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さん喬十八番集成 第一夜 10/23

10月23日(火)さん喬十八番集成 第一夜 日本橋劇場

新しく始まったさん喬師匠の会。
会の命名から、従来の集大成、とも読めますし、
老年期へ向けて根多を絞って完成させて行く、とも解釈出来ます。
さぁ、どんな感じなのかまずは一見。
家人と連れ立って日本橋劇場へやって参りました。

早めに到着して待機していましたら、係の方が『先にチケットを切りましょう』と半券と引き換えにパンフレットを手渡してくれました。
それを見てびっくり。
挙げられた十の演目から二つを選び投票、その投票数の上位二演目を口演するというのです。

十の演目は次の通り。
1二番煎じ 2宿屋の仇討 3文七元結 4福禄寿 5芝浜 6掛取り 7寝床 8木乃伊取り 9お直し 10夢金
さて、皆さん何に投票されたのかな?

◆柳家さん坊 『道灌』

◆柳家喬之進 『のめる』
愉し気に調子よく噺を進めます。
面白かったなぁ。

◆柳家さん喬 『たちきり』
まず、演目の投票について。
結果を集計して『次回の』演目を決めるとのこと。
なるほどそうかぁ。
まぁ、今夜あたりかなり涼しいと言っても『掛取り』は早すぎるものなぁ。
てっきり今夜の投票が「即日開票」されて反映されるのかと、勘違いしておりました。

好みの演目に丸をつけ提出してしまったので用紙は手元にありませんが
残しておこうと撮影した文面にちゃんと『次回は』と書いてある。
早とちり恥ずかしい~、老眼鏡がそろそろ必要かも・・・。

またこの会について「十八番」の語源の蘊蓄を語りながら、根多おろしも含めて考えている旨説明がありました。
という訳で、修行時代の「悪戯」「遊び」の枕(これ長かったなぁ)を経て、花柳界の花代、線香の説明、そして『たちきり』へ。

芸者と若旦那の相惚れを強調する為にか、小糸が女将に問う『おかあさん、若旦那へお手紙をお出ししてよろしゅうございますか』の言葉を数回(八十日間あまり、朝夕に手紙を出すのですから、実際の小糸と女将の会話ではこうして繰り返されたのでしょうけれども)繰り返します。
ちと、くどかったですねぇ。

これ、直接話法で女将が小糸の口真似を交えて若旦那へ説明している場面な訳です。
若旦那を前にして、女将がこれだけの繰り返しを小糸の調子でするのは有り得ないでしょう。不自然な感じでした。

あと女将はもっと淡々としていなければ、泣かせにもっていけないのじゃぁないかなぁ。
「小糸の最期を淡々と語る毅然とした風情の女将」の方が、私は入っていけるのですが・・・。
つまり「小糸の口真似をしている女将」と「地で若旦那と話す女将」とは、もっとはっきり調子が変わらないとおかしいと思うのですがねぇ。
女将があまりに愚痴っぽいと噺が壊れますね。

登場人物の描写、演じ分けは流石の至芸と感じます、とくに若旦那の表情の移り変わりはお見事でした。

好かったけれど、長かったなぁ~。

~仲 入~

◆柳家さん喬 『井戸の茶碗』
黒紋付で登場。
これは侍の噺だなぁ、何だろう。と思案しておりましたら屑屋の枕を振って『井戸の茶碗』へ。
一席目の『たちきり』に全力を出したのか肩の力の抜けた様子。
喬太郎師を彷彿させるくすぐりも入れて愉しく噺を進めました。

高木作左衛門が窓から笊を降ろして仏像を買うのではなく、
初手から屑屋清兵衛を座敷に招き入れるのが目新しかったですね。

また、この場面と演出上は繋がるのでしょうけれども
枕で屑屋の身分について仕込んで、下げにつながる最後半で
『あたくしの様な者がお侍さんの仲立、仲人をしてよろしゅうございますか』『孫子の代までの誉れで・・・』とやっていました。

屑屋に力点を置く意図は分かりますが
正直清兵衛の人柄や、高木作左衛門、千代田卜斎が清兵衛に寄せる信頼感などは、それこそ先程の『たちきり』の様に噺の中の会話などで描写すべきことなのではないかなぁ。
言わずもがなの蛇足、駄目押しの演出と感じました。

この描写、言葉がなければ屑屋清兵衛が端なる使い走りになってしまう、と感ずるならば、それは噺の組立に問題があるのだと思います。



跳ねて外へ出てみれば、相当降ったのでしょう路面に水溜まり。一面に光っています。
中で聴いているうちに降ってくれて良かった、など家人と言い合いながら家路へ。





Tag:落語会・寄席  Trackback:0 comment:0 

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喜洛庵上々

Author:喜洛庵上々
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寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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