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名作落語の夕べ 11/3

11月 3日(土)第百二十二回 名作落語の夕べ にぎわい座

前館長時代には毎月のように通っていた「名作落語の夕べ」ながら
このところすっかり足が遠のいていました。

前回伺ったのは正月七日。
この時は、三三師『釜泥』、白酒師『お見立て』、歌丸師『井戸の茶碗』『紙入れ』
(歌丸師二席なのは夢之助師が抜いた為)という「三人四席」でした。

さて今夜は
芸術協会から圓馬、柳好、落語協会から圓窓、馬石の各師匠が登場。

落協側の出演者が発表されぬうちに(芸協の二人の根多も未発表でした)
圓馬師目当てで予約していたところ、
なんとありがたや、古今亭十八番『抜け雀』で馬石師登場。
柳好師『味噌蔵』、圓馬師『付き馬』、圓窓師がいかにもと言う感じ『瓢箪屋政談』でご機嫌を伺います。

◆笑福亭明光 『手紙無筆』
今年四月、ここにぎわい座の鶴光一門会以来。
その一門会でも感じましたが、非常に上手でまた高座度胸もいいのでしょう。
今夜も達者な口調で笑いを起こし客席を温めました。

◆隅田川馬石 『抜け雀』
調子が整わない時の馬石師は、少しせかせかした口調になりがちですが
今夜はゆったりとした口跡。
絵師親子をじっくり描き込んでくれました。

一方、相模屋夫婦の描写は主人と絵師親子との絡みに重きを置き、女将は略筆。

おっ、と思ったのはこの相模屋主人の人物像。
一面的な描き方ではなく、例えば若絵師が一文無しと判った刹那の主人の表情、言動など、実に活き活きとした描写でした。お見事。

白酒師の型とは違い、墨は主人が摺りますが、
衝立は白酒師と同じく絵師の指示で主人が傾げ、斜めに固定します。

絵師親子の武張った様子や侍親子である上に師弟関係でもあるこの二人の描写が誠に丁寧で、なるほどこれならば若絵師が衝立に頭を下げても、全く違和感がありません。

一つだけ・・・
相模屋主人が墨を摺る場面。
『いい匂いがしますなぁ』の言葉の折りに、もう少し顔を上げて喋ったら如何でしょう。
特に老絵師の時には、既に相模屋は「雀のお宿」として大盛況、
大変な繁盛ぶりで主人は精神的にもかなり余裕がある訳です。

一心不乱に(というより自棄になっている訳ですが)墨を摺るのは若絵師との場面にとどめ、老絵師の墨を摺る時には顔を上げて会話をする演出ならば、客席は相模屋の変化をより明確に感じられましょう。

また、顔を上げ前を向いて鼻をぴくつかせることで、更に笑いも生まれると思います。

相模屋主人の人物描写、
それと絵師親子がそれぞれ雀と鳥籠を描く場面での写実的筆運びなど、
随所に馬石師苦心の工夫の見えた見事な『抜け雀』でした。
素晴らしかった。

◆春風亭柳好 『味噌蔵』
明るい芸風に磨きがかかった感じ。愉しげに演じてくれました。
主人が出掛け、番頭以下使用人全員が「どがちゃがで意見一致」の場面の表情が飛び切りでしたね。
好演。

~仲 入~

◆三遊亭圓馬 『付き馬』
先代馬生師の型と見ました。
言わば古今亭流の『付き馬』。
こちらも面白かったなぁ。

「相撲が逝くよかしょうがない」は若干言葉を替えて「相撲取りでも死ななけりゃ使えない」としていましたが、
ここは早桶屋の親方の呟きですから、説明的ではなくても良かったかも。

しかし期待に違わぬ好高座でした。

◆三遊亭圓窓 『瓢箪屋政談』
まず最初に、元々講釈根多で六代目一龍斎貞丈先生から噺に直す前提で教わり、下げをつけた、と噺の由来を説明してくれました。
その下げがまた秀逸。
実にいい噺にまとまりました。

粗筋を追うことは敢えて避けますが
商家の身代を巡る跡取り騒動。
俳句で謎解きの大岡裁き、面白かったなぁ。


今夜は出演の四師匠がともに持ち味を充分に発揮して、力のこもった高座を見せてくれました。


跳ねて外は寒風。
思わず少し背を丸め歩きながら、家人と同時に第一声『良かったねぇ~』。

家人は馬石師『抜け雀』が最も印象に残ったとのこと。
う~ん、私も同感ながらもう一席、
圓窓師『瓢箪屋政談』も上げておきましょう。
しかし今夜は四席ともに素晴らしかったなぁ。
大満足。





Tag:落語会・寄席  Trackback:0 comment:0 

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喜洛庵上々

Author:喜洛庵上々
喜洛庵寄席桟敷へお越しいただきまして、ありがとう存じます。
寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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