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国立名人会 11/24

11月24日(土)第359回 国立名人会 国立演芸場

『十一月下席が空いちゃったですねぇ~』と寄席、落語会の香盤を眺めておりましたら、国立名人会が興味深い顔付け。
家人と連れ立って国立演芸場へやって参りました。

◆三笑亭夢七 『二人旅』

◆五明楼玉の輔 『代脈』
玉の輔師ならば、さぞや悪戯好きで抱腹絶倒の銀南に仕立ててくれるだろう、とかなりの期待をしておりましたが割合に「まとも」でした。
それでも伊勢屋へ代脈に出掛ける前までは銀南の茶目っ気が垣間見えて予兆を感じたのですが、後半時間が押したのかなぁ。大袈裟な演出はなく、下げまで一気に行きました。
ちょっと期待し過ぎちゃったかな。

◆古今亭菊丸 『天狗裁き』
端緒の夫婦喧嘩から隣人との喧嘩を丁寧に演出し、家主仲裁から喧嘩そしてお白州は少し略筆にした感じ。
天狗との絡み場面は迫力満点の描写。女房を含め登場人物を見事に演じ分け、噺に真実味を持たせました。
好演。

◆五街道雲助 『付き馬』
素晴らしい出来。
妓楼へ上がる前から次から次へまくし立て妓夫を煙に捲く客。翌朝もまた喋ること喋ること。少しでも間が開いて妓夫の疑念を察知すると、『この眼をみてごらん、嘘をつく眼ですか』と繰り返します。
とにかく、あれだけ調子よく喋られちゃうと誰しもがぼんやりしてしまうであろう、と思う程に言葉を並べ立てました。
湯豆腐で一杯やって妓夫に払わせ、お運びの尻は自分が撫でるという調子良さ。これは真似出来ませんな。まったく凄かった。

勿論基本は志ん生師から馬生師へ伝わる古今亭の伝統型。
本所生まれの雲助師らしく、『雷門と言うが門は見た事がない』とこだわりを入れました。

早桶屋のおじさんと妓夫の噛み合わない会話場面。私ここでの、馬生師演ずるおじさんの表情、仕種が大のお気に入りだったのですが、雲助師も踏襲してくれました。懐かしかったですねぇ。

二十三円六十五銭の勘定を最初六十三円二十五銭と言い違えたのですね、途中で直していました。
六十円で通してしまっても好かったのでしょうが、早桶屋の場面直前に『三十円、十円札三枚、釣りは貴男に』との台詞があるので直したのでしょう。
『おやっ』と思いましたが、大勢に影響ありませんでした。

いやぁ、堪能したぁ。

~仲 入~

◆三遊亭右紋 『五人男』
会社創立五十周年記念会の余興出し物を思案する五人組のどたばた。

菊池寛の「父帰る」が演目候補の第一番に挙がるなんてところから推測すると、戦前からある作品なのかしら。
私は、柳昇師の著作の中に記述されている入院中の傷痍軍人たちの素人芝居風景。そしてその演目が「父帰る」だったことを思い出しながら聴いていました。
この噺、かつては白浪五人男の口上場面でどっと沸いたのでしょうが、残念ながら今ではわかりにくくなりました。
しかしそこは手練れの右紋師。
明るい口調で愉快に進め客席を沸かせて下がりました。

◆林家今丸 紙切り
鋏試し恵比寿様、相合傘、皇居のマラソンランナー、十五夜兎の餅搗、宝船。
「相合傘」と「皇居のマラソンランナー」は客席からの声に応えたもの。秀逸。
また「十五夜兎の餅搗」「宝船」の両者はかなり細かい工夫が施された見事な出来でした。
お客様の似顔(高座姿)を切ってお開き。
丁寧に細部にまで凝った紙切り、お見事也。

◆三笑亭笑三 『火事息子』
お久しぶりです笑三師匠。
まだまだお元気。大いに客席を沸かせます。
蔵の目塗り場面、番頭さんが折釘にまるで人形の様にぶら下げられる描写が目に焼き付いているのですが、そこは割愛。
あの人形振り、好きなんだけどなぁ。残念。
後半、母親(二十四五の息子の母親というより、むしろ老婆の演出でしたが)が出てきてからがまさに『笑三師の火事息子』ですね。
好演でした。



家人はお目当ての雲助師が素晴らしい出来でしたので至極満足の様子。
また菊丸師『天狗裁き』に感銘を受けたとのこと。
私も同感。
面白かったなぁ。

国立劇場の方から吹き抜けてくる寒風に背中を丸めながら『日が短くなったねぇ』など言い合いながら家路へ。





Tag:落語会・寄席  Trackback:0 comment:0 

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喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)

Author:喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)
喜洛庵寄席桟敷へお越しいただきまして、ありがとう存じます。
寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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