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白金寄席 真夏の怪談 7/24

 7月24日(水)第185回 白金寄席 -真夏の怪談- 白金いきいきプラザ


体調が戻らぬので自重しようかと悩みましたが “手作りの会の予約をキャンセルするのはなぁ” と駅へとぼとぼ。
プラットホームでもまだ逡巡しておりましたが思い切って電車へ飛び乗りました。

寿輔師の芝居の時だったかしらん。国立演芸場で “神田松鯉、蜃気楼龍玉” と大書したチラシを手に取り、帰宅後に電話連絡をして予約をした “白金寄席” 。
昭和37年に始まった歴史ある地域寄席との事。
予約連絡も個人携帯へと言う大らか且つ簡便なシステムで、ご近所の有志が手作りで運営されている風情。
名乗って『前にもいらっしゃいましたョねぇ?』と問われた際には、思わず電話口で『巧い!』と言いいそうになりました ^^;

開演前に “その” お席亭がご挨拶。
松鯉先生人間国宝の話題、そして今夜の出演順など。
“一席づつだろう” と思っていた松鯉先生と龍玉師が『各々二席』と聞いて驚きました。
何はともあれ『真夏の怪談』、さぁ伺いましょう。


◆神田松麻呂 『寛永宮本武蔵伝~山本源東次』
尾張徳川家の剣術家、山本源東次を訪ねた武蔵。
面識もないのに『義兄弟の間柄』と取次の者に伝えるが・・・
松麻呂さん、山本源東次の男気を描いた物語を上手に演ってくれました。

◆神田松鯉 『天保六花撰~河内山宗俊 玉子の強請』
国宝登場に場内大きな拍手。
池之端の乾物屋上総屋へ病気見舞いの鶏卵を求めに来た河内山が・・・
重厚な口調。
私、自分がぐいぐいと物語に引き込まれて行きまして、何だか乾物屋の葦簀に身を潜め、一部始終を覗き見している様な気がしました。
『(講釈本の)立川文庫、あれは “たつかわ” と言うのがが本当なのだそうで・・・』
なんて蘊蓄もまた愉快。

◆蜃気楼龍玉 『真景累ヶ淵~豊志賀の死』
上がるなり『人間国宝の後じゃ演りにくい』と愚痴っていましたが、噺へ入ると一変。
この高座の迫力が物凄かった。
豊志賀を演る際の左目一眼の表情の作り方、喋り方。 “何かか乗り移ったのじゃないのか?” って感じ。

特に後半、豊志賀の看病にすっかり疲弊した新吉が、叔父の勘蔵宅へ息抜きに出る~お久と出くわし鮨屋の二階へ~お久の顔が腫物のできた豊志賀の顔にすり替わる~仰天の態で勘蔵宅へ~立てぬ筈の豊志賀が来ている~豊志賀を駕籠に乗せる~七軒町の隣人が豊志賀の死を告らせに来る~駕籠を改めると・・・・までの流れ、描写、凄かったなぁ。
またこの時の勘蔵と新吉の恐怖に満ちた表情、秀逸でした。
長講をだれさせることなく熱演。素晴らしい高座。

~仲 入~

仲入で脚を伸ばそうと立って歩こうとしましたら、Mさんがすぐ後ろにいらっしゃった。
『最前列なの?』、『最初、脇の椅子に席をとったンですが、若い方は座布団へと案内されまして』などとご挨拶。
終演後にお聞きしましたところ、こちらの席亭さんとはお友達とのこと。
『以前は500円だったのよ』。うへぇ。千円でもべらぼうな木戸なのに・・・

◆蜃気楼龍玉 『ざるや』
明るく演ってお開きに、といったところ。
お家芸を愉快に。

◆神田松鯉 『小幡小平次』
芝居絡みの読み物を。
当て推量ですが、今夜の客席へ松鯉先生ご自身の人生の一端を語っておこう、という意図があったのではないでしょうか。
役者時分のお師匠さん、中村歌門丈の話題(歌門丈の実父が二代目談州楼燕枝師)や役者の世界の激しい身分差などを紹介しながら本編へ入って行きました。
ここでも『役者の世界で旅興行へ出まして次の興行が決まらず、宿に引き籠ることを“鳥屋(とや)に就く”と言いますが・・・』
『この鳥屋と申しますのは花道の揚げ幕の奥の小部屋のことでして・・・』
他にも外郎売の長科白の話など蘊蓄沢山で嬉しかったなぁ。

本編に入りましても市川團十郎、生島半六、その妻おちか、小平次、そして太九郎といった登場人物を解りやすく整理して語ってくれました。
小平次の留守に懇ろになった太九郎をそそのかすおちかの媚態なども素晴らしかったなぁ。
いやぁ、恐れ入りました。
読み切りの僅か前に携帯電話が鳴ったのが惜しまれます。


跳ねて、慣れぬ胡坐で痛む股関節が伸びないかしらんと蹴とばす様に歩きながら、白金高輪駅へ。

Tag:落語会・寄席  Trackback:0 comment:0 

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喜洛庵上々

Author:喜洛庵上々
喜洛庵寄席桟敷へお越しいただきまして、ありがとう存じます。
寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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