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鈴本12上夜 12/1

12月 1日(土)鈴本演芸場 夜席
『雲助 冬のお約束』

鈴本12上夜は『雲助 冬のお約束』と銘打った五街道雲助師の根多出し興行。
初日は『宿屋の富』

三遊亭わん丈 子ほめ
金原亭駒次 生徒の作文
ストレート松浦 ジャグリング
蜃気楼龍玉 鮑熨斗
春風亭正朝 狸札 (ホームラン出番交換)
ホームラン 漫 才
橘家圓太郎 化物使い (桃月庵白酒代演)
宝井琴調 赤垣源蔵徳利の別れ

~仲 入~

アサダ二世 奇 術
桃月庵白酒 元帳 (入船亭扇辰代演)
柳家小菊 粋 曲
五街道雲助 宿屋の富

◆わん丈 『子ほめ』
私、わん丈さんの高座は初見かしら。
抑揚の効いた口調、豊かな表情の『子ほめ』で客席を温めてくれました。達者な前座さん。

◆駒次 『生徒の作文』
枕で師匠の志ん駒師の話題が出ましたが、七十五歳になられますか。
近頃高座を拝見しないけれどもお元気でらっしゃるのかなぁ。

この『生徒の作文』。私、初めて聴いた時に『これは傑作ですよ』と感心しきりでした。
現代版痴楽綴り方教室とも言えましょう。今夜もまたまた大いに笑わせて貰いました。

◆ストレート松浦 ジャグリング
いつ観てもお見事。
今夜はピン、コップなど私は初見のジャグリングを披露してくれました。
トークも冴えていましたね。

◆龍玉 『鮑熨斗』
一門のお家芸且つ自らの十八番を愉しく。
女房のおみつの細かい仕種が、いつ観ても素晴らしいですねぇ。
好演。

◆正朝 『狸札』
正朝師が高座へ上がると「寄席に来たのだなぁ」と実感します。いつものように飄々と愉しく演じました。
私、正朝師のこういう軽い調子の噺がお気に入り。今夜もくすっと笑わせてくれました。

◆ホームラン 漫 才
テレビショッピングなど、お馴染みの根多に新根多を織り交ぜて。
面白かったなぁ。

◆圓太郎 『化物使い』
因業ではなく、とにかく細かいが嫌味の薄い御隠居。この味の方が聴き易いですね。
どこをどう縮めたのだろう、きちっと寄席の尺。お見事。

◆琴調 『赤垣源蔵徳利の別れ』
今夜は旧知の友人を誘っての寄席でしたが、道々『講釈は義士ものでしょうね』などと『演目予想』しておりました。
実は私、この『徳利の別れ』が大のお気に入り。聴きながらじわっと来ました。
好かったなぁ。

~仲 入~

◆アサダ二世 奇 術
練達の寄席芸を堪能。
最初、胸ポケットからチーフを出す際、お約束で小さなロープ片がチーフと一緒に飛び出てしまいますが、今夜はそれが高座上にとどまらずに客席まで飛んでしまった模様。
最前列のお客様がそれを拾って、チーフの手品が一段落した時に『落ちましたよ』と声掛けして渡しました。
これに客席が大沸き。
アサダ先生も大喜びしていました。
続いてロープ。最後にパン時計。お見事。

◆白酒 『元帳』
枕で前方のアサダ先生を散々いじり、怒ったアサダ先生が楽屋から高座へ再登場して抗議するという小芝居。
こんな外連も寄席らしくて愉しいですね。

噺で感心したのが酔っ払い亭主の右手の動き。
膝に置いた右手が時々滑り落ち、姿勢が崩れ身体が揺れる訳です。
表情や口調のみならず、こうした細かな仕種があって初めて酔っ払いの描写が正確な物になるのですね。
好かったなぁ~。

今夜の龍玉師『鮑熨斗』そして白酒師『元帳』。古今亭金原亭のお家芸がこうして一門の師匠方に立派に受け継がれているのを観ると、なんですかとても嬉しい気持ちになります。

◆小菊 粋 曲
季節も変わり、小菊姐さんの演目もだいぶ入れ替わった様子。
違わないのはその艶やかな高座姿と唄、三味線の至芸。
今夜もしっとり聴かせてくれました。

◆雲助 『宿屋の富』
原型は志ん朝師かしら。お馴染みのくすぐりを散見しました。

とにかく素晴らしい出来。
端緒、宿屋での法螺吹きからして大笑い。

富突きの湯島天神境内場面、二番富が当たると神様のお告げのあった若い御仁。一反の布で大きな財布を拵え、細かにした五百両を入れて・・・とお馴染みの皮算用。
この人の前後に確か『当たったら家を買って庭に池を拵え、池を酒で満たしスルメを口に咥えて飛び込む』人やら、他にも賑やかな皮算用連が居たと思いますが、今夜はこの「幻の二番富身請話」を長屋風景まで丁寧にやって場面を終えました。

一番富は『子の千三百六十五番』
しょうことなしに散歩へ出た一文無しが、皮算用連の去った境内へふらり。
念の為と懐から札を出し、当たり番号と手元の札を突き合わせます。
端から『当たる訳がない』と思い込んでいますので、自ら声に出して読んでいる『子の千三百六十五番』と手にしている『子の千三百六十五番』が仲々一致しません。

この場面、志ん朝師の「読みの抑揚を若干変える」演出ではなく、雲助師は同じ抑揚で番号を読みますが・・・。

驚いたのはこの直後。
『当たらねぇ~や』と札を足下に捨ててしまうのです。
で、名残惜しい風情で今一度当たり番号の貼紙と足下の札とを見比べ、初めて当たりに気づく、そんな演出でした。

これは私、初めてですねぇ。
雲助師の工夫かしら。
札を捨てた瞬間、びっくりしました。

また、地面へ捨てた札と頭上の貼紙とを見比べるこの演出。
眼の動き、顔の動き、身体の仕種が手元の札を見る時よりも『大きく』『大振り』となり、雲助師の個性が強調される様に思いました。

この札を拾い上げ、大切に手に持ち、息を吹きかけ土を払う仕種もまた秀逸。

面白可笑しくも『好かったね』と一文無しと宿屋の亭主に声を掛けてあげたくなります雲助師の『宿屋の富』。
千両の当たりがわかってからは、一気に下げまで畳み掛けます。
お見事。
すっかり「雲助ワールド」へ引き込まれました。



跳ねて外は冬本番を予感させるかなりの寒さ。
思わず上着の襟を立てて歩きながら、早速友人と“感想戦”。
友人は、駒次さん、龍玉師、正朝師、ホームラン、小菊姐さん。私は白酒師、雲助師の名を挙げ、語り合いながら家路へ。






Tag:落語会・寄席  Trackback:0 comment:0 

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喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)

Author:喜洛庵上々 (きらくあん しょうしょう)
喜洛庵寄席桟敷へお越しいただきまして、ありがとう存じます。
寄席、落語会、舞台などの鑑賞記を綴って参ります。

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