・入っているかなぁ~』
本編も抱腹絶倒の面白さでしたが、枕の愚痴もちゃんと落とし噺になっていて愉快でした。

◆彦いち 『新作・演題不詳』
噺家師弟の噺。
真打になって二十二年経っているのに、師匠の細々した用事をさせられているお弟子さん、高座名どんぐり。
鬼灯市(ほおずき市)へ遣いに行ったり、玄関の掃除をしたり・・・
そこで師匠の小言。『お前の “文七元結” はなんだ?ありゃ。少しは文七の了見になってみろ!』
寄席へ向かう途中、吾妻橋で『そうだ、文七の了見になってみよう』と欄干を跨ぎ越えて・・・
時空を旅する様子や “四万六千日が二十二回ですから百万ポイント貯まってます” などのくすぐりも愉快。
傑作。

◆ダーク広和 奇 術
今夜は紐の奇術と “Tシャツの瞬時着替え” 。
赤いTシャツでしたのに背中を向けている数秒で黒Tシャツに・・・。
しかもジャケットは着たまま中のTシャツだけが替わっている。お見事。

◆文蔵 『呑める』
十八番ですから文句なし。
いきなり本編突入。これがまた小声で始めますから客席は高座へ集中。
比べちゃ野暮ですが、志ん輔師の高座とは好対照。
腕の差、ですかね?

◆小菊 粋 曲
“梅は咲いたか” から。
“両国風景” をたっぷり。
今夜は遠目でしたが(私、11列目)、いやぁ艶っぽいなぁ。

◆喬太郎 『彫師マリリン』
かなり長目の出囃子。
着座して今回の企画について『新作、古典を問わずしばらく演っていなかった噺を虫干しする意』と説明しました。
『演っていない噺っていうのは面白くないから演らなくなった訳でして・・・』
『鈴本さんも企画で縛らずに自由に演らせてくれれば良いのに』
『昨日まで主任だった天どんなんて、新作掛けたり唐茄子屋政談演ったりしているのに』
など愚痴っておりましたが・・・
天どん師に言及したところで上手中ほどのご婦人が席を立ち、帰られましたね。
その後ろ姿を目で追いながら本編へ。

この『彫師マリリン』、私は何度か聴いておりますので、 “虫干し” という感じはしませんでした。
まぁ筋を聴かせると言うのではなく、キャピキャピしたキャバクラ嬢の様子や、それと対照的な彫駒のどこか惚けた威厳などを愉しむ噺だと思います。
今夜も客席大爆笑。
そうか、忘れていたけれども最初は “彫蝶” と名付けられ “彫マリリン” を希望したら『お前で三代目だ』となるのですね。
ここの件、すっかり忘却しておりました。


跳ねて『初日の緊張感、客席の熱気、実に好い時間だった』と独りごちつつ家路へ。


Tag:落語会・寄席  Trackback:0 comment:0 

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喜洛庵上々

Author:喜洛庵上々
喜洛庵寄席桟敷へお越しいただきまして、ありがとう存じます。
寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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